みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
23.前作「ミツバチのささやき」もそうだったが、ヴィクトル・エリセの作品では音も映像も決して叫ばない。ただ、慎ましげに密やかに、何かを語りかける。その声はとても静かで、こちらが少しでも気をそらすと聞き漏らしてしまいそうになるが、気味の悪い呟きではなく、まるで穏やかな老人の昔語りのように心を惹きつける―――本作に登場する父親が果たしてどのような人生を送ってきたのか、何を抱え、苦悩していたのか、作中ではっきりとは明示されない。観客は娘と同じ立場になって、失われた時間と記憶に思いを馳せる・・・・・・静かな、とても静かな作品。 【ぐるぐる】さん 9点(2004-05-07 18:27:17)(良:2票) 22.心の中の「父」を想い、そして心の中にある「南」を描くことが、この映画の主題なんだろうなあ、と思っていました。『エル・スール(南へ)』という表題ですが、あえて南の風景を映像として出さないことで、南への想いを際出たせてるんだろうなあと思ってた。 でも、原作では、ちゃんと後半に「南」の話が出てくるんだそうですね。映画でも当初は「南」の部分まで撮るつもりだったそうな・・。 わたし的には、「南」を描かないことで、かえって映画の素晴らしさが増したと思う。静かな感情が持続する美しい映画。 【まいか】さん 8点(2004-03-30 03:42:50)(良:1票) 21.これは、私の理想とする映画の一本かもしれない。「いかにはげしくとも こわいほどしずかで そしてかなしい」映画。でも、観終われば、なぜだか やたらと うれしいのだ。 【なるせたろう】さん 10点(2003-11-10 13:11:18)(良:1票) 20.自分が若い頃に見て,今も記憶に残って居る映画を纏めて評価します. 淡々と語られる父と娘のお話.映像的にも非常に美しい.製作が途中で中断されたと後で知ったが,この終わり方の方が逆に未来に希望が持てる. 【ahiru3】さん [レーザーディスク(字幕)] 10点(2016-03-28 22:09:37) 19.ツタヤで借りたDVD、パッケージと中身が違っていて、間違って借りてきてしまったのがこの映画でした(笑)。というわけで、前情報もまったくなく見始めましたが、少女の可愛さにひかれ、最後まで鑑賞。地味ながら、ある秘密を持つ父親と、それを知った娘の関係がセンス良く描かれていて、いい映画だったと思います♪ 映像も美しく、説明し過ぎない、でしゃばり過ぎない演出とうまく合っているように感じました。 【ramo】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-10-18 19:11:09) 18.良さそうな映画に見えて、そこまで中身があるとは思えない映画。 【aimihcimuim】さん [DVD(字幕)] 6点(2014-08-20 01:42:34) 17.見ていて決して退屈はしなかったのですが、これといったプラスの材料も見当たりませんでした。少し期待しすぎていたのでしょうか。 【川本知佳】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-05-24 15:40:01) 16.同じ監督でも、『ミツバチのささやき』よりは見やすいですね。あちらが勝手に自己完結していたのに対し、こちらはまだ観客というものを意識しているように思えます。しかしあいかわらず、あれこれ解説するのはどうかな~というような代物。まあやはり、私の好みではありませんが。少なくとも、こうした映画を称揚しようという気にはなりません。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-01 13:50:54) 15.美しくも厳かな映像、もはや溜息を洩らすしかない卓抜した演出。 父親の苦悩を知ってしまった少女の、繊細な心の内が丁寧に描写されており、その世界観に思わず惹き込まれてしまうほどの、まさに出色の出来映え。 時間が経つのも忘れて画面に釘づけになり、さあこれからと居住まいを正した瞬間、映画は無情にも終了してしまった。 どうやら制作日数が大幅に長引き、制作費不足で撮影が途中で中止になったようだ。 物語はこのあと、衝撃の展開を迎え、すべての伏線も明らかにされるとのこと。 放心状態のまま、今度は失意の溜息が洩れました。 不完全作品ということで、評価はとりあえず平均点をつけておきます。 【MAHITO】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2013-05-19 06:13:05) 14.南の方へ。父親の脱アイドル化と共に少女の成長が描かれる。移動なのだ。移動。 【Balrog】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-01-17 23:38:21) 13.お父っつぁんには秘密がある。そりゃあるさ。例えばどっかのサイトに映画の感想文モドキを書き込んでるとか(はい、実は家族には内緒なのです。今のところは)。かつて小さかった娘、聖体拝受式で社会への一歩を踏み出した(自分の手から離れ始めた)娘。娘が成長するに従い、親父の存在も相対的に小さくなってしまう。そして。映画がダウジングのペンダントへと回帰したところで、ペンダントが小さなケースにスッと吸い込まれるように収まるシーンに、グッときます。