みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
29.《ネタバレ》 登場人物を見事にあやつる脚本。人間の頭の中で泥沼化した差別という怒り。応酬に染まり、なかなか抜け出せない。本当に宇宙人でも攻めてこなければ薄まりませんね。地味な演出で、袋小路に入った怒りの模様や、優しさを感じ始めるカタルシスを上手く描いております。妖精のマントのような感動的な演出を、もう一つ二つ欲しかった感じもあります。人を愛したいのにそこに差別が立ちはだかる。「アメリカンヒストリーX」の中の「問題はイデオロギーではない怒りだ」を思い出した。 【チューン】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-04-19 00:38:44) 28.脚本は、面白いか面白くないかは別としてたしかにうまいとは思う。ただ、脚本が完成されすぎているからだろうか、なんだかコンピューター同士の詰め将棋を見てるような感じの作品ととった。アメリカという移民の国ならではの、日常に様々なカタチで存在する人種に対する偏見を、まさに様々な人種による群像劇仕立てで見せてゆくのだが、あからさまな差別が描かれてもそれほどネガティブな印象は無い。身内への愛が同時に描かれていて、性善説がベースにあるからだ。透明マントのエピソードは同じ年頃の娘を持つ身ゆえに涙なしでは見られないのだが、それ以外に揺さぶられるようなシーンはなかった。監督は自らの脚本を完璧に映像化しているが、ただそれだけ。職業的に仕事をこなしただけという感じで、この作品には決定的ななにかが欠如している。でも透明マントにはやられたのでこの点数を。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 5点(2006-04-18 18:34:32)(良:1票) 27.《ネタバレ》 「人種差別」という事に対して、多面的な描き方をすることで、観る者に対して単純ではない考えを形成させる映画だ。 しかし、この映画で描かれた人種差別は大きく二つの要素からなるように思う。一つは、意識的に人種差別主義的な思想を持つ人間が行う「思想的な差別」。もう一つは、人間が経験的あるいは統計的思考によって、ある人種に特定の性質を結びつけることによるいわば「認識上の差別」である。 例えばマット・ディロン演じるライアン巡査は明らかに「思想的な差別」であるし、逆にそれが不満だったライアン・フィリップ演じるハンセン巡査が最終的に陥ったのは「認識上の差別」による反応行動であった。また、たいていの差別はその両者が絡み合ったものであるだろう。 この映画では、通常は「人種差別」概念と同一視されがちな「思想的な差別」の問題を扱うだけでなく、万人が陥りうる「認識上の差別」の問題性を効果的に浮き彫りにすることで、正義の側から人種差別を単に悪として片付けるだけでは済まされないことを観る者に痛感させたであろう。 結局、この映画のメッセージとして残るのは、人種差別への非難というよりは、人間の普遍性を意識させる方向へと向いているといえるだろう。悪を非難して正義を美化したところで、両者の隔絶は広がるばかりであって、むしろ悪と正義とを互いの方向へと近づけることによって、初めて理解へと向かっていくことを、説得力ある現実性の描写によって表現したといえる。 個人的には、アメリカのみならず、西洋社会が広くこの作品を受容することで、卑劣な黒人選手差別が問題化している欧州サッカー界の現状に光が射すことも強く願いたい。 【酒梅】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-04-16 22:48:06)(良:1票) 26.自分の心の裏側を見せてもらったような気がしました。 ぐっと我慢する男たちに共感。 ドン・チードルさんの存在感が光っていたし、マット・ディロンさんの威圧感に驚かされました。 アカデミー賞のお陰で地方でもこういう名作が劇場にかかります。 感謝!! 【たんぽぽ】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-04-16 13:42:56)(良:1票) 25.人種問題等を扱い、テーマとして不快ものもあるのでしょうが、率直に脚本の妙に脱帽。群像劇というんでしょうか、いくつかのエピソードが少しずつからみながら、エンディングを迎えるスピ-ド感、リズム感にスクリーンに引き込まれました。最近、食傷気味だったハリウッド映画にまだまだこんな良質な作品があったとは。納得のアカデミー賞です。 