みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
23.《ネタバレ》 もっと焦らすかと思いましたが、始まってすぐ大暴れしていました。 ホームドラマ要素を極力避けて、ゴジラシュミレーション映画に徹していたのが良かったですね。 東京のど真ん中で自衛隊が撃つの撃たないのというのは小説や漫画ではよく見るのですが、実写映画で役者さんを使ってやると非常に緊迫感があります。 特に総理役の大杉漣さん。 次々と重要な決断を迫られて気の毒なくらいやつれて行くのが可笑しかったですね。 彼がこの映画の裏MVPであると私は主張します。 【4吉】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-08-07 16:10:56)(良:1票) 22.コンセプトは学生時代に制作した「帰ってきたウルトラマン」。 ノリはエヴァンゲリオン。 小技に「愛国戦隊大日本」や「ナウシカ」等を散りばめ、 細部まで作り込んだ上で、脚本の破綻もなくテンポも良く 見終わって爽快感も得られる良い作品だと思いました。 基礎点9点、自衛隊頑張ってたからプラス1点。 残念ながら石原さとみの演技がマイナス2点で最終的に8点です。 【じむりじんじむ】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-08-07 01:34:55)(良:1票) (笑:1票) 21.エバンゲリオン諸作は無知なので、要するに巨神兵の物語なのだな…と思った次第。良作だとは思うが私的には傑作には届かない。 その最たるものは絵面、つまり映画としての構図の稚拙さだった。 ゴジラパートはかなり良い、なぜならば製作者に「こういう絵を見せたい」という明らかな意図があって、それをCGで構築しているのだから観たいモノを観せて(魅せて)いただいているカタルシスを感じることができる。 だからゴジラパートのあいだはスクリーンの「あちら側」へ没頭できる。 がしかし、ドラマパートになると、それが予算の関係なのか、はたまた演出技術が未熟なのか、カッコイイ絵面を撮ろうと頑張っているのわかるが、いかんせんチープな書き割りの前で演者が芝居しているように見えてしまう。 それと石原さとみは、やっぱし無理目(笑) PS:ちなみに本作品を鑑賞したそののち直ちにギャレス エドワードの2014年版を観直した。 ギャレス様すみません(>_<) 貴方の映画、初見よりも遥かにクオリティー高いことに改めて気づきました。 よって点数を改めます (m´・ω・`)m ゴメン… 【crushersyu】さん [映画館(邦画)] 6点(2016-08-06 22:13:54)(良:2票) 20.《ネタバレ》 小学1年の時に観た「モスラ対ゴジラ」以来、このゴジラを観るのに何十年待った事か。まず想像を超えて禍々しいゴジラの造型とその進化。グリズリーみたいなハリウッド版とは圧倒的なセンスの差を感じる。そして着ぐるみの代わりに野村萬斎が歩くというアイデアが光る。ベタベタした家族愛などが入る余地のないハイスピードな展開、日本の政府やアメリカとの関係への皮肉、核への警告も描かれている。 それにしてもこの作品の一番の功労者は庵野秀明に総監督と脚本を依頼したと言われている樋口監督かも知れない。「ローレライ」から「進撃の巨人」までの演出を見て、この人には特技監督がお似合いだ思ったしだい。 そして伊福部昭のメインテーマやマーチがモノラル風に流れた時はトリハダものだった。 唯一気に入らないのは、自衛隊の全面協力という事実。安保法で入隊希望者が減っている自衛隊の宣伝活動にのってほしくはない。むしろ逆手にとって、軍隊のくだらなさを若者に感じさせてほしいと思うのは欲張りか・・・ 2016年。ついに予想を超えたゴジラ映画の完成を祝いたい。 ただ、興行収入につられて、安易な続編を作るという過去の轍だけは、踏まないで欲しい。 庵野監督のゴジラは完成形。 10年後に新たな才能にゴジラを託したい。 【ブタノケ2】さん [映画館(邦画)] 10点(2016-08-06 05:32:50)(良:2票) 19.