みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
115.どこか他人事のように感じてもおかしくないほど、壮絶なお話です。しかし本作で描かれている、“人から愛されたい”“他人に自分を理解してもらいたい”という想いは、人が持つ切なる願いです。ですから自分自身の物語として、本作は強く心に迫ってきます。この作品を目の当たりにすると、人生を“素晴らしい”とか“つまらない”あるいは“正しい”とか“間違っている”と言うことが、無意味なことだと気付かされます。もちろん喜びは多く、悲しみは少ない方がいいに決まっています。でもそれだけのこと。生きること自体の尊さを痛感しました。この悲惨な物語をどう観客と向き合わせるか。それが本作の課題だったと思います。ガレッジセール・ゴリの存在も大きかったですが、やはりミュージカルの要素、そしてCGとアニメの彩りが、直接的な痛ましさを和らげていたように思います。しかしその一方、明るい音楽や色彩により、強く哀しみや切なさといった情感をかきたてられもしました。矛盾しているようですが、これは自分が抱いた率直な感想です。鑑賞後は喜怒哀楽のどれでもない、言葉では表現できないような感情に襲われました。道に飛び出して大声で叫びたいような、でも心の内に秘めておきたいような。自分でも理解しきれない涙が溢れて溢れて仕方ありませんでした。この不幸な物語を、映画館で、それもおそらく日本で一番この作品を観るのにふさわしいと思われる映画館のひとつ、新宿歌舞伎町の映画館で観られたことは、自分にとって本当に幸せなことだったと思います。 【目隠シスト】さん [映画館(邦画)] 10点(2006-07-18 18:36:58)(良:5票) 114.原作の松子が愛しくてたまらないわたしにとっては、観るに堪えない、悲しい映画。 この映画は、1ミリも松子を描いてなどいない。 おそらく監督は、松子になどなんの興味もなかったのではないか。 どんな仕事をしてもトップになれるほど聡明で努力家な松子は、愛を乞うあまり、愛に翻弄され堕ちてゆく。 そんな受動的な松子の人生は、しかし、ささやかな幸福を夢見る一途な乙女の姿でもある。 その生涯を、柴咲コウ演じる明日香の「決意」によって否定するかのようなラストは、あまりにも解釈が甘い。 ハイコントラストの極彩色に、軽妙な音楽で味付けした中島ワールドは、松子をただの不運な女に貶めてしまった。 この人が撮りたいのは「映画」ではなく、「映像」か、もしくは「画面」だ。 【poppo】さん [DVD(邦画)] 1点(2009-04-19 10:15:06)(良:2票) 113.ポセイドンを観ようとしてタイミングが合わずに観ました。 …タイミングが合わなくてよかった…。邦画があまり好きではなく、北野武の『座頭市』以来久々の邦画鑑賞になりました。 う~ん。邦画も素晴らしいじゃないの!いやいや、自分の中ではここ数年観てきて、満足していた洋画なんかより遥かに素晴らしかったよ-!どうしようもなく暗いストーリーとどぎついエッジの効き過ぎのキャラクターの数々。普通なら映画として成り立つわけないと思っていたでしょう。 しかし、全くみたこともない調理の仕方と味付けで恐る恐る食べたら、これが『超絶品!!』。これだけ濃い味付けなのにストーリーを邪魔することなく、どっぷりと松子の人生にハマってしまいました。魅力的な音楽のスムースな繋がりやライティング、妥協のない演技等々。 完成させるのはめちゃくちゃ大変だったのではないだろうか。中谷美紀もよくやった。すごいよ(拍手)!黒沢さんにも拍手!いい女優です。 なんていうんでしょうかこの作品、心がえぐり取られるように私の中に深くズッシリと残った映画でした。私にとって麻薬的な映画となりました。(この気持ちを100人に1人くらいはわかってくれるはずですw) 好き嫌いが分かれるのも理解できます、でも気がついたら映画館で3回観てました。音楽も素晴らしいし、私の2006年、いやここ数年の映画でNo.1です!! 【アップルマーク】さん [映画館(邦画)] 10点(2006-12-23 06:10:26)(良:2票) 112.監督が中谷美紀を下手クソと罵倒してたそうですが、この監督そんなに偉かったの?と思ったのは私だけでしょうか?。「下妻物語」で少し売れたけど、世間的には彼女の方が知名度あるだろうし、CM作ってるようなギョーカイ人が自分はゲージツもできますと映画作ってるようでヤな感じです。しかし・・・これは面白いです。不覚にもここ最近では一番涙出ました。