みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
70.もう何も不満などありません。これが完全無欠のバージョンでしょう。美しい。 【いさいさ】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-06-16 20:20:14)(良:1票) 69.残念ながら劇場での鑑賞はできませんでした。劇場でご覧になった方が羨ましい限りです。代わりに限定DVDを購入していたので、これにて鑑賞。美しいその映像に感動、感動。昔、初代の劇場版を池袋文芸座で観た時は、よく内容が分らず退屈な映画だと思いました。でも何故か何度も観返したくなる不思議な魅力があり、映像の美しさもさることながら、ヴァンゲリスの音楽のすばらしさ、デッカードやレイチェル、ロイなどの登場人物に魅せられ、原作を読み、また映画を観ることを繰り返してきました。この映画はSFという形式ではありますが、「生命」について描いている映画だと思っています。「生物」の定義を問い、限られた「命」を「生きる」ということ、生命の本質について問うているのではないでしょうか?また、ラストはやはり今作のように、いきなり終了の方が好きです。今では私の生涯で最高の映画になっています。 【しぇんみん】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-01-19 17:47:36)(良:1票) 68.《ネタバレ》 【2019/7/25投稿】 ルトガー・ハウアーが逝ってしまった。 30年前に名画座で奇跡の様な邂逅をして以来、本作を何度観たことだろうか。 貴方は歳を召されても独特の渋さを武器に幅広く(大企業の役員、サッカーチームの監督等)映画に出演されていましたが、 私に取って貴方は常にロイ・バティーそのものでした。 貴方が亡くなられた事はとても悲しい事ですが、私は明るい気持ちで貴方を見送りたいと思います。 何故なら、貴方は1982年に既に永遠の命を得ているのですから。 心から哀悼の意を表します。 "I’ve seen things you people wouldn’t believe. Attack ships on fire off the shoulder of Orion. I watched C-beams glitter in the dark near the Tannhäuser Gate. All those moments... will be lost in time, like tears in rain... ...Time, to die." 【以下2008年投稿】 新宿バルト9で鑑賞。 他レビュアーの皆さん同様、エンドクレジットが終了するまで席を立つ人がはほんの僅か。濃密な一体感を伴う時間を満喫。 小生、本作を劇場で鑑賞するのはこれで10回目。その殆どが飯田橋や新宿の名画座であり、手持ちのDVD(ディレクターズカット版)も映像はそれほど鮮明とは思えず、実は今回一番期待していたのはデジタル上映のクオリティとはどんななものか?と言う点。 結果としては期待を遥かに上回り地球を数週してしまうかと思える位の衝撃。 2019年のロスを俯瞰で見る導入部から、映像・音声の綺麗さに感動。始まって数分で感涙するなんて生まれて初めての事です。それにしても、他の皆様と同様感じたのは、一つ一つのシーンに盛り込まれている情報の多い事!! 本作の普遍のテーマ「命とは?」という題材に思いを馳せたのは勿論、ルトガー・ハウアーという俳優は芸達者だなあと関心させられた次第。 バルト9での上映は終了してしまった様ですが、出来ればもう一度デジタル上映で、残念ながら未見の皆さんに本作を最高のクオリティで観る感動を味わって欲しい。作品の内容・製作者達の思い入れに、やっと時代が追いついたのかも・・・ なんて思います。 学生の頃、姉に強く奨められたのが本作を知るきっかけですが、これは本当に名作です。 (ちなみに私はデッカード=レプリカント説には個人的に反対。余計な話に思えます。ですから、5枚組DVDの中で監督自ら説を肯定する様なコメントをしていたのは驚きでした) 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-01-15 13:32:31)(良:1票) 67.《ネタバレ》 今更ながら思うが、初めのラドカンパニーの緑色のロゴから、エンドロールでヴァンゲリスのテーマが終わるまで117分が全てパーフェクトな作品。これを見返すと最近のSFがいかに頑張ってないかが分かる。