みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
15.ミキス・テオドラキス 【kagrik】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-02-10 14:46:09) 14.政治色の強い題材ながら、緊迫感あふれるサスペンスに仕上がっており、フラッシュバックを交えた演出と、後半の追及劇のスリル、まさに第一級のミステリ映画とも言えます。多彩な登場人物のそれぞれが、個性豊かに描かれているのも見逃せません。議員「Z」と、彼を囲む面々、真実を追い求めつつもどこかチャラチャラした記者、告発オヤジ、敵か味方かつかみどころがなくハラハラさせられる予審判事。一方のいわゆる“悪役”側の面々もまた各々が個性的で、これほど多くの登場人物を印象的に、巧みに描き分けた、人物造形のうまさが、娯楽映画としても成功しているポイントですね。前半の政治劇から後半の追及劇、そして最後にその輪が閉じたときに感じるのは、ファシズムへの怒り……ではなくて、“政治”というものの不気味さ、異様さ。Zは確かに生きている、いや亡霊となり姿かたちを変えながら、未来永劫我々を苦しめ続ける。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2008-11-24 08:12:37) 13.宗教と王室を守ることを第一義とする右翼体制の政府、警察国家、統治国家に対するコスタ・ガヴラスの批判的思想が生み出した作品であり、また、この作品の歴史的背景には驚嘆させられるしかないのだが、そんな思想より、背景よりも、この演出力である。独特な音楽も大きな魅力の一つであるが、群を抜いているのはカメラワーク。これほどまでに大胆で滑らかな動のカメラを私は知らない。ショットが短く複雑で、クロースアップも多用しているのに疲れさせることなくそれぞれのショットが流麗に繋がっている。モンタージュ技法を応用したフラッシュバックも過不足ない情報量が詰め込まれ、過去の出来事や心象を見事に伝えてくる。これはもう、とっくに政治作品云々を超えた「映画」であろう。細部に至るまでのリアリズムが貫かれているわけではないが、判事と同じく観客も中立の立場から作品に参加させる意図と、演出力によって敢えて行われる軽量化により、魅きつけられてしまう。映画の持ち得る力や魅力が分かり易く詰まった大傑作である。 【stroheim】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-09-24 12:46:32) 12.役者としてのイヴ・モンタンが好きだったのもあって、最初にこの作品を深夜放送で見たときから、最も好きな作品になったと言ってもいいかもしれない。 ①事件が起こるまで。②事件が起こって調査に乗り出すまで。③調査開始からクライマックスまで。 と、大別して3つに分けることができるのだが、後半以降、特に③辺りから、アドレナリンが最大限に分泌される。 常に冷静で、思想に囚われずに客観性を重視しながら聞き取り調査を進めていく検事が、ある段階に来て、思わず口を滑らせ、 記録担当係に再確認される辺り、ユーモアのセンスがキラリと光ると共に、心理描写としても非常にうまい。 そしてエンドロール間際の最後の語りは何度見ても鳥肌モノだ。 【あむ】さん [地上波(吹替)] 10点(2006-01-20 01:27:55) 11.恐るべし国家権力、その圧力がとてもわかりやすく描かれていた。非常にサスペンスチック。 【スルフィスタ】さん 9点(2004-03-01 21:56:54) 10.「ダラスの熱い日」と続けてみた。どちらも実話をベースに脚色を加えた暗殺モノ政治サスペンスだが、ダラスの方がやや上かな。ストーリーはまあまあ楽しめるのはずなのに、モンタン以外の役者陣の存在感が皆薄いので、彼が死んでからは作品の軸が定まらず、ちょっと退屈する。 【東京50km圏道路地図】さん 5点(2004-02-12 01:48:44) 9.ギリシャでの実話を元にした作品で、ギリシャでは上映禁止だったそうです。公開当時の社会的意義は認めるけれど、純粋に映画としてはどうかな?と思う所もありました。