みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
18.知らなかったことがいっぱいあったし、日本人の1人として、勉強になりました。 最初は2回に分けて見ようかと思っていましたが、4時間半、一気に見てしまった。 時系列に沿って当時の映像と解説で、あの戦争の節目節目に何があったのかを明らかにし、 その上で、それぞれの節目の裁く側と裁かれる側の法廷での発言を明らかにしていく。 4時間半を一気に見せる構成、編集の巧みさにも唸らされます。 東京裁判とは何だったのか。本作を見ればよく分かります。 【とらや】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2021-11-05 17:39:40) 17.ドキュメンタリーの興奮は感じられないが、ホンモノなんだなあ、と有名人たちを眺める感動はある。大川周明に頭叩かれた後の、東条さんの表情なんか良かった。広田弘毅が傍聴席を見上げるシーンは、ちょっとジーンとしてしまう。東条さんの「陛下の忠良な臣」としての発言が天皇の立場を危うくしていくあたりも、あの時代の愚かしさが凝縮して感じられる。しかし全体として茶番っぽい。戦場から遠く離れてしまってると言うか、抽象の出来事を抽象で処理している感じ。この戦争のタテマエ的な「あちら」の部分を「あちら」で裁いているだけで、現実の死が満ちていたアジアの諸地域や南の島や空襲下の日本など「こちら」の悲惨とはあまりにもかけ離れてしまっている、というシラけた感じ。ぜんぜん死臭が漂ってこない。裁判ってのはつまりこういうことなんだ、ということは納得できた。不完全な人間が不完全な人間を裁くことの無理。弁護側と検事側のゲームのような駆け引きに、いい気なものだと思わされる。国という単位を脱して、「こちら」連合が「あちら」連合を訴える裁判はできないものか、という夢を持ってもみるが、「こちら」だってそう罪がなかったわけではなく、「あちら」を弱腰だと煽ったりけしかけたりした歴史が厳として存在したわけで…。などとネチネチ考え込まされ、そういうものを導くのもドキュメンタリー映画の成果ではあろう。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-08-28 10:11:59) 16.ひたすら地道に誠実に記録映像と事実の叙述を積み重ね、しかもそれを膨大な量にもかかわらず系統的に分かりやすく整理している。基本を大事にした一流のドキュメンタリー作品だと思います。この分量でも東京裁判の全体像からしたらごく一部の要約にすぎないのでしょうが、それでも、見た者を「その次」に進ませるだけの力があります。最初から最後まで力強く進む佐藤慶のナレーションも白眉(彼は翌年、大河ドラマ「山河燃ゆ」でよりによって田中隆吉役をやるのだが、どんな気分だったんだろう・・・)。 【Olias】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-01-02 05:18:30) 15.4時間37分。自分が劇場で観た映画で最も長い作品はこれです。でも、全く長く感じなかった。当時、映画館には数人しか客がいなかったんだけど、まるでその裁判の傍聴を特別に許された人になったような気分で身動きできなかった。それだけスクリーンはメッセージを発し続けていたってことですね。戦後生まれとして、もちろん勉強にもなったし、簡単には感想をまとめられない重い重いドキュメンタリーです。この裁判が抱える欺瞞は多くの指摘を受けているが、もし日本が太平洋戦争に勝利していたら、逆のことを米国に対して行ったのかな、というのが当時の自分が思ったことでした。その場合は、A級戦犯も英雄に翻る訳です。やってしまった事に対しては、何らかの決着を付けないと先には進めない。戦争犯罪を追及することは、その真偽を諮ることが目的ではないのだろう。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-01-13 16:31:11)(良:1票) 14.貴重な映像が多数。なによりもA級戦犯の生の声を聞けたことに感銘。日本人として見ておいて損はない作品だと思います。余談だが大川周明が東條英機をはたくシーンは伝説ですね。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-02-03 11:31:30) 13.世界の歴史上、稀に見る野蛮な裁判によって日本人が失ってしまったものが、どれだけ大切で大きなものであったのかを痛感できる作品です。 日本人として生まれて来たからには、この映画を拝観させて頂くのは義務なのではないでしょうか? 【憲玉】さん [DVD(邦画)] 10点(2006-10-14 19:39:28) 12.ただただ敗戦国の悲哀を感じた。裁判をひらいて文明化された公正な西洋を演じれば未開で残忍な野蛮人の首祭りでは無いとでも強弁できるとでもおもったか、列強に伍すほどの力を手に入れた日本の、しかしながら黄色い肌の小人には教育が必要で洗脳できると思ったのかは知らないが、戦に負けるや当時のエリートで国を任すにたると支持された指導者達が、国民に非難されあるいは忘れられた中にあっても、分かりすぎるほどに分かっていた自らの運命を従容と受け入れた気持ちを思って、戦争の評価はさておき胸が熱くなった。 【ぷうボス】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-01-11 11:36:47) 11.本裁判唯一の戦時国際法学位所持者パール判事の言葉、「時が、熱狂と偏見とをやわらげた暁には、また理性が、虚偽からその仮面を剥ぎ取った暁には、その時こそ正義の女神はその秤を平衡に保ちながら、過去の賞罰の多くにその所をかえることを要求するであろう」。 その暁が訪れるまで残しておく「記録」。 大日本帝國すなわち日本は、まごうかたなき敗戦国である。 しかし、断じて、それ以上でもそれ以下でも、ない。 【とっすぃ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-12-27 03:20:59)(良:2票) 10.太平洋戦争は到底勝ち目の無かった戦争である事は、日米の国力の差を考えれば明らかだった。その事は当時の日本の指導者も分かっていたと思いたい。しかし、その状況でなぜあの戦争を始めたのか?東条元首相は自衛のための戦争であったという。そうなのかもしれない。現実に日本国内以外の海外権益を捨てさえすれば、太平洋戦争は起きなかっただろう。それは一方で、当時の大日本帝国と言う国の面子をかなぐり捨てる事にほかならない。日清から始まる「侵略」戦争により、血で獲得してきたそれら権益を捨てる選択が軍部の発言の強い当時の日本で出来たのだろうか?と、思えば"A級戦犯"と呼ばれた人々にとって開戦を先延ばしに出来なかった事が最大の「罪」なのかもしれない。戦後教育を受けた私たちにとって当時の軍部は絶対悪で、関係する政治家や軍人を不当に低く評価する傾向があるようにも思うが、もうそろそろ精神的、思想的にも「もはや戦後では無い」と言うべき時期なんじゃないだろうか?と思った。なお、映画的な面白さと言うより色々考えさせられたのは久しぶりであったので10点を献上します。 【クルイベル】さん 10点(2005-01-24 10:04:46)(良:1票) 9.市川昆「東京オリンピック」、小津「東京物語」と並んで、三大「東京」映画である。 【みんな嫌い】さん [DVD(邦画)] 8点(2004-11-01 13:50:17) 8.強く心を揺さぶられた。公平さ・客観性といった言葉が、逆説的に不公平さ・主観性をもちうるということを学んだ。罪状認否で全被告が無罪を主張したのに対し、「有罪と認めてほしかった」という一般人の言葉が印象的だったが、その考えには欠陥があると思う。逮捕前に自殺した近衛さんらは、「悪いことをしたから」ではなくて「負けたから」自決したのだ。そもそも日本人の考える「戦い」とは、善と悪をきめる戦いではなく、勝ち負けを決める戦いであったはずだ。これは武道と総称される勝負事の基本だと思う。東条たち生き残った閣僚達は、「負けたこと」の責任を負うのにやぶさかではなく、その結果勝者に殺されることも致し方ないと考えていたと思う。彼らが「無罪」を主張したのは、自分の身がかわいいとかではなく、「負けた」けれど「悪」という後付のレッテルは受け入れられないという確固とした精神に従ったからなのではないか。そういう被告達の姿と、日本が「悪」であったと強弁する左翼の方向性をあわせながら、いろいろと考える必要があると痛感した。長いけれど、とてもいい勉強になった。 【wunderlich】さん 7点(2004-08-25 09:29:26)(良:3票) 7.凄い、4時間37分(!)があっと言う間の面白さ。ここには敗戦国への憐憫も批判も、戦勝国への妬みも告発も無い。東京裁判という茶番劇を通して本作が総括したのは戦争犯罪ではなく、戦争そのものの不条理。自らの利益だけを追い求める一部の人間達の疑念と恐怖が戦争を生み、前線で無関係な人間が殺し殺される。運良く戦火を生き延びたとしても、戦後、全く理不尽な理由が正当化されて殺し殺される。どう転んでも殺し殺されるなら、誰も戦争なんてしようと思わない。私はここまで戦争の無意味さを描いた映画を他に知らない。最前線の地獄や被災者の悲劇を描いた作品を観ても、これ程の嫌悪感を持ったことはない。そーゆー意味で、これは究極の反戦映画である。マイケル・ムーアもこれ観て勉強しろ、10点献上。 【sayzin】さん 10点(2004-08-16 13:33:42)(良:3票) 6.あぁ、これは学校の教材に最適ですね。授業とかで使ったらいいんじゃないかな。映像は雄弁に語ります。ポツダム宣言、日露戦争、日中戦争、太平洋戦争、満州事変、神風、空襲、原爆、東京裁判、虐殺シーン、処刑シーン、ガンジーの葬儀等々、、、貴重な映像の数々を拝見させていただきました。何が正しくて、何が正しくないのか、すごく考えさせられます。戦争というものにおいては、おそらく勝った方が善なんでしょう。長い人類の歴史を振り返ると、正しい事正しくない事というのは、常に変化している。時代によって変わる。だから今、正しいとされている事も、未来ではどうかわかりません。極論すると、正しい事なんて本当はないんじゃないかと思えてきます。 【あろえりーな】さん 7点(2004-07-15 23:15:37) 5.満州事変から支那事変、真珠湾奇襲攻撃で口火を切ることになる太平洋戦争突入とその集結。そして総決算ともいえる東京裁判こと極東国際軍事裁判。佐藤慶の明解なナレーションと共に、激動の昭和史がリアルに力強く明らかにされていきます。この作品では戦争という殺し合いを戦勝国が敗戦国を裁く、という大いなる疑問を見る者に提示します。日本と米英のイデオロギーと価値観の違い、コミュニケーションの壁までが浮き彫りにされる。そんな中、インドの判事パルによる裁判そのものの違法性と全員無罪の主張が説得力を持つ。(それでは誰が何を裁けば良いのか? それとも裁くという発想そのものが意味を成さないのか?) 近代日本の歴史的事実を極めて客観的に捉えており、ドキュメンタリー作品としては完成度も高く見応えも十分。監督小林正樹の集大成ともいえる本作の存在意義は余りにも大きい。 【光りやまねこ】さん 9点(2004-06-05 22:00:36)(良:1票) 4.ドキュメンタリー映像のみで構成された作品です。第一部は日本が第二次大戦へと至る経緯を、第二部は極東軍事裁判を克明に記録しています。日本の歴史教育では、近代の歴史を非情に軽んじていますが、下手な歴史教師の近代歴史を教わるぐらいなら、この作品をじっくりと観るのが一番。それほど丁寧なつくりになっています。 【伊達邦彦】さん 10点(2004-02-23 04:43:21) 3.戦争に負けるとはこういう事なのですね。勝者が敗者を裁く報復のための不合理な裁判の記録です。ナチスを裁いたニュルンベルグ裁判の再現が目的であったため、ユダヤ人虐殺に相当する「南京大虐殺」が作られる必要がありました。当然、証拠も証言も曖昧です。虐殺について、弁護人がアメリカの原爆投下を引き合いに出すシーンが胸を打ちます。原爆は許されるのかと。インドのパル判事のこの裁判の不当性を訴え日本を無実とする主張は有名ですが、裁判長を務めたウェブ判事でさえ、後に日本の行為は経済封鎖などによる自衛の行動であったとして理解を示しています。ろくに裁判などもされず処刑された千人にも及ぶBC級戦犯のことも忘れてはいけません。この裁判を統轄したGHQ最高司令官マッカーサー元帥がその後証言した言葉が全てを語っています。「日本が起こしたあの戦争はほとんどが安全保障のためであった。」 【パセリセージ】さん 7点(2004-01-14 23:00:04) 2.佐藤慶のナレーションが画面にピッタリくる硬派の映画ですね。というよりドキュメンタリーですね。当時の東京裁判の記録フィルムを使って再構成した作品です。木戸満さんおっしゃるとおり、被告人には不利な形式で行われた裁判であり、インド人判事の正義が通じなかったのは裁判長との駆け引きによるものだと信じています。個人的には文民でタダひとり死刑になった広田弘毅が哀れでなりません。 【オオカミ】さん 7点(2003-11-20 13:14:25) 1.親父と2人で観に行った唯一の映画、中学生の私は戦争を起こした悪い人は死刑になるのは当然と思ってました。が法学部に入り、東京裁判が国際法や慣習法にない「平和に対する罪」「人道に対する罪」のでっち上げにより、法の不遡及を無視した裁判であったことを映画の中でも弁護団が訴えていたことを思い出した。東京裁判ほど不公正で違法な裁判はない事をもっと多くの人が知るべきである。終戦記念日くらい深夜でもいいから、毎年NHKで放映すべきじゃないのか。 【亜流派 十五郎】さん 7点(2003-11-18 15:51:14)(良:4票)
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