みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
109.《ネタバレ》 ハラハラする!飽きない!息をもつかせない!よくできてる!…でもしかし全部どっかで見たことある!冒頭のバイクはMI2だし、ダークな雰囲気はダークナイトだし、悪役はノーカントリーだし、もろもろの様式美は当然過去の007と一緒だし、滝に落ちるけど生きてました?いやあなんかあっただろ(今回、ボンドは滝壺に落ちてた。救い出せるのは王大人しかいないなあ、とか思いながら見てた。映画の雰囲気こわれる)つまり、これがスカイフォールだってゆう映像がない。だからこの点。 【わんたん】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-04-20 16:08:16)(良:1票) 108.《ネタバレ》 ◇007といえばショーンコネリー、と子供心に刷り込まれていたので、他の007はあまり見る気がありませんでしたが、ダニエルクレイグを見て「これは!!」と思って鑑賞。◇でもなんだか老兵扱いでショボーン (´・ω・`)もう少し自信たっぷりなボンドが見たかったです。あと内輪モメなのもちょっとがっかり。◇映像の美しさに6点献上。 【ハクリキコ】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-04-15 00:51:43)(良:1票) 107.《ネタバレ》 私の中でダニエル・クレイグはいつまでたっても007には見えません。いっつも眉間に皺を寄せてる感じが余裕のなさに見えて、スパイなりたての設定ならまだしも、ボンドはもうちょっと軽い感じが良いです。内容も、あまりに単純な筋立てに、実はレイフ・ファインズが悪の親玉だったりして~、とか深読みしてしまいました。アクション映画としては合格なのでしょうか?あまりアクション映画を見ないのでレベルが分かりません。スパイ映画としては奥行きがなさ過ぎて観終わった瞬間に記憶からデリートされそうな作品でした。 【HIDUKI】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-04-07 19:04:13)(良:1票) 106.とりあえず一言。映像の美しさは007映画史上No.1である!では本題。ダニエル・クレイグが007を演じるようになってから、人間臭い007像が浮き彫りにされ、アクションはリアリティを追求してきた。前二作ではそれが功を奏して、新たな007映画の幕開けに相応しい仕上がりとなった。しかし、今作ではそれも行き詰まり、どこか二の足を踏んでいるように感じた。やはりなんだかんだで、秘密兵器だの奇抜なアクションだのが出てこない007は、007でないんだなと。そこに他のアクション映画との差別化があるんだなと。人間臭くリアリティなのも大いに結構ではあるが、胸踊ったあの頃も、忘れないでほしですね。ただねぇ~、どうなんでしょうかねぇ~。今回の作品。過去との決別的意味合いがかなり含まれていたから、次回作はもっと「今」を意識した仕上がりになるのかな?最後にダメ出しを一つ。教会でのラストシーン。ちょっと無防備すぎませんかね。不測の事態に常に対処する心得がないのにはビックリですよ(笑)以上。 【Dream kerokero】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-04-05 23:19:19)(良:1票) 105.《ネタバレ》 上海でのアクアリウムなスクリーンをバックに繰り広げられる肉弾戦や、船に乗って海上カジノに向かうエキゾチックな映像、そして軍艦島をモデルにした廃墟など、ヴィジュアル的な美しさや印象深さは目を見張るものがあります。アクションも、強引だけどやりすぎない、ほどほどのシークエンスを見せてくれるし、決して悪くはないんだけど、個人的には前作、前前作のほうが良かったかな。どうにもダレちゃってスピード感にかける展開を中盤から終盤にかけて感じてしまったのと、なによりも007の魅力である「ボンドガール」と「悪役」の2大要素が本作は弱い。本作は、言わばMがボンドガールの代わりみたいな内容だったからかもしれないけど、やはり007にセクシーさは必要だよな、おばちゃんでは物足りないな、てのが正直な気持ち。そして悪役のハビエル・バルデムは、「ノーカントリー」の怪演などもあって起用されたのかもしれないけど、あの怪演っぷりと比べると本作は実に大人しい。顔にはめものしてたのを取った時のおどろおどろしさは悪くないけど、キャラとしてはただの変態臭いおっちゃんという感じで、あまり狂気が感じられない。まぁ楽しめはしたので佳作ということで6点。レイフ・ファインズはいい役者なので、その存在感を今後フルに発揮してもらいたい。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-04-05 22:41:03)(良:1票) 104.