みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
14.映画らしい、良い映画だった。ヴィースラーの俳優さん、2007年に亡くなっているのですね。 原題が『Das Leben der Andere』(=The Life of the other person)で、よく練られたタイトルなのに、邦題が悪すぎる。ヴィースラーが心変わりをした原因は、他者の人生を覗き見ていたことであり、「善き人のためのソナタ」はその中の一部でしかない。ヴィースラーが心変わりしていく様が、彼の性格の設定上分かりにくいので、(そこがこの映画の味になっているのでそれ自体は良い)余計に邦題が悔やまれるし、「完璧」と言い切れない一瞬の混乱と微小のもやもやが残る原因になってしまった。秀逸な作品なので、最初から「The Lives of Others」として見たかった。 【Leannán-Sídhe】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-03-11 05:05:41)(良:1票) 13.《ネタバレ》 ソナタを聴いたから主人公が「いいひと」になったという見方をしてしまうのは、やはり邦題のせいかもしれません。なぜ主人公がかわったのか?色々な意見があって、大変興味ぶかく読ませていただきましたが、やはり主人公は、盗聴という手段で、他人の生活を聴くことによって変わっていったのだと思います。そういう意味では「他人の生活」という原題のほうが、主人公の心変わりを理解するのには適していると思います。「他人の生活」を聴く前までの主人公は「孤独」の感覚が麻痺していたのでしょう。ゲーテの格言に「誰一人知る人もない人ごみの中をかき分けて行く時ほど、痛切に孤独を感じるときはない」という言葉があります。しーんとした部屋の中で1人ぼっちでいても孤独は感じないものです。それよりも、騒音というのは、1人ぼっちの人間にとっては、恐ろしい孤独を与えるのです!「1人」では孤独は感じません。「人々」のなかに存在する1個の自分を確認したときに、孤独というものは気がつくものなんです。主人公は気がついたのです。気がついたときに、人はどう変わるのか?悪いほうに変わるとすればそれは嫉妬です。じつは主人公の行動は紙一重だったのかもしれません。もしかすると、濃密な人間関係を見せられた主人公は激しく嫉妬して、あの男女を破滅させようとしたかもしれません。だけど彼は、あまりにも自分とはかけはなれている他人の生活に、純粋に羨望を抱いたのだと思う。それでもなぜ主人公が劇的に変わったかわからない場合は、映画を思い浮かべればいいと思います・・・。映画を見ることも「他人の生活」を見ることなんです。この話は監視国家の恐ろしさなんて本当はどうでもよくて、人が変わることの意味を問いかけた究極のヒューマンドラマではないでしょうか。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-02-13 19:16:11)(良:3票) 12.《ネタバレ》 久々に良い映画に出会えた。人にも薦めたい作品。 物語は旧東ドイツ東ベルリンを舞台に1984年に始まり壁崩壊後から数年後までを描いている。ニュースで漠然と知っているベルリンの壁崩壊だが、そこに至るまでに社会主義体制の下、人々は言論や表現の自由を奪われており、言論統制はもちろん密告、拷問、高官の不正や横暴など実際に同じようなことがあったのだろうと容易に想像できる。ドライマンは反体制派の劇作家とみなされ、同棲相手の舞台女優クリスタとの生活を主人公の秘密警察(シュタージ)の大尉ヴィースラーに盗聴されてしまう。映画のタイトルである「善き人のためのソナタ」であるが、あの1曲で急に心変わりしたわけではなく、2人の生活を盗聴した積み重ねにより彼が以前は持ち合わせていなかった人間らしい感性や良心が目覚めたのだと思う。(延べ何日間盗聴したのだろう?)物語はサスペンスとしても飽きさせない。途中、女優が薬物所持で逮捕され、取調べ後釈放されアパートに戻る。その後、二度目の秘密警察の手入れが入るまでの一連のやりとりは見事であった。結局女優は事故というより自ら車に飛び込むような形で亡くなってしまう。その後大尉ヴィースラーのキャリアは閉ざされ、地下室のメール係へ。自然とヴィースラーを応援したくなる自分がいて、強制収容所でなくて良かったと思った。壁崩壊後はメールを郵便受への投げ込む仕事につくがカートを引く元大尉の後姿は以前は大学で教鞭をとる姿とは似ても似つかぬものになっていた。ドライマンとヴィースラーは最後まで直接言葉を交わすことはなかったが、最後の本屋のシーンでお互いの存在を確かめることが出来、余韻のある終わり方だった。 