みんなのシネマレビュー |
|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
17.《ネタバレ》 死人で飯を食うと遺族から蔑視され、汚らわしいと家族から忌み嫌われ、自分でも納得いかないまま始めてしまった納棺士を通して、死というものを見つめなおすという着眼点が新しく、また清々しいものに仕上がっている。「死は門である」。死、そして葬儀というものを、誕生から始まり、例えばお宮参り、卒業式、成人式、結婚式、還暦…などと続く人生の節目の内の一つとして捉える。そしてその葬儀を厳かにけれど暖かく演出し、遺族の悲しみを少しでも癒すことが出来たら、納棺士とは素晴らしい職業だろうと思う。確かにここでのモックンはチェリストにせよ納棺士にせよ所作が美しく、そして嫌な部分はコミカルなオブラートで包み隠しているのは確かだが。賛否両論あるとしたら、キレイな部分だけ見せて美化しているところに否を感じる見方もある。しかしこの作品は納棺士の紹介ではなく、日本人特有の死や葬儀に対する姿勢や文化を世界に紹介し、また忘れかけている日本人に思い起こさせることに成功した。そういう作品として素晴らしく、世界で認められた功績も讃えたい。 【ちゃか】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-04-21 17:36:31)(良:1票) 16.泣きました。号泣ではありません。とめどなくすすり泣きしました。死者の尊厳を守ること、職業に誇りを持つこと、大事なことだと思いました。 【ジャッカルの目】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-04-02 02:17:05) 15.《ネタバレ》 観る前、この映画には「これぞ日本の文化だ!」というポイントが否応なく、余すとこなく、盛りだくさんに込められていて食傷気味になりそう、というイメージを持っていた。が、全編に渡って感じられる本質的な日本の美しさがいい意味で裏切ってくれた。 この納棺師という仕事は進んで勤める仕事では決してない。やはり、死に向きあうだけではなく、直接「死」と接する仕事。個人的には偏見はあるだろうとは思っていた。だけどここまでの偏見があるのには少し吃驚した。 やはり「死」というものは、いずれ死を迎える者にとっても、いずれは死を迎える誰かを失う者にとっても、とても恐ろしいもの。なので、失ったことがない者にとってはその「死」で生計を立てているということは逆流するような、摂理に刃向うような生理的に嫌なことなのかもしれない。 しかし、失われた者にとっても失う者にとっても、死というものは優しくなくてはいけない。失った者は失われた者が望んだであろう事で、失いながら今生きている自分にできる事を一生懸命考える。最期の時間もできる事すらも本当に限られているし、せめて失われた者にとってやさしい最期を与えたいし、自分も浄化されたいからだ。そして、その思いを託すことができるのは納棺師なのだ。 命あるものには死が訪れ無へとすすむ。死を迎えたものには静寂、安息が必要だ。しかし命あるものはその安息が得られるべき死(命)を食べないと生を全うできない。困ったことに。納棺師の彼らは食物をとても本能的に食べる。死というものを感じられるからこそ、食べるということに真摯に向き合え、本質的なことなのだと彼らはしっているのだ。 クライマックスに小林の父が見つかったのは少しご都合だなとは思いましたが、なにより石を握っていたのは納得できない・・自分ならものすごく大事なものだから、寝ながらなんてことはないなぁ。 しかしながら、本当に日本的な部分が感じられる作品であると思った。もちろん日本的な弔い方・死へのとらえ方を題材にしているのもあるが、表現や醸し出す雰囲気が非常に控え目でたおやかで叙情的。優しくてとてもいいと思った。 【まりんこ】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-03-29 21:11:38)(良:1票) 14.《ネタバレ》 わかり易過ぎる伏線、ここで泣けといわんばかりのベタベタな演出・・・・・でも 『それでも泣けてしまうんだよなあ・・・困ったことに!』 生者が死者を門の向こうへおくるとき、 死者も生者に何かをおくりかえしているのかもしれない 劇中、それは”石文”という形で、子へ、そして孫へとおくられた そしてこの映画自体も、これからも多くの人の心に大切な何かをおくりとどけつづけるのだろう 【渡部シンイチ】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-03-05 19:46:17) 13.アカデミー賞受賞で満席の映画館に行ってきました。