みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
9.《ネタバレ》 岡本喜八監督の戦争映画というと「独立愚連隊」や「肉弾」といった悲壮感の中にもどこか明るさのあるイメージが強いので、本作はちょっと喜八監督らしくない作品だと思うものの、このような大作映画にありがちなダラダラした中だるみ感がなく、橋本忍脚本による重厚な人間ドラマと喜八監督の演出の力強さによって長時間にも関わらず最後までとても面白かった。昭和20年(1945年)8月15日に玉音放送が流れて終戦に至るまでの経歴という内容も興味深く、宮城事件とかぜんぜん知らなかったのでとても衝撃的だったし、今まで生放送とばかり思っていた玉音放送が録音だったことにもビックリ。オールスター大作なので出てくる俳優陣も脇役・端役に至るまでこれでもかというくらい豪華なメンバーを揃えていて、その点でもみどころ。陸軍大臣を演じる三船の鬼気迫る演技、笠智衆演じる仏様のような総理大臣も印象深いが、やはり特攻隊を見送る伊藤雄之助のあの表情が忘れがたい。 喜八監督の映画の中では異色作かもしれないが、一度は見ておくべき傑作だと思う。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-08-25 13:28:30) 8.《ネタバレ》 子供の頃、8月の終戦記念日特集とかでこの映画を観た記憶がある。モノクロ映像と皇居前で軍人が自決したシーンが印象に残っていて「戦争はしてはいけないものだ、怖いものだ」という思いをした事を、今回観る前に思い出した。 監督、脚本、俳優陣はこれ以上ないという程の組み合わせ。終戦前からの数日間を時 系列的に淡々と、しかし演技は熱く本編は進んでいく。戦争映画で思うことは「戦争賛 美・肯定」もしくは「反対・反戦」のどちらかに偏ったメッセージ性があまりに強いが 上に、映画の格調というか品格が落ちてしまう場合があるということで、長い時かけて 観る割には、その後興ざめした感覚が残るのですが、この映画に関しては一切そんな事 はありませんでした。 登場人物も日本陸軍・閣僚・宮内庁関係者と範囲は狭く、民衆が出てくるのは唯一埼 玉の飛行場から飛び立つ特攻隊を、国旗を振って見送るシーンのみ。それでも陸軍の青 年将校の暴走と鎮圧しようとする幹部達の立ち振る舞い、阿南陸相の自決、終戦日当日 の特攻隊の出陣等、「極限時における行動をありのままに描くことによって、戦争のもたらす狂気、残虐性、不条理な様を観る者に実感させる」映画であり、終戦(本当は敗戦)に至る間際にこのような事実があったことをほとんど知らないだろう若い方々にこそ観てもらい、何かを感じてもらいたい映画である。 また自分も、平和な事を当然のように享受するのではなく、このような事実の上に現在があるだということを再認識しなければと思う。 【たくみ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-08-20 21:51:59) 7.《ネタバレ》 1967年という時代に撮られたこともあり、さらにモノクロにより臨場感溢れる映画に仕上がっていた。1945年8月15日で戦争は建前上は終結した。しかし、玉音放送の電波が届かない地域ではまだ戦争は終わっていなかった。特に北海道在住の私にとっては、ソ連による羞恥心なき侵攻を食い止めた占守島の戦いで北海道をソ連から守った日本軍兵士には感謝し尽くせぬ想いである。映画内での軍部の暴走とも言えるような行為はおかしいのかもしれない。しかし、彼らのような気持ちが昔とほとんど変わらない国境を形成しているのではないだろうか。 【あるまーぬ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-08-20 18:21:26) 6.《ネタバレ》 昭和二十年(1945年)の8月15日、日本人にとって忘れることの出来ない。けして、忘れてはならない出来事、日本の終戦の事実を映画化している。黒沢明監督と小津監督の作品に出てくるようなメンバーが沢山出ています。これだけの豪華な顔ぶれ、今は絶対に無理です。そのぐらいとにかく出ている俳優陣の凄いこと。それだけでも凄いのに、この映画、誰一人として愚かに描いていないのが凄い。流石は岡本喜八監督です。またこの作品のシナリオを書いた橋本忍という日本映画史上最高の脚本家の力も忘れてはならない。これだけの俳優陣を使いながらもこれだけの緊張感を生み出すのは監督の力と脚本家の力があってこその緊張感漲る作品になってます。