【くらけん】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-04-15 23:31:09)(良:1票) 24.サンドラ・ブロックが後半に言う「私がこんなにイライラしているのは、黒人に車を盗まれたことだけが理由じゃない」という一言が重い。この登場人物たちは、自分が抱えている問題を、「見た目」「言語」「文化」「宗教」という、わかりやすい<ちがい>に押しつけ、自分の境遇を「やつら」のせいにして、なんとか自分を納得させて生きている。しかし、そんな人たちの人生が重なり合い、自分で作り出してきた殻を破ろうとする後半の展開は本当に感動的だった。難をいうなら、舞台がLAじゃなくて、どっかの小さな町なんじゃないかと思うくらい、登場人物どうしの偶然の出会いが続くことかなあ。最初から最後まで、そのあたりがちょっと都合よすぎ・・・。せめて、PTA監督の『マグノリア』くらい、微妙な登場人物どうしのつながりが存在していれば、そのあたりも気にならなかったのかもしれないけど。 【ころりさん】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-04-07 09:05:26) 23.《ネタバレ》 登場人物が多くて、後で役の名前だけ言われてもそれが誰だかわからなくなってしまうほどだが、人物の絡み合い方は非常によかった。話の中で起こる交通事故が多すぎる感じはする一方、話の最初に出てきた交通事故には何の意味があったのかよくわからない。いろいろなエピソードがあったが僕にとっては妖精のマントの話がクライマックスだった。 【HK】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-03-30 11:22:59) 22.《ネタバレ》 久々にこれほど高い点数付けられる映画に出会いました。正直オスカー受賞するまで全く気にしてなかった作品でしたが、受賞したのをキッカケに一度観てみようと思い鑑賞しました。それぞれの職業や人種が全く違う登場人物たちの人種差別をベースにした群像劇ですが、まずこの手の映画は1つのエピソードに話が偏りすぎたりしがちですが、本作ではどのエピソードも過不足なくバランス良く纏められていて、同じくオスカーを受賞した編集の巧さを強く感じました。特に主役が居るわけでもなく、それぞれのエピソードで登場人物の間で炸裂する衝突に次ぐ衝突。そんな過酷な運命に人生を翻弄される登場人物たちを見事に演じた俳優陣も素晴らしいの一言に尽きます。ドン・チードルとマット・ディロン、この2人の演技が特に印象に残っています。物語を通して、まるで現代社会の縮図を見ているような感じになったり、家族愛、恐怖、怒り、敵対、不信感など様々な感情や表現を僅か113分間に全て描き出したポール・ハギス監督の驚くべき手腕に今後の作品に期待を抱かずにはいられません。こういった仕上がりになったのも世界有数の他民族都市であり存在そのものがまるで登場人物の1人みたいな舞台であるロサンゼルスの効果も大きかったと思います。ラストの雪の描写も美しく希望を繋いでいくみたいな形で感動的でした。最後に少し私事が入りますが、1年半ぶりに映画館で映画を鑑賞しましたがそれがこの作品で本当に嬉しく思います。 【エージェント スミス】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-03-29 15:36:13)(良:1票) 21.ブレンダン・フレイザーはいらんかったろ! 検事という役柄も合ってなかったし、存在感もなかった。あと人種差別がテーマのひとつなのかもしれないが、人種云々より、登場人物の性格に問題あるとしか思えなかった。ペルシャ人店主とか、黒人脚本家の嫁のDQNっぷりに“なんだかなぁ”でしたよ。でもまぁ、フレイザー以外の人物の絡み合いは上手くいっているし、内に抱える葛藤もある程度は見えたから及第点としておきましょうか。とてもアカデミー受賞作とは思えないけどね。 【ダブルエイチ】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-03-29 15:11:17) 20.《ネタバレ》 これって問題設定が『ER』で、登場人物の絡み合いの複雑さは『踊る大走査線』という感じで、スゲぇー面白いテレビドラマの劇場版という感じがした。ただ、10年後20年後まで、アカデミー賞作品として語り継がれるのかなぁ~~??って、チト疑問。とぉ~っても、面白いんだけど、心に響かなかった。。。