久々に映画館でうるうるしてしまいました。笑いと泣きの緩急が絶妙で死をテーマにしているにもかかわらず重くならずに軽快に観れました。JBLのスピーカーやデロンギのオイルヒーターなど家電やインテリアにもこだわっていて映画の世界観が暗く、もさくならずにいい感じです!モッくんのこだわり!?でしょうか? 【じょーー】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-03-01 23:49:26) 12.《ネタバレ》 アカデミー賞ノミネートということで近くの映画館で再上映されてました。最初の上映で見に行けなかったためこれは行かねばと思ってるうちに「アカデミー賞受賞」のニュース。早速レイトショーに行ってきました。多くのレビューどおり感激して帰ってきました。「巨人の星」の星一徹なみに涙を垂れ流しながら見続けました。 映画館で周りの人たちがすすり泣くような情景は数年ぶりでしたね。帰りはみんな黙って通路を歩いていました。余韻に浸りたい。そんな感じでしょう。 広末はあんまり好きではないですが色々ミスキャストと言われるようにはひどくなかったと思います。若作りの鼻につく明るさも、「汚らわしい」と叫ぶシーンも最後の「夫は納棺師です」を堂々と、愛情を持って発言させるまでの妻の(結局妻は見ている私達、世の中の一般的な人たちの代弁者でしょう)心境の変化を際だたせるための演技かなと思いまぁ納得しています。 結構辛口の批評も多いですが、「死」について考えさせられるのは事実であり、私達は甘んじてそれを受け入れてこういう時にしか考えない「生」と「死」について自分の中で消化すべきだと思います。テーマを持った映画ですからそのテーマを受け入れるかどうかで評価は分かれるのではないでしょうか。映画の作りとしてもしっかりとしていると思います。 私は以前飛べなくなっている雀が自分の手のひらの中で命絶え、温かい体があっという間に手の中で冷たくなっていくという体験で生から死への瞬間を体験しました。お葬式にも数え切れないくらい参列し、火葬場で人の体がこの世からなくなる事も実感してきました。死は自他共に覚悟している場合もあれば突然にやってくるものもあります。そのときは悲しんでも人は生きていくために普段は忘れて生活しています。 生と死は切り離せるものではなく、死者をきれいにして納棺をする作業中、遺族の中にはきれいな別れ、これからのつながり等新たな旅立ちの時間を与えてくれるのでしょう。「実際はそんなにきれいな死体ばかりではない」のは事実ですが年老いてやせこけてなくなった人にも幼い頃からの人生はあります。遺族は少しでもきれいにして送り出したいと思うのも当然でしょうし、私自身こんな風に納棺してもらえたらと思います。 大きなテーマを笑いもちりばめて作り上げた、私の中では記憶に残る一作でした。 【スナミ】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-02-25 12:19:34) 11.この職業がそこまで忌み嫌われる物か?という疑問はでたがその他は 非常に魂について考えさせられる映画。きれいな死体は希とかいう人も いるが全部うつしてるわけでもないしそのきれいな部分と汚い部分をみせるのが 映画の醍醐味。汚い事実だけをみたけりゃドキュメンタリーでもみてればよろしい。 そしてテーマが読みとれない人は見て手もつまらないのだろうな と思った。 【とま】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-02-02 00:36:19) 10.現代の日本が世界に誇れる最高の作品だと思う。 死とは「新たな旅立ちへの門出」・・・。丹波哲郎に見てもらいたかった・・・。 【ケンジ】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-01-24 22:19:53) 9.《ネタバレ》 見終わって一言、あぁぁ~自分の最後はこの二人、本木雅弘と山崎努をはじめとするこの人々におくられていきたいと思った。自分の最後をこういう形でおくりだしてもらえたら幸せだろうと思うと同時に自分が最も愛した人達、お世話になった人達をこの人達とおくりだすことが出来たら良いなあと思わずにはいられなかった。妻に納棺師という仕事をしていることを隠していたことがバレ、「汚らわしい」と言われようが自分の選んだ道、仕事に対する誇り、自信を持って最後までやりとげる本木雅弘の姿にこそ人間の持つべき本来の姿があるのではないだろうか!どんな仕事であれ、仕事には変わらない訳で、だからこそあの広末涼子の「汚らわしい」だけは言って欲しくなかったのと言わせるような脚本は書いて欲しくなかった。あれさえなければ満点にしたいぐらい素晴らしい作品です。