レプリ側の心情で観ると本当にやるせないし、彼等の反乱は同情にも値すると思うし、命の恩人でもあるレーチェルに恋するデッカードもまた、ブレードランナーという職業に反乱を起こした事実を仕方ないと思えてしまう。タイレル社長の殺される時の流血、夢の中のユニコーン等、残して欲しい所は全てあったし、25年経って名作は伝説になったのだなと実感した。何より映像が物凄く綺麗になっていて、美術や特撮を行ったスタッフも本当に報われている。どことなく機械的な動きをするハリソン・フォードも実はレプリだったデッカードを熱演。その他ルドガー・ハウアー、ショーン・ヤング、ダリル・ハンナも素晴らしい。スシマスターのロバート岡崎の「分かってくださいよー」の逆ギレ具合も何度観てもご愛嬌。ワークプリントで観る事ができる盛り付けの黒海老は、ボリュームがあって確かに2つで十分だが「ブレードランナー」という壮大なSFオペラは何百回見返しても新たな感動があり、これで十分という天井が無い。15,000円出す価値はあります。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-01-06 18:10:15)(良:1票) 66.92年のディレクターズ・カットは劇場で観ましたが、こちらは初見。去年暮れに発売された待望の4枚組購入しちゃいました。デジタル処理のおかげか随分と細部まで綺麗になっていたのに驚嘆。 この作品にはかなり思い入れがあります。元来SF映画自体が大好きなジャンルなのですが、この作品はテーマもさることながら、ヴァンゲリスの重厚かつ繊細な音楽、設定細部まで拘った未来世界のどれをとっても素晴らしいですよね。リドリー・スコット御大のイマジネーションと巧みな演出が如何なく発揮され、そしてシド特有な美術センスが見事に融合。まさに至高のSF映画だと思ってます。 クオリティー高いCG全盛期の今と比べちゃ野暮ってもの。他のSFと違うのは、この作品には言い知れない「わび、さび」という点を感じられる事。そうした雰囲気を堪能できる唯一無二の作品です。 己は何なのか?希望或いは絶望か?自問自答し、心の葛藤に苛まれるデッカード。そしてルトガー・ハウアー演じる人類に反旗を翻した哀愁のレプリカント・ロイ・バッティの圧倒的な存在感。命の儚さ、尊さを教えてくれる、雨にうたれ静かに永眠する姿に感服しました。 「1回で十分だよ」とは言わないで下さいね。リピートすればするほど味わい深い名作。 【シネマブルク】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-01-05 12:06:16)(良:1票) 65.やはり劇場はいい。印象に残ったのは、多くのシーンが”絵”として非常に凝っていて、非常に詳細で、情報が密で、そしてそのなんと綺麗なこと!(マニアが生まれるのももっとも)そしてやはりテーマ!ぼくは結局はレプリカントというのは”人間などの生き物”のことだと。”感情”というシステムを持たせた生体。それなら、レプリカントが、自らの寿命を知ることと、ヒトが病気などで自らの寿命を知ることになんら変わりはない。我々、この世の生命は、有限だと考えられてます。レプは死にたくないよ!寿命が知りたいよ!自分の寿命を知ると、寿命を延ばせ!と”創造主”に反抗、殺害してしまう。われわれ生命を持つものすべてが持つ、死に対する、死後に対する、想像を絶する、恐怖感、そして定め。いずれ消えてなくなる生命なのなら、どうしてわざわざ誕生させたのか!!? というあまりにも理不尽な”創造主への激しい怒り。 しかし、その不条理、疑問の回答というか”代償”として、すばらしいラストを用意してくれますね。最後、死期の迫ったロイが有名なセリフをいいますね。自らの経験し観た、この世の壮大な営みのことを。どこかの惑星でオーロラをみたり、ヒトがみていない光景を見てきたと。そう。われわれ”生命”が生きているとき、さまざまな経験をする。あらゆる場所に行き、あらゆる生命と出会い、五感を使って、あらゆる経験をする。生命のその一瞬、永遠壮大で、輝かしくも、はかない”全生命の確実に生きた証”ですね。 でも、足りない。経験し足りない!もっと!欲望は果てしない。そして、”生誕”と同様に、”死期”とは常に”個人”のものだ。自らの生命がいままさに消え行こうとしている時にも自分以外の生命は行き続ける!その圧倒的、絶望的な孤独感。悲しい。寂しい。。。。 わたくしは芸術が好きだ!なぜならば、ルールがないからだ。何でもアリだからだ。このラストのシークエンスは本当にすごい芸術だ。。。