みんなのシネマレビュー

シテール島への船出

Voyage to Cythera
(Taxidi sta Kythira)
1984年【ギリシア・伊・英・西独】 上映時間:140分
ドラマ
[シテールトウヘノフナデ]
新規登録(2004-01-24)【たましろ】さん
タイトル情報更新(2015-05-12)【+】さん
公開開始日(1986-02-08)


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監督テオ・アンゲロプロス
原作テオ・アンゲロプロス(原案)
脚本テオ・アンゲロプロス
トニーノ・グエッラ
音楽エレニ・カラインドロウ
撮影ヨルゴス・アルヴァニティス
製作テオ・アンゲロプロス
配給フランス映画社
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【クチコミ・感想】

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10.映画監督のアレクサンドロスは父親役の老人を探していた。ラベンダー売りの老人を見つけ、港まで追いかけたところで、突如劇中劇がはじまる。老人が船から降りてきて32年ぶりの父子の再会を果たし、母親に会わせる。二人はかつて住んでいた村へ行き、二人だけの暮らしをする。しかし、父親は政治犯罪により国外退去を迫られ、イカダに乗せられ海を彷徨う。母親も一緒に乗り込む。

ラストシーンがとても美しかった。イカダに乗った二人が寄り添う姿が。

劇中劇と現実のシーンとが交錯しながらストーリーは進む。過剰な説明をすることなく、ロングショットと長回しで展開させる技量はものすごい。 kanekoさん [映画館(字幕)] 5点(2011-11-15 18:59:27)

9.花売りの老人が幻影であれは実際の父親なんだという見方と、花売りの老人を主人公にして作った映画だという見方と、二通り出来て、そのどちらにも収まりきらない曖昧さに、慎重に宙吊りにされている映画。冒頭のプラネタリウムからして、嘘の宇宙と捉えるか、本物の宇宙を縮小したものと捉えるかで分かれちゃうわけだし。老人の32年後の挫折を、こんなに美しく歌っていいのだろうか、もっとトツトツと語るべきなんじゃないか、という気もし、それはこの映画の構造を「逃げ」ととるか「絶妙な仕掛け」ととるかという判断にもよる。難しいところだなあ。この構造によって、後半旧港のシーンが浮わつかなかったというメリットはあった。映画としての緊張度は断然前半のほうが優れていたが、港の不思議な寓話性は、そのままリアリズムの話で続けられたらちょっとシラけただろう。最初からオハナシかもしれない、という用意がしてあることでスンナリ入れたけれど、これは考えようによってはズルイと言えなくもないわけで、うーん、難しいなあ。けっきょく現実からも理想からも裏切られ、彼が得たのはあの長方形の国だった、という厳しい突き放しを、こんなに美しく描いてしまう監督って。 なんのかんのさん [映画館(字幕)] 8点(2011-04-13 10:02:30)(良:1票)

8.映画の中心に置かれている物語は、まー言ってみりゃ「頑固ジイサンが帰って来て、ひと騒動」ってヤツですが。しかしこれが、まるで神話のごとくゆったりとした時間の中で描かれ、しかもその「神話」が「神話」のままでいることができず、現代社会の中で居場所を失っていく。それがもうタマランのです。かつての闘士であり今は亡命者である「父」。歴史そのものでもあり、神話でもある。また現代に生きる主人公にとっても、自らの存在のルーツとして、心の一部に巣食って離れることのない存在。その「父」、亡命先から帰ってきた「父」は、周囲から追い立てられ、この国にも居られず、亡命先にも受け入れられず、居場所を失っていく。ただ「母」だけは、その「父」にかつて捨てられながらも結局は彼を無条件に受け入れていく。美しいシーンのオンパレードなのですが、ラストシーンは涙無しでは観られない、その美しさと切なさは特筆モノ。こりゃ『シテール島への船出』というより、ほとんど“補陀洛渡海”の世界ですな。 鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-02-22 23:22:35)

7.ちょっと難解だったが、いつものように画がとにかく美しい。特に雨の風景、濡れた路面の撮り方などが好きです。 HRM36さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-01-30 23:02:16)

