みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
6.気がつけば、僕自身が30代後半。“アラフォー”なんて実感はまるでないが、人生の時間なんてものは、そんな感覚などお構いなしに瞬く間に過ぎていく。 時間は往々にして無情だけれど、それでも人間として歳を重ねるからこそ見えてくるものや、感じられるものは確実にあり、それはそれで悪くないなあとようやく思え始めてきた。 この映画「男はつらいよ」シリーズの第一作に登場する主人公“車寅次郎”は35歳。 まさに自分自身がこの国民的主人公の年齢に追いついた頃合いで、初めての鑑賞に至った。 数年前から観よう観ようとは思っていたのだが、いざ観てみたならば、やっぱり「最高」の一言に尽きた。 ただし、この充足感は、若い頃に観ても感じ取れなかっただろうなとも思う。自分自身がこの映画を楽しむにあたり「年相応」になったのだなということを同時に感じた。 大満足の初鑑賞を終えて、知ったことが二つある。 一つ目は、“車寅次郎”という男が、想像以上に圧倒的な「大馬鹿者」であるということ。 20年ぶりに会った親族や知人が、尽く「ほんとに馬鹿だねえ」と嘆き続ける通り、この男の“ダメ人間”ぶりは正直目に余る。こんな男が親族に居たらそりゃあ大迷惑だろうと同情せずにはいられない。 だがしかし、だ。 それでもこの主人公は「寅さん」「寅ちゃん」と愛され、慕われている。 その大いなる「矛盾」を内包しつつ、キャラクターとして成立していることがまさにこの作品の“奇跡的”な娯楽要素であり、国民的映画シリーズとして何十年にも渡って描き続けられた理由に他ならないと思う。 その奇跡的娯楽を己の身一つで体現しているのが「渥美清」という名優であることは言うまでもない。 実際、どこまでが台本通りで、どこからがアドリブなのか、その境界線がまったく判別できないくらいに、この偉大な俳優は“寅さん”という稀有なキャラクターを、あくまでも自然体で息づかせている。 だからこそ、作中の「とら屋」の面々同様に、我々観客も、寅さんの言動に対して「馬鹿だねえ」と連呼しつつも、何だか安心して、愛着を持って、いつまでも観ていられる。 そして、二つ目は、妹“さくら”を演じる倍賞千恵子の、これまた“奇跡的”な可愛らしさだ。 「幸福の黄色いハンカチ」や「遥かなる山の呼び声」など他の山田洋次監督作品で、その薄幸の美しさは存じ上げていたが、今作の倍賞千恵子もとい“さくら”は只々キュート過ぎる。 言っちゃいないが、「僕の妹がこんなに可愛いわけがない」と再会時に目を丸くする寅さんの気持ちがひしひしと伝わってくる。まさに「アニメかよ!」と言いたくなるくらいに常軌を逸した可愛さである。 この「男はつらいよ」という映画は、“寅さん”の悲哀に泣き笑いする映画であると同時に、“さくら”を愛でる映画であるということを痛感した。 兎にも角にも、笑いと涙のつるべうち。 名優と名監督による「偉大」な娯楽映画であることを思い知った。 公開されたばかりの“まさかの最新作”を含めて同映画シリーズは全50作。 全作鑑賞までの道のりは長いけれど、これから自分の人生と重ねつつ、“同年代”の車寅次郎を追っていくのも悪くない。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(邦画)] 10点(2020-01-11 17:51:23) 5.世界最長の映画シリーズ第一弾。元々テレビドラマシリーズがあったにもかかわらず、 当時のネットワークシステムでは、視聴出来ない地域があったから、この映画で、 「車寅次郎」の名は、全国に知れ渡る事になるが、シリーズ化される事など、当然では あるが決定されていない。むしろ、この一作で終わりになると予想していた人の方が、 多かったかもしれない。 破天荒で傍若無人な寅さんの姿に驚かされる。後に描かれる寅さんの「いい人」な部分は 微塵も感じられないし、むしろこんな人物が親戚にいる事が恥ずかしくなってしまうのだが、 それでも寅さんが愛されるのは、思った通りに行動し、義理人情に厚い部分にあるだろう。 そう、誰だって寅さんみたいになりたいのだ。みんな自分に正直に生きてみたいのだ。 世間体なんて言葉に煩わされず、正直に生きる寅さん。皆にあこがれられて当然だ。 さすがに映像は古いが、以後のシリーズ化に必要なものが、この一本に凝縮されている。必見。 【Acoustic】さん [DVD(邦画)] 10点(2013-04-08 21:55:30) 4.文句無しの第一作。これを見ずしてシリーズ作品を見てはいけません。ってか第一作は必ず最初に見て欲しい。寅さんの黄金パターンはここから徐々に始まっていきます。博は1作目からかっこいいです(超私的)。で、それから何本かシリーズを観て、再度この1作目を観るとこれがまたなんとも懐かしい感覚で楽しいのです。親戚のアルバムを観ているような不思議な感覚。そうなるとシリーズ全作観たくなっちゃいますよ。しかし今作、さくらの見合い相手が広川太一郎さんだとは気付かなかったりなんかしちゃったりなんかして~。←気付かなかった当人 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 10点(2012-05-13 01:56:49) 3.日本全国の観衆に感動・誇り・人の心の暖かさ・生きてゆくことへの活力・涙等を約25年間与え続けた上、邦画の低迷期に唯一その存在意味を知らしめたこの長寿シリーズが無ければ多分日本における「映画」文化は没落したであろうし、庶民文化としての「落語」というジャンルは壊滅の道を歩んだものと自分は思っている。そんな愛すべきこの作品にどうして低い評価をつけられようか。そういった点も含めてこの点数。 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 10点(2008-10-18 22:19:24)(良:3票) 2.まだ中学生の頃、私は遠い異国の日本人学校に通っていました。日本の友達と別れ、学校にもまだなじめず、映画を観に行っても字幕もないので良く分かりません。 そこには現地の日本人の集まりみたいなものがあって、定例行事として日本映画の日に「男はつらいよ」シリーズを上映していたのです。皆さんは想像できるでしょうか?遠い異国の地で鑑賞するこのシリーズが、どんな想いを異国の日本人に届けてくれたかを。故郷を離れ、みそ汁が懐かしい人々が一同に集まってこの映画を観るのです。どんな映画だろうと、日本語の映画というだけで十分満足なのに・・。私は、「観客が完全に一体となって一つのものに共感する」、という映画鑑賞の最も素晴らしい特質の頂点を、中学生にして味わったというと大げさでしょうか?隣に座っている親父はいつの間に涙でぐちゃぐちゃです。「泣きながら笑う」という新たな、心地よい感情は、この時身に付いたのかな、と思います。また、日本人としてのアイデンディティが、暖かくポジティブなものとしてDNAに植え付けられました。大げさですが。 私にとって、今でも日本人とは、とらやに住んでいる暖かい人々であり、ヒーローとは寅さんであり、美人とは、倍賞智恵子を指します。映画のレビューは思い出と深く結びついているものだから、古い映画程点数が高くなりますよね。当時の私は、この映画とこのシリーズを世界一愛していた観客たと断言できます。数十年後、このシリーズを貫徹で鑑賞したので、今の私としてこのシリーズに冷静に点数を付けたいと思います。あの頃の私に戻って採点したら採点不能となると思うので。 【正義と微笑】さん [映画館(邦画)] 10点(2008-10-04 19:03:50)(良:6票) 1.男はつらいよはみんな面白い!!47作続いたのも分かる気がする。 【カトエ】さん 10点(2003-06-13 17:33:32)
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