そういった意味じゃ、『砂と霧の家』の方が衝撃的だったなぁ~~オレ的には、ペルシャの娘と、プロデューサーのクレバーに、少しブルッと来た。『だてにマイノリティーの中で、一人立ちしていないよなぁ~~』と。。。やっぱり、物事の事象は、常に表と裏を理解できなければ、本当の真実は掴めないんだなぁ~~ 【Pizz】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-03-29 03:01:18) 19.ポール・ハギスはプロの脚本家であって、アーティストではない。書類の体裁を整えるような仕事ぶりは、実に官僚的で、おざなりで、安直で、いい加減だと思う。■冒頭に死体発見シーンを配置するエンターテインメントへの配慮。「透明なマント」や銃を買うシーンなどのうま~い伏線。なにより許しがたいのは、雪が舞い落ちる叙情的なスペクタクルにすべての救いを求めていること。私が観たいのは、映画サイズに無理矢理縮めた人生の縮小版や、実人生と映画との安易な馴れ合いではない。■確かに、適度な感動と、程よい絶望や諦感、救いを巧妙に配したその脚本は実に上手い。でもそれって、みんなが唾棄するハリウッド流エンターテインメント以外の何ものでもないじゃん。そんな程度で「映画」はいいの?映画としての面白みがまるで見つけられませんでした。 【まぶぜたろう】さん [映画館(字幕)] 0点(2006-03-27 00:19:41)(良:5票) 18.《ネタバレ》 人は皆孤独だけど、1人きりでは生きられない。そんな人と人の繋がりを緻密にそして容赦なく描いている。人種差別やすれ違いはちょっとした勘違い等から生まれることもあるんだろうなぁと、再認識させられる。群像劇って時に訳わかんなくなるケースもあるけど、この作品は脚本が良いため、素晴らしい作品となっている。 【Andy17】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-03-26 18:35:53) 17.てっきり「ブロークバックマウンテン」かと思いきや、驚きのアカデミー作品賞受賞。それぞれのエピソードを割と自然に繋げているけれど…どのエピソードもとりわけすごいとも思えず不完全燃焼。悪くない、といった風。人種間にまつわる問題(特に黒人と白人)を描いたものなら「ドライビング・MISS・デイジー」のほうが良作◎だなあとついつい思ってしまった。こんな比較、反則かしら? 【SAEKO】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-03-26 13:01:37) 16.ドラえもんが観たいという小五の息子を騙して2人で見に行きましたよ。 アメリカ人なら1つくらい身につまされるエピソードがあるんだろうと思う。それらを組み合わせて”設計”した脚本は、確かに精緻ではあるけど、エピソードの結合度が高すぎてどこか人工的。必然性のない偶然の一致もちと多い。。同じ群像劇でも、イギリスの「ラブ・アクチュアリー」には普遍性があり、エピソードの繋がりにもっとさりげなさがあったと思う。「人間に善悪の区別なし」というメッセージは、どうやらアメリカ人には有り難いらしいけど、日本人にとっては今更という感がある。ただ、天使のエピソードは印象深いし、言葉より顔に語らせるところに光るものを感じた。最後に小五の感想。「いかにもアカデミー賞って感じの映画。つまらなくはなかったけど、ちょっとした勘違いがどうしてあんなに怖いことになるのかわからなかった」・・まだわかんなくていいかな。 【正義と微笑】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-03-25 00:57:59) 15.《ネタバレ》 エピソード毎の関連づけがスムーズで、登場人物が多くても比較的ストレスを感じずに観ることができました。やはり脚本の力はあなどれないですね。『妖精の透明なマント』でうるっときてしまいました。守られてよかった・・・(^^) 【芦毛牝馬】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-03-16 00:12:33) 14.《ネタバレ》 「マクベス」の“キレイは汚い、汚いはキレイ”が脳裏をよぎる、そんな映画でした。 これだけのエピソードを関連付けながら、よくぞここまでまとめ上げた物ですね。 素晴らしい! 【MID】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-03-10 23:30:11) 13.