みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
17.《ネタバレ》 バビエル・バルデムの圧倒的存在感に尽きる映画。助演男優賞を受賞できたのも頷けます。ドアの開け方からして怖い。それによって、やつがドアに近づいてくるときの緊張感がより一層増して、ぐいぐい引き込まれます。コーエン兄弟の映画観のようなものが感じられる作品でした。 【ばかぽん】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-09-23 01:48:51) 16.《ネタバレ》 すごく面白いサスペンスが、終盤に無理に立派なことをいおうとしてバランスが崩れた、という印象。逆にいえば、深いテーマの作品なのにエンターテインメントの部分に必要以上に比重が傾いてしまっている。 映像・音・脚本ひっくるめての映画的な表現力については、文句なしにすごいと思う。これまでのコーエン作品に通じる雰囲気はもちろんあるが、あきらかに一段上のステージに上っている。音楽を廃し、微かな音と陰影の鮮やかな映像で張り詰めた空気を作り上げていく手腕は素晴らしい。とくに光と闇の扱い方が印象的で、とりわけ明け方の荒野での逃亡場面は鮮烈だった。シガーが夜の鉄橋を渡る途中にカラスを撃ち落とすさりげない場面も、悪夢のような独特の幻惑感がある。金網の切れ目を延々と映したり、足もとの血溜まりをひょいと避けたりといった妙にリアルな視点は、コーエン兄弟ならでは。悲惨な新聞記事を読み上げられて、若い保安官補がつい笑ってしまう、といった細かい描写も実に冴えている。映画の四分の三を観た時点では、諸手をあげて絶賛できると思っていた。 ただ、暴力が蔓延する社会の悲惨さを訴える割には、この映画の作り手たちが楽しんで暴力を描いている点が気にかかった。どこか似た雰囲気の『ヒストリー・オブ・ザ・バイオレンス』でも淡々と凄惨な暴力が為されるが、あちらが常に嫌悪感が付いてまわる(しかし目は釘付け状態)のに対して、こちらはシガーという強い個性に引きずられてか、サスペンスとして普通に楽しめてしまう。老保安官がいくら米国の現状を嘆いても、あの空気銃のインパクトの前には霞む。コーエン兄弟はこのシガーという殺人者を、愛情を持って描きすぎた。痴漢もののアダルトビデオで「絶対に性犯罪は許されない」と主張してもばかばかしいのと一緒で(例えが悪くてごめんなさい)、暴力を糾弾する作品にレクターを引き合いに出されるようなアンチヒーローは必要ない。 ルウェリンの死以降、緊張感が薄れ、極端な省略が増えて流れがつかみ難くなる。老人が夢を語って終わる映画があってもいい。しかし大半をサスペンスで通してきたのだから、サスペンスとしての着地点を期待してしまうのが当然だ。バランスよく構成を組み上げていないから、ラストのちぐはぐ感が拭い切れなくなる。さまざまな面で突出しているにも関わらず、匙加減を間違えた、非常にもったいない作品だと思う。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-09-02 07:46:05) 15.シガーは「悪」であるか? シガーにとってのルールは強者には弱者を殺す権利があるということだ。それは普通の人が良心の呵責なく罪もない牛豚を殺すようなものだ。屠蓄銃で人を殺すのはシガーにとって他の人間を殺すことが家畜を殺すようなものだからだろう。彼から見れば「汝殺すなかれ」という一般社会のルールなど、殺されず安心して暮らしたいという弱者連合の社会が決めた勝手な決まりごとにすぎない。一旦戦争になれば大量に殺せ、というように国家が勝手に決めている一時的まやかしにすぎない。自然界のルールは弱肉強食だしアメリカの社会自体のルールも基本は強者による自然淘汰である。彼がやっていることは国家間で強国アメリカがやっていること、異種生命間で強種人類がやっていること、企業間で強社独占企業がやっていることを、身近な人間の間でやっているだけだ。 彼から見れば弱者連合社会のルールに守られた家畜のような人間が、弱肉強食のぎりぎりの世界で自由に生きる強者の自分に、馴れ馴れしく世間話することは我慢できない侮辱だろう。彼からみれば他の一般人や社会は軽蔑すべきものなのだ。年老いて弱者となり殺される側になったとき、シガーはそれを当然と受け止め死んでいく運命を淡々と受け入れるのだろう。もちろん完全に息の根を止められない限り、しぶとく傷を治してどこまでも生き続けようとするだろうが。シガーのような社会が勝手に決めたルールの圏外で生きうる強者に、弱者連合社会の一介の被雇用秩序管理役に何ができるだろう。