みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
3.原作読んだのも随分昔で、今、手元に本が無いもんで映画との比較も出来ないのだけど(それはつまり、私にとっては原作はあまり強い印象を残すものではなかった、ということでもあるのだけど)、映画がちょっと舞台劇を思わせるのは、原作が(上演を前提としないながらも)戯曲形式をとっていることと関係があるのでしょうか。 雪に閉ざされた洞窟での、飢餓、そして食人行為。舞台となる撮影セットは大変よく出来ている、とは思うのですが、それでも妙に明るかったりしてちょっとスタジオっぽさが出てしまうのは、残念な気もします。ただそれも、物語が佳境に入ってくると、あまり気にならなくなってきますが。 生き延びるために仲間を喰うことは罪なのか、と言う問題は、突き詰めると人間の原罪に辿り着く。それが罪だとしても、誰がそれを責めうるのか。 ってのが、後光のような緑色の光で示されて、実際にこれを映像で見せてしまうのは何となく理屈っぽく説教臭い感じもするけれど、荘厳な宗教劇を見ている気分にもなってきます。 それを支える音楽が、大御所、松村禎三。素朴な響きのテーマ曲が胸を打ちますが、一方、クライマックス等で流れる密度の高いオーケストラの厳しい音楽は、ん?これはもしかして、自作の交響曲第1番の流用ですかね。 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-07-31 21:26:43) 2.後半が謎かけみたいな感じになってしまってトーンダウン。しかし暗い映画でした。興行的にどうなんだろ。 【noji】さん [インターネット(邦画)] 4点(2018-10-22 18:04:16) 1.シロホンがラドレミラレシドと湧き出ずる水のような音律を奏で、そこにフルートがかぶさってくるという、松村禎三節。で内容。前半はちょっとしんどかった。奥田君が「船長に食われるぐらいなら、フカに食われたほうがマシだ」って言うと「そんな意地の悪いこと言うもんでねえ」なんてあたりのおかしさ、ああいう感じがもっと映画の最初からほしかった。本当にそう思ってる優しさみたいのがあって。初めて食べるときのまん前向いた表情もいい。まさに「食べてる」だけの表情。食欲を満たすために肉を食べるって自然なことでしょ、っていうか。そこから自然と「生きることの切なさ」が見えてくる。「がまん」ということを裁判で強調してたけど、それが「切なさ」ともっと絡み合えば、ものを食べて生きていく人間を巡る広いテーマに至ったかもしれない。天皇への言及は、かえって自由な読み取りを狭めてしまったような気がした。悪とは何ぞや、裁くとは何ぞや、って広がるテーマですから。原作がそもそも偽戯曲という特異な形態をとっているんだから、映画として自由に練り変えるべきだったろう。ましてこのころはフランスでの人食いで佐川一政君がマスコミでもてはやされていて、人を食って裁かれる話に、現在は人を食って人気者になってしまう、なんて視点を挿入することも出来たんじゃないか。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2012-04-28 10:05:58)
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