一人一人の発する台詞の重み、やっていること、考えこそそれぞれ違っても国を愛する気持ちだけは皆、同じであるという思いが伝わってきます。三船敏郎の本当に阿南陸軍大臣が乗り移ったかの様な凄まじさと笠智衆演じる鈴木総理の身体全体から伝わってくる人間的な優しさ、更にこの映画の中で私が最も感動したのは戦争によって消えていった少年達を静かに見送る伊藤雄之助の仕官の姿に静かなる感動を覚えた。畑中少佐と椎崎中佐が自決するシーンは実際に皇居の中の芝で撮られたと聞いたことがあるが、岡本喜八監督は逮捕覚悟で望んだに違いない。その凄まじいほどの執念には頭が下がる。伊藤雄之助の仕官の後ろ姿に戦争に対する怒りが集中しているように感じる。ラストの仲代達矢のナレーションを忘れてはならい。我々日本人が日本人である以上、一度は観ておくべき作品だと思います。 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-08-15 11:10:55)(良:1票) 5.《ネタバレ》 原作を読んでから見たが原作の内容をよく映像化していて改めて感動した。それぞれの俳優陣の熱の入った演技は勿論だが天皇に対する特別な感情はやはり日本映画、日本の監督でないと描ききれないのだろう。外国映画の描く日本軍は明らかにどこかおかしいのであるが、外国人がこの映画を見てもこの感情を理解することができないことと同根であると思われる。同じ敗戦を扱った映画でも「ヒトラー最後の12日」との違いが印象的である。さすがに内容のあるコメントをされる方が多いけれど、数が少ないことからやはり見る人が少ないのだろう。日本人は、特に高校大学生らの若い人たちは見てほしい映画だと思う。皆が真剣に生きていて、どの生き方をした人に対しても現代から笑える者はいないと思うが、戦後生まれの私はあそこで戦争を終わらせてくれて本当によかったと感謝している。 【rakitarou】さん [DVD(吹替)] 8点(2007-07-16 17:06:30)(良:2票) 4.日本人が戦争を語るということは、実はかなり難しい。この映画だけでも、いろんな考え方の人が出てくることからも明らかなように、何を大事に考えるかによって、行動に大きな差が出てくる。しかし、それぞれの相反する主張が、理屈としては、ちゃんと筋が通っている。そこがとても難しい。個人的には、この映画をみてはじめて知った事実もあり、とても勉強になった。また、笠智衆と三船敏郎という対照的な雰囲気の2人が心通じ合う場面は、映画的にすばらしい。武士道を感じさせる名シーンだと思う。生まれた時点で、戦後を生きねばならない日本人として、一度は見ておきたい作品である。 【wunderlich】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-11-15 01:59:16)(良:2票) 3.日本人ならば知っておかねばならない一日であり、忘れてはならない一日、思想の左右を問わず見ておくべき作品ではないでしょうか。だから戦争反対、9条を守るべきなのか?いやいや日本は日本人が守るべきなのか?中国、韓国等に平身低頭謝り続けるべきか?日本としての自主性、独自性を貫くべきか?「東京裁判」や本作などは学校で鑑賞し議論すべき映画だと思うんだが、実際はこのあたりの歴史は端折られてしまうのが残念。 【亜流派 十五郎】さん [ビデオ(吹替)] 8点(2005-04-20 22:17:38) 2.《ネタバレ》 三船敏郎の阿南陸将の割腹シーン、白黒なのに怖いくらいの迫力がありましたね。戦争終結までの日本の上層部の動きがよくわかります。笠智衆の貫太郎はとっても雰囲気が出ていました。若い黒沢年男が暴走気味な青年将校を見事に演じていて、ラストのサイドカーのシーンは印象深いです。何も、あそこまできて死ななくてもいいものをと思ってしまいますが、当時はああいう考え方の人がたくさんいたのでしょうね。時代の隔世を感じます。 【オオカミ】さん 8点(2003-11-18 19:01:40) 1.台詞が説明口調ぽいところが気になるが、効果音をほとんど用いていないため、終戦の「儀式」が進められる場の緊張感が伝わってきて良い。あと、阿南陸相(三船敏郎)と鈴木貫太郎首相(笠智衆)の名演技。 【からがも】さん 8点(2002-11-14 03:01:32)(良:1票)
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