みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
15.大自然に囲まれた大河に浮かぶ一艘の筏、これが全てを物語っていた。敵の姿も見えない、目指す場所も分からない。自分がどこにいるのか、これからどうなり、どこに向かうのかも分からない。そんな中で、互いに疑心暗鬼になり傷つけあい、尽きない欲望に駆られ身も心も疲弊していく。極限の状況の中ではあるものの、むしろそんな状況であるからこそ、これが人生、人間そのものなのかもしれないと思った。 そして、そんな人間を包み込むように、また嘲笑うかのようにただあるがままの姿をさらし続ける自然。この構図は人間が存在し続ける限り変わらない。改めて人間というもの、自然というもの、人間に対する自然というものをCGに頼ることのない、生々しい映像で見せ付けられた。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-10-21 18:22:12) 14.冒頭からの苦難の行軍シーンは、本編というより、まるでメーキング映像を観ているかのような。“リアル”という言葉では表現し切れない、ドヨ~ンとした雰囲気が充満しています。で、命からがら、何とか川べりの平坦な地を見つけたところでようやく、お芝居でも始めましょか、映画の撮影でも始めましょか、まるでそんな感じの作品なんですね。それまで大自然の前に隷属していた人間たちが、矮小な物語を語り始める。だけど大自然はどこ吹く風、まったくの理不尽さを持って、彼らを取り巻く。アギーレの野心は、人間たちのささやかな秩序を無秩序に変えていくけれど、その無秩序もまた大自然の得体の知れなさの前においては、実にささやかなもの。と言う訳で、小さな小さな人間の社会・野心・挫折、それを取り巻く圧倒的な「得体の知れなさ」、これだけでもって成立している作品です。結局のところ、彼らをとりまく“外部”が一体どうなっているのか、何が起こっているのか、さっぱりわからないけれど、その“外部”に対し「敵わなかった」「敗れ去った」と言う事だけは痛いほどに伝わってくる、という、何ともエゲツない作品であります。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-26 21:19:59) 13.舞台は南米でも、ニーチェの国の映画。圧倒的な意志の肯定者。意志即反逆、自然の征服なの。面白いのはアギーレの意志が次第に膨らんでくるのに反比例して、河が穏やかになっていくとこ。アギーレに対抗して荒れ狂ってもいいのに、静まっていく。そこがこの映画の一番怖いところ。アギーレがいくら意志を膨張させても、河(自然)のほうはびくともせず、より静かに包み込んでくる。それでいて樹の高くに引っかかった船でちらっと実力を見せびらかす。それを見てアギーレはますます対抗意識を燃やすわけ。インディオの襲撃にしても、ほとんど姿を見せずに森そのものが攻めてくるみたいになってる。大自然そのものと戦ってる感じ。自分の意志の力で世界を変形させようとした男、そういう人物が歴史をときに危険に導き、また進歩させていったのが人類史なんだ。全体ドキュメントタッチのカメラで、レンズに水しぶきがかかってもそのままでいっちゃうの。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-07-11 14:50:19)(良:2票) 12.強大な力にまかせて他者を屈服させようとするときに迎える典型的な結末を、高温多湿のジャングルを舞台にねちっこく描き出していきます。規模や形こそ違えこれは私たちの生活の中でも日々繰り返されている出来事です。ODAの現場でもよく見られますね。 【きのう来た人】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-24 06:52:21) 11.「フィツカラルド」と似たテイストの作品。 こちらもに“狂気”は渦巻いている。 音楽はポポル・ヴーが担当しているが、映画世界と見事にマッチしている。 改めて、ヘルツォークの音楽選びのセンスに脱帽だ。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2007-10-04 10:39:56) 10.