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【クチコミ・感想】
7.始まりが衝撃的でもあるが、徐々にそれに慣れてくるような一貫したトーンの映画。
イザベル・ユペールが当時も60歳を超えているというのはちょっと信じられない。 【simple】さん [インターネット(字幕)] 5点(2022-01-16 18:27:27)
6.評価し忘れていました。2年ほど前に視聴、美しいユペールが複雑なヒロインを果敢に演じていたのが印象的でした。 【HRM36】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-08-03 18:03:18)
5.ピンポイントで。個人的には一堂全員集合の食卓のシーンが映画的高揚の頂点でした。この場面、敵対心、嫌悪感、倒錯した愛、、それぞれの思惑を想像するだけでハラハラ可笑しくて仕方ない。もちろん、この楽しいお食事会に向けて、ここまで登場人物たちのしがらみをしっかりと描いてる。あとは冗長ぎみでちょっと長いかな、って感じなのですが、そこは眠気覚ましにおっぱいが登場するいつものバーホーベン、最後まで楽しませていただきました。ちなみに、キリスト教には "隣人愛" という教えがあります。他者への愛、身近な人々への愛、の意味なそう。でもその愛のカタチについては述べられておらず、そのカタチは人それぞれということでしょうか (笑) 【タケノコ】さん [DVD(字幕)] 7点(2019-08-30 10:50:16)
4.この監督は78にもなって、こんな作品作って幸せなのかねぇ。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2018-09-10 22:58:10)
3.淡々と十歳の頃、父親がもたらした修羅場の記憶を語るミシェル。その常軌を逸した惨劇を体験していれば、自身に降り掛かったレイプ事件など相対的に大した事ではないのだろう。17人もの大量殺人を犯したミッシェの父親は今も尚服役中。殺したのは人間に限らずハムスターを除く、馬や犬に猫など、人間と密接な動物であるペットも含まれる。ハムスターを除外したのが謎だが、命の重みとしては軽く観たのだろうか。世間の誹りを浴びて育ってきたであろうミシェルの少女時代を考えるなら、レストランで食事中、意図的に残したスープなどの残飯を高価な衣服にかれられても黙って怒りを抑えるしかないのだろうし、明らかに似ても似つかない黒人の遺伝子を受け継ぐ、赤ん坊を産んだ息子夫婦の妻に対して、ミッシェルが不審の念を抱いたとしても、当人の息子がその状況を全肯定するのであれば敢えて口を挟むべきでは無いと達観する。ミッシェルの立場は戦後の日本やドイツの立場とひどく似通っている。降りかかる敵対行為や謂れのない批判など、様々な理不尽に対して反駁・告発できない不条理。自身が起こした事件でもないのに永年に渡り、嫌がらせが継続するミシェルが、感受性にフィルターを掛け、強く生ざる得ない酷な状況に同情を禁じ得ない。
ヴァーホーヴェンの描く女性達は大抵自己利益の為に打算的・功利的に行動する、合理性で動く強い女ばかりだ、ミシェルもその例外ではない。ミシェルの経営するゲームソフト会社が新作として製作中の内容が、誰と特定できない化物である触手に犯される女性レイプものであるのもミッシェルが既存のモラルや常識にとらわれない、突き抜けた感性の持ち主であるのが解る。出血がないなんてリアルさの欠片もないないなんて、実体験がそうした事を平気で言わせるのか、修羅場を潜り抜けてきたものだけが言える真実。触手物なんて、こんなところにも日本の変態物の影響が及ぶとは意外(笑)。 【DADA】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-05-15 10:44:39)
2.大変ショッキングなオープニングで。もうこれは完全にサスペンス映画なのかと思ったが、事態は思いもよらぬ方向に展開していく…。
あれだけの被害にあった女性が取り乱すわけでもなく冷静に後片付けをし、いよいよ警察に電話するのかと思いきや寿司の出前を頼むという超展開に唖然…( ゚д゚)ポカーン
しかし、その後明らかになる彼女の生活を見ていくと納得。この監督の描く典型的パターンである女性は美しくて賢くて格好良くてセクシーで…要するにスーパーウーマンが愚かな男共を手玉に取りまくって、レイプ犯にも武器で立ち向かっていくというサスペンスというよりアクションでありコメディであり、もうジャンル不能のぶっ飛んだ映画であるのだった。さらにイザベル・ユペールが64歳と知って二重の驚きであった。 【ヴレア】さん [映画館(字幕)] 7点(2017-11-20 23:50:12)(良:1票)
1.あまりにセンセーショナルなオープニングが、この映画のすべてを物語り、そこから始まるさらなる衝撃を暗示している。
白昼、自宅にてレイプ被害に遭った主人公ミシェルは、只々冷静に、荒らされた室内を片付け、風呂に入り、“寿司”の出前をとる。
そして平然と、来訪予定だった息子を笑顔で招き入れる。
冒頭から観客は、「?」に埋め尽くされる。(“ホリデー巻”って何なんだ?)
