みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
47.単にノスタルジックな名作を期待していると結構えぐい描写があって驚く映画ですね。冒頭から子どもたちが前任の女の先生を泣かしたことを語り合う、自転車に乗り洋服を着ているというだけで奇異の目で見られてしまう、子どものしたこととはいえ落とし穴でアキレス腱を断裂させてしまうのは微笑ましいいたずらでは済まないちょっとシャレにならない展開です。確かに小豆島の風景は美しく撮影されているのですが、島民はよそものに対して冷たい人間として描かれており小豆島はこの映画を島の広報に使ってイメージ的に大丈夫なのかとすら思ってしまいますね(笑)。現代の視点から見直すとテーマとしては単純に貧困というよりも女性が働くこと・学ぶことの困難が描かれているという点に注目するのが重要ではないでしょうか。そういう観点で見ると物語が戦時中に突入すると高峰秀子は働く女性ではなく家庭の母親としての立場が強調されすぎており、反戦メッセージは大事なことではあるのですが枠にはまったつまらない描写になってしまっていると言えなくもないです。原作小説を確認してみると印象的なシーンや台詞はほぼ原作にもあるものばかりで木下恵介は脚本ではなく脚色とクレジットされているのは納得です。そのため原作者壺井栄の功績が大きな割合を占めるのは間違いないですが、木下恵介は間違いなく最高の映画化に成功しています。全編に渡って既成楽曲とそのアレンジが使用されているのは現代映画では珍しいことでもないのですが、当時においては世界的にもあまり見られない例ではないでしょうか。確かに流される童謡や軍歌はあくまで時代を象徴する古臭いものですが、この映画の音楽の使い方は時代を先取りした演出だと思います。1954年の日本映画としてはゴジラや七人の侍の陰に隠れてしまっているのはオリジナル脚本ではないという点もあるのでしょうが、意外と現代的なテーマも含まれていますので忘却されてしまうのは惜しい作品です。 【Сакурай Тосио】さん [インターネット(吹替)] 8点(2023-05-24 23:49:23) 46.子供たちの歌声と、瀬戸内海の美しい戦前日本の景色をバックに紡がれる物語は、誰もが決して忘れてはならない、この国のひとつの「時代」そのものである。これは、全国民が観るべき映画だと思っている。 【Yuki2Invy】さん [DVD(邦画)] 10点(2019-11-17 00:19:51) 45.古臭い映画、という印象はどうしても拭えません。たびたび流れる唱歌が、余計にそう感じさせます。今の小学生には、ほとんど馴染みのない曲ばかりなのではないでしょうか。教科書的な印象も受け、それらを欠点として、5点以下の低評価を下している人が少なからずいるのもうなずけます。それでも、この映画は紛れもなく名作だと思います。例え古臭く、教科書的な内容であってもです。この映画が描く頃の日本は、今とは比較にならないほど厳しい時代でした。小学生の修学旅行に、自分で稼いだ金を出して行くなんて、今の子供たちに想像できるでしょうか。若い時に見てピンと来なくても、ある程度年齢を重ねてこの映画を見れば、今の時代の素晴らしさが必ず分かると思います。尺は2時間半と長めですが、山場(泣き所)が全体に散りばめられていたのも好印象です。単に他人に見て欲しいというレベルを超えて、後世に残すべき映画だと強く確信したことから、10点とさせていただくことにしました。 【川本知佳】さん [DVD(邦画)] 10点(2015-03-15 21:14:27)(良:2票) 44.○映画による日本童謡・唱歌集。 ○日本人に共通する記憶があるとしたら、それは童謡と唱歌にしか残っていない。その歌詞とメロディは、自然の美しさ、人間の優しさを謳いあげるが、死への憧憬(コノ美シイ景色ノ中デ死ニタイ)という一面も持っている。この映画では、出征兵士を見送る場面の軍歌4曲以外は、切ない切ない童謡・唱歌が連綿と流れ続ける。木下(弟)の恐るべき演出である。 ○私がこの映画をはじめて観たのは化石時代、小学生のときだ。炭住(炭鉱住宅)の講堂に、アッパッパの女たちと子どもたちが座布団持参で集まった(鉱夫たちはアクション映画しか観ないので敬遠)。大石先生の分教場勤務時代まで、女たちはアハハハとアケスケに笑っていたが、それから後はラストまで嗚咽の大合唱。中にはヒイヒイ声を出して泣く女もいた。「深く泣ける人でなければ本当の笑いを笑うことができない」とは五木寛之の言葉だ。泣いて泣いて大泣きして、それでスッキリするのである。 ○後年、名画座で再鑑賞したとき、やはり、観客を泣かせることを目的として作った映画だと確信した。いわゆるお涙頂戴映画である。しかし、お涙頂戴イコール低級とは限らない。