みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
4.遠い昔に名画座で見て「これぞ傑作」と思った覚えはあるのですが、結末をすっかり忘れていました。印象に残っていたのは、巨大な瓦屋根の前の道を行き来する勝新太郎と、ゾッとするような悪役ぶりの仲代達矢のみ。 そこで過日、BSで再見したわけですが、やっぱり傑作でした。勝新と仲代もさることながら、三島由紀夫が意外にいい感じ。しかしあのいかにもインテリ風の新兵衛が、おそらく命の次に大事にしているであろう刀をあっさり盗まれるようなマヌケには、どうしても見えません。脚本では強引にボヤかしてしましたが、ここだけ残念な感じです。 石原ポッチャリ龍馬も、ポッチャリを除いてはいい感じ。作品における唯一の良心、という描き方でした。 肝心の結末ですが、けっこうあっさりだったんですね。すっかり忘れていた理由が、ようやくわかりました。 さて遠い昔の若かりし頃に見たとき、「以蔵のような人生は送りたくないな」とつくづく思ったものです。そして今、私は幸いにして以蔵にはなっていないと思いますが、半平太でもない。新兵衛でももちろん龍馬でもない。せいぜい、倍賞美津子に呼び止められつつ振り払って去る名もなき通行人といったところでしょうか。そう考えると、いささか寂しいものがあります。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2016-06-26 03:04:32) 3.司馬遼太郎の「人斬り以蔵」に基づくとは言っても、あくまで「参考文献」としてクレジットされており、確かに基となっている短編小説に対して、エピソードが大きく膨らまされております。岡田以蔵と田中新兵衛との関係など、なかなか巧みな描かれ方でして、この田中新兵衛を三島由紀夫が演じているというのが、見てて多少疲れるところではあるのですが(改めて、プロの役者って凄いんだなあ、と思っちゃう)、演技のぎこちなさが、ちょっとした不気味さにもつながっていて、同じ「人斬り著名人」でありながら、以蔵を演じる勝新の人間臭さと好対照になっております。さらに、切腹を演じた本人が後に実生活でも切腹しちゃったってのが、何だか因縁めいてもいるのですが。 その人間臭い以蔵も、冒頭の吉田東洋殺害場面では相当に変態的。土砂降りの雨音が執拗に続く中、これまた執拗に人が殺されていく場面が描かれて、それを見ながら以蔵の顔は恍惚としていく。アブナイアブナイ。 という訳で、刀を振り回すシーン、人を斬るシーン、ノリノリでイッちゃってて、迫力あります。一方、粗暴なれどあくまで人間臭い以蔵に対し、幕末という時代の方がさらにイッちゃってて、結局はその運命に振り回される。坂本竜馬が石原裕次郎で、いかにも都会人っぽいのがどうなのよ、という気もする一方で、この狂ったような時代における一服の清涼剤のような存在にもなってたりします。 走る勝新、斬る勝新、彼の躍動感が、作品の魅力です。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-04-17 10:30:13) 2.勝新の演技力・パワーに感動しました。自分が若いころは決して好きな役者とは言えなかったのですが、最近はその魅力がやっと分かってきました。仲代達矢の武市は史実に忠実にその冷酷さを表現していました。三島の石部宿襲撃の際の殺陣も素晴らしかった。あの頭をすっぽり覆った頭巾(?)は耳への斬撃を避けるためでしょうか? 【源八】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-12-19 10:03:45) 1.昔、名画座で鑑賞しました。殺陣がとにかくすばらしいです。五社英雄監督の様式美が映像の随所に感じられます。この映画の一年後に、三島由紀夫が割腹自殺を遂げると誰が予想し得たでしょうか。幕末物が好きな人、三島文学の好きな人には是非見て欲しい傑作です。 【ジャッカルの目】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-12-29 13:28:27)
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