《ネタバレ》 やっぱりハリウッドに比べるとCGはだいぶ見劣りするなあ……などと考えながら見始めたが、「人間」の部分に引き込まれてじきにそれも気にならなくなった。「天災(神)としてのゴジラ」という原点回帰に、我々が先の震災で得ることになってしまった放射能災害の実体験が加わり、ひところ流行った「ウルトラマン研究序説」的な空想読本に留まらない生々しさがあったように思う。「東京3区は帰還困難区域になる」という台詞の重さを、今の日本人ほど理解できる国民はいない。行政機能の東京一極集中とか、その辺りの問題もほんのり盛り込まれているように思ったり。 一方で、核ミサイルの使用を日本側の政治家があまりにも安易に応諾してしまう点は気になった。矜持とかそういう心情的な部分もさりながら、少なくとも貫通弾は有効だったのだから、「ゴジラが眠ってる間に自衛隊の戦力を再結集して、米軍と本格的に協力してどうにかできないか」と、先に考えるんじゃないか普通は?米軍だけじゃなく多国籍軍でも良いけれど、連携した作戦をすっ飛ばして「これはもう核ミサイルを撃ち込むしかないですね」「そうですね仕方ありません」というのは、一足飛びにすぎるでしょう。「知恵は多いほどいい」んじゃないのか? 石原さとみのなんとかパターソンも疵だった。あの空気感の中にあの漫画的高飛車キャラは何ともそぐわないし、あのキャラを出すにしても石原さとみでは全然柄が違う。第一ネイティブな日系アメリカ人感が全然ない。パターソンが出てくるたびに気持ちがふっと途切れてスクリーンから目を背けてしまった。 造形や演出に「エヴァンゲリオンだなあ」と思う部分も多々、多々あるけれども、庵野監督が蓄積してきた経験が、アニメファン以外も数多く観るであろうこの「シン・ゴジラ」に結びついたのだと好意的に解釈したい。目に付く不満もあって文句ばかり書いたようだけど、良くも悪くも怪獣エンターテインメントであったアメリカの新ゴジラに対して、これこそが日本のオリジンを受け継いだ新・真・神なるゴジラなのだと高らかに掲げることができる、それだけの作品にはなっているように思う。 【C-14219】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-08-06 04:13:51)(良:1票) 18.《ネタバレ》 高い発生率の南海トラフ地震におびえる太平洋側の住人としては、この映画は単なる娯楽として鑑賞できなかった。建築物の崩壊シーンはあまりにも生々しく圧倒的で、震災で身内を亡くされるなど、深刻な被災を経験した人がこの映画を観るにはかなりハードルが高い気がして心配になったほど。 巨大生物に善も悪もなく、ただ決して共存できない存在として描かれているため、ゴジラは生物というよりは、まさしく地震やその他の天災をつかさどる荒ぶる神の化身に見える。東日本大震災では、大きな地震や津波が起こったあと、二次被害として原子力発電所の重大事故が発生したが、そうした段階を踏んだ震災の様子が、ゴジラの上陸、建築物の破壊、放射能火炎放射らと重なって見え、考え込まざるをえなかった。何度もくり返された 「生物なら倒せる」 というセリフは、決して避けることができない天災を人類が直接手を下して牛耳りたい、防ぎたいという願望が込められている気がする。 海外のGODZILLAで描かれる人間ドラマは、怪獣と対比させるためにやむなく必要だったのだろうが(そのため、どうしてもとってつけたような感が残る)、このシン・ゴジラは、擬人化した「震災」に立ち向かう人間ドラマであって、どちらも重要な両輪の役目を果たしていた。核を使わず、ピンポイントでゴジラをしとめる人間の知恵と勇気は、東日本大震災の折、放射能拡散を防ぐため、命がけで発電所に放水をくりかえした東京消防庁の人々、バルブを閉めに行った熟練者たちへの思いに重なる。この映画を観た外国人の中には、退屈な官僚たちの人間ドラマなど不要という感想を持つ人が多いと聞くが、日本人にしかわからなくてもいいと堂々と開き直りたい。 【tony】さん [映画館(邦画)] 10点(2016-08-06 01:08:26)(良:3票) 17.