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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です!
【クチコミ・感想】
3.《ネタバレ》 サイレント時代のエルンスト・ルビッチ最高傑作を1つ選ぶとするなら、俺はこの作品を選ぶだろう。
ドイツ時代に磨かれたエレガンスな雰囲気とエロティックなやり取り、そしてメロドラマの切なさ・・・。
この映画はルビッチらしい洗練された美しさを味わえる作品の一つだ。
主人公のハインリッヒ王子の成長を美しい“想い出”と共に語る悲しき恋の物語。
乳母に育てられた王子。
彼の理解者であるユットナーは、幼い王子の遊び相手でもあった。
成長した王子は同級生、そして想いを寄せる女性たちに出会う。
そのシーンが本当に素晴らしい場面ばかりでさあ。
例えば、握手を求められるシーンでどんどん弾き出されるユットナーの様子がコミカルに描かれるし、
女性が一生懸命話しているのにソッポを向く王子のやり取りも面白い。
「あたしの膝の上に乗って」とばかりにベッドに誘ったりする彼女の姿をシカトするシーンに笑う。
そこに睨みを利かす守衛とか色んな人間が絡んだりしてさ。
ドアを開けたらその守衛みたいなオッサンが居たりして思わずクスとなってしまった。
王子がパーティーに参加する場面でも、彼女が一気飲みするならこっちもイッキに・・・に飲めないのでチビリチビリと飲んでいく。
王子の幼少時代の場面も良いんですよ。
将軍に向って一斉に「乾杯!」するシーン、一斉に帽子を脱ぐシーン。
ドラムロールと人の脚が重なる演出、幼いハインリッヒ王子が大砲の音にビックリして電車の中に戻るシーンがカワイイ。
ユットナーと結ぶ絆も深い。
青春時代のコメディタッチが、その後に待ち受ける王子の運命、それに向き合う悲しき王子の姿をより際立たせる。
掛け替えの無い友人たちよりも、一国の王の跡取りとして友人たちへの想いを断ち切らねばならない哀しみ。
だが、王としての孤独を癒すのは、一瞬でも彼の心を満たしてくれた想い出なのです。
皆さんも若いうちに良い友達に会える事を祈ります。友人て良いもんですよ、本当。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-11-01 01:49:12)
2.《ネタバレ》 ルビッチといえば「ドア」ですが、この作品は「窓」。ラモン・ナヴァロ演ずる皇太子がお城から見る窓外の世界を、未知と自由に溢れた手の届かない世界としてまず描く。ノーマ・シアラーが、去りゆくナヴァロを玄関先からではなく、窓から見つめるのは、彼とけっして結ばれることはないことを暗示する。ラスト、馬車から眺める彼の視線の先に見えるのは、叶わない恋、手に入らない自由、そして運命の受諾。二人は窓で切り取られた四辺の中に、恋人の姿が永遠に“思ひ出”として生き続ける。恋の喜び、自由への憧れを、咲き乱れる花の斜面や学生達の祝杯などで、詩情豊かに、ユーモアたっぷりに描いたルビッチに花束を、祝杯を。 【彦馬】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-11-15 17:38:00)
1.《ネタバレ》 「逆流」(1924)との二本立てで、澤登翠さんの活弁&生演奏付きで鑑賞することができました。
エルンスト・ルビッチ。私はここにまた偉大な映画作家を発見することが出来たようです。
まず、邦題が素晴らしい。そして全体的なラブストーリーに加え、至るところに笑いを散りばめたストーリーがとても面白かったです。ラブシーンの粋な見せ方といい、細かな笑いといい“面白かった”のひと言ではとても片付けられない素晴らしい作品です。
カティーと出会い、彼女に心魅かれていく王子の心情もとても上手く描かれていたり、学生仲間で青春を謳歌したりと、それだけでも十分に満足なのですが、それよりも、王子が国のために政策結婚を迫られ、最後にもう一度だけ会いに行く、というのが堪らなく心打たれるのです。
「最後にもう一度だけ会いたい・・」「もう一度だけ彼女に会うことが出来れば覚悟を決められる・・」男の私にとってはこの気持ちが痛いほど解ります。お互いに自分の命運には逆らえないことを知っているだけに、本当に辛いです。意を決したかのように馬車に飛び乗るシーンはもう、涙なくしては観れません。
そして、ラストのパレードのシーンで見せた、王子のちょっと寂しそうな表情。人間誰でも、思い出すと切なさがこみ上げてきてしまうような「思ひ出」を胸に抱きながら歳をとっていくんだなぁと、心にジーンと染み入る感慨深いラストシーンでした。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-01-06 22:23:24)
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【点数情報】
Review人数 |
3人 |
平均点数 |
9.00点 |
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【その他点数情報】
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