みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
3.どうも世の中、ストーリー信仰みたいなのがあって、ストーリーがつまらないと作品もつまらない、一般性もない、みたいに捉える向きがあるんですけれど、実はそんな事は無くって。もしそうなら、なぜ、あのストーリーがほぼ無く、オジサンがメシを食うだけの「孤独のグルメ」なるテレビ番組が、シーズンを重ね、何度も再放送されるのか? ストーリーが面白けりゃそれに越したことはないけれど、それ「だけ」だったら、一回見てスジが頭に入ればそれで終わりな訳で、でも実際はそうではなく、だから実際は、作品の魅力は他のところにある。その魅力を支えるスパイスとして、「ストーリー」というものがあったり、「美味しそうな料理」があったり、例えばこの『セトウツミ』では主人公ふたりのアホらしい会話があったり、するんですね。 そういう直截的な魅力以外に、午後の川べりの気だるくも何だか可笑しい雰囲気やら、二人の関係に微妙に入り込んでくる周囲の人々(謎のオジサン、イヤな先輩、バルーンアートの人、家族、といった人たちから、背景の通行人まで。あ、中条あやみを忘れてた。笑)やら、といった要素が加わって。 「おや」と思わせる瞬間があったり、そういった瞬間が積み重ねられることによる前後の連関があったり、作品を通じての大きな流れ、あるいは世界観があったりして、広義の「物語」が作られていく、結局はその広義の「物語」こそが作品の魅力なんだと思います。でなかったら、私がどうしてこの一見会話ばかりの映画を楽しめたのか、どうして見終わった後に充実感を覚えたのか、よくわからなくなっちゃう。 ここで語られている「物語」は、高校生としての「今」。誰だって、自分の高校生時代を「青春」のただ一言で括れる訳じゃない。漠然とした不安もあっただろうけど、だからと言って「不安」の一言で括れる訳でもなし。ただそこには、今しかない「今」がある。 ところで、メイン3人のうち池松壮亮だけが、関西ネイティブではないだけにイントネーションに微妙なズレがあります。が、違和感というほどではなく、作中で小さからぬウェイトを占める会話劇を、よく支えています。・・・しかしこの映画、関西弁じゃなかったらどんな作品になっていたんだろうか? このアホらしいオフビートの会話を成立させるには関西弁がマストのように思えるだけに、逆に、関西が舞台でなければ作品がどう化けるのか、ちょっと気になりました。 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 7点(2024-06-23 07:38:06) 2.見るのが辛くなる映画。映画館で見ていたら後悔していたと思う。メインキャストの3人はすごく良いが、いかんせんストーリーがしょぼいというか無いに等しい。 【ブッキングパパ】さん [インターネット(邦画)] 2点(2020-05-20 21:45:28) 1.今年になって原作漫画をLINEマンガで読んで、二人の高校生が醸し出す独特な空気感が癖になった。 絶妙な間と台詞回しによって織りなされる「会話」は、関西弁であることも手伝って「漫才」そのものの可笑しさと巧さに溢れている。 とはいえ、「映画化」というトピックスを見たときには目を疑った。この「会話」のみの漫画をどう映画として成立させるというのか。 予告編を観た段階では、キャスティングされた池松壮亮と菅田将暉はハマっているように見えたし、面白く仕上がっているようには感じた。 だがしかし、結論からすると、やはり「なぜ映画にしたのか」という出来栄えだった。 結局、この題材を長尺の映像作品にするには無理がある。 “帰宅部の男子高校生の暇つぶしの会話”という極めてミニマムな題材を各話20ページ程度の“小話”として連載しているからこそ、この原作漫画は面白いのだ。 映画にするには、その小話を連ねて尺を補うしか無く、必然的に冗長に感じてしまい、可笑しさが持続しなかった。 予告編の段階では、各話のシークエンスが断片的に公開されていて、それを観る限りでは笑えたし、映像化による臨場感も加わっていた。 詰まるところ、映画ではなく、もっと短いコンテンツとして製作されるべきだったのだと思う。 深夜ドラマ枠なんかで5分きっかりの尺で連続ドラマ化したならば、原作の空気感がもっと忠実に醸し出されたんじゃないかと思える。 75分という映画としては短いと言える尺を、非常に長く感じながら、“神妙な面持ち”にならざるを得なかった。 【鉄腕麗人】さん [DVD(邦画)] 3点(2016-12-10 16:24:14)
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