《ネタバレ》 表面上は日本賛美な映画。自衛隊や政府機関が協力しているから、仕方ないといえる。 しかし、少しでも考える頭のある人なら、その奥に、徹底した文書主義の非効率さやそれ故に有事の際の対応が 後手に回ること、戦後70年以上経っても日本は事実上アメリカの属国だという現実、自衛隊はいつでも戦闘ができる体勢にあるという怖さ、日米安保の欺瞞などの様々な問題提起を感じ取ることができるであろう。 後半の総力戦はとってつけた美談であり、現実はあのような状況になった場合、日本はアメリカ主導の国連の要求を呑み 核を落とされるであろう、そういった今の日本の立場の危うさと外交手腕の拙さも示唆されている。 日本人は性善説で外交をし、他国は性悪説で外交をしているから日本の外交は上手くいかないのだと良く言われるが、 それを端的に現していたのが、スパコンを並列させる要請を海外に出したときの場面。 相手方の返答は「他国に情報を盗まれるから嫌だ」というもの。恐らくこれが、国際社会で先進国として生き延びるために 必要な外交手腕なのだろう。しかし日本の外交にはそういった面が足りない。 主人公が立案した作戦が上手くいかないと美談に持って行けないので、「人を信じましょう」と綺麗事を言う人物が登場し スパコンの並列は許可されるが、現実的には、こういった状況で協力を得るのは難しいであろう。 他にも、自衛隊の武器の多様さ(全面協力の下、なのだから前半の美談ではない総力戦に登場する武器は、全て現実に存在するものなのであろう)や、女性政治家の少なさ、前例やマニュアルが無いと何も出来ず、全て文書で管理するために分厚いチューブファイルを持って動き回る官僚達など、現在の日本の問題点を描いていた。 ただ、これほどまでに風刺に満ちた作品でも、「天皇」について描かれていないのは、少しもどかしい。(天皇について触れるシーンは皆無) 全体的には、よくできた社会派作品だと感じるが、表面上だけ見て、「日本は凄い!日本人で良かった!」というような 人もいるかもしれない。そういった意味で、相手の思考レベルを測るリトマス紙的な使い方もできる作品。 【Sugarbetter】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-08-04 12:18:12)(良:2票) 16.《ネタバレ》 これは好きな人と嫌いな人が別れるタイプの映画だと感じた。 そして、自分は好きな人の方。 「ゴジラ」という名を関しているものの、内容は怪獣が大暴れするようなものではなくフェイクドキュメンタリー。 日本に正体不明の巨大生物がやってきたらどうなるんだろう?というのを真剣に作った感じ。 誰もが対峙したことがない巨大生物に対抗するため各界のオタクたちが集結!オタクアベンジャーズ結成!もうこの流れで燃える。 そして飛び交う謎の専門用語とハイテンションで芝居がかったセリフ。読ませる気もないテロップ。完全なおいてけぼり感。 …いいじゃん! どうせ、見てる我々は何言われても理解は出来ないし、そもそも現実に存在するような物質でもないだろうから、なんとなくの雰囲気を感じられればいいんです。 多くのモンスター、怪獣モノとの圧倒的な違いとして感じたのは、現場の先端を徹底的に見せたこと。 例えば平成シリーズのメカゴジラ。これはもちろんメインの主人公がゴジラと戦うことが中心となって話が進んでいく。 でも、今作はそうではない。メカゴジラの武器を設計する人、ゴジラに効果的な戦略を練る人、メカゴジラを動かすエネルギーを作る人、メカゴジラの整備・修理をする人…そういった、端の人たちを描いている。 あえて言うなら、みんな主人公。普段、社会の歯車の一つとして特にクローズアップもされない自分は、深く感動してしまった。 今回の映画は対ゴジラはメインでない。ゴジラとどう戦うのか考えるのがメインであって、あとはその通りに進めるだけなのだ。 だから、感動的な逆転劇なんて無い。泥臭く、それでいて一歩ずつ、ゴールに向かって進む…いいじゃん! 気合だとか謎の力だとかパワーアップだとかご都合的な展開が発生するとかより全然いい。 