みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
5.カフカは「変身」と「ある戦いの記録」しか読んでないので、はっきりとは言い切れないのですが、実に良くカフカの世界観が映像化されているんじゃないだろうかと思った。城がすぐそこにあるのに辿り着けないという、一見あり得ない理不尽な設定が、いつのまにか受け入れられているという不思議な感覚、そして全体を覆う不安感がお見事。原作が未完だからって映画までぶちっと終わらせちゃうのは作品の世界観に浸っていただけにどうかとも思ったが、未完の部分を創作して物語が成立してしまうと、もうそれはカフカではなくなってしまうわけで、なぜならカフカは作家として生計を立ててはおらず、でもまぎれもなく本物の作家、つまり書くことそのものが目的であったという稀代の作家であったわけで、多くの未完の作品は物語が未完であるにすぎず、作者の中では完成されているんじゃないだろうかと思ったりする私にとっては、やっぱりこれで良かったのかもとも思ったりする。もちろん映画は別物で、独自に拡がりを見せても全く構わないのだが、ハネケはとにかくカフカの作った世界を忠実に再現したかったのではないだろうか。原作を映画的に見せる、というのではなく、原作を、原作の持つ魅力や端々に見て取れる作者の思想や精神といったものも含めて映像化する。ここにハネケらしさは無く、作家主義映画からは遠くに位置するが、試みは成功していると思うし、頭の良い人でなければ出来ない作品だと思った。(原作未読のくせに、、) 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-06-29 12:22:01)(良:1票) 4.原作見てませんけど、途中まで面白かった。でも続きみたいなと思わせるできばえです。 【将】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-28 13:14:17) 3.原作ありきという印象で、読んでない人間は置いてけぼりですね。 【色鉛筆】さん [CS・衛星(字幕)] 2点(2009-03-07 20:35:55) 2.原作未読。映画見ている限りで不愉快に感じられたのは、閉鎖的な村人ではなく、あまりに自己中な主人公に対してでした。我儘が叶えられないと駄々をこねる躾の悪い子供のよう。今思えば「八つ墓村」のショーケンにも同じ印象が。現状を覆う自由主義(≒無責任主義?)に懐疑的になっている昨今、ある意味示唆に富む映画でした。 【番茶】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-01-11 08:03:53) 1.(酔ってるんで注意)作中、最も理不尽なのはクラムでも村長でもなく、フリーダだった…原作では。 この映画化を見て、今までのフリーダの解釈に納得の行く解釈を与えられて、それだけで十分なメリットがあったと思う。フリーダは全てのシーンで自分の得になるようなウソをついている…これは、他人から指摘されるまで気付かない側面だ(カフカは個的に楽しむ文学だからね…)。 もうひとつ、本作を見に行く際に期待していたのは「助手たちをどう描くか」。本気で原作通りのコメディリリーフに徹したのは、正直オドロキました。コレをやられたら、他のシーンがどんな凡作でも高得点を上げないわけにはいかないよなあ。 期待していたシーンは「コニャックが毛皮の表面を流れていく」シーン。微に入り細に入り、まるで拡大鏡で覗いた様な克明さで描かれるこのシーンをどう映像表現するかは、カフカ映像化のひとつの試金石でした。結果は…本気で毛皮の上にコニャックこぼしただけじゃん! 染み込んでるじゃん! ダメじゃん! CGなみのクオリティで描かなきゃ! せっかくカフカが苦労して描写したんだからさー! …3点引くからな、ハネケ。 【エスねこ】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-08-05 02:44:51)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS