みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
12.私の子どもの頃は米ソのみならず、イギリス、フランスなど各国が競争して核実験を行っていた。日本がそのたびいくら抗議しても変化なし。おまけに東西冷戦の緊張は日毎に増していた。ひとたび第3次世界大戦になれば、核戦争となり地球が破滅すると盛んに言われていた時代、そういう時代に作られた映画だから、映画自体は完璧ではなくても十分にそのメッセージは伝わってきた。ただ映画としては星由里子が年齢以上に大人びて見えるため、父親役のフランキー堺ととても父娘には見えないことが不満。 【ESPERANZA】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-11-17 10:33:26) 11.駅前シリーズのようなキャストで東宝とくれば安全パイだと思うよね、普通。それなのに衝撃のラストなんだもの、トラウマになりそう。 【ソフィーの洗濯物】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-11-02 19:47:07) 10.幼い頃、土曜の昼間にテレビで見て、無性に怖くトラウマとなった作品を40年振りくらいにDVDにて再見。台詞回しや、ミニチュアの特撮に時代を感じるものの、ドラマとしてしっかり腰を据えて作りこまれている。東宝映画スタッフの良心に敬意を表したい。 再見後、改めて思った事。それは、終末戦争の危機感と並行して、世の矛盾をあらゆる角度から見せつけている作品であるという事。 軍人や政治家を含め、世界の誰もが核戦争なんて望んでいる訳ではないのに、明らかにその愚行に進んでいくシナリオを書き治せない各国首脳。戦争の悲惨さを敗戦を通じて十分に理解しながらも軍需産業の株価に一喜一憂する一般庶民。 ラストの笠智衆の船上での「人間は素晴らしいもんだがなあ。一人もいなくなるんですか、地球上に」という発言こそ、まさに言い得て妙である。 この矛盾の打破(もちろん善意の方向に)をしない限りは、常に終末への不安は消え去らないという事を改めて考えさせられた。 主人公フランキー堺の夕陽に向かっての絶叫は確かに感動する。但し、そこに自己批判もあって欲しかった。終末は政治家や軍人が勝手に起こしているだけではない。本当に戦争を望まないという庶民の意識にも変化が必要だという事を。 【こた】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-05-23 08:38:27) 9.黒澤明の『生きものの記録』(1955)といい、『ゴジラ』(1959)といい、これ(1961)といい、当時拡大し続ける超大国の原水爆競争に、いかに人々が恐怖を抱いて暮らしていたかが、よく伝わってくる。それに今と違って、当時の日本人はまだずいぶん真面目に生きていたということ。この映画は、想像のフィクションとはいえ、そうしたことの時代の良い証言だ。そういう意味で、これは抜きん出た一作といえると思う。それになにより、これを見終わると、今自分が平穏無事に生きていること、それだけでも贅沢なことなんだと、あらためて感じさせてくれるところ。逆説的ながら、ここが素晴らしい。 【goro】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-02-02 02:05:32)(良:1票) 8.経済的要請から、他社に先駆けて早々と軍部と結託し 数多くの軍事教育映画・戦意高揚映画を作り上げ、 多大な利益を挙げてきた東宝撮影所。 まさに戦争とはまずもって経済行為。 局地紛争勃発の報道に際して、主人公が戦争関連株の取引に躍起になるように、 戦争とは理性的な金儲けの道具に他ならない事をこの映画はしっかりと露呈させる。 自分の身にふりかかる全面的核兵器戦はイヤだが、 自分の利益になるどこか遠くの通常兵器戦は大歓迎という、 条件付の浅ましいご都合主義的反戦論である。 61年という時代設定からして紛れもなく戦中世代であるはずの主人公の、 戦争に対する無反省と「東宝」的日和見主義。 他国の戦争を踏み台にした特需に対する認識も疚しさも一切無く、 「国民が働いたから」と自賛する欺瞞的な平和と繁栄の図。 ゆえに、大仰な伴奏音楽で露骨なまでに強調される彼の悲憤慷慨も 何一つ共感・同情を呼ばない。 ナイーブでエモーショナルな、つまりは反理性的な反戦メッセージは 退行でしかない上、随所に挿入し過ぎの戦闘描写はそれ自体、 製作側の意図に関わらずいくらでも「反・反戦」的ニュアンスを含み得てしまうことへの無自覚が明白である。 戦争自体が多義的かつ多面的ゆえ、その映像は悲惨のみならず、 悲壮美や魅惑的スペクタクル、爽快なアクション性をも併せ持つ宿命だが、 この映画の円谷特撮場面の数々がまさにそうだ。 