失敗したら後が無い感を凄い感じた。常に絶望感が漂う分、最後の最後に大きな開放感を感じる。 ただ、ゴジラでなくてもよくないか?感はあった。 他の方もおっしゃている方もいますが、使徒だし。巨神兵だし。 最後に個人的考察。 劇中、唯一ゴジラの存在を認識し、独自に研究をした博士がいたわけですが、残念なことに行方不明になった彼がどうなったかは描かれていない。 私はあの博士がゴジラをなんらかの方法で日本に呼んだのだと思う。博士の船の近くにゴジラは現れたし。 日本と放射能に対し恨みを持っていたし、どういう経路か不明ですが、ゴジラに対する有効策も生みだしていた。 それに加え「私は好きにした、君たちも好きにしろ」のコメントである。 過去の負の遺産をゴジラという分かりやすい姿にした、日本人ひいては人類への未来に対する監督なりのメッセージが込められているのかな、と勝手に解釈した。 4DMXで見て正解。 電線を挟んで移動する人目線のカメラワーク、炎からレーザーに変わっていき街が一瞬で破壊されていく描写。 ゴジラの圧倒的巨大さ、残酷さを存分に体感できた。 家で見るより大画面で見ることをお勧めします。 【HIGE】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-08-04 10:24:31)(良:3票) 15.《ネタバレ》 庵野秀明と樋口真嗣がゴジラの新作を撮ると聞いてあまり不安に感じなかった。ビジュアルはそれなりに見せてくれるだろうと思ったし、特撮オタクの彼らが作ってもダメならこれからもきっとダメだろうという思いがあった。いわゆる最後の砦のような感があった。 不安要素は人間ドラマの方だったが今回のゴジラは人間ドラマと呼べるものはない。ゴジラという脅威に対応しようとする人間は数多く登場するが彼らの間にドラマはほぼない。高速で早口で行われる政治家、官僚、専門家の会議ややり取りがただただ積み上げられる。一人一人が積み上げていったものが最終的にゴジラを倒す力になりうるという構成は人間ドラマとしては乏しいが非常にドラマティックに感じられた。偏った作り方だがこれしかないと思えるほど今作にはマッチしていると思う。 「あれ?ゴジラ以外にも怪獣が出てくるの?」とは初めて現れるキモいクリーチャーを目にして思ったこと。進化していくゴジラとは思いもしなかったが今作のゴジラはただただ「異形」。ギョロっとしているが小さな目は何を見ているのか分からない。何をしようとしてるのかも分からない。ゴジラが動く度に緊張感がある。安い人間ドラマが入り込む余地が無い。これは本当にゴジラなのか?使途じゃないのか?いやイデオンじゃね?ゴジラが炎を吐き出す前の動作が良い。吐き出した炎が収束してレーザー状になっていき大惨事を巻き起こす。あのシーンだけでハリウッドのゴジラを吹き飛ばすくらいのインパクトがある。ビジュアルはそれなりに見せてくれるという予想は覆された。見事に期待以上のものを見せてくれた。 石原さとみが浮いているだの、エヴァをゴジラに持ち込んだ感、この音楽まんまエヴァ!等言いたいことがないわけではない。会議シーンの多さに辟易する人もきっといるだろう。だが今の日本でこの作品を作った意味は大きいと感じる。日本に大災害や脅威が起こった場合のシミュレーションとしても楽しめるが、積み上げていくことを否定しない物語は現代日本にとっては希望ある物語だと言える。それと同時に現代日本への問題提起をしている作品にもなっており意外と懐の広い作品になっているのではないだろうか。今作のゴジラは何のモチーフかを考えるだけでも人の心に何かは残るでしょう。今という時代を切り取ったまさに日本にしか作れない「ゴジラ対日本」お見事でした。 【⑨】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-08-04 01:21:40)(良:4票) 14.《ネタバレ》 2014年版のゴジラのレビューに、「平成ガメラの後に本来東宝が作るべきだったゴジラ」と書いたのだが、まさに本作がそれである。およそ20年の遅れである。だけど、まだまだそこかしこに嘘くささが残ってはいる。