お前たち人間には信じられない光景を俺は見てきた オリオン座の肩の近くで炎を上げる戦闘艦・・ 暗黒に沈むタンホイザーゲートのそばで瞬くCビーム… そんな記憶もみな、時とともに消えてしまう 雨の中の涙のように・・・。タンホイザーゲート?なんだかよくわからないが、このような奇跡の瞬間を誕生させる!表現するということ!体感すること!ただ、そのためだけに、わたしは無為な日々を生きている 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-12-05 01:28:17)(良:1票) 64.近未来な世界に日本語が融合して2019年とはすごいな。 【TERU】さん [インターネット(吹替)] 6点(2023-08-06 20:09:53) 63.《ネタバレ》 陰鬱な世界観の表現のためでもあるだろうが、照明が暗くて見づらいシーンが多い。 あと、全体的に間が重たくて疲れる。 もうちょっとテンポがいいと良かった。 とは言え、古い映画とは思えない先鋭的なBGM・映像美だったのは間違いない。 ハリソン・フォード演じるデッカードがあまりにタフだったのが、一番印象に残った。 特に終盤にプリス(アクロバティックな女性)に首を回されたところなんて、普通なら即死レベルに思える。 デッカード=レプリカントなら納得するのだが、その辺はよく分からない。 あと、余談だが、デッカードのネーミングは刑事(デカ)から来てるのかな? やたら日本関係のものが多く登場していたので。 【2年で12キロ】さん [インターネット(字幕)] 5点(2022-12-10 10:23:23) 62.《ネタバレ》 (バージョンの違いについては分かってません、たまたまTV放送を観ただけ) ストーリーは今や新しさを感じないものの「AI/アンドロイドの自我/意識」という普遍的な問いを扱っている。個人的にAIをいじっているせいで、この問いは「世界五分前仮説」にからめて たまに考えることがある。AIがどんどん性能を上げていった時に、人間との根源的な違いはどのようなものなのか。それが分かってくると、人間というものへの理解も更に深まるように思う。 とはいえ この映画の魅力はなんといっても、映像と世界観だろう。同じテーマで作っても、並の監督なら凡作になる可能性も高いと思う。人間が出演しているのに、人間臭さが無いというか 無機質さを感じさせるのはスゴイとしかいいようがない。 あとヴァンゲリスの音楽がまた映画の質を高めている。大好きなミュージシャンであり、仕事のBGMとしてよく聴いている。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-10-04 09:04:15) 61.オリジナルを観た時の心の震えは色褪せる事無く。今また新しい技術を施された鮮やかな未来世界に再び陶然となりました。 いつも暗くて猥雑な下界に降りしきる酸性雨。 巨大な広告船に映る日本髪の女、奇妙な文字。 内も外もメタリックに輝くタイレル社。 からくり人形が占める技術者の部屋。白いダリル・ハンナ。 髪形も肩パットも押しの強いショーン・ヤング。 もう少し色気の欲しいハリソン・フォード。 レプリカントの哀切、悲恋。音楽の残す余韻。 全てが濃く強く、あの紺色の世界の中に刻印されていて美しい。 何度観ても心惹かれる名作、監督の意匠が一番反映されているこの‶ファイナル・カット”が一番好き。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2021-03-08 23:52:19) 60.レプリだって恋をするんだ! レプリだって長生きしたいんだ! そんなレプリの悲哀感を、”夜”、”雨”、”ネオンの光”…の中でシンプルに描いた作品。 逆光を多用し、たばこや立ち込めるスモークや、水に濡れた床や地面に反射するネオンの光など、光を巧みに操り、ひたすら美しい場面作りに終始している。 一番気に入っているのはJFセバスチャンの怪し過ぎるお部屋。 不気味な人形、小人症の方の演じるナゾのロボット…どれもアートの香りがしてたまらない。 CG技術のない時代のSFの方が、昨今のCGばりばりのSF映画より面白いものが沢山ある。 「エイリアン」、「スターウォーズ・エピソード4」そして「ブレードランナー」等。 実に、レトロかっこいい。 あちこちに出てくる、へんちくりんな日本文化…つまり、外国映画でよくやらかされちまう”中国と日本の文化を一緒にすんな”的なものが随所に出てきて、それはそれで、混沌とした感じが面白いではないか。 強力わかもと!! 【フィンセント】さん [DVD(字幕)] 7点(2020-08-28 17:41:02) 59.