《ネタバレ》 とりあえずスタートダッシュだけはすごい。 全体的に悪くなかったけど上海と最後の決戦前がちょっとダレたかな。 あのあたりを上手く削って2時間ぐらいに出来れば良かった。 あと、最初のあんな状態から007がなぜ助かったのかが 全く描かないのは絶対にダメです。致命的。これだけで大きくマイナス。 【虎王】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-04-05 10:34:00)(良:1票) 103.《ネタバレ》 テーマが明確なのですんなりとストーリーが頭に入ってきたのはよかったが、いかんせん、敵がショボすぎた。確かに、あらゆることを知っているという点では身内の敵は恐ろしいに決まっているけれども、なんかそれが英国の国防と並行して語られてしまうとなると、リアルなのかも知れないけれども、正直ショボく感じられる。しかも、敵意の根本が私怨では、、、残念。ただ近作でいろいろと変化があったので、なんだかんだ言いつつ次回作に期待。 【ぽん太】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-01-06 17:47:23)(良:1票) 102.《ネタバレ》 前2作のダニエル・クレイグ版ボンドは駆け出し諜報員の粗野で荒削りな所に好感を持ちました。今作に頭が混乱しています。スパイは時代遅れと語られているので現代の話のようですが、彼は洗練されていない。おまけに衰えている(老いなのか、心身のダメージなのか?)007の魅力が皆無なのはいけません。悪役の目的がMへの意趣返しでMのお命頂戴!なのもいけません。そのクールビューティのMの焼きが回った姿(再試験不合格を黙認)が最もいけません。スカイフォールの攻防は気持ちはすっかり醒め、長尺の疲れを感じながら眺めていました。期待外れでした。 【The Grey Heron】さん [映画館(字幕)] 5点(2013-01-04 18:28:45)(良:1票) 101.《ネタバレ》 50周年の007は復讐劇と人事異動の二本立て。 映画会社の経営難などで間があいたけど、起死回生の意気込みが感じられて。 ハヴィエル・バルデムの金髪・白塗りのシルヴァのMへの屈折した思いは、「なぜ俺を愛してくれないんだ?」 同じ「ドラ息子」でもボンドは愛してもシルヴァは愛さなかったM(7度もボンドを支えたジュディ・デンチ)の受難。 ナショナル・ギャラリーの英国を代表する画家ターナーの絵の前で伝統を一蹴してみせる新Qは、自身も「ブライト・スター」の詩人キーツからPCおたくのQへの転身のベン・ウィショー。(愛想っ気なしのブレインズみたいだけど、ミラーロゴのVAIO使ってるから許す!) スカイフォールは「嵐が丘」のように荒野に立つ館、夜空をオレンジに染めて炎上するそれは「ジェーン・エア」を思わせ後半は英文学的。 20年前「嵐が丘」で主役デビューのレイフ・ファインズ(髪がサビしくはなっても、美声はヒースクリフと同じ)のマロリーが最初Mに「話」を持ちかける時には、観客の反感を買うように仕向けていて、「そんなことにはならねーよ」と思わせるのがうまい。 そのくせQだけ代わったのはなぜか、ボンドと行動を共にするイヴがチャーミングではあってもセクシーすぎないのはなぜか、と気にはなる。 Mの本名がエマといったり、マロリーの名もきっとイニシャルまで考えてのこと。 総じてよかったのだけど、クレイグ・ボンドはどれも一度しか見ておらず、作品としてはオチる40周年の「ダイ・アナザー・デイ」の方が(Qやマネーペニーの扱いふくめて)楽しかったのは、シリアス路線が続いて洒落っ気は希薄なので。 50年間キャラは変わらず俳優だけが入れかわり、時系列はあいまいなボンド・ワールドはまだまだ続く。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-01-01 07:00:06)(良:1票) 100.《ネタバレ》 デイムが死んだときは泣いてしまいました。なんか、オーストラリア人が演じた1969年度作のラストのような味わいでしたね。多くの方が評価するプレ・シークエンスこそおもしろくないですよ。よくあるハリウッド製の活劇と変わりないです。いいのはむしろあとのシーンですよ。エレベーターのシャフトにつかまって上昇する場面は、ラスベガスを舞台にした1971年度作のあのシーンをほうふつさせて、ワクワクしました。あと、軍艦島での決闘の場面なんですが、ワンショットで効率よく敵を倒すスタイリッシュな場面なんかも、めまぐるしく展開するアクションシーンより味わい深いですね。今作に見られる冒頭を除く個々の活劇は、第2作でボートから燃料タンクを海に落として、照明弾で一気にかたをつける場面や、第3作でのレーザー光線登場のようなカタルシスやセンス・オブ・ワンダーを感じて、これぞ007だと感じたしだいです。そして、ラストに例の「指令を受ける部屋」が復活したのは非常にうれしかったです。