例えば石原さとみ。いろんな人に指摘されていて可哀想とは思うが、頑張ってはいても国を代表している感じゼロなのは悔しい。それでも飛べるはずもない格好した新兵器とか、訳の分かんない光線兵器などは登場せず、通常兵器と驚くべき流用の爆弾と、工事現場でお馴染みのポンプ車を使った「毒殺」作戦は面白い。 また、序盤で小さな川を登ってくるおかしな怪獣は、ゴジラの背びれだけ似せた別の巨大化生物(東宝怪獣映画でよくあるやつ)なのかと思ったら、そこからの進化がゴジラだというのも斬新で良い。 さて、ゴジラといえば「核(兵器)の象徴」という性格付けが付いて回る。今回も核廃棄物を食べた、と言う事になっていておそらくそれ故の異常生物だと。しかしながら、それが核の恐怖に繋がっている感じがないのが残念。周辺の状況はそれっぽい。例えば「直ちに影響はない」と言いながら次第に事態が深刻に推移した現実を茶化すように、専門家が進言する言葉が次々に覆されたりする描写は笑う。いや笑っちゃいけないが。 まあ、そう考えると「固めてしまう」という方策は、たしかに核のトラブルっぽい。所謂内部からの「石棺」であろう。 「逆襲」で人間がゴジラをやっつけたのを評価した自分だが、今回は通常兵器(厳密には化学兵器だけど)で、自衛隊が核の脅威を封じ込めるというのは、なかなか良い展開だと思ったが、よくよく考えるとゴジラはやられてはいけない存在のような気もする。そうしないとゴジラという物語が核批判にならないのではないのか。結果ありきで物事語るのは良くないとは思うが「頑張れば知恵と勇気で核は制御できる」なんてメッセージになりかねないのではないか。それでは原典を否定してしまう。 監督の発言(何かで読んだ)によると、うろ覚えだが「日本もまんざらダメではないゾ、頑張れ日本」というメッセージらしい。それはそれでアリとは思うが、世間(少なくともアメリカ版ゴジラを批判する一部の人達)の期待の反対を主張してしまう。 自分としては、続編『シン・ゴジラの逆襲』であの石棺(血液凝固)が崩れて、再び大暴れするゴジラを期待したい。そうすると、監督のメッセージを否定してしまうかな? 【Tolbie】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-08-03 18:48:03)(良:3票) 13.《ネタバレ》 ドラマパートと特撮パートの比率、構成は確かに第一作を踏襲している感じで塩梅がいい。 官房や防衛省など、相当のリサーチが行われたのだろう。そうしたいわゆるリアリズムの対価として、しがらみや忖度が付随するのはこうした作品の宿命だが、 制約の中で軽やかかつ真摯に風刺を混ぜ込んだシナリオには唸る部分が多い。 当然批判は覚悟しているだろう会議シーンの多さもいわゆる喜八カッティング&アングルと怒涛のダイアログによって活劇化しようという試みか。 実際、颯爽とした石原さとみや市川実日子の台詞廻しなどは内容以上に語りのリズムでシーンを動態化している。 とは云うものの、肝心の凝固剤注入シーンまで台詞で全解説というのは残念だし、長谷川博己が檄を飛ばすスピーチシーンも冗長に感じる。 (語る長谷川は特権的なクロースアップ、聴く側の民間協力企業隊員らは背中か手元だけで表情を一切映さないあたり、徹底して意地が悪い。) 特撮シーンは快晴の昼間、夕暮れ、夜景とバランスよく、庵野的な工場群や電線越しにゴジラを捉えた仰角ショットがよく決まっている。 やはりこういう部分で作り手のフェティシズムがものをいう。 怪獣の歩みによって屋根瓦が細かく振動するなど前半の純日本特撮的な数ショットに心躍るが、後半のビル倒壊アクションなどはハリウッド大作に 先行されている分、分が悪い。 それでも旧作に囚われすぎることなく、火の海を背景に陽炎に滲む「巨神」のイメージを象ったセルフオマージュ等も盛り込んでしっかり己の映画に仕上げているのだから天晴れである。 第一作同様、海のショットで始まるこの最新作。ラストは海へ還すことなく、日本を睥睨させる。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-08-03 13:12:04) 12.《ネタバレ》 監督!あんたはわかってる。 ゴジラはもとより円谷特撮映画、ゴジラ、ウルトラセブンの本当の魅力ってやつを!逆にわかりすぎちゃって、客に悟られ恥ずかしくならないかな。 ゴジラ、ウルトラセブンの魅力ってのは実はフェティシズムだ。 女性のピンヒールとライン入り黒ストに興奮する輩がいるように、自衛隊の出動、指揮系統のピシッとした言い回し、制服、肩書きそのもの、銃器や兵器の名称やら型番号、自衛隊マーチに代表される音楽。ただそれだけでもある種性的快楽の匂いを感じる変態性的倒錯、それこそが実は円谷ゴジラ、ウルトラセブンの真髄なのである。 他に例を挙げればガッチャマンにおけるベルクカッツェの紅い唇、仮面の忍者赤影の赤い唇などがその付近を狙ったものであることは間違いないであろう。ウルトラセブン変身時の音など、あれでイってた男の子もいたはずだ。男の子向けのこういう特撮には必ずこういう要素が必要なのだ。 このゴジラでは監督がそこを、そこだけをデフォルメして、痒いところに手が届く、フェチどもをイカセテくれる映像を作ってくれた。この映画はフェチ的要素の固まりである。石原さとみの英語、厚めの唇もそれであるし、わけのわからない医学、生物学的用語をまき散らし不気味さを醸し出すのもそれである。このフェティシズムを刺激することに主眼を置いた監督の頭のなかをみてみたい。俺はフェチではない・・・けども。 【小鮒】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-08-02 23:55:46)(良:5票) (笑:5票) 11.《ネタバレ》 昔から庶民の視点で描かれた怪獣映画が好きで、政治家や役人や自衛官や専門家が右往左往するようなのは好きじゃないのですが、コレがそうだからと言って悪く言うつもりはありません。 ゴジラがむしろアチラのモンスター風になっちゃった、ってのも、CGが期待したほどではなくて舟だの車だの列車だのが重量感もなくパタパタ舞ってるなんてのも、まあ些細な事。人物シーンのライティングはもう少しどうにかなんなかったのか?とは思いますが。 私がひっかかって仕方ないのはゴジラを「戦後日本の亡霊」として登場させた部分で。 空回りする会議と会話を繰り広げるばかりで決断力と実行力が欠ける連中には途中で退場願って、異端であろうが傍流であろうがゴジラの暴走を止めるという共通の目的を果たすためにプロフェッショナルがその仕事を果たす、って点は良いと思います。ですが、それがいつまでも変わらない「戦後」に対する呪詛を基にしているようで、それは前向きと言えるのかどうか。 終戦直前から現代に至るまでの(原爆投下から東日本大震災による被害と、福島第一原発のメルトダウンによる被害と)この国家を襲った災厄に対して、それでも「頑張ろう日本」と言いたい映画、でも安保やら核やら、終戦から今の日本に変わらぬ重圧を与え続けている「戦後」に恨み節のひとつもヒネリたい、みたいな映画で。 両監督と同世代なので判らないではないんですよ、団塊に蹂躙された後の世界を生きてきた世代な訳ですし(笑) だけど、映画に漂う旧『日本沈没』と旧『日本のいちばん長い日』の影響が、まるでそこに留まる事に対する自虐的な言い訳のようにも思えて。 ナショナリズムをシニカルに捉えつつ(でも実際にそこに陥っているような感想がネット上に大量に見られるという)、それが自嘲、自虐の域から出ていない、その先の示すべき道を語ってくれていない気がするんですよね。まるで「仕方ないけど頑張ろう」みたいな。 怪獣映画における不可侵領域である皇居に言及しない今作には、もちろんそうする事の意味があるのでしょうが(東京駅と皇居はさほど遠くないのであの作戦をあの場所で展開するというのは国家的にかなり問題な訳で、即ちこの作品世界に皇居は存在しない)東京の中心に鎮座する事となるゴジラにそれが象徴されちゃってるとすれば、それはそれで、ねぇ。 個人的にポイントが高い点はご贔屓、市川実日子嬢がひたすらヘンなキャラだった石原さとみ嬢よりよっぽど良い扱いだったところ。彼女目的に見に行ったと言っても過言じゃないです。