みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
12.《ネタバレ》 もっとシリアスな作品と思ってましたがコミカルな部分も多く山﨑努の好演もあって、なかなかいい作品でしたがラストがただのお涙頂戴話になってしまったのが残念でした。山形の美しい風景と久石譲のスコアが印象的でしたね。 【ギニュー】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-09-28 21:07:31) 11.《ネタバレ》 ◆見終わった後、本気でスクリーンに拍手を送りたくなりました。◆まず、この映画には解説がほとんど存在しないという所が凄い。どんな作品でも、観客にとって初めてのものを見せるときには解説が必要です。なぜなら、どんなに凄いことをやっていようと、見る側が理解しなければその凄さが分からないからです。解説は、見る側の知識を補填する役割を果たすという意味で重要です。ましてや、納棺師というテーマは観客にとって未知の世界であるため一層解説が必要になるはずです。◆しかし、この作品は見ただけで納棺師の誇りが伝わってくる。納棺における主人公の一つひとつの所作や遺体の着物が刷れる音、そこに漂う独特の緊張感からそれが伝わってくるのです。映像だけで納棺師の誇りを表現しきっているという所に感動します。◆さらに、ストーリーにおいても「どんな仕事にも喜び、苦しみ、そして誇りがある。」というテーマが一貫している。ストーリー自体はシンプルで分かりやすいけれど、一貫したテーマのもとに成り立っているため、どんなに分析的に見ても入り込めるのです。◆キャストも味のある役者を揃えている。本木雅弘は役に本当に忠実に演じており、山崎努は熟練の納棺師の誇りを体現していた。笹野高史の醸す哀愁は、スクリーンから少し漏れていた。それぞれがそれぞれの味を存分に出しているけれど、ひとつの作品として融合している。◆このような映画を、しかも愛すべき邦画を映画館で生で見られたことが純粋にうれしい。この作品は、映画でしかなしえない、「映画」と呼べる作品だと思う。 【もりたろう】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-09-28 01:08:53) 10.《ネタバレ》 東京の、差別教育もないような地域で、色々な職業や国籍の人間がごっちゃになっていて差別というものを認識しないままに生まれ育った私は、今もどうも差別に対してピンと来なかったりします。この映画の中における差別する人々のリアクションに、へえ、そうなんだぁ、みたいな。父母共に大家族という状態で数十の葬儀を見てきて、こういう遺族の目の前で行われるスタイルの納棺というのは一度も見た事がないので、地域的な違いもあるのでしょうか。さて、見ていてこれは浄化の映画なのだな、と思いました。人間、この世に生まれて時を経ると段々と汚れてゆきます。差別意識もその一つ。色々なしがらみの中で自ら汚れ、人から汚され、だけど、人はそういうものだって許容した上で、旅立ちをキレイに飾る事で浄化される、転じて死を通して汚れた過去も背負った業も含めて人が生きる事を肯定してみせる、そんな感じに捉えました。広末の心を都合のいい展開に任せ過ぎているのがちょっと気になりましたが(妊娠~おばちゃんの死~義父の死と)、美しい風景に対比させる形で人の美醜を描き、人を敬う気持ちまで昇華させる、静かに深い慈しみを感じさせる映画でした。あ、エンディングの曲が過剰にうるさかったのはちょっと。せっかくずっと抑えてたのに、ここで久石節がガマンできずに爆発しちゃったのがねぇ。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-09-27 18:26:32) 9.《ネタバレ》 「“おくりびと”面白かったですか?」 「困ったことに…」 【スピィーディーワンダー】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-09-27 12:56:29) 8.《ネタバレ》 小林秀雄の「秩序なく泣いては、人と悲しみを分かつことができない。人に悲しみをよく感じて貰うことができないからだ。悲しみの中にあって、悲しみを救う工夫が礼なのだ。」という言葉を思い出した。時代や宗教、風土、文化によってさまざまな葬祭の形があっても、「礼」についてはどんな葬祭も共通だ。この映画の納棺師たちはそれを知っている。「礼」はとても大切なものだからとても大事に取り扱う。だから列席者は悲しみを分かつことができるのだ。だからこの映画の観客も悲しみを感じることができるのだ。