低級にさせない2つの凄みがこの映画にはある。1つは高峰秀子の恐るべき演技。もう1つは木下(兄)の恐るべき演出である。 ○私の邦画オールタイムベスト10の1本。 【火蛾】さん [映画館(邦画)] 10点(2014-08-16 16:08:01)(良:3票) 43.名作なんですよね…でも、僕はどうにも正直受け付けられませんでした。生徒たちの歌とBGMが引っ切り無しで煩くて煩くて仕方なかったんです。「七つの子(カラスなぜなくの)」の挿入とか、もう、くどくてくどくて、こんなしつこくてダサい音楽の使われ方、生まれてはじめて体験しました。ほとんど拷問でした。セリフが聞き取りづらい上に蝉の声が無駄に煩いシーンもありました。「二十四の瞳」という物語そのものに対しての評ではないです。この映画の出来が僕には「良い」とはとても思えませんでした。耳が疲れ「七つの子」の歌が嫌になりそうな映画でした。 【だみお】さん [DVD(邦画)] 2点(2014-08-08 11:54:07) 42.何回も見て小さいころはそれなりに感動した覚えがあるが、記憶にちっとも残らない映画。こうしたタイプの貧困がなくなったことは良いことだが、戦争のことを被害者の立場からばかりみるように押し付ける朝日新聞的感じが好きでない。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-11-04 22:39:58) 41.清く正しく美しい、いかにも文部省推薦的つまらない映画。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-09-22 00:26:39) 40.オハナシだけに注目しちゃうとどうもピンと来ない。幼き日における学童と先生の交流があって、歳とともにだんだん皆離れ離れになって、と、そこまではいいとしても、この後、反戦丸出しになってしまうのがいただけない。かつての学童たちも戦争にとられて幾人もが命を失い、ああ悲しい、と。戦争によって奪われた過去。って、戦争さえなければ「過去」は失われない、ってな訳でもないでしょうに。誰にだって決して取り戻すことのできない「過去」がある、実際このオハナシも中盤まではそういう物語だったハズでしょ。どうしてその微妙なアヤを、「戦争」=「大勢の死」=「悲惨(なにしろ大勢だから)」という大味な方向にもっていっちゃうんでしょうか……。と、戦後の道徳教育(いわゆる「先の大戦」について、悲惨さ以外の観点で語ることを許さない流れ)にいささかウンザリさせられた世代としては、正直、こういうオハナシは苦手なんです。で、苦手なのに、映画ではちゃんと感動させられるんだから、参っちゃう(笑)。「歌」を交えることで場面場面をゆったり描くこと、それが(私の本来なら苦手な)あの戦後の同窓会のシーンに繋がってくる。取り戻すことのできぬ失われた「過去」とは、目の見えぬ者が「見る」あの写真であり、また流れてくる歌声であり。この場面を経由した後、ラストで雨の中自転車を走らせ、日常へと帰っていく大石先生の姿がたまらなくいとおしい。あと、この作品は『となりのトトロ』の原点だと思っています。大石先生が骨折し、大人を呼びに行く子供たちの走る姿、最後に画面の向こうに走り去っていく子供たちの姿は、とうもろこしを持って走っていくメイや、メイを探して走るサツキにそのまま受け継がれてます。さらには、母ならぬ大石先生を求めて迷子になってしまう子供たち、そして、そこにやって来るバス……。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-06-01 13:25:26) 39.あれだけ二十四の瞳を輝かせたんだ、キネ旬で「七人の侍」を上回ったのも理解できないこともない。自分にとっては最大級の賛辞のつもり。また、個人的には成瀬の高峰秀子より木下のそれの方が好み。 【monteprince】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-03-25 01:10:30) 38.すばらしい小説がすばらしい脚本と演出によって、すばらしい映画に生まれ変わった。「二十四の瞳」は日本の映画史に永遠に残る名作だろうと思う。 名誉の戦死が尊ばれていた時代に、死なないでと言うことが非国民だアカだと言われていた時代、一人の女教師と12人の教え子たちの心のつながりを暖かく静かに描いた映画だ。数々の名場面が心に残る。 小説を初めて読んだ時の感動と映画を初めて見たときの感動がまったく同じものだった。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 10点(2012-06-27 22:55:42)(良:2票) 37.戦争というより貧困が怖い。貧困の元に戦争があるんだけど。貧しさが子供を犠牲にする。それが当たり前の世界。当たり前なんだけど人間としてそれは憂うべきことなのだ。大石先生は純粋に憂う。人として悲しむ。時代とか世相とかに関係なく。ただ泣くことしか出来ない先生は弱者でしかないのかもしれない。しかしその世界を当たり前と割り切るよりもただ泣く方がずっと人間らしい。人々はそれは悲しいことなんだと知るべきなんだ。先生は子供たちに悲しみ泣くという行為が間違っていないことを教えているのだ。いい先生だなあと思う。長いけどさ。台風接近で時化た海沿いを歩くシーンがあるんだけど、そのときの波の高さが尋常でなく高峰秀子にバンバンかかっててちょいと心配した。二十四の瞳映画村は私も行ったことあるんだけど、87年版(田中裕子主演)で使用したオープンセットなんだな。 【R&A】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-12-08 17:00:08)(良:1票) 36.日本人なら誰もが知っているであろう名作中の名作。 何せ昭和3年から終戦直後までの長丁場なので、映画でこのお話をまとめるのは無理なのでは? と思っていたのだが、重要なポイントはしっかり押さえており、違和感はほぼ感じなかった。 郷愁を誘うような小豆島の素朴な風景はもちろんのこと、さりげない反戦のメッセージがいい。 一番びっくりしたのは、成長した子供たちの顔がそっくりな事。 どうやら全国公募で顔の似ている兄弟や姉妹を集めたようだ。気合い入ってるなぁ。 それでも、子供たちのそれぞれの細かいエピソードがかなり削られているせいか、 全員の名前と顔が最後まで覚えられなかったのは残念。 時間的な制限上仕方がないのだが、そこがカバーできていれば中だるみも感じないはずだし、 もっと感情移入ができたかと思う。監督さんの手腕が非常に光っている、お薦めの作品。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-08-10 08:13:57)(良:1票) 35.字幕が欲しかった・・・。特に子供が何を言うとるか分からん。(^_^;) 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-06-12 11:48:14) 34.木下恵介は、ちょっと離れて平行移動する二人を描くととてもよく(『野菊の如き君なりき』など)、それの絶唱とも言うべき最高の成果が、本作の修学旅行の場。食堂で働く松っちゃんを大石先生が訪ね、嬉しさと恥ずかしさが混ざったような松江が距離を置いてもじもじしている。大石先生が去るとたまらず飛び出したものの、旧友たちが先生へ走り寄ってくるのを見てサッと身を隠す。たまらないシーン。そして次にとぼとぼ歩く松江と、旧友たち・先生を乗せた船とが平行移動していく名場面になる。心象風景がそのまま抒情の極致となり、画としての構図もピタリと決まった。またチョイ役ながら、食堂の女将、蝿叩きを持った浪花千栄子が絶品なんだ。この映画の長さは、唱歌が流れるシーンで歌をたっぷり入れているので膨らんでいるところがあり、欠点と言えば欠点なんだけど、作品ごとに趣向を凝らす監督が本作では、唱歌が軍歌に勝利する歌合戦っていうような試みをしたと思われ、ロングを生かした画面もあいまって、そこにじっくりひたれる世界を作り上げている。木下恵介はコメディで最も才能を生かした監督だと思っているが、本作は抒情の作家としての代表作になった。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-04-12 09:46:14)(良:1票) 33.終戦から約10年、GHQの占領も終わり、日本人が日本人の手によって先の大戦を振り返り、改めて反戦の意志を強くする。あるいは、戦時中にはまだ幼かった世代から戦後生まれの子供にも戦争の悲劇を伝えていこう、といった志が感じられる映画。ただ、そういった時代的な価値を除けば月並みな反戦映画だと思った。ここ!という盛り上がりもなく、2時間半超は少々長いかな~…。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-04-08 20:00:46) 32.高峰秀子に尽きる。戦争がだんだんと暗い影を落としていく様子が伝わってくる。歌をうまくアクセントにして、唱歌と軍歌で色を変えている。しかし少々くどいか。 【Balrog】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-02-23 19:58:25) 31.戦争の記憶が生々しいころ映画館で上映されたところを想像してみると、観客一同泣きに泣いたであろう。 戦争の悲惨さや残酷さが見に染みて悔しい気持ちでいっぱいの時代ならそれも分かる。 しかしそれからはや50年の現代では名画といえども色褪せてしまう。 瀬戸内海の景色の美しさと言っても白黒では色に乏しい。 小学校の賛歌もひどく古めかしく、時にはくどく聞こえてしまう。どちらも泣かせる要素にはならなかった。 終始悲嘆にくれてばかりいる高峰秀子先生も、 女性が強くなった今では違和感を感じてしまう。それほど日本は変わったのだ。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-02-21 00:01:03)(良:1票) 30.期待をし過ぎたのもあるし、長かったというのもあると思います。そして昔の映画はやっぱり疲れます。私にはこの映画の素晴らしさがあまり分からなかったようです。観賞後は映画の余韻より達成感のほうが大きかったように思えます。決してつまらなかったわけではないし、感動も考えさせられる部分もありました。ただここの多数派の方々の感動を共感できなかった悔しさを書かずにはいられず… 【なこちん】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-12-19 06:31:25) 29.日本映画史上に燦然と輝く名作中の名作を遂に鑑賞することができた。 未見の日本映画としては、私にとっての“最後の大物”であった。 ただ、観る前から嫌な予感があった。 原作、壺井栄による小説を読んだことがあるし、子供を題材にした小豆島の物語というのは分かっていたので、自分の好みに合わない題材であることが明白だったからだ。 だからこそ、ここまでの名声を得た作品を今まで観ていなかったのだろう。 2時間半に渡る長尺の作品で、最初から最後まで実に苦痛であった。 何と言うか、感覚的に合わない感じ。 高峰秀子の演技は素晴らしいし、小さな島におけるほのぼのとした古き良き時代の雰囲気が良く出ているし、映画の出来としては素晴らしいことは間違いないのだが、それが頭では分かっていても、感覚的にどうも不協和音が心の中にざわざわと鳴り響いていた。 そういった状態で2時間半を送ったのだから、これははっきり言ってしまって苦痛以外の何物でもなかった。 これだけ高い評価を得ている名作に、批判的な感想を書くのは勇気が要るが、正直に書いてみた。 この作品を愛している方々には申し訳ない気持ちである。 理由を長々書く気は到底湧いてこない。 ただ一つ言えば、私は“異端の人間”を愛する性向があって、こういった正統派の人情劇は根本的に相性が悪いからだ。 戦争による犠牲を悲しむ気持ち、教え子に対する真っ直ぐな気持ち。 これらは人間にとって欠くことのできない大切な感情である。 だけど、それをひたすら真っ直ぐに2時間半描かれても、私には退屈でしかない。 人間には色んなタイプの者がいるだろうし、変質的な人間もいる。 だけど、本作の世界にはそういった人間たちは封印されて、どこかに追いやられてしまっているのだ。 綺麗すぎる世界。 これが、私にとってこの作品に退屈感をおぼえた最たる理由である。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 3点(2009-03-24 23:04:22) 28.映画の中盤以降、主人公である大石先生はことある毎に泣いている。最後には、子供たちからも「泣きみそ先生」とあだ名される始末だ。でも、大石先生の流すその涙にこそ、昭和という歴史への、つまりは「戦争」というものへの“異議申し立て”があることを、この映画の作り手たちはまちがいなく自覚的である。それはただ悲しいからでも、つらいからでもない、「くやしい」からこそ流された涙だ。時代に翻弄され、押し流されながらなすすべもない時、人はそういう状況に追い込んだものたちに怒り、しかしそ気持ちの持って行き場がないから、泣く。そこには単なる「被害者意識」ではなく、もっと烈しい告発の意志がある。だからこそそれは、時代を超えて見る者の心を揺さぶり続けるのだと思う。 ・・・以上、ずっと以前に録画してあったビデオで、先日久しぶりに再見した感想。昔は単なる感傷と、いかにも日本人的な諦観にいろどられたもの、という印象を抱いていたのだけれど、今回見てコロリと考えがかわりました。やっぱり映画は、何回も見直すべきだなという反省と自戒をこめて、ここに記す次第です。木下恵介監督、ゴメンナサイ。 そして素晴らしい映画をありがとうございます。 【やましんの巻】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2009-02-03 20:06:26)(良:1票)
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