公開当時に観ていれば、より衝撃を感じられたのだろう。 近未来の光景として退廃的なアジアの街並みを描いたことや、本作のテーマ性は、後の映画に大きな影響を与えたようだ。 原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」も読んだが、ラストはこのバージョンが作品のテーマに一番合っている。 【アクアマリン】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-07-28 18:27:57) 58.《ネタバレ》 スマホもネットもない近未来は、デッカードのキャラクターも相まって、ずいぶんと浪花節な感じです。お話そのものより、そんな世界の雰囲気を楽しむ映画なのでしょう。実は、自分の解釈に自信がなく、Youtube「【すぐにわかる】ブレードランナー 手書き紙芝居【完全ネタバレ】Blade Runner Picture-story show」を同時参照しつつ、物語を追っていたのは秘密です。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 6点(2018-08-24 14:25:28) 57.2049の予習として昔見たオリジナル以来の観賞 雰囲気を楽しむ映画に感じたけど、2049見る前には見ておかないとダメだよね。 【おとばん】さん [インターネット(字幕)] 6点(2017-11-11 18:52:54) 56.SF映画は公開された時に見ないとダメですね。どうしても未来の描写が、その当時ではスタイリッシュだったり前衛的だったとしても、何年も経ってから見ると、あか抜けない映像になってしまいます。本作でも同様のことが言えます。演出としての間の取り方やじらし方が、現在の感覚だともたつきに感じられてしまうので、抑揚の少ない映画に思えてなりません。 【shoukan】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-07-08 23:38:00) 55.劇場公開版でも本作でも、特に違いは気にならず。良いものは良いです。 【noji】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-07-07 22:12:45) 54.《ネタバレ》 2016年はロイ・バッティが製造された年です!ヤバい、あと三年でLAに酸性雨が降り注ぎ“強力わかもと”が世界のブランドになっている世界になっちゃうんですよ。昨年は『バック・トゥー・ザ・フューチャーPART2』で盛り上がりましたが、三年後にはどんなお祭り騒ぎが観れるでしょうか?まあ内容がアレですから地味でマニアックなんでしょうね。 またこの映画こそ各種カルチャーにもっとも強い影響を与えたSF映画で、80年代以来サブカルの一翼を担ってきた傑作です。また“○○カット”という映画ビジネスにとって画期的な手法を産み出したのも偉大な(?)功績で、やっぱリドリー・スコットはビジネスの天才です。 その各ヴァージョンの中でもやはりこのファイルカット版がやはりベストですね。工業製品であるレプリカントが自らの死を自覚して苦しむ姿は何度観ても切なくなりますし、またデッカードとレイチェルの悲恋物語でもありSF恋愛映画としてもこのジャンルの最高傑作です。またこの版を観る限りではデッカードがレプリカントであることはかなり明白になっていると感じます。 「ついに」と言うか「止めときゃいいのに」と言うべきか、いよいよ今年から『2』の撮影が始まるそうです。そうなると必然的に“デッカード・レプリカント説”に回答が得られることになるわけですが、果たしてリドリー・スコットの胸中やいかに? 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2016-04-10 23:52:40) 53.退廃的世界観にやられてしまった。これは面白い!デッカードの頼りなさに苛立ちながらもセットの美しさと濡れた町並み、レプリカントの悲しい運命に心を奪われた。説明ナレーションをすべてカットしたという点で『2001年宇宙の旅』と共通点があるが、近未来の描写が大きく異なる。さすがは『エイリアン』の生みの親だ。リドリー・スコットの先見性は凄い。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-03-24 18:21:50) 52.《ネタバレ》 公開当時日本で観た。 SF映画好きだったし、「エイリアン」の監督作品だし、音楽がヴァンゲリス、見ないわけには行かない。 