劇薬的なストーリーが進むにつれ、「?」の数々は消化されるどころか、更に増大し膨らんでいく。
その理解し難いストーリー展開と主人公の言動は、極めて倒錯的に映り、混沌極まる感情の渦に呑み込まれてしまう。
鑑賞直後は、とてもじゃないが整理がつかず、めくるめく感情の一体どれから処理して良いのか分からなかった。
けれど、取り敢えず、この映画において「彼女」が繰り広げる立ち振舞のすべてに参ってしまったことは明らかだった。
タイトル(ELLE=彼女)がダイレクトに指し示す通り、この映画で刻まれたものは、主人公が体現する現代社会における「女性」の在り方そのものだ。
レイプ被害に遭いながらも、努めて冷静に“事後処理”をし、警察に通報することもせず、一人“犯人”を追う主人公の女性の姿は毅然として見える。
しかし、その姿を=「強い女」と捉えることは浅はかだ。
彼女は決して「強い女」ではない。
そもそも「強い女」とは何か。
レイプされ、それが無かったかのように耐え忍ぶ様を「強さ」と呼ぶのなら、それこそあまりにも馬鹿げている。
だがしかし、その馬鹿馬鹿しさと愚かしさに埋め尽くされた価値観が、この社会に我が物顔でのさばっていることこそが「現実」なのだ。
現実社会でのレイプ事件においても、取り調べを行う男性刑事は愚劣な憶測を押し付け、大衆からは好奇と侮蔑の視線が降り注ぎ、被害者を“セカンドレイプ”で貶める。
突然の悲劇により打ちひしがれた主人公ミシェルが、その直後からとった行動のすべては、恥辱と屈辱、自分の存在性を内外から押し潰そうとするあらゆる“攻撃”から自らを守り、一人の女性として存在し続けるために避けられないことだったのだと思う。
彼女が見せる言動と感情のすべては、あまりに理解し難く衝撃的である。
しかし、そうせざるを得ないこの社会の病理性こそが、最も忌むべき恥部だ。
主人公ミシェルを演じたイザベル・ユペールが言わずもがな圧倒的である。
60代に入りながら唯一無二の美貌と女性としての存在感をこの大女優が示してくれたからこそ、この特別な映画は成立している。
数多のハリウッド女優たちがオファーを断ったらしいが、オファーを受けたイザベル・ユペールの勇気こそが、ミシェルというキャラクター造形を創り上げたのだろう。
そして、個人的には、先日観た「ブラックブック」に続き、奇しくも立て続けにポール・ヴァーホーヴェン監督作に打ちのめされた格好だ。
様々な時代、様々な境遇の中で、闘い続ける「女性」の強烈な姿を、偏執的、変態的に描き続けているこの名匠のぶれない「視点」は、時代が彼に追いついたかのように極めて重要な「意識」を観客に植え付ける。
もしこの映画が、一昔前の価値観の前に晒されていたならば、もっと一方的なバッシングに覆い尽くされ、これ程の一般的な評価は得られなかっただろう。
勿論、現状においても批判の声も多いと聞くし、拭い去れない不快感を示す人も多かろう。
しかし、この映画はそんな必然的な賛否両論を恐れず、勇気を持って新しい女性像を描き出すことで、映画表現のネクストステージへの歩みを確実に進めている。
そうして振り返ってみると、この映画の「彼女」とは必ずしも、主人公ミシェルのみを捉えたものではないのではないかということに気づく。
主人公の親友アンナも、老いた母親も、息子の妻も、元夫の恋人も、そして“隣人”の妻も、それぞれが“闇”を孕んだ思惑と感情を秘めひた隠しにしているように見える。
「彼女」たちは、それを馬鹿な男たちのように安易に曝け出し誇示したりはしない。
“闇”すらも武器にして、懐に仕舞い込み、美しく、強かに、この愚かな世界を歩んでいく。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 9点(2017-09-20 07:59:27)
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【点数情報】
Review人数 |
23人 |
平均点数 |
6.26点 |
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【その他点数情報】
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