私はある程度以上涙こぼれたら、人を泣かせることだけでも凄いと思うので基本的に低い評価しません。こんなもんで泣くのかと軽蔑されても全然かまいません。たしかに一瞬のインパクトが全てのCMの連続のようだし、語り手の重複やストーリーの不満など違和感を感じることも多かったですけど、思いっきり自分の土俵で相撲をノビノビと取っているようで好印象です。ミュージカルシーンはミュージッククリップみたいでケバケバしく稚拙で悪趣味かもしれないけど、それが魅力的じゃないですか。「ムーラン・ルージュ」的悪趣味さですね。とくに刑務所でのシーンが昂揚感あって好きです。丁寧な作りこみと観客に刺激を与えることに対する熱意をこそ評価すべきと思います。おそらく本作はオヅやミゾグチやヤマナカやナルセなどといった偉大な先人の映画の延長線上にはないかもしれません。いや、映画じゃないって言う人も多いんでしょう。でも、私にとっちゃそんなのどうでもいいことです(そんなこと言えるほど「映画」とは?なんて判っちゃいないので)。最後に内容について少し。人殺してる主人公を簡単には肯定できませんが、結果的に彼女の存在により救われた人(龍やめぐみ)がいるわけで、それを外から眺めて知ってる観客の我々から見れば彼女の人生に価値がないなんて全然思えないし、波乱万丈の人生を過ごせたことだけでも十分彼女は幸せじゃないでしょうか?。若くして職を失ったとか、人殺して刑務所に入ったとかで「人生終わった」と言いますが、実際は本人全然そんなこと考えちゃいません。勝ち組や負け組みなどという言葉が流行る現在において彼女の強さは羨ましいです。私は松子の一生が嫌いどころか愛おしいです。キャプラの某作品より本作の方が素晴らしき哉人生って私は思えますね。褒めすぎかな?。 【しったか偽善者】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-07-10 22:51:08)(良:2票) 111.うーん、これはスゴイ!これこそ時代が求めていた作品でしょう!今日の邦画界は金儲けのための商業映画か、監督の自己満足映画しか作られなくなってしまった。けれど、どんなに良い映画だとしても、万人に受け入れられて初めて評価されるものだと思うわけです。だからこそ、商業主義を味方につけて濃い味付けに仕上げるというのは、とても良い姿勢。故に、好き嫌いがキッパリ分かれそうな作品でもあるのですが。勿論、中身もとても深い。誰につまらん人生と言われようが、そこにはしっかりと生きた強い松子の姿があるわけで。同時に、弱さも描かれていて、その点で、実に巧いなぁと思わせてくれる描写がたくさんあります。たくさんありすぎて、語り尽せないデス。なので、ここでは「光GENJI」について取り上げてみます。人は弱いから人を求め、宗教を信仰し、過去にすがりつく。常に何かよりかかるものがないと、もう死んでしまうしかない。その極みが「光GENJI」なんじゃないかなぁ。「私の人生にもう誰も立ち入らせない」と誓った松子が、同じ人間だけど、結局のところはバーチャルであるアイドルにハマっていく。そして、今までの男にしたように、自分の過去を伝えようとする。ここに松子の弱さと不器用さが色濃く出ていると思います。だけど、そんな松子の姿に涙が止まらないのです。それは、少しでも共感できる弱さがあるからなんでしょうね。まさに、「人間」を真正面から描いた作品だと思います。 【こばやん】さん [映画館(邦画)] 10点(2006-06-06 17:49:51)(良:2票) 110.中谷美紀は好きじゃないが、この映画は素晴らしかった。役者の誰もがはまり役だったし上手く引き出していた監督もいい仕事している。映像面ではあまりにも狙いすぎていて好き嫌いはあるが、優秀な音楽が上手くカバーしていてあまり気にはならないはず。後半の中谷美紀の演技がすでに限界を超えてる感じがして「よく最後までやれたな~」と思ってしまう。最後の「まげてのばして」の曲でうかつにもウルってきてしました。やはり中谷美紀は好きじゃないが、彼女の頑張りに9点献上。 【オパオパ】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-06-03 16:11:09)(良:2票) 109.いやあ、すんげえ面白かったです!もう今年のNo.1作品と断言してもいいくらい最高な映画でした。 とにかく、誰かのせりふじゃないですが、「映画って本当にいいものですね~」と言いたくなりますね。魅力的なキャスト(中谷美紀が本当に良かったし、とにかく豪華です。)