当時から好きな映画だったけど世間受けはしなかった。 しかし年が経つにつれて評価が上がっていった。 舞台設定は2019年ロスアンゼルス。 ネクサス6が開発されたのが2016年ごろ、今年だ。 確かに公開時(1982年)には遠い未来だったけど。 この映画が後の映画に与えた影響はとても大きい。 さまざまなシーンがオマージュ的に使われてきた。 デッカードとレイチェルのラブシーンは映画史上屈指の出来だと思う。 ヴァンゲリスの音楽がとてもよく合っている。 全体的に暗いシーンが多いが光の使い方が特徴的。 撮影したジョーダン・クローネンウェスの芸術的手腕が全面的に生かされている。 ロボット(レプリカント)がこれほどまで進化して人間に近くなったとき、人間との境界線はどこにあるのか、人間の定義はどこにあるのか。 突き詰めるとかなり哲学的なテーマ。 環境破壊、公害、人口爆発といった問題を抱えた未来社会の中で展開される話だが、たとえば公衆電話の使用など、1982年当時には携帯電話がまだ存在しなかったので描く事は出来なかった。 様々なバージョンの存在も興味をそそる理由のひとつ。 最初の公開時から日本で公開された海外版(残酷シーン入り)とアメリカ国内版があった。 後にビデオ発売されたときにアメリカ版が使われて私を含めて日本公開版を見た人には映画館で観たあのシーンが無いというような事が話題になった。 日本で言う「完全版」というのが最初に日本で公開された海外版なんじゃないかな。 デッカードの語りが全編に入っていたり、デッカードとレイチェルの逃避行が追加されていたりするがこれは配給会社が入れさせたものだった。 このときのシーンがクーブリック作品「シャイニング」の未使用カットだというのも有名な話。 ファイナルカットで初めて語りなしで鑑賞できる。 たしかにあの語りは余分だったと思うが今となっては語りつき版を何度も見た後だから判断は難しい。 もし最初から語りなしだったら、分かりにくい話がますます分からなかったかもしれない。 デッカード=レプリカントという設定も1982年公開版では曖昧にされていた。 後に発表されたディレクターズカットやこのファイナルカットではユニコーンの夢のシーンが復元されていてリドリースコットに言わせるとこれと最後のガフが作ったユニコーンの折り紙をデッカードがうなずきながら握りつぶすシーンを合わせれば(誰も知らないはずの自分の夢の事をガフが知っている)デッカードがレプリカントであることは明白で、それが分からなければ阿呆だという事になる。 でも視聴者からすれば別の解釈は可能だ。 元々ユニコーンの夢はレイチェルのものでデッカードがタイレルコーポレーションでレイチェルのデータを検閲した時にその情報を得たのかもしれない。 お医者さんごっこや蜘蛛の子の情報と同じように。 そしてその印象がデッカードの夢に現れた。 ガフもレイチェルの情報を知っていたのでユニコーンの折り紙を残した。 それを見たデッカードはガフが見逃してくれたのだと納得。 こんな解釈もあってよいと思う。 デッカードを演じたハリソンフォードはデッカード=レプリカントというアイディアに反発している。 この物語はデッカードが人間だからこそ成り立つのだ。 生身の人間とロボットであるレプリカントの愛。 これこそがこの映画の成立に不可欠だという。 私もその意見に賛成だ。 音楽は既存の作品「Memories of Green」をリドリースコットが気に入ってヴァンゲリスになった。 その権利関係で公開後長い間サウンドトラックのアルバムが発売されなかった。 メインテーマを含めてすばらしい音楽なのに長年にわたって映画以外で聴くことができなかったというのもファンにとっては渇望感をあおる事になったと思う。 公開作品に何度も手を加えたのはちょっと反則なんだけどファイナルカットと銘打つだけあって確かに完成度は一番高いと思う。 【称えよ鉄兜】さん [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 10点(2016-03-02 01:59:42) 51.近未来の世界観を表現、というところは素晴らしい。 ただし、物語が面白いかというとそうでもなく、むしろ分かりにくい。評価されるべき映画かもしれないが、何度も観たいかというとかなり微妙だ。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-11-23 13:21:09)
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