みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
1.映画の冒頭、緩やかに進む平底舩の船首低位置に据えられたカメラが 掘割の景観を映し出していく。 木々から漏れた陽光が水面で反射し、 水路沿いの民家の軒下に光の揺れを作り出している。 子供たちが戯れ、ご老人が寛いでいる。 また夕焼けの水田では、逆光の中で一人の男性が足踏み水車を回し続けている。 かつては映画の最初期にも撮影されたそれらの風物は、柳川の景観として以上に 映画の被写体として、動的かつリズミカルで尚且つ美しい。 古くから培われた掘割の合理的なシステムが、アニメーション・図版を活用して 解説されるのも勿論アニメーション監督の特色だろうが、 大半を占める実写部分のレイアウト、動きの捉え方にその資質が表れている。 高度成長期の危機に瀕した掘割。その汚れきった死相は、静止した一枚写真の 数々で提示されるのも高畑流の演出だろう。 流れ、巡ってこそ生きる水が、動きあってのフィルムを通しての生として語られる。 【ユーカラ】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-07-24 15:51:08)
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