東宝特撮技術もまた第二次大戦の中で培われてきた映像技術、 つまり戦争の恩恵なのであり、だからこそこの映画は安易な反戦には落ち着かせない。 無線交信場面のあまりに直截的で無粋なショット、字幕のタイミング、 編集、音楽処理は全くダメだと思う。 【ユーカラ】さん [DVD(邦画)] 4点(2009-08-08 20:50:10) 7.核戦争に対する反戦映画としては良くできている。 だが、どうも核戦争の脅威を煽ることに懸命になりすぎて、どこか地に足が着いてない内容になってしまっている気がする。 核戦争の脅威と悲惨さをうったえる為に、ここぞとばかりにベタな人間ドラマが展開される。 この部分に関して言えば、ベタながらも、さすがは東宝!という感じ。 実にソツがない。 これだけでも結構楽しめてしまった。 それに大して特撮の部分。 これはNG。 実際の部分と特撮の部分とが完全に分離していて、どのシーンが特撮か全て分かってしまうのがネック。 もちろん、時代を考えれば良くできているし、ヘタなCGより断然マシなのだが。 それと、出てくる人物達が、核戦争を目前にして、とにかく嘆くのが共感できない。 もちろん、明るい未来を核戦争によって突然奪われると知ったら、さぞかし悲しいだろうが、もう少しカラっとした人がいてもいい気がする。 ラストの船上のシーンでは、それが少し垣間見れたので良かったが。 【にじばぶ】さん [映画館(邦画)] 6点(2009-02-15 16:54:02) 6.おそらく核戦争のよる人類滅亡を描いた世界初の映画では? 本作の3年後にキューブリックが『博士の異常な愛情』で、人類滅亡をコメディという形で描きましたが、これはまさに対局。思い切り真剣。しかも戦争をする側ではなく、何の抵抗もできないまま巻き込まれていく一般市民の側から描いているからなおさら怖い。観賞後しばらく、夕日を見るたびにフランキー堺のあの絶叫シーンが脳裏をよぎって困ったものです。でもそれぐらいあのシーンは衝撃的だったし、ヘタな反戦メッセージなどよりよっぽど説得力があったと思います。未見の方はぜひ、お正月にご鑑賞ください。間違いなく休みボケが木っ端微塵に吹き飛びます(?)。 【とかげ12号】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-03-08 22:51:18) 5.藤子・F・不二雄の短編漫画に「ある日」という作品がある。 日常の何気ない生活が何の前触れもなく”プツン”と核爆発によって消失してしまう可能性を秘めた「現実」を、シニカルに表現した傑作である。 そして、この特撮映画の傑作を見て、まさにその短編漫画を思い出した。 人が自分自身の努力によって幸せに生きるという権利の崇高さと、それを一方的に消失させるという世界で最も愚かな暴挙。 「戦争」とはその暴挙そのものであり、どうしたって取繕うことなどできない「罪」だ。 映画では、平凡で幸福な人々が健気に生き、緊迫する両陣営の現場ではそれぞれの兵士らが「最終命令」が出ないことを心から望み、日本政府は事態の回避に苦闘する。 すなわち、世界の誰も「世界の滅亡」など望んでいるわけもなく、誰しもが平和に暮らしたいのだ。 愚かなのは、人間一人一人の意識を超えた、人間という「種」そのものの「不安定さ」だと思う。 ラスト、笠智衆の演じる炊事長のセリフにもあるが、人類全体がもっとシンプルに「生きたい」という願望を貫くことができれば、世界はもっと単純に幸福に存続していけるのではないか。 そういうただただ「生きたい」という望みが、フランキー堺の演じる父親の行き場のない嘆願に溢れ、涙が止まらなかった。 様々な面において、日本映画が世界に誇れる名作の一つだと思う。 こういう映画があることを、もっと多くの日本人に知っておいてほしいと切に思う。 【鉄腕麗人】さん [DVD(邦画)] 10点(2007-12-30 12:46:29) 4.こんな名作のコメントが4人だけというのは実に勿体無い。「反戦」という重いテーマながらそのストーリーは軽妙で重くなり過ぎずタクシー運転手の一家を通して戦後の復興,反戦への市民の想いを描き,反面では軍部の緊迫感を上手く描いている。軽妙と記述したが観賞後に心に残るものがあるのは間違いない。約40年も前の作品でありながら特撮技術も現在でも充分観賞に耐えうる出来にある。未見の方には是非観賞して頂きたい作品です。 【北狐】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-11-11 09:58:12) 3.本作は昭和29年製作の「ゴジラ」以来、数々の特撮映画を生み出してきた本多・円谷コンビ作品とは味わいが異なるものであり、メガホンを撮った松林宗恵自身の戦争に対する深い思い入れで、「反戦」というテーマがより鮮明に打ちだされた作品だったと言える。まさしく次なる世界レベルでの全面戦争を描いたものであり、その終末イメージの強烈さは、公開されて40年以上経っても未だに脳裏に焼きついて離れない。