どうも警察の人間の描き方が単調な気がして・・・。あの、証言しようとして頭を殴られた男の描かれ方は好きなんですけどね。でもやはりラストシーンは衝撃的。そうか、だから「Z」なのか・・・。 【ぐるぐる】さん 7点(2004-02-11 18:25:49) 8.僕はわりとサスペンス映画ってのは登場人物が多すぎたり、途中で話が掴めなくなったりするんで苦手なんですけど、これは良かったですね。ただ、エンターテイメントに徹したところに逆になんか引いた。政治がらみで凄くヘビーな内容なのに、そのせいでちょっと軽くなった感あり。 【Keith Emerson】さん 7点(2004-02-11 03:34:56) 7.社会派色を色濃くそしてリアルに描写しつつも、いかにもバレバレな陰謀やどこにでも都合良く出入りするキーマンの記者など、リアルとは程遠い描写も随所に見られる。しかし最後まで見ればそれらがすべて確信犯的に作られていることが解かる。映画は見せるものというのを前提に、シリアスにそしてコミカルにブラックユーモアを効かせた良作です。 【R&A】さん 8点(2003-11-26 14:58:34)(良:1票) 6.↓みんみんさんの気持ちわかります。やっぱり一人で見ていて、見終わってからしばらく足腰が立ちませんでした。映画は色々と幅広く見てきていたつもりでしたがすごいショックでした。政治+サスペンスの大傑作です。 【サボてん】さん 9点(2003-05-10 00:54:36) 5.モンタンの出番少ない。記者がなんとなくブルース・ジョンストンぽい。後味悪。 【kett】さん 8点(2003-04-04 00:49:50) 4.うひゃあー。嬉しい、他の人がやはりそういう高い評価をしていたことが。大学生のときに夜中に一人で見てました。あまりの衝撃のラストと映画の内容の深さに感激して、映画マニアの両親に話したら、「あれはいいでしょう」と二人が言ったことを覚えています。もうずいぶんまえなので細かい描写ははっきり覚えていないのですが、アメリカ映画しか見たことのなかった私に開眼させてくれたような映画でした。 【みんみん】さん 10点(2003-01-30 18:10:53) 3.音楽のミキス テオドラキスが獄中で書き上げた音楽ということもあって、他の映画にはただならぬ気迫というかもうキレの良さがいい意味でおかしいんですよね。彼の主張が音楽にすべて凝縮されています。僕もモンタンみたいに、この映画を見たときは棍棒でぶんなぐられたような衝撃を覚えました。一般の人には社会主義だの、アバンギャルドだの、なんだの、そういう話は学者や知識人がするものだという概念のようなものをこうやって娯楽映画のようなものにして、普通の人にもわかりやすく、かつ重く描いていて、この監督を尊敬してしまいます。 【通りすがり】さん 10点(2002-12-24 15:29:44) 2.最高水準の政治映画。客観的な事実描写、鮮やかなカメラワーク、無駄のないストーリー展開、そして衝撃のラスト。完全無欠の傑作。 【X】さん 10点(2002-11-03 08:49:15) 1.とことんリアリズムを追求し、ポリティカルな題材を敢えて中心的に描き、どんな難しい内容でもしっかりとエンターテイメント性を忘れないコンスタンチン=コスタ・ガブラスの文句なしの代表作。最近じゃ「マッド・シティ」とかハリウッドに渡って映画を撮ってるガブラスですが、私が高く評価しているのは「ミッシング」まで。もちろん、近年の作品も亜流の社会派エンターテイメントと異なり、ヒーローが誰一人たりとも存在しない世界観を基調とし、独特のドキュメンタリー的手法からキャラクター描写をし、それでいてガブラス特有のブラックさは最近には無い。そんなフィーリングが見事に爆発しているのは本作品であり、過去にアカデミー外国語映画賞を受賞した作品の中でも、かなりの上位にランクインしてもおかしくない映画ではなかろうか。1人の反体制派の議員を沈めるために行われる人々の妨害工作。それが挙句の果てには殺人にまで発展し得るという狂ったような構図をクールな視点から描ききった、文句なしの傑作。 【チャーリー】さん 10点(2002-05-21 20:11:43)
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