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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です!
【クチコミ・感想】
3.《ネタバレ》 さまざまな問題を抱えたアメリカの各地方都市を廻り、そこに住む若者たちの声を聴くという企画に現在取り組んでいるジャーナリスト、ジョニー。録音機材を抱えたった一人で各都市を巡っていた彼にある日、しばらく疎遠にしていた妹から電話が掛かってくる。話を聞いてみると、精神に深刻な問題を抱えている彼女の元夫の容態があまり芳しくないというのだ。彼のもとにいってしばらく面倒を見てあげたいので、その間まだ幼い息子を預かってほしいらしい。「お願い、兄さんしか頼れる人がいないの」――。妹とは母の死を巡りずっとギクシャクしていたが、甥っ子のためにジョニーは彼女の住むロサンゼルスへと向かうことに。1年振りに会う甥っ子ジェシーはもう9歳、何事にも好奇心旺盛で彼の持つ録音機材にさっそく興味津々。しばらく会っていなかったのが嘘のように2人は意気投合するのだった。あの子には心配かけたくないから父親のことは何も言わないでと言い残し、元夫の元へと向かう妹。ジョニーはジェシーの気分転換も兼ねて彼を助手として取材を続けるのだが、何かを察したジェシーも次第に情緒が不安定になってきて……。大都会で孤独に生きるジャーナリストが突然預かることになった9歳の甥っ子、彼らの共同生活を淡々と描いたヒューマン・ドラマ。最近ハリウッドのベテラン勢の間で密かに流行っている子供を主人公に全編モノクロームで描いた作品で、確かにこのノスタルジックな雰囲気はほのぼのとしていて心地良かった。フォアキン・フェニックスの肩の力の抜けたナチュラルな演技も巧いし、なにより彼と本物の親類なんじゃないかとしか思えない子役の溌溂とした演技も素晴らしい。彼らが2人でアメリカの大都市を巡る旅路はまるで自分も同行しているかのような気分にさせられる。精神に深刻な病を抱えた彼の父親の存在もともすれば軽くなりがちなこの物語にいいアクセントを与えている。ただ、これは個人的な感想なのだが、自分はこれら一連の演出に終始あざとさのようなものを感じてしまい、後半になるにしたがって次第に心が離れていってしまった。要所要所に主人公の読む本のタイトルを入れるのも、「どうだい、俺って知的だろ」と言わんばかりの監督のナルシズムが透けて見えて終始癪にさわる。子供たちのインタビュー映像も同様。また、この甥っ子のワガママ放大なところも自分は好きになれなかった。特にタクシーの中でトイレにいきたいと嘘をついて、主人公を飛行機の時間に間に合わせなくさせたのはかなり腹がたった。ちょっと甘ったれ過ぎなのではないか。最後、誰もが丸く収まってのハッピーエンドもなんだかとってつけたよう。ノスタルジックな雰囲気は良かったのだが、肝心の内容の方は終始自分には合わないものだった。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 5点(2023-09-11 08:10:05)
2.《ネタバレ》 モノクロの画面がアメリカ人の心象風景にマッチしていて、バンドデシネコミックみたいな味である。
子どもを描いた映画は楽しい。
本作は、感受性の高そうな少年と叔父さんの、楽しいお泊り会の様子を描いてる。
タイトルの「カモンカモン」は「先へ先へ」という意味である。
世の中、不安だらけの世界ではあるが、
確実に子どもたちは世に出てきている。
自信喪失の大人に対して、子どもたちの「さぁ未来へ行こう」という声の映画である。
何より、頼りなくても愛してくれる大人がいたら、
子どもは未来にはばたく。
子どもの予測不能な部分を
「我々は、母親に、社会や我々自身の最も厄介な重荷を押し付けている」という
ジャクリーンローズ氏の本からの引用文が心に響く。
大人には理解できなくても、彼らの個性は、希望なのである。 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-06-11 20:14:56)
1.《ネタバレ》 多少は空気の張りつめるシーンも全く無くはないものの、全体としては実にまろやかに詩情的でモ~夢見心地…てな感じの映画すね。モノクロ画面も相まって、落ち着いた映像・静かで哲学的な台詞(会話)・そしてハイソな音楽に終始カラダごと融け込んでゆく…ダケ…てな感じの心地好さでした(=少しだけ眠い、否、ダウナー系の効果が有る、つーか)。その分、テーマ性・物語性はコレも結構朧げ・曖昧・かつ奥行きも在って、だからまま雰囲気映画的…と言っても好いかも知れませんですね。とは言え監督の前作に引き続いて、ある部分のテーマとしてはソレこそ「親・大人と子供(とその関係性)」或いは特に「子供から見る親・大人」てなトコロかな…とも(個人的には)感じましたケドも。
このごく面白い空気感の醸成に(実は)効果的だった…と思うのは、チョコチョコと挿入されるインタビューシーン(音源)ですね。コレはホントにフツーのインタビューで、だから喋り方も高度に口語的、とゆーか作為的(台詞的)でなくて、結果映画を観てるとゆーよりは只の会話の中に只居る…という感じが醸されているとも思われました。主演2人の演技自体も同様にごく自然さの方(=ホントにフツーの大人と子供、的な)を終始保ってゆく様に意図されてるとも感じられ、その意味でも「つくりもの」感が薄い→ごく非常にリラックスして観てゆける作品に為っていた…という気がしてますです。 【Yuki2Invy】さん [映画館(字幕)] 6点(2022-04-24 22:08:16)
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【点数情報】
Review人数 |
3人 |
平均点数 |
6.33点 |
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