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【クチコミ・感想(8点検索)】
4.一乗寺下り松。わたしゃ子供の頃に、武蔵が地形と敵の配置を書いた紙を布にくるんで鉢巻にするのを見て、ああ、覚えにくいことはこうやれば頭に入るのか、とエラく納得したもんでした。が、ホントに効果があるのかどうか、この歳になるまでまだ試したことはありません、ハイ。本作、吉岡一門との最終決戦が描き、伝七郎との対決あり、73対1の壮絶な死闘あり、五部作の中でピークをなすような作品ですが、その分、やや大味な感じが無くも無く。ただ、武蔵が主人公とはいえ、本作ではむしろ武蔵の理不尽な挑戦によって滅亡の道を歩む吉岡一門の悲劇がクローズアップされ、一方の武蔵もまた、下り松での決闘は不本意な文字通りの“泥仕合”となった上、比叡山の坊さんに、鬼、悪魔と罵られる。一体、この戦いに勝者はあったのか。という、一大バトルを描きつつも、剣の道に対する信念の揺らぎをも描いて、これはもう何が何でも最終作を観なければ(笑)という気分にさせてくれる、なかなかに「お上手」な心憎い作品でもあります。ところで、小川べりを歩くシーンは、上賀茂神社でしょうか。伝七郎との対決の場面は、三十三間堂ですね。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-09-24 22:07:54)
3.どこかに仕えている侍の物語では忠義がテーマになるが、武蔵にはそれがない。それなら爽やかさを生みそうなものなのに、彼は忠の代わりに「剣の道」という精神主義に目覚めてしまい、人間としてはさらに始末が悪い。精神主義の剣豪の反対側には、家を背負う吉岡一門があり、本作のドラマ性は、その対比から生まれている。今までは対戦相手との了解済みの果し合いだったが(たとえば宝蔵院の阿巌を倒しても寺は恨まなかった)、家を背負った者はその家の安泰を願いだす。家の存続のためなら、あらゆる手段を可能とする。そういう方向へ歪んだ剣術の名門家と、精神主義で研がれすぎた剣の道と、二つの噛み合わない思想が一乗寺下がり松で激突し、少年を含む多くの命が失われていく。ただ立ち回りとして迫力があるのではなく、狂気の氾濫が凄まじいのだ。「寄るな!寄るな!」と叫びながら泥田の中を逃げ回る武蔵は、常に自分を批判的に見ていた唯一の正気保持者河原崎長一郎の目を斬る。主人公が勝つ活劇映画の頂点で、主人公がこんなにも追い詰められて描かれた作品があっただろうか。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-06-29 09:28:27)
2.剣術の世界で圧倒的な強さを誇った宮本武蔵の青年期を描く、吉川英治原作「宮本武蔵」の映画化。エンターテイメント時代劇としては抜群におもしろく、学生時代にはのめり込むようにして読んだものです。また、沢庵和尚にお婆に又八、お通に朱実といった多彩な登場人物を絡ませる人間絵巻は、文豪吉川英治の人生訓がそこかしこに散りばめられており教えられることも数多かった。この全五部作からなる一連のシリーズでは、主人公武蔵を迫真の演技でもって好演した中村錦之助はもちろんのこと、巨匠内田吐夢のゾクゾクさせてくれる丁寧かつ味わい深い演出も見どころです。《ネタバレ》今作のクライマックス、一乗寺下り松で繰り広げられる壮絶な決闘シーン。武蔵が修羅のごとき形相で、我が子をかばう父親もろとも源次郎少年を斬り捨てるという凄絶な描写には思わず唸ってしまった。この鬼畜さながらの非情な剣術体験が武蔵を苦悩させ、人間宮本武蔵の大きなターニングポイントとなる。みなさんの仰るとうり今作の決闘シーンがシリーズ中、最大の見せ場ですね。 【光りやまねこ】さん 8点(2004-09-27 15:17:39)
1.武蔵と吉岡一門、戦いの物語である第四部。そして五部作最大のクライマックス、武蔵と73人が戦う一乗寺の決斗は必見。この辺りから、武蔵の影も広がっていく。某大河ドラマを許せなかった人はこちらを。 【紅蓮天国】さん 8点(2003-10-15 16:13:44)
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【点数情報】
Review人数 |
16人 |
平均点数 |
8.12点 |
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4 | 0 | 0.00% |
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5 | 0 | 0.00% |
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6 | 1 | 6.25% |
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7 | 1 | 6.25% |
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8 | 9 | 56.25% |
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9 | 5 | 31.25% |
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10 | 0 | 0.00% |
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【その他点数情報】
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