、美しい映像、すばらしい音楽と面白いストーリーが見事に融合して、本当に笑えて泣けて・・・至福の時間を過ごす事が出来ました。 悲惨な人生を描いているんですが、何故か見終わった後「人生って素晴らしい!」と思えたし、何かパワーをもらえたような気がしました。 まだ見ていない人は騙されたと思って是非映画館で見てみて下さい。本当に面白いです!(騙す結果になったら申し訳ないですが・・・・・。) 【TM】さん [映画館(邦画)] 10点(2006-05-31 00:29:20)(良:2票) 108.「人生終わった」が口癖の人間が、その人生が終わる瞬間まで“希望”を捨てていなかったという点がなんとも印象深い。完全に終わったような人生を送っていたとしても、「まだ、まだ行ける」と立ち上がろうとする姿には感動を覚える(階段から転げ落ちても、バットで殴られようと、なお立ち上がろうとする姿も印象的だ)。そのような彼女の姿を見続けると、“自分もまだまだ終わらんよ”とチカラが沸いてくるようだ。 また、「留まるも地獄、行くも地獄ならば、一人じゃない方を選ぶ」という生き方はなかなか共感しにくいところはあるが、彼女としては“孤独”からどうしても逃れたかったのだろうと強く感じさせる。“家族”という帰る場所を失い、自分の居場所を求めて彷徨った遍歴は、正しいか間違っているかは分からないが、決して悪くはない。 何かをしてもらうのではなくて何かをしたい、愛されるよりも愛したい、現代の“受動的”な人間行動を否定して、“能動的”に行動し続ける姿が心を打つ。 その他にも故郷を想起させる“川”なども、セリフは喋られないが、松子の気持ちを深く代弁している。父親に愛されたかったという強い思いから思いついた“変顔”も印象的に使われている。原作には盛り込まれておらず、監督のオリジナルアイディアと聞いたことがあったが、非常に高い効果を生んでいると感じる。さらに、人生の最後を迎えて、天国のような階段を登り、家族や妹の元へ帰っていく姿も非常に美しく描かれている。“嫌われ松子”は監督には非常に愛されていたと感じさせるシーンだ。 監督と中谷美紀の仲が非常に悪かったという噂だが、監督は松子というキャラクターに対して深く深く気持ちを込めていたのではないか。 女優に対してそれだけ多くの注文を付けることは、それだけこの作品に対して深く入り込んで、作品の質をより深めようとする努力みたいなものなのだろう。この作品を観ると、監督の強い意気込みを感じられる。 松子という女性の一生を描くために、“ミュージカル”形式を採用したことも監督の狙い通りに完全にハマっている。だらだらと断片的に人生を描くよりも、ストーリーがぐっと引き締まる。その時々の松子の内面を印象的に描き出すとともに、歌詞を通してもダイレクトにメッセージを伝えることができるような仕組みになっている。残酷なストーリーだが、これによって笑って明るく見られるような効果もあるだろう。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(邦画)] 8点(2006-05-27 19:59:08)(良:2票) 107.この映画の主人公のような女性を知っている。 彼女たちが不幸になったのは、自業自得ではない。 彼女たちが「依存」しているかのように見えるのは、あなた方が既に与えられている側の人間だからに過ぎない。 ラストは商売上の理由でこうなっただけだと思う。個人的には、そこで迎合したのは気に喰わないが、逆に言えば、だからこそウケたのだと思う。 下妻とこれ、二本立て続けにスマッシュヒットを放ったこの監督は、告白以降失速した。(売れたかどうかではなく、単に売上だけを目指して成功した恥ずかしいやつに堕落した。要は無残にも中身がなくなっていた。そして、話しを戻すが、この映画のラストでしたのが迎合だったと監督には自覚できなかったことが、その原因だ。その意味で、この監督は既に消費された) TAMAKISTさんのレビューがよかったんで、書く気になった。 【おら、はじめちゃん】さん [DVD(邦画)] 8点(2023-01-08 03:26:43)(良:1票) 106.派手な色彩ですごく明るく綺麗な映像で、煌びやかで美しい。それとは対照的にストーリーは胸が張り裂けるほど辛い。 見終わった後にダンサーインザダークを見終わったときと同じような救いがたいトラウマ感がある。 エンターテインメントであるが、楽しめる代物ではないし、楽観的なもんじゃない。人生どうにもならんこともあるんだな、、、 でも、愛にあふれたいい映画です。人に面白いよっておすすめできる映画ではないが、残る余韻と映像美は秀逸だと思う。 【Keytus】さん [インターネット(邦画)] 7点(2019-07-14 12:02:52)(良:1票) 105.松子の生い立ちから投げやりな人生になってしまうのは分からないでもないですが、想像を絶するような心の痛みやどん底の人生を実際に経験しないとなかなか共感できない映画だと思います。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-09-28 17:40:02)(良:1票) 104.既に何度か観てしまっています。私にとっては魅力的な作品なのでしょう。愛を求め続けた松子…全部裏目に出てしまいます…せつない…。監督作品の中では一番好きですね。 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 8点(2012-05-15 01:05:09)(良:1票) 103.嫌われたって生きてていい 笑って泣いて 一生を生きてクソみたいな死に方でもいーさー 【おでんの卵】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-08-08 23:37:02)(良:1票) 102.中島監督の「下妻物語」本作「嫌われ松子の一生」は 映画にCM的な手法を取り入れるというそういった次元ではなく、 CM的な表現法の積み重ねで映画をつくろうとします。 そういった中島流演出法の極地が本作だと私は思います。 何故なら誰かの不幸を、これほどまでに楽しく描ききってみせたのだから。 それが出来る人は中島監督をおいて他にはいないでしょう。 それは不幸のどん底で半ば廃人になっている松子。 本作はこのどうしようもない主人公を2時間かけて売り込むという 正にCM、コマーシャルだと思うからです。 ここからは例え話 不謹慎ではありますが 本作の登場人物 中谷美紀演じる川尻松子を売り込みたい「商品」 瑛太演じる川尻笙を「客」 と仮定します。 まずこの松子という欠陥商品。 売り込む為にはどうしたら良いでしょうか? ①商品(松子)の魅力に客観性を持たせる 世間では物を売りたいとき、時に体験者談が大きな意味を持つことがあります。 それは社内の人物ではない利害関係のない他人の発言だからこそ信頼できるものであります。 本作序盤から終盤まで決して松子は人生の殆どを客観的に観ると「不幸」な生活を送ります。 嘘、人殺し、廃人・・・ただそんな松子が魅力的に写るのは上の考えと同じ事がいえます。 物語上に登場する龍洋一、沢村めぐみが正に本作での客観視点での体験者で、 とにかくこの2人が松子の魅力を語りまくる事で、客(笙と観客)は最終的には松子の魅力に気付かさるのです。 ②セリフにキャッチコピーを持たせる+α 物を売るCMには必ずといっていい程気の利いたキャッチコピーが設けられます。 本作の会話劇、物語の展開を観てみた時に不思議なことに気付かされます。 本作の物語進行は大筋 ①松子の人生談の解説→②客観視点での体験者の気の利いた一言→③笙のドライな発言orギャグ という流れでループしているようにも感じるのです。 つまりここでは松子のキャッチコピーを体験者が言い、 それに対して直ぐには信用しない観客の心情を 瑛太演じる笙が代弁しているのです。 なので本作を拝見していると変な登場人物ばかりの中、 笙だけが話が分かりそうな奴に思えてしまう事こそ本作の狙いなのでしょう。 笙が松子の魅力を感じる頃、 同時に観客も松子を好きにならずにはいられないのです。 【吉祥寺駅54号】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-07-28 21:44:01)(良:1票) 101.かなり最低の部類に入ると思われる人生を生きた女性の話なのだが、なぜかこれがさらっと観られちゃうから不思議だ。「幸福」は徹底的に主観的なものということを改めて認識した。「人生とは何をしてもらったかじゃなくて、何をしたかだ」というメッセージも確かに受け取ったが、それよりも主人公の持つ「幸福」の基準が興味深く、なるほどと思いながら鑑賞した。男に殴られてもついていく女の気持ちが少し分かった。アイデンティティの見出し方は千差万別だ。 それにしても、この映画の中谷美紀は一世一代の名演技!大好きになった。この監督は女優を使うのがうまいなあと思う。 