みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
9.“忘れたくない”のに、殺された娘の記憶は、哀しみと怒りのみをくっきりと残して、日に日に薄れていく。一方、“忘れたい”のに、怒りと憎しみの根源である犯人の声は、こびりつくように脳裏に残り続けた。 これは、あまりにも悲しく、あまりにも辛い、「父親」の物語であり、主要な登場人物たちと同様に、僕自身娘を持つ父親として、身につまされたことは間違いない。 或る誘拐殺人事件を主題としたサスペンスとして、通り一遍ではない様々な感情と思惑、そして実際の時代的背景が入り混じったストーリー構成からは、流石に横山秀夫の著作らしい原作の空気感を感じた。 原作は未読だけれど、そういった魅力的な題材を、国内のオールスターキャストを揃えた「大作」として映画化するにあたっての、精力的な気概そのものは十分に感じた。 が、しかし、いかんせん演出が「稚拙」の一言に尽きる。残念だ。 昔からだが、なぜ日本のサスペンス映画は、過剰な慟哭をさせたがるのか。 仰々しい演出で、これ見よがしな慟哭を映画のハイライトとして映し出す映画に、あまり傑作は無いように思う。 今作も「前編」の段階から、熱演を通り過ぎて、少々オーバーアクトに見えてしまう場面がいくつもあった。 まだ前編に関して言えば、過剰な演出・演技に対して、描き出されるストーリーの焦点が極めて普遍的な県警内における“内輪もめ”だったので、仰々しい表現と実際に進行する展開の小規模さのギャップが、興味深く描き出され楽しめた。 しかし後編は、いよいよサスペンスの本筋である過去の悲劇的な事件と、リアルタイムに展開される新たな事件が絡み合う様が大々的に描き出されるので、仰々しいだけの演出が逆に白けさせる結果となってしまった。 事の真相が、必要以上に振りかぶって繰り広げられるので、それを受け止める側としても身構えてしまい、的確に捉えられなかった印象を覚えた。 フィクションなのだから、導き出される「真相」が荒唐無稽だったり、非現実的だったりすること自体は許容できる。しかし、それならば映画上の「嘘」を、擬似的な「現実」として観客に許容させるための演出方法があるはずで、それこそが映画の醍醐味だろうと思う。 前編で構築した地味だけれど見応えのある人間模様を、ないがしろにし、甚だ強引で整合性の無い帰着に導いてしまったこの後編はとても残念な仕上がりだった。 ラストの顛末も大きく改変してしまっているようだが、おそらく横山秀夫の原作は、この物語が描き出す「事件」に関わる群像一人ひとりの心情をあぶり出し、多層的なドラマ性を生み出しているのだろう。機会があれば是非原作小説を読んでみようと思う。 最終的に残念な仕上がりではあったが、前後編通じてキャスト陣は、演出の良し悪しは別にして、“熱い”演技をして見せてくれている。 前述の通り、個人的には異なった「父親像」を演じた俳優たちがそれぞれ印象的だった。 主演の佐藤浩市は、刑事として、父親としてあらゆる側面で“板挟み”になり苦悩する男を熱演していた。 被害者父役の永瀬正敏は、心身ともに文字通りに“汚れ”苦しみ尽くす様を見事に体現していた。 吉岡秀隆は、警察官としての正義のあり方に振り回され葛藤と共に人生を狂わされた男を好演していた。 そして、「緒方直人っぽいけどコレ誰だ?」と思わせる程に、色々な意味で屈折した表現を見せた緒方直人の演技も凄かったと思う。 原作が持つストーリー性と、俳優たちの熱い演技がもっと噛み合っていれば、本当の意味で「大作」になり得ていただけに、演出面の稚拙さが重ね重ね残念だ。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(邦画)] 5点(2019-04-02 17:03:37)(良:1票) 8.前編が良かっただけに、後半は残念でした。特に吉岡秀隆の声をからした演技と緒方直人のオーバーな演技は酷かったですね。見ているこちらが恥ずかしくなりました。でも全体の話はおもしろそうなので、次は原作を読もうと思います。 【みるちゃん】さん [DVD(邦画)] 3点(2024-03-05 06:51:51) 7.良く出来た物語だが、映画として前後編に分けるというのはどうだろう、ということ。 緻密さは感じるものの、全体的に地味な雰囲気が漂う。 【simple】さん [地上波(邦画)] 5点(2018-03-21 19:54:41) 6. 昭和64から平成という設定だが、背景描写が古すぎないだろうか。戦後すぐから昭和64ぐらいだったら納得できるけど。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2018-02-10 22:57:28) 5.作り手側が伝えたいことを伝えるために、どうしても4時間・前後編の映画にしたかったわけではなく、 映画1本を水増しして2本にして、鑑賞料金やらDVDやらを2倍の値段で売りつけたい思惑がプンプンする。 内容は予告編を見て想像できる範囲内で展開され、2時間のテレビドラマを映画っぽく味付けされた代物。 見る前からわかっているんだっから、文句を言うべきではないんだけど、やっぱりケチをつけたくなってしまった。 【aimihcimuim】さん [ブルーレイ(邦画)] 3点(2018-01-03 22:15:09) 4.う~ん、被害者の父親の執念は分かるが..犯人を捜すために、何年も〇〇するって、どうなんだろ~ 実際あんなことで、犯人を特定できるはずがない..人の記憶とは、曖昧で不安定だし、時間が経てば経つほど難しくなる..それに、刑事や、広報、そして犯人の言動..犯罪、刑事ものとして、陳腐でリアリティーがない..ガッカリ..残念... 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 6点(2017-06-02 23:47:19) 3.前編から続けて鑑賞。後編は64を模倣した誘拐事件が起きる内容で前編に比べたら少し中身が薄い気がした。ラストもNHKのドラマでは描かれていない終わり方だったと思いますが、あれは映画のみの付け足しだったんですね。ちょっと希望のある終わり方で、劇場で観た人がスッキリした気分で帰れるようにしたのでしょうが、ドラマ版のほうがラストは良かった気がします。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-05-07 16:39:41) 2.後編は時間を持て余した感があり。わりと早い段階で64の犯人が明らかになり、あとは何するんだろう?って。それからヤクザみたいな東京の記者さんを相手に、病院送りスレスレまで頑張る二課長…とか「なんだこの茶番は」と思いながら見てた。前編の記者クラブ連中を説得する場面は曲がりなりにも心に響くものがあったんだけどな~。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2017-04-09 22:07:41) 1.前篇から一転、かなり脚色されてます。緒方・永瀬の演技は鬼気迫るものがあり素晴らしい。ただ評価の高い原作を変更する必要があるのか甚だ疑問。正直3時間で1本の作品にまとめられたのではないか?と感じます。前篇を見て期待が大きかっただけに少し残念。 【tonao】さん [映画館(邦画)] 5点(2016-06-12 13:19:31)
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