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【クチコミ・感想】
7.何か深いものがありそうな雰囲気は感じられるのですが、ほとんど表情と台詞のみの描写で延々と2時間もやられると、その間はやはり苦痛でした。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-11-17 03:48:57)
6.《ネタバレ》 まるで脚本家の理想として、シナリオだけを提示したかったような・骨だけが存在しているような映画。演劇に去った監督が、最終的にこういう顔とセリフの映画を撮りたかったというのは興味深い(もうひとり、監督と演劇人を経験した天才にヴィスコンティがいるが、その二人が同じハ短調のサラバンドを映画に使ったわけだ。あちらは『地獄に堕ちた勇者ども』で、ヘルムート・バーガー登場への前奏曲のような皮肉な使われかたをした。ああそうだ、あれにはベルイマンの常連イングリッド・チューリンが出てた。ついでに言うとあまり映画音楽として使われないブルックナーの交響曲を、あちらは『夏の嵐』で7番、こちらはこの映画で9番を流した。絢爛志向と枯淡志向、対照的な世界を撮った二人だが、けっこう共通した趣味が見出せる)。本作で展開している「互いに批評しあう人間世界の業」から逃れられているのは、もう顔だけの存在になった死せるアンナと、狂の人となった娘だけで、アンナは最後まで超越者の地位に置かれるが、狂った娘とはもしかしたら心がまだ通じあえるかも知れないというラストに至る。チェリスト娘は、他人に批評されない楽団員の未来を選び、父の元を去る。批評の心は、ときに侮蔑に振れ、それは裏返されて不安に形を変える。そういう「相互批評」の地獄として人の世を見た監督だった。遺作ということでだろうか、観ながらいくつかの過去の作品が浮かんでは消えていった。「厳しい音楽教育」は『秋のソナタ』だし、「狂う娘」は『鏡の中にある如く』だし、「老い」としての『野いちご』があるし、ラストの不安を静めるベッドは、『叫びとささやき』の、メイドとハリエッタ・アンデルソンのあの美しいカットを思い出させた。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-11-16 09:50:47)
5.スウェーデンの巨匠監督、イングマール・ベルイマンの遺作。
過去にベルイマン作品を25本観てきて、この遺作にようやく辿り着いた。
やっぱり遺作は、その監督の作品を沢山観てから観た方が、より理解も深まるし、感慨も深くなる。
本作はベルイマンの遺作に相応しい深い内容と出来栄えで、観た後は半ば放心状態になった。
人間同士の愛憎劇を、ここまで徹底的に描かれると、もうあっぱれと言うしかない。
元夫婦の30年の軌跡を辿り、男女とは何か、夫婦とは何かを観る者に問いかける。
そして、憎しみ合う父と子を描き、人間の憎悪の恐ろしさと醜さを容赦なく表現する。
更には、父子家庭における父親の娘に対する偏愛をも描き、どうにもしようのない悲劇を演出する。
これらの人間関係がてんこ盛りの2時間で、その密度は非常に高い。
ベルイマンは、『ファニーとアレクサンデル』で自身のキャリアの集大成としたはずなのに、高齢になってまだこんな力作を創り出す力が残っていたとは驚きだ。
ベルイマンの若かりし頃の作品のような、幻想性・創造性などの要素はさすがに感じられないが、老齢になり、人生経験を豊富に積んだ晩年にこそ生まれた奇跡の作品と言えよう。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-09-02 00:03:33)
4.いい作品に出会えました。「ある結婚・・・」鑑賞後すぐなのに、懐かしいとさえなぜか思えてしまう。いろんな愛のかたち・・・、というのは簡単だが、表現するのも、受け止めるのも難しい。「サラバンド」はじっくり、諭すように描いている。再見したいものです。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-06-23 00:07:02)
3. まず最初に、この映画は1973年製作の「ある結婚の風景」を観ないと状況が全く理解できないと思います。
離婚した夫婦が30年後に再会する話なのですが、孫娘のサブストーリーがメインになっていくにつれて、主人公二人の存在が薄く感じられてしまいます。
以前「男と女」でも20以上経って続編を作られたりしましたが、30年というのは、これまた凄い年月だと思います。
「ある結婚の風景」で美人だった奥さんが、年月が経ち、これだけ老いを感じさせる外見になると、私も「明日は我が身」と思ってしまします。
以前から中途半端で終わった映画を観て、この後、数十年後にこの物語はどうなるのだろうとおもった作品が沢山ありましたが、本作は、まあまあ楽しく観賞できました。
「ある結婚の風景」の登場人物が40歳から始まっているので、30年経つと驚くほど老いを感じさせてくれます。 【クロエ】さん [地上波(字幕)] 6点(2010-06-22 01:52:28)
2.生々しく人間くさい嫌なジジイが多かった。 【将】さん [CS・衛星(吹替)] 5点(2010-06-21 23:27:58)
1.《ネタバレ》 ベルイマンはこの『サラバンド』より20年も前に『ファニーとアレクサンデル』という遺作を送り出している。映画で出来ることは全てやったと映画界から引退し、テレビと演劇をその後の活躍の場に選ぶ。それよりももっと前からベルイマンは映画よりもテレビに興味を持っていた。芸術をより多くの人たちのものとしたいと考える彼にとって映画が大衆性を損ないつつある中で、より大衆性の強いテレビというメディアに可能性を求めたのかもしれない。
しかし彼は映画に帰ってきた。年齢からしてもおそらく本当の遺作となるだろうことを覚悟したうえで、彼は最後の最後に映画を選んだのだ(そして本当に遺作となった)。しかもスウェーデン国内で社会現象まで起こした“テレビ”ドラマ『ある結婚の風景』の続編を“映画”で。さらに最新のデジタルハイビジョンで。
何故、映画に戻ってきたのかは知らない。メディアとしての可能性が映画にあると考えたのか、ただ映画が好きだったのか。とにかく映画に帰ってきたことに素直に感謝し喜びたい。
この作品が描くのはベルイマンが描き続けてきた「家族」であり「愛」である。親と子の関係が映画の中に3つあります。物語のメインとなる親子は、親の子に対する独りよがりな愛でもって子を不幸にする。この親の父、つまり『ある結婚の風景』の主人公でもあった親とその子(つまり先の親子の親)は本心から憎みあっている。そのはずなのにあることが起こって父は夜も眠れずに震えて泣きじゃくる。体が反応する。子を愛していると。それらを見たリブ・ウルマンが病気の子供を訪ねる。親は子を、子は親を本能的に愛している。夫婦の間にあるものとは全く異質にして絶対的なもの。どちらの愛も時には喜びをもたらし時には辛さをもたらす。ベルイマンの哲学でありこの世の心理。
『ファニーとアレクサンデル』はたしかにベルイマンの集大成であったと今尚思う。
一方で『サラバンド』はベルイマンの思想的・哲学的集大成なんだと思う。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-03-04 15:19:25)(良:1票)
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【点数情報】
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7人 |
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6.29点 |
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