モスの妻のように良心や感情に訴えても無駄である。彼を止められるのはより大きな運命の偶然だけだろう。 【マンフロント】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-08-31 21:58:04) 14.《ネタバレ》 コーエン兄弟好きということで、かなりの期待を胸に観賞しました。一度目はどう評価していいのやらよく分かりませんでした。しかし観賞後しばらく経つと、また観ようという衝動に駆られ、一週間後にまたも劇場へ。アメリカがいかに病んでいるか、というテーマは原作『血と暴力の国』そのままで、細かな設定も殆ど同じで、原作小説の方がベルの語りが多く、ややこのテーマに対して解釈を巡らしやすい構成ではありますが、映像化としては大いに成功しているように思います。 が、私がこの作品で好きなのは何よりもコーエン兄弟の演出なのです。おそらく彼らは物語の流れ=テーマ・メッセージは原作そのままに、この物語をいかに面白く演出するかにこだわったのではないかと(変に脚色するとテーマがブレるでしょうし)。その一番の証拠がシガー。あの奇怪な武器は原作通りですが、あの髪型・体つきに関しては殆ど彼らが生み出したようです。彼はレクター博士やジョーカーのような悪役と比べると魅力は薄く、ただひたすらモスに恐怖を与える天災のようなものとして描かれているように思えます。 そして毎度の事ながら、やはりコーエン兄弟常連のディーキンスの撮影も非常に美しく、主演3人の演技もかなりのもので、狂気のシガーを演じたバルデム、抑えた演技がバッチリのトミー・リーはもちろんのこと、寡黙ながらも優しさと知性のある人間臭いモスを演じたジョシュ・ブローリンも賞賛に値すると思います。 それから、ちょっと物議を醸すラスト。あれもなんだか嫌いじゃないです(テキトーだなぁ)。 コーエン兄弟はいつもそうですが、これから何度も観直しそうな中毒性のある映画です。 【Sgt.Angel】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-08-30 00:02:24) 13.《ネタバレ》 コーエン兄弟らしい作品。独特な静寂と間がほんとたまらない。シガー怖すぎだけど、画面に映ると目が釘付けになる。癖になる気持ち悪さで、今までに類を見ない存在感。ベトナム帰還兵のルウェリンも良い勝負したんだけどな~。でも彼やウディ・ハレルソンをあっさり殺すところがコーエン映画というところか。 【マリモ125cc】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-08-16 17:51:46) 12.《ネタバレ》 "Hello, Carson ... Let's go to your room."っていうChigurhのセリフの場面 ... こわかった. 映画のメッセージもちゃんと伝わってきました. 二度観てようやくでしたけど ... 面白かった. 8点. 【RTNEE USA】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-08-10 17:49:52) 11.《ネタバレ》 怖すぎる。 個人的に今まで見たどんなホラー映画よりもホラー映画だった。 シガーが気持ち悪すぎる。 まるで死神のようなやつ。 前半は定年間際の保安官の名推理で暗殺者を追い詰めていってセブンのように、最後は対決だな!って気分で見てたけど、推理しているようでただの偏屈じいさん的な言い回しだったり、中盤からトミーは痴呆症でも始まったかのように自分には全く意味のわからないことをグダグダと話し始め、部下も「ジイさん、また始まったよ」みたいなあきれ顔。 しまいには見た夢だか昔の話をしだして完全にボケ老人モードの衝撃的ラスト! かなりダウナーです。とてもとても疲れました。 シガーがあまりにも演技が不気味すぎる。 ガソリンスタンドでのおっさんとのやり取りだけで寒気がした。あんなやつに絡まれたくない。 冗談っぽくなってしまったけど、今まで見た映画の中でもトップクラスの緊張感だった。そして受け入れがたい不条理こそ運命であり人生であるということとか、なんていうかメッセージ的なものはあちこちに大量に仕込んであって、ただ シガーという現実離れしたキチガイにそれを表現させちゃうもんで、強烈な説得力がある場合とない場合があったり・・・ 面白いだけが映画じゃないってことですね。全く面白い映画じゃないけど、全くつまらなくなかった。 