みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
10.大映専属だった山本富士子に「彼岸花」(10点)へ出演してもらった返礼として、翌年小津監督が大映に赴き撮った唯一の作品及び唯一の自作リメイク。妖艶になる、あと一歩手前時期の若尾文子がなんとも可愛らしい。いや、京マチ子にせよ野添ひとみにせよ、女優陣みんなそれぞれにいい。大映現代劇特有の、あのねっとりしたカラーが小津監督タッチによって若干浄化されたようなイメージ。小津監督の他社作品「小早川家の秋」(宝塚映画)「宗方姉妹」(新東宝)を観ると、松竹作品全般に感じられる、窮屈な「縛り」みたいなものから、ほんの束の間解放されたかのような自由な空気感を感じます。もちろんその「縛り」が21世紀になっても評価が全く衰えない小津作品の真骨頂だとは思いますが、この作品とか観ちゃうと、息抜き的に他社でこしらえた作品をもっと観たかったなあとも思います。流石に東映とは合わなかっただろうけど。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-08-26 07:53:34) 9.テンポがようござんすねぇ、耳に残る心地よさと、美しい風景、行ったこともないのですが懐かしいと感じずにはいられなかったです。相性のよい映画でした。 【HRM36】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-12-25 17:55:08) 8.小津作品は過去に山田洋次監督推薦シリーズで2本ほど観ましたが、私には男女や親子間の人間臭い関係を艶っぽく描いた今作の方が面白かったです。この時代の邦画は棒読みのようなセリフが良く見受けられますが、今作でも演技を含めて清役の川口浩の不自然さが解消されていればもっと良かったように思います。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-11-19 18:45:37) 7.大映というだけでこうまで変わってしまうのか。それとも宮川一夫の影響か。いや、脚本の時点でいつもの小津映画ではない。それはこの作品が大映であるからであり、大映であるからには宮川になるからということなのかもしれない。映画冒頭の灯台を映した画。それだけならいつもの風景から始まる小津映画だ。しかしその灯台を構図とアングルを変えて何カットも見せてゆくとなると話は違う。意味はわからないがそこからしていつもの小津ではなく、ゆえにそれはいつもの小津映画ではないことのノロシとしてあるのだと思う。男女が罵倒しあう様を小津独特の切り替えしで見せるとどうしてもどこかコミカルになるところを中村鴈治郎と京マチ子と激しい雨が泥沼のような感情の暴露にしてしまう。キスシーンはアップで撮っちゃうし、若尾文子は感激して大袈裟に涙を流しちゃうし、いちいちドラマドラマしている小津らしからぬ躍動ぶりに驚かされる。釣りをする親子の後姿や杉村春子の合いの手のような会話はいつもの小津調であり安心感がある。するとこの安心感を提供する世界の崩壊はまさに小津がよく描く家族崩壊なんだけど、その崩壊の担い手として大映的抑揚のドラマを持ち出したのだろうかなどと勘ぐってみたりするのもまた楽しい。 【R&A】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-06-07 15:10:01)(笑:1票) 6.後期小津印がそこかしこに感じられる作品。 『秋刀魚の味』でもそうだったけど、小津カラーは凄まじく美しい。 その美しさは小津固有のもので、小津にしか撮れない色合いである。 そこに宮川一夫が撮影担当とくれば、まさに国宝級の美しさだ。 話の内容としては、『浮草物語』の自身リメイクということで、目新しさは感じられないものの、小津がリメイクまでしたストーリーだけあって、重厚でいて斬新な面白さ、そして人生の陰影がそこかしこに感じられ素晴らしい。 中村鴈治郎は毒を含んだ男を絶妙に演じてみせている。 アメリカ映画の様に、ただの悪役で片付けることなく、その裏に見え隠れする人としての優しさみたいなものまで表現しているから凄い。 京マチ子は外見的に苦手な女優だが、本作では驚くほどに魅力的に見えた。 口は悪いが、情にもろいといった浮世の女性を、これまた見事に演じている。 その他、川口浩の若さ溢れる熱演、杉村春子の抑えた演技、若尾文子の色気、野添ひとみの可憐さ、そして笠智衆のご愛嬌カメオ出演、と見所にいとまがない。 小津作品の中でナンバー1とは思わないが、その完成度や奥深さという点において、上位にランクされるべき力作であろう。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-07-28 00:01:21)(良:1票) 5.昭和34年頃を総天然色でスケッチしてくれた佳作。懐かしい役者の演技から、背景にいたるまで、絵画を見るかのように観賞させてもらいました。 【ジャッカルの目】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-01-02 00:42:18)(良:1票) 4.小津作品には珍しく人間らしいドロっとした感じがしました。 【Sleepingビリ-】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-08-07 10:42:56) 3.中村鴈治郎の表情が最高っす。 【paraben】さん 7点(2004-11-26 00:17:31) 2.唯一の大映作品というだけあって、今までにはない感じ。小津映画にしては台詞が乱暴だけど関西弁がそれをあまり感じさせない。京マチ子はジェラシーさが感じられてGood。全体的には34年版の方が好きです。そっちを先に見たというのもあるかもしれないけど。 【バカ王子】さん 7点(2004-04-08 20:11:40) 1.中村鴈治郎のひょうひょうとした自然体の演技が良かった。浮き草暮らしの旅役者がようやく腰を落ち着けて家族と暮らそうと思っても長年の空白は埋められない。突然の父の出現に息子は拒絶反応をし母はあきらめたように寂しく見送るしかない。寂しい気持ちでまた旅の生活に戻っていく。若いときはともかく年をとってくると浮き草暮らしは辛くなり、どこかで落ち着いて暮らしたいという気持ちはよく分かる。この父の気持ちも母子の気持ちもまっとうなんだけど交わらないのが切ない。相棒の京マチ子が再び旅の道連れになったのはまだ救いがあった。一座での彼女の赤城山など見られるのも面白い。 【キリコ】さん 7点(2003-05-18 15:16:48)
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