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 5点(2016-08-02 17:21:29)(良:3票) 10.《ネタバレ》 「芸術とは積み重ねたコインを真上から見るようなもの」とある芸大学長の講演でそのような話を聴きました。 シンゴジラはまさに日本映画芸術の現時点であり、高く高く積み重ねられたコインの中にはこれまでのゴジラ(東宝特撮)シリーズ、ウルトラマンやパトレイバーは勿論、邦画(アニメ含む)の名作・傑作の数々が含まれていて、更には 鳥坂先輩や空想科学読本にはじまる「シニカルでリアルっぽいファンタジー」の終着地になっています。そして「さぁ、次は君の番だ!」とバトンを渡すがごときメッセージが感じられ、「神」「芯」「進」 TV特番でキャストの皆さんが示した「シン」に込められた想いにも 日本語=日本人 の奥深さや可能性が込められていて感慨深いものがありました。蛇足になりますが田んぼアート「シンゴジラ」の「なるほど!」と唸らされる見事さがまた嬉しかったりする 日本だからできた、日本人に見て欲しい 日本らしい映画です。 【0707usagi】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-07-31 19:51:31) 9.《ネタバレ》 良くも悪くも庵野版ゴジラでした。前半の徹底したリアリズムはゴジラが今の日本に上陸したらと言うシチュエーションドラマとして非常に良く出来ていた。しかし、終盤、あまりのトンデモ展開にそのリアリズムも吹っ飛んだ。これも庵野監督だから許容された暴走だろう。ゴジラは「ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序」の使徒ラミエルと化し、それを迎え撃つ長谷川博己匹いる対策チームはネルフそのもの。音楽まで一緒だから明らかに狙ってやっている。作戦名ヤシオリ作戦ってここまで来ると悪ノリし過ぎだよ。「シン・ゴジラ・序」でも作ったつもりなんだろうか?ゴジラはもう充分堪能したんで、そろそろエヴァの完結編をお願いします。本作はそれでもハリウッド版ゴジラよりは遥かに面白い作品になってました。 ただ庵野監督の言う「全く新しいゴジラ」に対しては「ゴジラがエヴァになっただけじゃん」と言わせてもらいます。7点は前半の武蔵小杉の戦いまでの採点です。以降は評価不能。 【ぴのづか】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-07-31 07:21:31) 8.《ネタバレ》 純粋に面白かった。登場人物の多さや、会議シーンの長さなどある程度の前情報を持って鑑賞したが、期待をはるかに上回る面白さだった。 会議は踊る感じから、無人新幹線での爆弾突撃、在来線爆弾セットとか最高。 背ビレから放射線ビーム出しまくるゴジラ、ヘリコプターで脱出する途中あっさり撃ち落とされる総理大臣、大破壊される東京、また観たい。 石原さとみの英語はイーオンでしょうか。 満点つけたいけどこれ以上のゴジラ映画出てきて欲しいので9点。 【おとばん】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-07-30 22:43:34)(良:1票) 7.《ネタバレ》 駄作オンパレードの平成シリーズ全作を束にして葬りさるくらいのクォリティの高い作品でした。 作家性と娯楽性が見事なバランスで結実していました。 カメラワーク、フレーム内レイアウトなど絵作りが味深く重厚。 きをてらわない、地に足の付いた演出力は特筆すべきものでした。 そして、新しいもんをつくるというから、 あのテーマ曲はゆめゆめ期待していませんでしたが、伊福部御大の旋律が炸裂の巻でした。 若干スマートなアレンジが施されているものの、アドレナリン出まくりでした。 こうこなくちゃと、がぜん盛り上がりましたよ、もう。 そして、エンドクレジットで皆さんご存知のマーチをメドレーでフルコーラス聴けた幸福! 