《ネタバレ》 映画の前半は「こんな『自称:素晴らしい自由の国』が好き放題やらかして世界がこの映画みたいな人達で支配されちゃったら最悪だな」なんて思いながら見ていました。肌の色や民族や階級で断絶しあう人達が、接点を持つ事によって生まれる衝突は、それぞれの自尊心ゆえ。しかし、その自尊心が他者をどれだけ傷付け、どれだけの悲劇を生むのでしょうか。『ミュンヘン』と同じく、この映画もまた人種、信仰、生じる差別を個人レベルの視点で語る映画になっています。悪意と善意の狭間で生きる、全ての人に共通して存在する意識を曝け出し、更に摩擦の相手にも人としての背景が存在するのですよ、という事を提示してゆきます。とりあえず言葉のナイフを突き出すアメリカ人と違って、日本人は顔で笑って腹にイチモツな人種ですし、島国ゆえの閉じた民族ゆえ表立った部分での摩擦はなかなか生じないところではありますが、ゆき過ぎたナショナリズムがやがて孤立を生み出すのはどの世界でも同じ事。だから前半で私が抱いたアメリカに対する意識もまた、それでいいのか?と省みさせることになるのですね。どの国、どの宗教、どの家に生まれたかはともかく、それは置いておいて、個人としてあなたは他の個人とどう接して生きるのさ?と、そういうレベルまで突き詰めて考えさせる映画だと思うのでした。世の中に本当に芯からの悪人はいない的な善の描写に多少甘さは感じたものの、そこで何もかもが悪の展開になっても仕方ないですしね。それにしても登場人物が多くて、場面があちこち飛びまくるので、この人は誰だったっけ?って考える状況いっぱい(父ちゃんの体を心配する差別主義者と、酷い事をする警官とが同じ人物である事すらしばらく気付かなかったという・・・)、疲れる映画でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-03-10 20:59:59) 12.非常に良く出来たこの映画の画像と脚本はとても暖かく、やわらかくアメリカを描く。でも、この映画に登場する人物たちは、いろいろ問題を含んだ行動や考え方を持っているのではないだろうか。人種への偏見や、ヒステリーとか、虚栄心とか。けっしてそのまま見過ごしてはいけないことのような気がする。結論としては一つ。この映画は群像劇、それもとてもよく出来た群像劇として完成度が高い。その完成度の高さのおかげで、様々な人間の織り成す世界が美しく見えてくる。でも、それはある意味で神の視点から見たときに初めて生じる美しさだ。それにごまかされてはいけない。確かに人間はたまに愚かで、たまにいとおしい。でもできるだけ愚かさを減らしていくべきだろう。確かに人間が弱い生き物だっつうのは分かる。でもゆずっちゃいかんこともあると思うのだ。この映画が評価されるなら、ただ映画としてのみ評価されてほしい。決して描かれている内実までも肯定してしまわないように。 【wunderlich】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-03-05 21:14:41) 11.まだ10ヶ月を残してますが、まず間違いなく私的2006年度No.1作品はこれになるでしょう。一つ一つは単純なエピソードながら、練りに練ったであろう脚本・編集構成に全く抜かりが無く、抜群に面白い群像劇に仕上がってます。役者も正に適材適所(ドン・チードルの印象的な顔で、少し「トラフィック」を思い出した)。物語は確かに人種的偏見を扱ってるんですけど、問題の根本は人種ではなく、「信用」と「思いやり」の欠如。人を見たら幼児誘拐犯と思わざるを得ない社会や、他人を思いやることがまるで「損」でもあるかの様な風潮は、単一民族国家のつもりでいるどっかの島国も変わりありません。この映画は個人と社会、愛情と憎悪、共感と反感、偶然と必然、不運と幸運、美徳と醜行といった、ぶつかっても決して混ざり合うことのない糸で織られた複雑な文様のタペストリー。そこに浮かび上がった余りにも不完全な人間の姿は、しかし、この上なく愛おしい、9点献上。 【sayzin】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-03-03 00:03:35)(良:1票) 10.脚本と役者の演技が最高でした。マット・ディロンがこんなにいい俳優だとは思わなかった。お父さんを助けるため必死に守りに行く女の子が姿が印象的です。 【ギニュー】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-02-28 00:01:09)
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