市井の名もなき庶民の生活をホームドラマ風に描いた本編と、破滅へと向かう一連の破壊スペクタクルの特撮部分とのトーンが、明確に違うのが本作の特徴とも言えるが、それは勿論違和感があるという意味ではなく、ドラマも特撮も描き方がいずれも直截的であり、互いに拮抗するほど自己主張していることに他ならないからである。主人公のタクシー運転手を演ずるフランキー堺は、元々コミカルな持ち味で人気者となった人だが、同時期公開された「モスラ」の熱血漢溢れる新聞記者とはまた違った力演で、どちらかと言えば「私は貝になりたい」の主人公と重なるほどの性格俳優ぶりである。とりわけ終盤での物干し場から涙ながらに世界へ訴えかけるシーンは、「反戦」の代弁者としての熱演を見せてくれている。当時、典型的な「絶叫型反戦映画」と揶揄されたこともあったが、それでもなお、真実味のある血の通った生身の人間の素直な感情表現は、我々一人一人の心に十分伝わるものがあり、ストレートな感動を呼び起こす名場面となっている。またしっとりとしたラブストーリーでもある本作は、團伊玖磨の叙情的な旋律がより深い哀しみをもたらし涙を誘う。そういう意味でも、極めて日本的な反戦映画だったと言える。そして今回の「破壊」をテーマにした円谷特撮の素晴らしさは、国会議事堂やパリの凱旋門などの建造物のミニチュアを逆さ吊りにして、水爆のエネルギーで一瞬にして跡形も無く吹き飛んでしまうというイメージを具象化し、また溶鉱炉でドロドロに溶けた鉄などを使って焦土と化した東京を表現したりと、かつて無いほど画期的で大胆な発想を、そのまま実践に移すことの凄さにある。この「破壊の美学」とも言える、今や伝説となった彼ならではの奔放なイマジネーションには、CG万能の現代のクリエイターたちは足元にも及ばないだろう。 【ドラえもん】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-08-15 17:20:39)(良:1票) 2.最近、ちゃちな古い特撮にはまってて、なんか楽しいな~って色々あさってたら、とんでもない映画にぶちあたってん。こんな映画、日本にあったやんやね。全然知らんかったわ。この映画、フランキー堺がきのいい親父役で味があるとか、星由里子って今の感覚で観てもかわいーなとか、特撮はやっぱチャチくておもちゃみたいやなとか、外国の軍隊の描き方がいくら昔の時代でもヘボすぎるとか、あんな核の解除の仕方はありえへんしとか、そんなんで爆弾の誤動作はないやろとか、メッセージ性ですぎてるわとか、そんな色々な思いはどーでもよくなる。とにかく後半、涙がとまらんかった。しかもその涙も凍りついてもーた。これは、今の時代やからこそ日本国民全員観なあかん。特に政治家は観なあかん。外人も観なあかん。てゆか、世界の映画人は、まったく同じな各国バージョン作らなあかん。平和は粗末にしたらあかん。ってゆう熱い気持ちが、映画鑑賞後、フツフツこみ上げてくるほど冷静ではいられんかった。昔の映画やのに、アメリカCG娯楽大作好きな俺でも、これはデイアフタートゥモローより怖かったし迫力あったと本気で思えたで。(またゆーてもた、ごめん)。 でも、こんなすごい映画やのに、レビュー少なすぎひん? あと、正月に観ると悲しさ倍増、あんな悲しいお正月の歌はあかん。 【なにわ君】さん 10点(2005-01-06 13:33:01) 1.タイトルから分かるように第三次世界大戦という大作だが救いようのないテーマを、平均的な市民である運転手一家の視線を通じて描いています。監督は松林宗恵で、特撮はもちろん円谷英二。人間ドラマと特撮との役割分担をはっきりさせた割りには違和感のない仕上がりになっており、核ミサイルを制御する軍人達のスリリングなシーンを取り入れたりで、最後まで緊張感を持続して見れる。やはり最大の見どころは、特技監督円谷英二の集大成ともいえる精巧なミニチュアセットと特撮。今現在の視点で見るならば、時代を感じさせなくはないが(もちろん当時としては衝撃的だった)、それよりもいかに描写すべきかという発想そのものに舌を巻く。(これだけはセンスの問題であろう) 富士山の背後で閃光と共に立ち昇る巨大なキノコ雲、溶岩状の地上に僅かな原形を残す国会議事堂などなど、そら恐ろしい光景が画面に映し出される。それこそ核戦争が勃発しようものなら人類はこの様に崩壊するのだ、ということを見事描写しており、いつまでも脳裡に焼き付く。特撮という素晴らしい技術は、確かなテーマと強烈なメッセージに裏打ちされてこそ最大限に活かされるということをも、この作品では教えてくれた。「ゴジラ(54)」と双璧をなす特撮映画の傑作として、この作品を高く評価したく思います。 【光りやまねこ】さん 10点(2004-06-17 11:11:39)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS