みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(6点検索)】
1.『座頭市〇〇旅』という定番のタイトルですが、前後のシリーズ作品は「新座頭市」と題されている、そんな頃の作品。大映は倒産し、勝プロダクション製作で東宝が配給。 一応、監督が森一生なんだから、シリーズ源流からの流れを汲んだ作品には違いない、はずなんですが、監督だけでどうにかなるものでもなく、ややチープな雰囲気が。テレビ時代劇っぽいんですね。音楽も何だか軽いノリだし。残念ではありますが、仕方がない。逆に言うと、ここまでグレードを下げてでも続けられてしまうのが、座頭市シリーズというコンテンツの持つ強み、ということでもあるのでしょう。 何者かに襲われ瀕死の女性が、死の間際に赤ちゃんを産んで、座頭市がその赤ちゃんの世話をしながら、親の元に送り届ける、というのがお話の発端。この「赤ちゃん」の人形丸出し感がもうすでにイヤな予感しかない。何とも安っぽいなあ、と思っちゃうのですが、こういう安っぽさが映画全編を貫いています。 とは言え。オハナシ自体はよくできている、というか、ちゃんとツボを突いてくるので、それなりに楽しめてしまいます。座頭市の親切心が彼を困難に巻き込んでしまう、ということで、「座頭市はただの人のいいオジサンではなく、その裏に悪魔的な顔を持っていて欲しい」と思ってしまう私としては、イマイチな印象はあるものの、彼がシガラミにとらわれていってしまう様は、やはり目を離せないものがあります。 何よりこの、三國連太郎のワルそうなこと。極悪、などというようなサバサバした悪ではなく、陰鬱、陰惨、といった言葉の方がよく似合います。この悪役との対比として、座頭市のキャラから暗さが取り除かれているのかも。さらに親分がワルければ子分もワルそうで、石橋蓮司に蟹江敬三。 座頭市と悪党どもとの間に立つ目明しの森繁久彌も存在感を示し、そうなると、剣豪の用心棒・高橋悦史は、正直、出てこなくてよかったんじゃないの、と(このアクの強い顔、無意味に目立ってしまう・・・)。しかし蛇足のごとき彼の登場も、言ってみれば、この作品のサービス精神の表れ。存在を忘れた頃に出てきてくれるので、ちょいと嬉しくなります。 これで、作品の出来がもう少し良くって、気が散らなかったらなあ。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2025-03-02 09:17:39)
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