【枕流】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-06-14 00:34:55)(良:1票) 100.悲劇をエンターテイメントとして扱い、でもしっかり悲しませる。初めて今作を観たときはその語り口に驚き、とても新鮮味を覚えました。邦画の歴史の1ページに刻まれるくらいに意義のある作品だと思います。子供の頃に心を動かされたおとぎ話に触れたような、現実感はないけれど重く響く見応え。それはリアリティに乏しいストーリーと、画面の隅々まで神経の行き届いた絵作りのアンバランスから生み出される。まさに、大人のおとぎ話という形容が嵌ります。お涙頂戴ではなく、反対に笑いで綴られた悲劇からは、経験したことのない類いの悲しみが沸き起こる。笑われることを宿命付けられたピエロの存在自体が持っているような深い悲哀という印象でした。凄い映画だと思います。この監督からは明確で強力な作家性を感じます。お世辞じゃなく、世界を相手に個性を発揮して欲しいと思います。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-03-17 23:46:35)(良:1票) 99.愛し、愛される事が生き甲斐の松子。目を覆うような壮絶さも生きている証。求める事を一切放棄した後の生ける屍状態にこそ、歳がさほど離れていない私は胸を衝かれ、身につまされるものがありました。後味の悪さこの上なしの最期の遂げ方に一気に点数が下がりました。酷過ぎます。腸が煮えくり返りました。 【The Grey Heron】さん [DVD(邦画)] 4点(2009-09-06 21:26:36)(良:1票) 98.劇場で観て「とても疲れた」という印象。 CM出身の監督がつくった映画って、1シーンあたりの情報量が異常に多くて観客を置いてけぼりにするオナニー的なイメージがあるが、この映画もそれが顕著。これでもかこれでもかと迫ってくる情報量に気圧されて鑑賞後はぐったりしてしまった。 ギトギトベトベト濃厚で化学調味料たっぷりなラーメン、みたいな。これは映像美とかそういう表現は相応しくない。ケミカルすぎる。このケミカルさが魅力、と言ってしまえばそれがすべてかもしれないが、こんだけ喰わされるとゲップどころかゲロ吐くよ。旨味成分足し算オンリーで映像を作るとこういう映画ができるんやなぁと素直に思った。 扱っているテーマ自体は陰影があって良い。でも、もうちょっと抜き差しして提供してくれても観客は十分に感情移入できるし、それを補完する能力はあると思うんやけどなぁ。というわけで、あともうちょいで7点、でも、くどさが不幸して6点、ということで。自宅で気楽に眺めるぶんにはちょうどいいんじゃないでしょうか。 「下妻物語」にもハマりを感じられなかった自分にとっては、この監督の映画はあまり観たいとは思えない。ま、これは相性の問題ですな。 【708】さん [映画館(邦画)] 6点(2009-03-24 01:51:46)(良:1票) 97.『下妻物語』が良かったので、中島哲也監督に期待して鑑賞。 この監督は間違いなく才能がある。 しかししかし、本作ではその才能を間違った方向へ使ってしまった様だ。 凡作ではないが、決して心地の良い作品ではない。 石井克人監督が、同じく間違えた方向に行って失敗したように、中島哲也監督もなんか方向を誤まった気がするのだが・・・ 次回作に期待したい。 しかし、黒沢あすかってこんなに色っぽかったっけ?! 歳をとって逆に綺麗になっているのが凄い! 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-03-24 22:45:21)(良:1票) 96.なにか切羽詰った状況に立たされると、もうとにかくその場から逃れるために、あとでさらに面倒なことになると分かっていても、つい嘘をついてしまう性格、…分かるなあ。追いつめられると、そんなことでしのげるとはぜんぜん期待もしていないのに、ついおどけた顔をしてしまう性格、…これもしみじみ分かっちゃうなあ。徹底的に己れを殺して流されていく人生、彼女はそういう人生を積極的に選んだのかもしれない。ミュージカルとしては刑務所の場がノッてたと思うけど、この監督は川の土手を描くときが一番いいんじゃないか。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-07-29 12:20:16)(良:1票)
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