みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
14.《ネタバレ》 日本が世界に誇る作品だと思います。日本らしさと言う意味では晩春より優れているかもしれません。晩春同様、笠智衆の演技は絶品です。妻を失った夫役と娘を嫁にやる父親役をやらせたら彼の右に出る役者はいません。私がはじめて笠智衆の演技を見たのは寅さんだったと思います。あのころははまり役!って思っていましたが、ちがいました。「晩春」と「東京物語」あと、「秋刀魚の味」。これがはまり役。反則!といいたくなります。<BR> 全体を流れる親子、家族のやさしくやるせなく無常な感じはとてつもなく切なさをそそります。 晩春のラストシーンもいいですが、東京物語もラストシーンの団扇をあおぐ笠智衆がいいですねえ。あのシーンを撮影したあと笠智衆の座っていた座布団からは湯気が出たとか。。。そのくらい大変な時間のかかる撮影だったようです。私はこれが小津作品の中では2番目に好きです。一番に挙げる人が多いこの作品ですが、私はやっぱり晩春が一番です。 【アポロ】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-07-22 13:14:43) 13.僕は20代だけど面白かった。最初こそ「ヤベ、退屈だ…」と思いましたが、ちょっとだけ我慢して観てると、家族と世の中のいろんなカラミがあるうちにどんどんどんどんハマっていった。こんなイイあんばいの映画って今じゃあり得ないですよね。表面的満載なのに深いっていうか。おじいちゃんとおばあちゃんが終始ニヤニヤしてるのとか、哀愁漂ってたまりません(笑)気付けばこっちがニヤニヤしてるし、笑うところなのかどうかわからないけど笑っちゃうし。観終わったあと調子に乗って、いつもはうんざりするはずの親父の昔話を聞いてやると、このときばかりはイメージが湧いてすごく共感した。僕は感動しながら「(今は亡き)おじいちゃんが戦争から帰ってきたとき、おじいちゃんどんなだった?」と聞くと、「んんん……(当時六歳の親父は)家にヘンなオッサンが入ってきたと思ったよ」と言うので、二人で爆笑し、うわー知らなかったと思って泣きそうになった。 【アランチャ】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-07-08 04:10:33)(良:3票) 12.切ない映画だった。この作品、舞台は戦後だが、親と子の距離関係や兄弟関係、夫婦の関係など、時代と関係なく現代にも通じるものがあるだろう。また、海外でも受けたのは、そうした家族模様は、日本だけでなく世界共通のものだから。ただ、この映画の背景には、高度成長時代黎明期の「親もとから離れ東京に出てひとはたあげて頑張ろう」という当時の青年・中年のハングリー精神があり、そこは裕福な現代では分からないものになっているかもしれない。杉村春子の嫌なオバサンぶりはすばらしい。原節子の役もいいのだけど、(アイドルさもあって)あまりにも良い人すぎに扱われているという印象。 【あまね】さん 9点(2005-03-28 01:58:34) 11.《ネタバレ》 この作品について語ろうとすればとてもこのスペースでは足りないし、そもそも多くの方が語ってらっしゃるので今更付け加える事はあまりないのだけれど・・・。一つ思ったのは、普通映画の中の「死」って極端に軽く扱われるか、でなければ大仰(ドラマチック)に扱われるのが殆どだと思うんですよ。でもこの作品ではそのどちらでもなくて、「死」は淡々と近づき、淡々と迎えられ、淡々と過ぎていく・・・その描かれ方にむしろ特異な印象を覚えました。妻を亡くした後の笠智衆の佇まいと言葉が、淡々としているからこそ重く感じられます。ひょっとして僕がそう感じたのは、中学の時に母を亡くした時の自分の父の表情と重なったからかもしれませんが。 【ぐるぐる】さん 9点(2005-03-04 20:22:54)(良:1票) 10.《ネタバレ》 「親孝行って何?」って考える♪でもそれを考えようとすることがもう♪親孝行なのかもしれない♪・・・この映画の子供たちは誰ひとり「親孝行って何をしたらいいんだろう?」って考えてない。「熱海なんてどーお?」「いいんじゃない?温泉あるし」って爺婆と話しろよ!めったに会えないんでしょうが!!そんな実の息子娘と対照的に爺婆に親切な亡くなった息子の嫁。そんな彼女も「私ずるいんです」と言う。いま日本国内では映画にしろ小説にしろ「泣ける」という要素がないと売れない空気ですけれど、私がこれらの作品に触れて感じたことは、「泣ける」映画は往々にして観客を泣かせることを最終目的にしているためにそこから先に進めないということです。泣いてスッキリしちゃう。日本の皆さん、小津安二郎を見なさい。これを同じ日本人が創ったんだよ。と言う私も「東京物語」しか見たことないですけど・・・。 【キュウリと蜂蜜】さん 9点(2004-10-27 23:19:27)(良:1票) (笑:1票) 9.