人は生きる為に働く。自分で選んだ道を信じることの素晴らしさをこの映画は教えてくれている。自分を捨てた父親の最後をおくりだす場面のあの父親の死に顔の美しさとそんな父親との想い出の石ころを手の中に握りしめている父親、俳優峰岸徹の遺作となってしまったこの映画、何とも複雑な気持ちになりました。峰岸徹のご冥福を祈りつつ、人間が死ぬといこと、死は単なる終わりではないということ。それはあの風呂屋のおかみさんが亡くなった後の場面での笹野高史の台詞に込められたメッセージこそこの映画が言いたいことではないかと思う。 【青観】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-10-30 22:22:55) 8.《ネタバレ》 人は必ず死ぬ。僕も超怖い。だからこそ尊厳をもって死を迎えたいものだ。劇中沢山の葬式を見るが、それぞれ厳かに送られる。その様子をみていて、僕の死生観が更新された。 なにより、広末ありがとう。 【no_the_war】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-10-30 19:41:47) 7.《ネタバレ》 結末が月並みだったので、先が読めてしまったが、 笑いの要素もいれつつ、死生観を考えることのできる良作。 恐怖から逃れるために、広末を狂ったように愛撫する本木や、 杉本哲太と広末の心無いことばに、すごく人間臭さを感じる。 【fragile】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-10-28 14:22:29) 6.《ネタバレ》 最近また邦画の出来がよくないなあと感じてるところに、この奇跡のような大傑作。全ての作品を押しのけてこれが賞をかっさらうと思う。いや、そうでなくては。 主演助演、チョイ役全ての役者がきらきら宝石のように輝いています。特に広末の演技がよかった。妙なこだわりや固定観念に縛られてないような現代っ子ぽい奥さんなはずなのに、いざ自分の夫が「そうなってみると」やはり世間体を気にする、けがらわしいと言ってしまう。愛が冷めたわけではない、愛してる・・なのにしかし。こういう感情は悲しいくらいにわかります。きわめてリアル。愛があれば世間体も関係ねえよなんてのは夢子ちゃん夢男くんのあまっちょろい幻想なのだ。 しかも映画はもっと残酷な運命を用意します、なんと子どもが生まれる。誰もがお世話になる職業だの、仕事に貴賤はないだのなんだの、屁理屈はどうでもいい、あなたは子どもに胸を張ってパパは納棺師だよっていえるのか、子どもはお父さんを納棺師だ!と自慢できるのか。これを言われたら男としてはもうギブアップ。いくら納棺の仕事に生き甲斐を感じ始めたとしてもアウトなのだ。 ところが映画はとっても素敵な解決を用意してくれました。最後に「私の夫は納棺師です!」と叫んでしまった広末。鳥肌がたつくらい感動。しかしだ。ありゃ100%夫の職業を受け入れてはいないかも、そのときの雰囲気に飲まれて叫んでしまっただけかもしれない。あとで子どもが生まれて厳しい冷たい現実がやってきたときコロッと後悔するのも女なのだ。 しかし、この夫婦・・・この家族はどんなトラブルが待ち受けていようと、なんとか苦しみ悩みもがきながら、うまくやっていくだろう。それを予感させるのがあの石ですね。あの一銭の価値もない汚い石ころに込められた意味はものすごく深いです。 珠玉の映画。泣いて笑って考えさせられて・・・なんと爽やかな後味か。チェロの音色に心を動かされないひとはいないだろうと信じてます。音楽がまた素晴らしい。邦画もまだまだ捨てたもんじゃない、やるなあ。 本木、広末の代表作となるでしょう。 【うさぎ】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-10-28 12:58:32) 5.この作品は多くの方に「見て欲しい」作品ではなく、「見るべき」作品だと思いました。 【tonao】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-10-12 21:17:09) 4.日本人の「死ぬ」尊厳をていねいに描いた秀作。冬の山形の白っぽい風景描写や、建物のちょっとした洋風趣味を取り入れたのも、映画の雰囲気を創りだすのに成功しているようです。ところどころ小っ恥ずかしいセリフがあるのと、広末の年齢不祥な演技が気になったのでマイナス1点。 【ケルタ】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-10-06 11:48:37) 3.《ネタバレ》 あたしは納棺を一族で行ってきたので納棺師という仕事があるのは知っていたが(葬儀屋に聞いた。)