6.おじいさんは正直すぎる生き方ゆえに社会から疎外されてついには…シュールな映画だった。 ホットチョコレートさん [地上波(字幕)] 6点(2011-01-16 12:49:51)

5.設定が回りくどいので、いろいろな映像上の技法も、すごく観念的に感じてしまいます。作品の重量感が、停滞感の方につながってしまいました。 Oliasさん [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-08-28 01:56:13)

4.旅芸人の記録や狩人といった叙事詩的な作品から霧の中の風景や永遠と一日ら後期の詩的な、より視覚的な印象の強い作品へのちょうど転換期に位置する作品。事実この映画で初めてBGMとしてエレニ・カラインドローの曲を劇中で使用しているが、彼女のセンチメンタルな曲と合わさった叙情精神溢れる映像群が、感情をこの上なく揺さぶる。そんな深い感動を与えるこの作品を、賞賛せずにはいられない。 陽踊り小僧さん [映画館(字幕)] 9点(2010-08-24 11:17:35)

3.映像の美しさ、長まわし、物語の重層性など、さすがアンゲロプロスの作品である。、、、、主人公アレクサンドロスという存在と、彼が撮ろうとしている作品である老父の物語の作品が交錯する。老父の物語は、それがいわば劇中劇であるという虚構性のために、かえって想像力を刺激し、豊かで奥行きのあるものとなっている。、、、、特筆すべきは、かつてブレヒト的な叙事詩を「旅芸人の記録」「狩人」などで理想としたアンゲロプロスに、エピック一辺倒からリリカルなものへ言及という変化があるように見受けられることだ。、、、、、、老父がどのような過程で、どのように政治闘争を生き抜いたのか、何故土地の収用に反対するのかは、語られない。ただ彼が追いやられたのがロシアであることから、左翼の闘士であったことがうかがえるだけである。そして、そうした様々な政治的出来事は老父の背筋と、奥深いまなざしにしまい込まれ、むしろ、老夫婦の間の情感が押し出されている。、、あるいは、主人公が路上でピアノを弾くように指を動かすと、音が流れ出すところなど、世界との感情的な調和の可能性が示唆されているようにも受け取れた。、、、、だから全体としては、政治的な出来事の記述と、それを生きる個人の感情との調和、総合が目指されているとも理解できる。、、、そういう方向性は、個人的には大好きです。、、、、、だが、老母の行動が、あまりに男の勝手な思いこみに思えて、せっかくの映像に、バケツ5ハイくらいの水を浴びせられた印象なのだ。、、、旦那を30年待って、一緒に行きたい、って、確かに美しいし、肩を寄せ合うトラックの荷台の二人など、まさしく嗚咽に値するけれど、それを美しい理想としてはいけないと思う。女は待たずに、自分の人生を生きるべきなのだ。 王の七つの森さん 7点(2005-03-18 13:30:22)

2.この映画が好きと言ったら友人から「あなたってスノッブねえ」とせせら笑われた。そうか、そういう位置付けなのかアンゲロプロスは。 mimiさん 8点(2004-02-08 21:47:38)

1.まさに郷愁を描いた作品である。時間の厳しさが生み出すノスタルジー、しかし、空間的なノスタルジーは満たせても精神的なノスタルジーは時間の非可逆性が存在する限り永遠に満たされないものだ。この映画にはむなしさ、せつなさといったやるせなさが充満している。私の大好きなアンドレイ・タルコフスキーの映画に近い映画のような気がした。 亡命先から帰郷した老人が見たあまりにも変わり果てた故郷、老人の絶望が胸に突き刺さる たましろさん 9点(2004-02-06 22:54:32)

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【点数情報】

Review人数 11人
平均点数 7.09点
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300.00% line
419.09% line
5218.18% line
619.09% line
719.09% line
8327.27% line
9327.27% line
1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 8.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 9.00点 Review1人
4 音楽評価 10.00点 Review1人
5 感泣評価 7.00点 Review1人

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