この映画から学んだのは、人生何が起こるかわからんよ、青信号でも死ぬこともあるよ、っていうあまり知りたくなかった話かも。 【STEVE-O】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-07-14 05:04:20) 10.とにかくあのスッゲー武器に目が釘付け。スッゲー。 【エムラ兄妹】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-06-19 23:53:08) 9.《ネタバレ》 まるで蜘蛛の巣のように、常に緊張の糸がビチッと張られていた2時間。言葉も音楽も無く銃の音ばかりが響く映画なんて正直なところ私の趣味ではないんだけれど、これはなかなか面白かった。「不条理」をオカッパ頭の人間に仕立て、そいつを蜘蛛よろしく縦横無尽に動かして、それこそ埃のようにこの世のそこここに舞っている理不尽な衝撃を体現させていた。彼は最後重傷を負いながらも自分の足でスタスタと去っていく。そしてまた誰かの隣に悲しげな顔で立ちはだかるのだろう。映画館を出て、一歩二歩と進むのが億劫になるくらいダウナーな気分になる。なのに何か惹かれる黒い物語だ。 【のはら】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-05-12 15:17:51) 8.まずは余計なメッセージ性とかを抜きにして、映画と言う「娯楽」としてよく出来ていた事を評価します。劇中に音楽をほとんど(全く?)使わないという手法は『ミリオンダラー・ベイビー』では静寂感と悲壮感を引き立てるのに使われていましたが、本作では緊迫感と恐怖感を引き立てるのに絶大な効果を示していました。ラストは多くの方が言っている通り唐突に終わり、個人的にはあまり余韻は感じませんでしたが、それでも見終わった後どこか無常感が残るのが印象的。我が国ニッポンだって、今や中学生のガキが髪を染めていたり、高校生が親を殺したりする時代。"No Country For Old Men"なのは、もはや世界共通なのか?そんな事を考えさせられた映画でした。でもアカデミー賞の映画と言われるとピンと来ないのは確かだと思う。ただの血みどろ殺戮映画じゃん。『ディパーテッド』といいこれといい、最近のハリウッドはこういうのが好きなのか? 【ポール婆宝勉(わいけー)】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-04-29 14:33:27) 7.《ネタバレ》 見終わった直後からジワジワっと面白さが滲み出てきた何とも言えない余韻と言うか味わいのある作品でした。シガーの存在感はとてつもなく大きく、鑑賞している自分自身があのエアガンで頭をぶち抜かれるような気分になってしまいました。こんな魅力的な悪役は滅多にお目にかかれないなぁ。 【ギニュー】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-04-10 20:32:11) 6.いいわあー!名作。まず、荒野のアメリカ。モーテル。プール。メキシコ国境。エルパソ。”パリテキサス”の観点、風景で良。ストーリー的にいえば、実はわたし、このはなし、全体の75%ぐらいしか飲み込めてないと思う。そしてサスペンスとしてすばらしいね。そんでもって、いわくありげのセリフやお話の数々。これ、原作が”血と暴力の国”でしょ。”年寄りだけにあわない国”じゃなくって、一生、平和に生きてゆきたい普通の人々すべてに合わないよ。普通はね。だから僕は歴史をさかのぼって、もともとは、先住民インディアンを”虐殺”した国ですよ。ってことなのかなあ。とも思った。現代の病理はその復讐か?(というか、国ではなく、まったく、個人的な病理ね)題名は年寄りにあわない”国”だけど、あんまり国と関係ないんじゃないか?でも、銃器のばら撒きは、”国”に関係あるよね。また、なにかの対価としてヒトが(われわれが)”金”を流通させる行いは、 殺人主人公が、コインの裏表で行いを決定することと、対極である。われわれヒトは、どう生きようが自由なのである。国どうしが、勝手にルールを決め、勝手に戦争を始めたり、誰かさんが勝手にサリン撒いたり、誰かさんが勝手に貿易センタービルに突っ込むのと”同様!”に自由なのである。そんなことを単純に思った。この映画。好きです。まあ、みんな仲良く、平和に生きたいものだ。へたを打つと”命より大切なお金”かもしれない。 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-04-07 00:48:18) 5.