史実に基づいたお話とは申しながら、ストーリーらしいストーリーはありません。映画全編にわたって熱帯雨林の如く息苦しいほど蒸し暑い空気が感じられ、重く退廃的な狂気だけが存在しているようです。ヘルツォーク監督の「キンスキー わが最愛の敵」などによる撮影裏話などを知っているとそれなりに楽しめるように思われます。しかし何の予備知識もなかった初見の際には、幻想的にも感じられた地獄巡りのような行軍シーンに心惹かれるところはありましたが、「あ~鬱陶しい」と言うのが正直な感想でした。どど~んとダウナーな気分になりたいときにはお勧めだと思います。 【ぶくぶく】さん 6点(2005-03-18 13:49:44) 9.例えばドラクエをやってて深いダンジョンに準備万端で突入したものの、凶悪なモンスターによって次々に仲間を失いながら、気がつけばリレミトを使うMPも残っておらず、それでも奥深くへと進んでいくときの孤独な勇者の心境。アギーレは決して狂ったわけではない。蜃気楼を追い続ける砂漠の旅人である。自分の大志の実現に1mmもの疑いを抱いていない。夢の実現と狂気の関係は笑いとホラーの関係と比例する。そして狂気は笑いの延長線上にある。しかし映画としての面白みはあまりない。これは「フィツカラルド」にもいえることで、ヘルツォークが作る人物にイマイチ魅力がない。こういう人はドキュメンタリーの方が面白いものを作れるんじゃないかと思う。 【Qfwfq】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2004-08-31 16:33:56) 8.最初のショットがもう、あまりに絶望的で。密林版『八甲田山』である事をこの上なく見せてくれている絵作りでした。でもそこには幻想的な音楽があった。まるで麻薬のようにアンデス越えの苦しみを麻痺させて、一行と共に旅してるかのような錯覚に陥りました。「これぞ、映画だ」。そう思いましたねえ。川下りが始まってからは年末年始の民放特番みたいな映像が延々と続いて、ショボーンって感じでしたが。でもそれもこれもラストシーンの壮絶さを見るまでのこと。あの何だかよくわからない勝利宣言を前に、ぶっ飛ばない観客が居ましょうか。そしてそこにも、あの苦痛を和らげる麻薬的サウンドが満ちておりました。冒険に出たはいいけど結局大自然に負けちゃった者は、みんなあんな幻覚をみるのかもなあ…。 【エスねこ】さん 7点(2004-03-15 00:20:23) 7.なにがなんだかよくわからないタイトルに、難解そうだと敬遠する人もいるかもしれませんが、実はカンタンです。まず、アギーレとは主人公の名前。エルドラドを求めるスペインの征服者たちの狂気の物語です。まぁ、キンスキー親父が出演していますので、狂気の物語でないはずがない。そういう映画です。 【伊達邦彦】さん 8点(2004-02-23 17:23:33) 6.ラストシーンは今でも鮮明に覚えている。狂気は欲望から生じるのか、欲望(理想)は狂気(妄想)から生じるのか、そのために一体どれだけの人間の命が失われたか?背筋が寒くなるような映画だけど一見の価値は充分過ぎるほどある。いや、現実は多分こうだろうから、必見の映画かもしれない。 【大木眠魚】さん 8点(2003-12-23 17:09:59) 5.次々と仲間を失いながら自分の野望に突き進んでいく主人公。結果、隊は全滅、最後の一人になってまで自分の理想に燃える主人公をいつ終わるともなく写しているラスト・ショットが特に印象深い。 【クリムゾン・キング】さん 6点(2003-12-11 00:35:56) 4. 【虎尾】さん 6点(2003-10-15 00:22:34) 3.ヘルツォークの最高傑作。今まで見た映画のなかで一番トランス度が高い。 【あつし】さん 10点(2003-03-21 02:53:04) 2.日本で観られる珍しいドイツ映画ですよね。"オヤジ"キンスキーがギョロ目を剥いて迫真の演技をしてます。でもなんで舞台が南米なんだろう? 【オオカミ】さん 7点(2002-04-28 16:10:45) 1.バトルロワイアルもこんな感じにしたら格段に奥深くなっただろう。事実に基づいているのも味わい深い。 【死亀隆信】さん 8点(2002-04-02 01:48:59)
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