「時計じかけのオレンジ」のエンドクレジットで劇中で主人公が歌ったスタンダードナンバーのオリジナルを たっぷり聞かせたように、そのセンスにやられたと思いながら、至福の時間を過ごしました。 ほんまに大満足やわあ、うちら! 文句なしに10点満点を安野モヨコさんのご主人に献上させていただきます。 【大通り・ヘップバーン】さん [映画館(邦画)] 10点(2016-07-30 22:38:34) 6.《ネタバレ》 考えてみたら庵野秀明という人は特撮大好きで、その特撮のミニチュア感やディテールの細かさをアニメでもやって見応えのある良作を作ってきた。その彼がゴジラで「好きなようにお願いします」と言われたのか知らないが、持ってる力を存分に発揮したなという作品になっている。色々とオマージュや遊び心もあり、ストーリーも「ニッポン対ゴジラ」というゴジラの原点回帰にしている目の付け所や変態するゴジラなど構成のセンスはさすがとしか言いようがない。小難しい名称のついた政治家、官僚、自衛隊、有識者、米軍関係者などが多くの登場人物が描かれ、何か起きるたびに召集、会議、承認、会見を繰り返す。東日本大震災で繰り返されたかのようなそのリアルな会議で膨大な情報量の会話も中だるみせず見せる編集は相変わらず巧かった。ただ、その会議シーンでエヴァの曲「DECISIVE BATTLE」を使いまくるのはいただけないな。1度目は「おっ!」と思わせるけど何度もかけたのはクドくて飽きた。せっかく盟友と言える鷲巣を使ってるんだから予告編みたいな曲をもっと作って使っても良かったのでは?と思う。あとゴジラの背ビレや尻尾からビーム(熱線)を放つゴジラってのはかなり微妙な気がするし、もはやゴジラではなく異形の使徒という感じだったのでそこら辺は萎えた。 3・11の行政のようなダメっぷりを描きつつ、ゴジラという国難に全員が全力で立ち向かっていく流れは一体感があって良かったな。日本へのエールの詰まった良い作品だった。 【ロカホリ】さん [映画館(邦画)] 8点(2016-07-30 21:15:29)(良:1票) 5.《ネタバレ》 まさに庵野版ゴジラ、ヤシマ作戦や組織物するのなら、いっそゴジラfeatエヴァにした方がよかったかも。 ヤシマ作戦が最後の最後に失敗して、ラストでやっと動いたエヴァ初号機が登場してゴジラの口の中に冷凍爆弾つめこんで、2体とも 行動停止で・・・というふうな。 決まらない会議劇は日本政府の象徴だが、現実はあそこまでひどくないと想いたい。もっと迅速に対応すると想います。 まず迅速さと調査能力で世界最強の日本のマスコミが黙ってない、政府を煽ります。最初にゴジラの幼児体で上陸して海へ帰った段階で、 潜水艦、哨戒機等を使って徹底した対策を練るはずです。 点数は最初は斬新だったので甘めの7点。悲劇性なさとカタルシスのなさ高揚感のなさ、作戦のショボさが減点です。 【SHOGO】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-07-30 17:34:42) 4.《ネタバレ》 ゴジラ映画でありながら、岡本喜八(写真で出演してる!)の『日本のいちばん長い日』にオマージュを捧げた作品といった印象。 ゴジラが出現したら、日本はどう対処するのかというシミュレーション映画にはなっているものの、ドラマ性が希薄。 パワーエリートがこの国を何とかしてくれたという筋書きはどうなんだろう? 体制、反体制という対立軸を知らない若い世代には抵抗がないのかもしれないけど、おじさん世代は白けるなぁ。 ゴジラはCGで描かれたらしいが、市街の破壊描写は緻密で、これまでにない映像を見せてくれるうえに、CGとは異なる実写感がある。 そういった意味では、もっと高い点をつけてもいいのかもしれないけど、ドラマがなぁ・・・ 【こんさん99】さん [映画館(邦画)] 6点(2016-07-30 01:19:53)(良:1票)
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【その他点数情報】
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