、実際にやっている所は見たことが無かった。死後2週間経った遺体の納棺後に匂いが気になり銭湯で何度も体を洗う、鶏肉に吐き気を催す→直後に妻に欲情するシーンというのは、ある意味、物凄く生々しい現実の葛藤を思わせる。それを主人公の心境の変化に併せていく撮り方は非常に上手いと思う。 こういった職業に対しての差別は古くからあるものだけど、そういったものが端的に杉本哲太と広末涼子の役のシーンで表される。その変化を示すシーンも主人公の献身的な姿によるところであるのも上手い。他の役者は非常に曲者ながら、映画を引き立てるのに十分なほど良い演技をする。特に山田辰夫の演技というのは思わずあたしも感情が入ってしまった。 滝田映画といえば、食べ物への表現は本当に面白い。物凄くこだわりがあって、毎回楽しみな部分のひとつでもある。 同名の漫画が出ているが、この映画に興味を持った人には是非ともこれも読んで欲しい。映画を基本的になぞらえているが、これもまた良い出来である。 【奥州亭三景】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-10-03 12:49:04) 2.《ネタバレ》 納棺師という職業に焦点を当てているんですが、この作品には笑いと涙、そして何より、納棺の儀式がもたらす「尊さ」のようなものに惹かれてしまった。 納棺師は遺族の前で、死者の肉体を浄め、顔には化粧を施す、その所作をじっくりと見つめる遺族、その間各々の「死者への想い」も浄化されるのではないだろうか? また、遺族の<旅立っていく者>への優しさも込められている。 この、様式だった美しい所作を観ている者は、死者を扱っているのに、とても温かいものを感じるはず。 この、「納棺の所作がもたらすもの」の描写。 これが、この作品の核であるのは間違いないが、それでも凄い力を持っていた。 ドラマ的要素は、まるで「納棺儀式」の見えざる力に取ってつけたかのように感じる。 私が興味を引いたのは妻・広末涼子の存在。 現代的な妻で、東京にいる時は普通の妻であり、故郷に帰って暮らすことにも抵抗がない。しかし、夫が納棺師と判明した瞬間、はじめて夫に嫌悪感を見せる。 広末の役の必然性の一つとして「納棺職に対する客観的な視線」というものがあると思う。結局、彼女は銭湯の吉行和子の葬儀に立ち合い、自らその尊さを体験し、また<その事を理解している>本木の所作をも感じ、完全に和解をしている。 この辺りの広末涼子の台詞なき視線、変貌が実に素晴らしいし、また、この「客観的な視線」の存在によって観客をも引き込んだ。広末の視線にはこのような力を感じた。 最後、本木が父親と真に再会し得たのも、儀式としての肉体の浄化だけではなく、彼の「過去に対しての憎しみ」が全て浄化されたからであろう。終盤になると、あの儀式が持つ力を感じさせられるのです(勿論、本人の優しさという前提もあるのだが)。 よって、この作品は「納棺所作」に説得力がないと成立しないのですが、非常に丁寧な撮影振りです。 そして、ストーリーを超越した力を持っている映画と思いました。それは、切り口は違えど黄金期の巨匠小津・溝口らの凄みに迫るものを感じたと言ったら大袈裟か。 更に、バランスが非常に良いのです。 儀式の核心にのみ焦点をあてるとくどかったり、硬かくなったりするのですが、山崎努(最高!)、余貴美子らのコミカル&親近感、チェロ伴奏、庄内平野の四季など作品の幅を広くしている。 強く評価すべき作品だと私は感じました。 【サーファローザ】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-09-26 15:46:31) 1.《ネタバレ》 モントリオール世界映画祭でグランプリ獲得したとの事で興味を持ち鑑賞。納棺師と言う聞きなれない仕事に引き込む山崎努と引き込まれる本木雅弘この二人の演技が絶妙、正にはまり役でした。それと山田辰夫彼も素晴らしい、画面が引き締まる。前半は笑いも多くテンポもいいですが、後半本木と父親の関係の部分がちょっと余分だった。吉行和子の所で終わってくれてたら丁度良かったかも。また広末が亭主の仕事に全く理解を示さないのもちょっと気になりました。あと杉本哲太は本木に一言謝って欲しかった。でも最後父の面影を忘れていた(忘れたふり?)本木がそれを取り戻してあげるシーンは良かった、あの涙はいい涙でした。でもあの石はやり過ぎ。あれが無かったら10点だったかな。 【ハチロク】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-09-20 00:20:03)(良:1票)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS