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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
2. 第二次世界大戦、ニューギニア戦線で「死亡」したとされる軍曹。その妻は戦後二十数年経っても軍人恩給など国からの援護から夫が対象外とされていることに疑問を抱く。厚生省に問い合わせると、彼は「戦死」ではなく「刑死」だったために援護を受給できないという。そこで彼女は夫と同部隊に属していた生き証人たちに真相を確かめにいくが、「敵前逃亡」「同僚殺害→その肉を食糧として売る」「理不尽な上官を殺害」・・・と次々に食い違う証言が現れ、まさに芥川龍之介の『藪の中』の世界に。 そんなサスペンスタッチで戦争の不条理をスリリングに突き付けるとともに、同じ「皇軍兵士」でも陸軍刑法に基づいて処刑された者(しかもその罪状は問わない)は国からの援護を受けられないという援護行政の矛盾を浮き彫りにする。 主演の左幸子の鬼気迫る演技の秀逸さはもちろんだが、自分の大好きな怪優・三谷昇の見せ場がふんだんになるのも嬉しい。 ゴマンとある戦争映画のなかでも、シリアスでグロテスクな描写が目を引くが、作品に貫かれた「戦争への憎悪」というメッセージが明瞭なだけに不快感はない。 新藤兼人の脚本の素晴らしさもさることながら、監督の深作欣二はこの翌年から東映ヤクザ映画の商業路線に浸かっていくわけだが、本当はこういう方向の作品をもっと作りたかったのではないか。 凄まじく迫力をたたえた反戦映画である。 【あやかしもどき】さん [DVD(邦画)] 10点(2025-01-02 01:53:47) 1.ニューギニア戦線について描かれたドキュメンタリータッチの作品。 ニューギニア戦線で人食いがあったことは知っている事実だし、ワンパターンの日本戦争映画の域も出てはいないのだが、徹底的にニューギニア戦線について掘り下げた内容構成はなかなか見応えがあった。 左幸子は相変わらず演技が巧い。 やっぱり、日本女優史上最も演技が巧い女優だと思う。 それにしてもニューギニア戦線での人食いって、物凄くセンセーショナルに語られることが多いけど、死ぬか生きるかの戦場でそれくらいのことは普通に起きうる気がしてならない。 だって、何も食い物がなくて、餓死寸前だったら、生きるために何でもするでしょうに。 まして、戦場なんて、人間の感覚を失わせる人と人との殺し合いの場なわけだから、人が人を食したところで、さして衝撃は覚えないのだが。 そして、中村翫右衛門! あの爺さんが中村翫右衛門だったとは、後から気付いた! むぅ、見直してみると確かに中村翫右衛門なのだが、若かりし頃の面影とかっこよさがほとんどない。 この事実の方が、ニューギニア戦線の人食いより、よっぽど私には衝撃的だった。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2010-06-04 00:33:01)
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