みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(6点検索)】
3.《ネタバレ》 イーストウッド監督作品を観ていると、たまに何が言いたいのかよく感じ取れないことがある。「チェンジリング」「グラン・トリノ」といった分かりやすい作品が続いていたので、もはや問題はないと思っていたが、今回は正直言ってよく感じ取れなかった。悪い作品ではないと思うが、良い作品とも思えない。再見すると徐々に彼が言いたい事が伝わってくるので、本作も何度か観れば分かるようになるとは思うが、全体的にぼんやりとしすぎたというか、重みに欠けたような印象。イーストウッドは、派手な演出を好まないだろうし、ドラマティックな展開を盛り上げることもないだろう。これが彼の持ち味だと思うので、感じ取れる人が分かればよいかもしれない。 ①事故死した双子の兄を忘れられない弟、②死者の声を聞くことができる孤独な労働者、③臨死体験をしたことが忘れられないニュースキャスターという三者が本作のメインキャストとなっている。普通の映画ならば、きちんと“死”に向き合い、前向きに生きようとすることを決意する①の姿勢が描かれると思われる。もちろん、本作もそのようなものが描かれているが、あまり心に響いてこなかった。子役が感情を爆発させるわけではなく、子役が無口過ぎたか。彼が苦しみや悲しみを吐露し、兄ときちんとお別れすれば、単純に泣ける映画になっただろうが、イーストウッドはもちろんそのようなことはしなかった。 死者と会話をすることができるが、現実社会では上手く生きることができない労働者がようやく分かり合えるパートナーを見つけることができるということも本作の大事なポイントとなっているが、②と③の出会いが唐突すぎるような印象を受ける。もしディケンズが好きでなかったら、もしあの朗読者のことを好きでなかったら、もし少年を助けなかったら、もし手紙を書かなかったら、という運命の糸のようなものが絡まっている面白さはあるものの、この辺りもイーストウッドらしく淡々とした仕上りとなっている彼らの出会いにより、何かキセキのようなことが起きるというドラマティックな展開ではない気がする。もっとも各キャラクターが抱える悩みというものが、現在の自分とはかけ離れているので、上手く感じ取ることができないのだろう。また、自分が精神的に若すぎて、イーストウッド作品を理解できるレベルに達していないので、もうちょっと後にもう一回観た方がいいのかもしれない。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-02-21 23:58:13) 2.死後の世界を描いたオカルトチックなものだと思っていましたが、良い形で裏切られました。が、ちょっと平均点高すぎじゃないでしょうか?それぞれの形で身近に迫った死を乗り越えて生きて行くという落とし所は素晴らしいです。タイトルのヒア・アフターのヒアとは「現世」の他に「生き方」のことだったんですね。しかし、ラストシーンは少し急ぎ足になっているように感じました。静かに染み入るヒューマンドラマかと思っていたらあんなに露骨なキスシーンが出てきてびっくりしましたよ。(まあ、キスは人間の営みですが)それに、中盤が特にもっさりしている様な印象を受けました。激しいシーンがないと睡魔に襲われてしまうような人にはお勧めできません。ですが、キャラクターの会話、それにあくまでも(異質な能力を持っている以外は)等身大の人間の日常を描いただけの余り起伏のない脚本を飽きさせずに映画として見せてしまえる監督の力量は凄い。安心と信頼のイーストウッド印はまだまだ健在と言って良いでしょう。 【bolody】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-02-21 21:14:36) 1.《ネタバレ》 正直に言うと、中盤は展開が少なく退屈に感じた部分もありましたし、映画としての満足度はいまひとつです。 それでもこの映画で優れていると思ったのは「死者と交信をすることで、傷ついてしまう」人たちの姿を描いたところ。 彼の兄は商売に役立てたいのだけど、ジョージは「これは能力なんかじゃない、呪いだ」と言っている。 初めてこれを言ったときに、この言葉に共感する要素は少ないです。 それを料理教室で出会ったメアニーのエピソードで痛感させてくれます。 それでも双子の兄のジェイソンが、弟のマーカスを救ってくれたことを教えてくれたことで、ジョージは少し救われたのでしょう。 そして「手を取ること」はジョージにとって死者と「繋がる」ための方法だった。 それでもラストでは生きる者と繋がるために、自ら彼女の手を取った・・・。 そう考えると、とてもいいラストシーンです。 何かを失った生きる人たちの物語でした。 【ヒナタカ】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-02-21 19:56:27)
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