みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(4点検索)】
2.周防監督の作品という事だけで、予備知識なしで期待して鑑賞しました。折井綾乃(草刈民代)と江木泰三(役所広司)の信頼関係がもしかしたら恋愛感情を含むものではなかろうかと思いながら鑑賞しましたが、はっきりとそう伝わるシーンも無く、ただ患者と医者というだけの信頼関係が映像と台詞から伝わってきました。江木泰三を殺す事になってしまう行動は、折井綾乃の失恋後の40歳過ぎた独身女性の孤独と心の闇や、医師としての患者に対する想い、自分の存在意義に対する自我の爆発、など色々なものが混じり合って行動に出たのだと思いました。江木泰三は死後、折井綾乃をこういったかたちで苦しめる可能性が少しでも分かっていたなら、自分の意思を、言葉やメモ書きだけではなくリビング・ウィルとしてしっかり残すべきだったと思います。それが主治医に対する誠意だと。大沢たかおは演技をみて、14年前のドラマ「美しい人」の狂気に満ちた演技を思い出しました。それだけ印象に残る演技でした。今回の映画はテーマがテーマなだけに、「それでもボクはやってない」みたいに、身近で自分の立場に置きかながら鑑賞いう事は無かったですが、今まで考えた事のない「尊厳死」に対して少しだけ関心をもつようになりました。 【N.Y.L.L】さん [DVD(邦画)] 4点(2013-06-29 17:27:43) 1.本作がテーマとしているのは「尊厳死」です。 しかし本作は、主人公のやった行為が尊厳死にあたるか否かを模索するようなサスペンスではありません。 キャッチコピーなどでは「医療か、殺人か」という二者択一をしているように思えますが、本作で提示される行為は明らかに「殺人」です。 「それでもボクはやってない」の主人公が冤罪であることと同じように、真実を明らかにした上での物語作りなのです。 しかし・・・自分は「それでも~」が大好きなのですが、本作品では拒否反応を起こしてしまいました。 本作の一番大きな問題点は、主人公の女医に感情移入がしにくい(できない)ことです。 前述のとおり主人公の行為は明らかな殺人なのですから、そうせざるを得なかった、そうなってしまった経緯を細やかに描かなければ、共感することができないと思います。 しかし、本作の主人公にはその説得力があまりにもありません。 殺人を犯した主人公が、どういった経緯でそれを行い、どのように糾弾され、反論するかが見所のはずなのですが、この描写ではそれも上滑りしてしまっています。 最悪なのが、肝心の患者を看取るシーンです。 このときの主人公の描写は本気でひどく、リアリティのある映画を撮ってきた周防監督の仕事ではない、とさえ思いました。 もうひとつの大きな欠点はとにかくだらだらと長いこと。 本作の上映時間は2時間24分ですが、その時間をかけた割には描ききれていないことが多く、同じ訴えを何度も繰り返しているようにも見え、正直前半はかなり退屈です。 役者の「ゆっくりした台詞」が多い演技は見所のひとつですが、あまりにもテンポが悪くてストレスがたまります。 加えて本作にはストーリー上の起伏があまりなく、「それでも~」のような娯楽性はありません。 ラストシーンにも正直がっかりしました。 これだけ長い時間をかけて、最後に提示されることがこれなのか、と。 あまりにバランスの悪い構成に辟易しました。 本作にはいいところもたくさんあります。 役者の演技は素晴らしく、特に大沢たかお演じる検事の「凄み」には圧倒されました。 だからといって、オススメはできません。尊厳死を考える目的では意味はありますが、その本質にはたどり着いていない、残念な作品です。 【ヒナタカ】さん [映画館(吹替)] 4点(2012-10-30 01:09:47)(良:1票)
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