この物語の雰囲気と低い視点から撮られた安定感のある映像がとてもあっていた 人がしゃべるときに胸から上の映したカットがさらに映像の安定感を増していてとてもよかった 台詞は普段よく使うような言葉であるのに一言一言が心に響いた 今の時代は騒がしすぎてこのような静かな作品は記憶に残らないかもしれない しかし僕はそうは思わない 静かな作品だからこそメッセージがストレートに伝わり記憶に残るのだと思う 人生において見落としがちな重要なことを気づかせてくれるようなとてもよい作品でした 【ぺぷとりじ】さん 9点(2004-06-08 21:50:18) 8.小津映画の代表の一つといえる秀作である。淡々と日常が流れ、簡素過ぎてつまらないという人もいて賛否両論になるが、私はこれほど人間の本質を掘り下げ、感情の露骨さを表現された映画はないと思う。台詞に無駄な装飾もなく、有り触れた台詞しか使っていない。独特の小津調で語られる台詞は奇才故の絶妙な間隔が敷き詰められており、言葉々々の間の背景に哀愁と深遠さを附加させるものである。またモノクロ映像がもつ世界観は未完映像として、観る側に色の創造性と人間がもつ蒙昧な意識を揺動させる力がある。だから、私は観る度に進行する記憶と連鎖し呱々の声として心に鳴り響くのである。習慣性の幸せは淡々と消費され、必然のものとして受け入れられてしまう。突如失われる残酷な現実を突きつけれるまで軽薄なものだけにしかないのである。喪失感からしか生まれない存在意義の大きさに悔恨の念を含みながら人間愛を瞑想に耽る。それにうちひしがれそうになりながらも強靱の力で活きようとする人間たちの同志が憧憬の人間像として垣間見せられるのである。小津の抒情が収斂された雅やかな映像を真摯になって受け入れなければならないことであり、自信を内省的に反芻させられた映画でもある。半世紀を過ぎても色褪せることなく現在も不動の名画として活き続け、変わり行く時代と共に進化し続ける。 【ぼん】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-05-16 06:43:10) 7.この監督の作り出す空間は本当に居心地がよい!しかし、雲のようにやわらかい空間は眠気を誘うどころかビシビシと心に突き刺さる。小津の映画を観てると実家に帰ってきたような安堵感がつきまとうなー。 【マイアミバイス】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2004-02-03 03:49:46) 6.心底、親身に世話をしてくれ、暖かく接してくれたのは、血を分けた子供たちではなく、赤の他人だったというやり切れなく、どこか諦観を感じさせる。それでいて、どこまでも暖かく、美しい傑作。ホームドラマだけど、ここまで達したら「芸術」と言っても、なんら差し支えないだろう。人は、しょせん生まれて、育って、年老いて、死ぬ、ただそれだけという「無常観」を言おうとしているのだろうが、人間はそれを営々と続けていくのだということに同時に希望もあると暗に語ってるようにも思える。あまりに、慎ましく、ささやかな希望だが。満点にしなかったのは関西人の僕には小津の映画は、いかにも「東京」の映画で、そこに憧れもするが、ちょっと気障かなという印象も受けるので。関西人は、小津より溝口なんだよな・・・。 【ひろみつ】さん 9点(2003-12-21 00:49:14)(良:1票) 5.日本にもこういう時代があったらしい。その頃に生活していた人たちの幸せを羨みます。 【KINKIN】さん 9点(2003-07-10 21:50:35) 4.笠智衆の老け役・・どうしても若かったとは思えない・・素晴らしいですね。原節子は今こういうタイプの孤高の美女っていないから、すごく貴重な感じがします。小津映画は時々小劇場で特集組まれるけど、もっと頻繁に観たい!ひとりで観て、ひとりで余韻に浸りたい。感想を誰かと語り合いたくないのが私の中の小津映画です。 【Rei】さん 9点(2003-06-01 22:53:58) 3.あの老夫婦に20世紀のベストカップル賞をあげたいです。広島弁も良いです。笠さんまだめちゃくちゃ若かったらしいですねあのころ。とても心に浸みる作品でした。熱海の堤防で一休みするシーンをはじめ印象的なシーンが随所にちりばめられていてどれも主張していないし、無駄なシーンもないこんな映画に出会えて良かったと思いました。 【てっつん】さん 9点(2003-04-17 03:28:33) 2.会話がほのぼのしていて笑ってしまうような場面もありました。最後にのりこさんの笑顔がはがれた所が印象的でした 【きりり】さん 9点(2003-04-08 18:32:02) 1.日本映画の名作とも言われているし、とりあえず見ておくかというつもりだった。所詮、退屈な古典映画だろうと思っていた。しかし何だろうこの胸に沸き上がって来る懐かしさは。何度でも見たくなる大好きな作品になった。 【masa】さん 9点(2002-08-23 00:38:10)
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