【スティーヴン・ジェラードの妻】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-01-21 22:01:11)(良:2票) 11.心境の変化を語る台詞は一言もありません。ですが、信念が傾いていく主人公の気持ちが、良く理解できるのです。歴史的事実とうまく掛け合わせて作られた映画でした。 【shoukan】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-12-22 18:28:47) 10.《ネタバレ》 何の予備知識なしに観たので、ヴィスラー大尉がなぜ、この若い二人を助けようとしたのかが、ちょっと分かりにくかった。彼らがピアノで弾いてた曲がそう思わせたのならば、もうちょっとその辺を描いて欲しかった。でも、久々に良い映画観たなあと思いました。構図がきれいだった。 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-11-15 01:05:24) 9.《ネタバレ》 徹底的に国民を監視する体制、ほんの20年前まであのような非生産的、滑稽とも思える社会が東ドイツはじめ東欧には有ったわけで(まだお隣の国はそうですが)。そんな社会をつくったのも人間ですが、一方ヴィースラー大尉のようにそんな歯車の中で生きていてもエモーショナルな部分を消すことは出来ないのも同じ人間なんですね。 年増の売春婦と交わるシーンに彼の孤独と愛を求める渇望を感じ、切なくなりました。 【ロイ・ニアリー】さん [DVD(吹替)] 8点(2007-11-13 05:51:59) 8.《ネタバレ》 まったり進行な作品。 うちの旦那は始まって5分で寝ちゃいました。 社会主義を信じ、愛している主人公。 盗聴という仕事を通じ、彼が見たのは「慈しむ愛」。 主人公の私生活は、シンプルな部屋と金で買う性。 愛の無い生活を送っていた冷酷なマシーンだった主人公が、徐々に人間性に目覚めていく姿を、主人公演じるウルリッヒ・ミューエが好演。 社会主義を裏切れば、待っている制裁。 主人公が苦悩し、制裁を恐れ、それでも恋人達を守ろうとする姿に深い感動がありました。 最後の「これは私の本だ。」のセリフで、どっと来ました。 2時間超えの作品ですが、最後まで作品に引き込まれたまま見終わることが出来ました。 しかし、ほんの20数年前に、こんな事が本当に起きてたんですから、考えたら恐ろしい話ですね。 【ななのじ】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-11-10 18:34:21) 7.《ネタバレ》 ラストがいいですねぇ~。ヴィースラー大尉を見るも、遭わず。自らの著書に「HGWに捧げる」って。そんでまたそれを見て「私のための本だ」いや~憎いね~!ああいう話の持って行き方に弱いんだな~。ただ、あれほど忠実なヴィースラー大尉があのソナタを聴いただけで心変わりしちゃうとしいうのは、ちょっとどうなのかなっていう気もするんですよね。もう少し説得力と深い心理描写があればよかったなと思います。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-24 22:43:41) 6.《ネタバレ》 この映画の見所は2つ。ひとつは体制・主義に飲み込まれて悲劇的な結末を迎えざるを 得なかった舞台女優と、もうひとつは盗聴活動を通じてまたそこから流れる「ソナタ」を聴いて体制・主義でも変えることができない人間の良心に目覚めて行く大尉(主人公)の胸の内の動きと盗聴時の表情だと思う。二人ともあまりにも人間的でありすぎたのでしょう、それが故に東ドイツの社会主義・独裁主義体制に身分はもとより心や躰、さらには女優に至っては命までもてあそばれる結果となってしまった・・・ 本編は舞台作家への盗聴作戦が完了するまでで終了かと思いましたが、その後の東ドイツ崩壊からラストシーンに至るまでを丁寧に描いているところが普通の映画と違う所で秀逸です。最後の主人公の姿と発した一言に目頭が熱くなり、またほっとしたりしました。ちなみに女優の恋人である舞台作家は、東ドイツの実情を西側に伝えたという点では役割は大きいのだけれど、女優が車の中で高級官僚に犯されたり、後日ホテルに呼び出されても悶々とするだけで、その優柔不断な様は、映画・ドラマとしては今ひとつ存在感に欠けてたなと思いました。 【たくみ】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-15 17:26:15)(良:1票) 5.《ネタバレ》 統一ドイツ前のコチコチの社会主義者がヘッドフォン越しにソナタを聴く事で、次第に感化されていくお話なのかって、ポスターを観た印象では予想していたんですが、更にそれよりも奥行きがあり深い余韻を残す秀作でした。主役の大尉は盗聴する事により、これまで自分が知らなかった未知の世界を知る、音楽、思想、そして男女の秘め事、他者を愛するという感情を。おそらく彼は、人好きのする社交性抜群の、自分とはまるで正反対の人間であるあの劇作家に惹かれ愛してしまったんでしょう。しかし彼には同性にそんな感情を抱く事などおよびもつかない、だから太った娼婦を自宅に呼び欲望を満たそうとしても決して満たさせる事はなく、更に盗聴するという行為に傾倒していく・・・。私自身も普段の生活の中、「わかっちゃいるけど止められない」っていう行動を繰り返して生活し、人間ってそうやって年を取ってくものなのかと、ある意味諦念に似た感情を抱いていました。ラストシーン、宅配ビラちらしの仕事をカート曳きながらトボトボ歩く彼の姿はもしかしたら将来の自分の姿なんじゃないかって、ホントに身につまされましたね。大尉と劇作家がラストまで一度も顔をあわせないっていう緻密な構成もお見事!本年度アカデミー最優秀外国語映画賞も納得の仕上がりです。(追記)主役の大尉を演じたウルリッヒ・ミューエ氏は今年7月にご逝去された由、この作品での彼の芝居ぶりに鬼気迫るものを自分が感じたのは気のせいじゃなったんですね・・・。ご冥福お祈り致します! 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-09-15 13:22:58) 4.《ネタバレ》 終始抑えた調子で語られる、硬質で重厚なドラマ。 作中に流れる「善き人のためのソナタ」はすごく上手というわけでもないのにとても美しく響いて、よくもこんなうってつけの演奏を取り入れられたものだなと感心した。 人物の心の動きについて説明が不親切だと感じるところもあったけれど、おおむね感情移入してついていくことができた(もっとも、台詞よりも役者の演技で表現しようとしている部分が多く、不親切というのとはちょっと違うかもしれない)。 静かなようでいて飽きさせないスリリングな筋運びのなかに、社会主義国家の息詰まるような空気が巧みに表現されている。今までは子どもの頃に観た「壁」崩壊のニュースの意味がよくわかっていなかったけれど、この映画を観たことで初めてあのニュース映像のなかで飛び跳ねていた人々の気持ちがわかったような気がした。 個人的には最後まで直接対峙することのなかった、ヴィースラーとドライマンの不思議な友情の形に感動させられた。言葉を交わしたこともない相手を影から助け続けたヴィースラーと、あえて顔をあわせずに作品を捧げたドライマン。あっさりとした幕切れが洒落ていて、静かに胸を揺さぶった。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-08-28 02:38:47)(良:2票) 3.《ネタバレ》 主人公が検問に電話までかけておきながら何も言わず『今回だけは見逃してやる・・・』となった経緯がよくわからなかった。割と淡々としていて中盤までは少し眠くなりそうな感じがあったが、ラストはよかった。といっても、ベルリンの壁崩壊、2年後、さらに2年後と続いたときにはどうなることかと心配したが。 【HK】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-08-26 22:55:14) 2.絶望の中に見える一筋の光明。最後のエピローグ的な部分が良かった。良くも悪くもヴィースラーって生真面目な人なんでしょうね。派手さは無いけど地味さが心に沁みる作品。 【ぽーち”GMN”ありしあ】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-04-26 22:17:40) 1.壁が崩れたのは遠い昔のコトだと思っていましたが、ついこの間のことだったのですね・・・。あんなに広い道路なのに、車が全然走ってないってことに驚きましたが、そのほんの少しの車の1台に飛び込んでしまうなんて・・・。あと、壁が壊れたって言った青年、あのときジョークを言った青年でしたね。そのシーンには胸が詰まりました。最後は本当に実直に誠実に生きてた人へのご褒美だったのでしょう。なんだかホッとしたというか主人公に向って「よかったね」って言いたくなる映画でした。 【さら】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-04-26 14:17:01)(良:1票)
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