緊張・恐怖・驚愕・静寂。乾いたタッチの上質なサスペンス。だが、期待を裏切る終盤の展開に、煙に巻かれた。ルウェリンに私が感情移入していたからだろう。 【ジャッカルの目】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-04-01 00:32:37) 4.《ネタバレ》 小生の名作の基準というのは、1回目でそれなりの納得が得られつつも、その後見て違う解釈とか新発見ができるもの…ということ。ノーカントリーはまさにそれに当てはまる。音楽を使わない分効果音にメチャクチャ気を遣っている点、一つ一つの演出に意味のある点もすばらしい。DVD買ってまた見たとき、きっとこの点数はまた上がるんだろうな。 【ダブルエイチ】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-03-30 19:54:32) 3.《ネタバレ》 この映画のタイトルは、"No country for old men"である。つまり、年老いた男たちにとって国がないのだ。誰のことをいっているかというと、保安官であり、その父のことだと思う。何をこの映画で伝えたかったのだろう。ずっと考えていた。これは、アメリカが病んでいることを伝えたかったのではないかと思っている。私も2年前に、NYに行ったとき、駐車料金が3000円/時間したのに、びっくりし。路上駐車をしようとすると、警官が物陰に隠れて違法駐車をするのを待っていたし。(友人がいうには警官は歩合制で、違反切符を切ると自分のお金になるらしい。)ボストンに行った時は、朝5時に帰りの飛行機に乗るために友人に空港まで送ってもらったのだが、友人いわく、この時間でもねずみ取りをしているというのだ。「嘘だろう!」と私がいったら、途中でパトカーがねずみ取りをしていた。まったくなんて国なんだ。そして、セルフサービスの一番安い食事をして、2000円以上は常にしていたし、それに反して、タクシーなんかたった500円ぐらいしかかからない。タクシー運転手はさぞかし、給料が安いだろうなあと思った。つまり、超格差社会なのだ。この映画で、良い悪いは別にして一番秩序を持っていたのが、実は殺し屋だ。その殺し屋を野放しにしてしまう社会、それが今のアメリカなのだ。地球温暖化問題も深刻だが(アメリカが一番排出量が多い)、こんなアメリカがそんな事を気にできるほどまともだと思えない。そんなメッセージを感じた。私はゴルゴ13を昔から好きだが、この作者もそれを読んでいるように思った。特に、依頼者が裏切ると殺しにいくところなんかそっくりだ。またこの映画がアカデミー賞をもらえるほど、共感されたということは、本当にアメリカは病んでいるんだろうなあと思った。このアメリカが世界の警察をしているのだから嫌になるね。ちなみに日本も守られている1つではあるが。 【matan】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-03-29 03:01:30)(良:1票) 2.《ネタバレ》 劇中は音楽が無いので音や台詞が気になった。また演出やカメラワークも丁寧で巧いので画面から来る緊張感が凄くストーリーに集中できました。弱肉強食な世界で生き、自分だけが信じている正義にだけは忠実な悪であるシガーにも何が起こるか分からない。何があるか分からない気まぐれな世界を生きると言う事は、ようするに人生一寸先は闇って事なんだな。闇の先に何があるのか?それは人それぞれか。 【余談】そういえばお正月に私も車の運転中にドテッ腹に突っ込まれました。吹っ飛ばされて車は廃車。ちょっと痛かったんですが幸い怪我は無かったんですね。シガーはラモーンズ好きなのかな。良い奴かも 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-03-19 20:37:21) 1.おもしろい。おもしろかったけど、今度字幕付きでもう一回観てみよう。 2時間あっという間でしたが、保安官のもぞもぞした話し方で 聞き取りにくいとこがあって、たぶんそこで大事なことを言ってるんでしょう。 それなしにただの追跡劇だとしても傑作。 【Skycrawler】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-02-27 20:23:54)
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