この映画はよくできた作品だし、着想も面白く素直に楽しめる。ただ、劇中で広末涼子演じる妻が「穢らわしい!」と叫ぶところでは、驚くとともにかなり引いた。「へえそんなふうに感じる人がいるのか」という驚きと、「穢らわしい!」なんて時代錯誤的なセリフ(を発する心性)に引いた。そこまで嫌か? 【veryautumn】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-09-27 04:14:34) 7.納棺師という余り馴染みの無い職業についてのお話だったので、純粋に為になりました。そういう職業の人達が、劇中の様に差別されているか如何かは知りませんが、そうだとすると悲しいですね。私は本当に尊敬に値する仕事だと思いましたが。 ただこういう題材の映画にしては、笑いのシーンも多く含まれていて、観る側が暗い気分に陥ってしまうのを防いでいた様に感じました。観る側への配慮がありがたい。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-09-27 00:04:06) 6.《ネタバレ》 納棺師という仕事が職業差別を受けていることを知らなかったので (というか納棺師という専門の職業があること自体知りませんでした…) 杉本哲太が「まともな仕事につけ」と言ったシーンにビックリ。 全編通じてその辺りにちょっと違和感を感じてしまい、 イマイチ登場人物に感情移入できなかったです。 ただ映画そのものは見所が多く最後まで集中して観れました。 特に山崎努の自然でありながら存在感抜群の演技がとても素晴しかったです。 【Trunk】さん [映画館(邦画)] 6点(2008-09-26 15:58:38) 5.《ネタバレ》 納棺師という職業に焦点を当てているんですが、この作品には笑いと涙、そして何より、納棺の儀式がもたらす「尊さ」のようなものに惹かれてしまった。 納棺師は遺族の前で、死者の肉体を浄め、顔には化粧を施す、その所作をじっくりと見つめる遺族、その間各々の「死者への想い」も浄化されるのではないだろうか? また、遺族の<旅立っていく者>への優しさも込められている。 この、様式だった美しい所作を観ている者は、死者を扱っているのに、とても温かいものを感じるはず。 この、「納棺の所作がもたらすもの」の描写。 これが、この作品の核であるのは間違いないが、それでも凄い力を持っていた。 ドラマ的要素は、まるで「納棺儀式」の見えざる力に取ってつけたかのように感じる。 私が興味を引いたのは妻・広末涼子の存在。 現代的な妻で、東京にいる時は普通の妻であり、故郷に帰って暮らすことにも抵抗がない。しかし、夫が納棺師と判明した瞬間、はじめて夫に嫌悪感を見せる。 広末の役の必然性の一つとして「納棺職に対する客観的な視線」というものがあると思う。結局、彼女は銭湯の吉行和子の葬儀に立ち合い、自らその尊さを体験し、また<その事を理解している>本木の所作をも感じ、完全に和解をしている。 この辺りの広末涼子の台詞なき視線、変貌が実に素晴らしいし、また、この「客観的な視線」の存在によって観客をも引き込んだ。広末の視線にはこのような力を感じた。 最後、本木が父親と真に再会し得たのも、儀式としての肉体の浄化だけではなく、彼の「過去に対しての憎しみ」が全て浄化されたからであろう。終盤になると、あの儀式が持つ力を感じさせられるのです(勿論、本人の優しさという前提もあるのだが)。 よって、この作品は「納棺所作」に説得力がないと成立しないのですが、非常に丁寧な撮影振りです。 そして、ストーリーを超越した力を持っている映画と思いました。それは、切り口は違えど黄金期の巨匠小津・溝口らの凄みに迫るものを感じたと言ったら大袈裟か。 更に、バランスが非常に良いのです。 儀式の核心にのみ焦点をあてるとくどかったり、硬かくなったりするのですが、山崎努(最高!)、余貴美子らのコミカル&親近感、チェロ伴奏、庄内平野の四季など作品の幅を広くしている。 強く評価すべき作品だと私は感じました。 【サーファローザ】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-09-26 15:46:31) 4.《ネタバレ》 前半のコメディー仕立ての部分が、どうにも私は笑えませんでした。 映画のテーマのせいか、賞を獲ったせいか客層が割と年配の方が多く、 その方たちには笑いが起きていましたが、 「さぁ、笑うところだぞと!」言わんばかりの演出が鼻についてしまったのです。 しかし、中盤からは山崎努と本木雅弘の演技が素晴らしかったこともあり、 物語に集中して観ることができました。 死者の尊厳、遺族の尊厳をおもんばかる納棺師の所作は さすがに格好良く、身近に亡くなった方をお持ちの方は凄く感情移入できる だろうと思います。実際、観劇中に涙する人も多かったです。 ただ、出演者の平均年齢が高いのと、題材が暗いせいか、広末涼子の雰囲気が この映画では浮いてしまっている気がします。 あえてそれを狙った役作りかもしれませんが、ちょっと軽すぎるかなと思いました。 テーマとしては普遍的な家族のあり方を描いた作品といえますが、 納棺師という職業とそれを生業にする主人公夫妻を通して描くことで ありきたりな作品にならず、佳作といえる作品となっていると思います。 【おなや】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-09-26 01:30:34) 3.荘厳なテーマの中にユーモアと涙、また差別など社会性も盛り込み、グランプリ受賞も納得の魅せる映画となっているが、2度見ようとは思わないかな。山崎努はさすが貫禄の演技、余貴美子、笹野高史、これが遺作となるかもしれない峰岸徹など脇も良し。チェロ演奏などモッくんの役者魂にも感心したが、どうにもこうにも広末涼子の演技だけは拒否反応。 【Q兵衛】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-09-23 15:39:36) 2.《ネタバレ》 最近また邦画の出来がよくないなあと感じてるところに、この奇跡のような大傑作。全ての作品を押しのけてこれが賞をかっさらうと思う。いや、そうでなくては。 主演助演、チョイ役全ての役者がきらきら宝石のように輝いています。特に広末の演技がよかった。妙なこだわりや固定観念に縛られてないような現代っ子ぽい奥さんなはずなのに、いざ自分の夫が「そうなってみると」やはり世間体を気にする、けがらわしいと言ってしまう。愛が冷めたわけではない、愛してる・・なのにしかし。こういう感情は悲しいくらいにわかります。きわめてリアル。愛があれば世間体も関係ねえよなんてのは夢子ちゃん夢男くんのあまっちょろい幻想なのだ。 しかも映画はもっと残酷な運命を用意します、なんと子どもが生まれる。誰もがお世話になる職業だの、仕事に貴賤はないだのなんだの、屁理屈はどうでもいい、あなたは子どもに胸を張ってパパは納棺師だよっていえるのか、子どもはお父さんを納棺師だ!と自慢できるのか。これを言われたら男としてはもうギブアップ。いくら納棺の仕事に生き甲斐を感じ始めたとしてもアウトなのだ。 ところが映画はとっても素敵な解決を用意してくれました。最後に「私の夫は納棺師です!」と叫んでしまった広末。鳥肌がたつくらい感動。しかしだ。ありゃ100%夫の職業を受け入れてはいないかも、そのときの雰囲気に飲まれて叫んでしまっただけかもしれない。あとで子どもが生まれて厳しい冷たい現実がやってきたときコロッと後悔するのも女なのだ。 しかし、この夫婦・・・この家族はどんなトラブルが待ち受けていようと、なんとか苦しみ悩みもがきながら、うまくやっていくだろう。それを予感させるのがあの石ですね。あの一銭の価値もない汚い石ころに込められた意味はものすごく深いです。 珠玉の映画。泣いて笑って考えさせられて・・・なんと爽やかな後味か。チェロの音色に心を動かされないひとはいないだろうと信じてます。音楽がまた素晴らしい。邦画もまだまだ捨てたもんじゃない、やるなあ。 本木、広末の代表作となるでしょう。 【うさぎ】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-09-23 01:07:48) 1.ひとはみな、生まれたからには、死がおとずれる。今のすすんだ文明は極力、なるべく、死をさける。でも、そのうち、かならず死がおとずれることはみな、知っている。そして、、、、、、 また、会おうの。、、、、、、そう、われわれは、ほんとうは、死んでしまうと、2度とふたたび会えないことも知っている。 そう、死んだひととは、2度とあえない。一度きりのおのれの人生は、2度とない。さらば!だからこそ、愛おしい。せつない。かなしい。けど、それでよい。悲しいけど、さびしいけど、生まれてきて、わたくしは、本当に良かったです。(遺書ではありません)とてもかなしいけど、とても、いい作品です。 【男ザンパノ】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-09-20 00:43:25)
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