コレ、日本人の感覚で言いますと何だか、故人の体が火葬後に小さな骨壷に収まってしまう、あの感覚を思い起こさせます……。しかしラストは、まるで暗かった音楽が最後に突然転調して主題(=“南”)を明るく提示して終わるように、希望によって締めくくられます。ま、はっきり言いまして、「実は途中までしか映画化できなかった作品」なんてことは露知らず、この唐突なラストの意外性に感激していた訳でして。我ながら、またピンボケの感想を持ってしまったのかも知れぬ。だから家族には内緒なのです。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2012-04-14 12:32:02) 12.もうひとつおもしろさがわからなかった。 【ホットチョコレート】さん [地上波(字幕)] 5点(2011-11-29 21:19:26) 11.エリセ映画は刺激は少ないが、観た後にとても強い印象を残す。 あぁ、「マルメロ~」も観てみたい! 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-04 11:19:02) 10.『ミツバチのささやき』同様にスペイン内戦の傷跡を背景とし、少女の成長を描く。窓から差し込む光が、庭のブランコが、道が、木が、家が時間の経過を、そして父と娘の関係の微妙な変化を語ってくれる。それは雄弁であっても常に慎ましく静かに語りかけてくる。情景は前作以上に美しく、そのうえで画面に映るすべてのものがさりげなく何かを語っている。映像で語るとはこういうことなのか!とあらためて驚かされる。さらに画面には映らないもの、「南」の情景までもが頭に浮かぶ。その情景はこの映画を観ている間に変貌してゆき、最後には郷愁すら感じさせてしまう。おとなしいくせしてすごいやつ(映画)なのだ。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-02 13:19:59) 9.絵的には「ミツバチのささやき」よりこっちのほうが好み。青空と陽光を受ける雲が個人的にツボなので。幼い頃は尊敬し、神秘的な存在だった父のイメージが事件をきっかけに崩れ始めるところはすんなりと入り込めました。ホテルで父が語る初聖体拝領の思い出をエストレリャが淡々と聞き流してしまう演出は素晴らしいです。ホテルに残る父の孤独な姿と悲劇的な結末、ここまでは良かったんですが、それだけにラストが尻切れトンボ感が強いのが残念です。あえて父のイメージを想像させるという見方をするにしても、「南編」への未回収の伏線が多く、「未完成」の印象が残ってしまうのです(シリーズ物の中篇のような感じ)。やっぱり、これは「南編」あってこその作品なのではないかと。 【マイカルシネマ】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-12-01 00:23:41) 8.「ミツバチのささやき」で見せてくれた美しい映像と物語、同じくここでも見せてくれてます。やはりこの監督の撮る映画は素晴らしい!とにかく近頃のアメリカ映画みたいにやたらうるさい音楽を流すことなどせずにじっくりと見せてくれます。なんて言ったら良いのかなあ?とにかく静かな中にあるその人間ドラマとしての美しさ、優しさが上手く描かれていて観ていてとても良い気持ちになります。 【青観】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-08-15 14:01:26) 7.残念ながら、私には合いませんでした。ちょっと地味すぎて(繊細、というべきなんでしょうが)。映像はまずまずきれいだけど、主人公の女の子はたいして演技が上手いというわけでもないのであまり魅力を感じません。個人的には「南」のシーンがないのも欠点だと思います。未完の作品だと知らずに観た上で、「中途半端すぎる」と素直に感じましたから。 【no one】さん 5点(2005-01-19 19:59:55) 6.感情や思いを明るく口に出せないことはセツナイ。エストレリャ、父、母・・・それぞれの気持ちに、つい感情移入しそうになる。かもめの風見鶏、並木道、原野、日本の田舎に似た情景に郷愁をかきたてられるけど、どこか違う。内乱による不安と重たさか?陽気でマイペースなスペインのイメージの裏にある歴史を垣間みて、心に染み入る作品。 【草川ひゅー馬】さん 8点(2004-11-29 11:14:05) 5.観る人それぞれが少女の父親のイメージを作り出し、それぞれに想いを馳せる。きっと観た人の数だけ父親像が出来るはず。エリセはすごい! 【mimi】さん 8点(2004-10-30 21:14:33) 4.寡作で知られるヴィクトル・エリセ監督の作品のなかで、もっともすきなのが本作品。記憶が熟すると人を死に至らしめる。しかしその死を安直に不幸なものと弾じることができるのか。この映画を観たのはたしか20年近く前、有楽町の映画館でしたが、この頃から記憶や郷愁の美しさと恐ろしさを考えるようになりました。そうしたきっかけを作ってくれた映画として感謝の念を覚えます。故天本君が言っていましたね。「スペインは死の国だあ!」。その通りです。 【バッテリ】さん 9点(2004-01-17 21:02:55)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS