みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
8.シルエットの美しさ。山茶花究が五反田の女への土産を探してる、なんてどうでもいいところでもトロッとさせる美しさがある。まして二人が結ばれる朱色の世界においておや。全体、赤の幻想詩といった趣で、ショウジョウバエから赤旗まで貫く。この赤旗は評判悪いんだけど、吉村公三郎の「自分の問題意識のありか」を示すハンコのようなものだったのではないか。『森の石松』とか『源氏物語』とか『美女と怪竜』とか、左翼思想と無縁の作品でも戦後ずっとシナリオで組んできた新藤兼人と、初めて別れた映画のよう(未確認)。京都の「はんなり」を背景にして、人々の在り方はすごく硬質。ヒロインの硬さも。みなの心が通い合わない世界ね、一人一人が閉じて固まっている。見下ろしたり見上げたりする構図が多かったのは、人々が同じ地平に立ってないということか。車窓に映る山本富士子の顔の向こうを、赤い光が横切っていく。赤いものだけが、その硬さを通過する。硬いものの孤独、それへの讃歌の映画と思った。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-03-24 09:19:47) 7.子どもの頃見た映画だから、内容を覚えているわけはないのだが、山本富士子という名前と題名だけはどういうわけか覚えていた。今回DVDで改めて見て、なるほど大人の映画だということを認識。メロドラマと言えばメロドラマだが、恋する女心を巧みに描いている。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-03-22 07:21:20) 6.山本富士子主演の映画は基本的にメロドラマである。しかもとても良質なメロドラマである。 私が女優山本富士子に期待する所はそこだし、今まで彼女の主演映画ではずれた事はあまりない。 が、この映画はだめでした。 監督が吉村公三郎で期待が大きかったのですが、全般的に荒っぽい印象を持ちました。 よくある民放のドラマのように街中で偶然出会ったり(東京でそんな事ありえない・・)、 編集も変で急に場面が飛んだりして不自然な感じが否めませんでした。 ここのレビューでも高評価で驚いていますが、すみませんお富士さん贔屓の私でも5点です。 【仏向】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-01-12 23:03:29) 5.エロチシズムを安っぽい濡れ場でみせることなく巧く描いている。 最近の邦画をみると、「とりあえずベッドシーンを入れておこう」といった安易な演出、安易なエロシーンが多く、レベルが低いと感じる。 しかし本作には、そのような稚拙で安易な演出はなく、光の加減や足袋などを映すことによって絶妙に描いている。 山本富士子と上原謙は、両者とも完璧な演技をみせてくれる。 ただし、不倫というテーマはやや苦手なので、その辺が少しひっかかった。 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2008-08-02 11:47:24) 4.素晴らしい作品でした。主演、山本富士子の美しさはもとより、京都の街、京染織物の品など全般に美意識が徹底されている。私はモノクロが好きなんですが、このカラー色彩の素晴らしさに感嘆しました。宮川一夫のキャメラも威力増しますね。 しかし、それだけでは二流。 なにより、色彩だけでない。 山本富士子演じる織物主人・きわの女性と自立し、凜とした生き様に魅了させられる。前半は京染屋の主人としての粋な職人を演じ、中間では恋する一人の女性となり、最後には大人の女性としての変化。この推移を見事に演じています。といいますか素晴らしかった! この全編を支配する「美しさ」は細部まで行き渡り、染めの「モダン」なデザインのセンスや、赤などの「色」にもかなり配慮がなされていて、「和服ってこんなに素晴らしいのか」と思うはず。(まあ、あの山本富士子がモデルですから・・・)男性・女性関わらず魅了されるはずです。 【サーファローザ】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-08-04 02:22:25) 3.↓下のおふたりとほぼ同意見、日本的メロドラマの傑作ですね、これは。キリコ様もおっしゃってますが、画調や色彩設計も特筆されるべきものだと思います。この時期に早々と女性の自立というテーマを、艶やかなストーリーにくるんで堂々と取り上げてる点にも着目したいところ。昔「山本富士子でもトイレに行く」なんていう下品な言葉があったみたいで、というかウチの母親もトイレに行く前、この台詞をのたまうのを何度か聞いた憶えがあります。その頃は山本富士子という女優さんの名前など知らなかったのでフンフンと聞き流してましたが、代表作の「彼岸花」やこの作品での彼女の輝かんばかりの美貌を実際見るにつけ、ウチの母親の厚顔無恥への憤りと共に、この方はトイレになんか絶対行きそうにもなさそうだなあって妙に納得してしまった自分がいました。しっかし、綺麗な人 やなあ・・・。未見だけど「美貌に罪あり」っていう映画はこの方の為にあるような意味深タイトルですね。 【放浪紳士チャーリー】さん [地上波(字幕)] 8点(2006-01-29 15:31:58) 2.山本演じるきわは芸術的な職人であり経営者でもあるというしっかり者の自立した女性。妻子ある大学教授への恋も積極的で情熱的。これは吉村監督初のカラー作品だそうだが、特に彼女の情念を表すように赤が効果的に使われている。 二人が宿で結ばれる時、夜行列車の窓に映る灯、染物や彼女の作品の模様、ラストもメーデーの赤旗を見つめる彼女の真っ赤な背景など印象が強い。 梅さんも言われてるように、この作品はひとえに恋を諦め仕事に生きるきわの凛とした美しさと強さを見せる山本富士子ありきで、相手役の上原謙も単なる引き立て役に見える。 吉村監督作品はこれで3本目だが、描かれる女性像がみな似たようなタイプ、といったところもなかなか興味深い。 【キリコ】さん 7点(2004-10-19 20:06:07) 1.すばらしかったわ。 なにがすばらしいってやっぱり山本富士子よ。 女の揺れ動く心を見事に演じ切ってて…演技だと思えないほど「舟木きわ」そのものだったわ。 京都の老舗の染物屋の娘らしい、たおやかでありながら芯の強い自立した女性を、嫌味なく控え目に、でもしっかりと表現してたわ。 そして着物姿のうつくしいこと! 立ち居振る舞いやなにげない動き(首の傾げ方ひとつとっても)がほんとに美しくって…なめらかな京言葉とあいまってほんとにステキだったわ。 やっぱり日本の伝統的な美はすばらしいわね。 アタシもお着物を日常的に着るような生活がしたいわー。 【梅桃】さん [地上波(字幕)] 8点(2004-05-10 08:21:45)
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