そして、その復活の場面で、隣席の観客が「おっ」と思わず声をげていたのを聞き、制作者の勝ちだなと思いました。このラストの展開は、廿世紀狐社提供の宇宙を舞台にしたドル箱冒険活劇シリーズの新作3部作における第3作目のような、旧作の1作目につなげるためのラスト数分の展開と似た感じがしました。「部屋」復活は大歓迎だったのですが、上司役の俳優はもっと年上の威厳のある人にしてもらいたかったし、帽子掛けの置いてあるアウターオフィスに座る秘書も、若干地味な良妻賢母型の女優にしてほしかったです。うーん、イメージ違います。残念です。前2作がただの「めまぐるしい活劇」であったため、ほとんど評価できないのですが、今作はここ10年で一番の出来で気に入ってます。及第点をあげたいと思います。 【大通り・ヘップバーン】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-12-15 12:15:47)(良:1票) 99.《ネタバレ》 最初に映画館で観たのが「女王陛下の007」。結婚しちゃうし、相手(ダイアナ・リグ)死んじゃうしで中学生には重たい展開でしたから、それ以降劇場では観たことありませんでした。ダニエル・クレイグ主演になり、作品が「カジノ・ロワイヤル」ということもあってなんとなく観てみたら気に入っちゃって… 今作、冒頭の追っかけっこはすごくよかったけど、上海、マカオはすごくダレた展開。なおMI6爆破シーンは、ベルリン陥落後のナチ本部爆破に似てたように感じました。アストンマーチンDB5登場以降の展開は完全に大藪春彦なもの。“傭兵たちの挽歌”かと思ったもん。個人的には大好きですが007としてどうかっていうとこです。今回のボンドガールはMでしたね。ということで助走区間終了、次回作は間違いなく「007は殺しの番号(ドクター・ノオ)」リメイク。 【shintax】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-12-14 13:30:04)(良:1票) 98.《ネタバレ》 ダニエル・クレイグのボンド、好きです。 前回のくら~~い復讐劇よりスッキリ観られて良かった。 ボンドカーも登場して、お~~来たかって感じでした。 レイフ・ファインズが出てきて、ずいぶん大物を使ってるなあ、と 感心したんですけど、最後に、なあんだ、そうか引継ぎだったのね、と 納得しました。ジュディMさん、長いことご苦労様!少し寂しいな。 そうそう、いつも両足を踏ん張って立ってるボンドさん、 背中が泣いてます; 最後に登場した猟師さん?管理人さん?どこかで見たことあるなあ、と 思ってたら、あのポアロさん!? 【AKO】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-12-14 01:10:10)(良:1票) 97.《ネタバレ》 公開される度に気になってしまうシリーズですが、今回は監督がサム・メンデスとあって一層期待してしました。 ダニエルクレイグになってからの作品は面白いがボンドらしくないという感じでしたが、今回はかなり王道らしい内容だったと思います。ボンドカーの扱いには劇場内でも笑いが起きていました。しかも、さすがにアカデミー賞監督というだけあって映像はなかなかです。劇場でみて良かったです。 ただ、今回のボンドガールはいまいち本筋に関わってない印象。むしろМがこんなに活躍するなんて…。かなり意外性のあるラストですが、これも配役の世代交代なのかなぁと。Qもいかにも現代的な人物になっていて驚きました。 次回作では、古いなんて言わないでぜひ、ボンドらしい派手な秘密兵器もお願いします! 【やっぴーK】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-12-10 00:00:45)(良:1票) 96.《ネタバレ》 全体的に中途半端な出来でしたね。 元々、今のボンド役のダニエル・クレイグが個人的にボンドらしくないと思っているので。 私の中のボンドのイメージはもっと人間臭い、女たらしだが頭が抜群に良く判断力、行動力がずば抜けている、肉体的には優れているがスーパーマンほどではなく、敵の肉体派をうまくうっちゃる感じです。 でもダニエル・クレイグだと、まず肉体派のイメージが強くMI6と言うよりはKGBのスパイのイメージ。今回、このダニエル・クレイグが肉体的に衰えてるのがまずショック。もうお前の時代じゃないって、それを言っちゃあ終わりでしょう。 冒頭以外はさしたる活躍もないままダラダラと話が進み終盤へ。今度の敵は元00要員でMに裏切られたと思って敵に回った男。ボンドも冒頭にMの命令で撃たれてしまい、その事を少なからず根に持っていたと思ったが、結局Mに忠誠を誓ったまま、それが彼の行動を変えるまでには至らず、じゃ、冒頭のシーンは結局意味ないの?と少々拍子抜けでした。敵を倒す際に少しでも逡巡するのかと思ったらそれもなかったし。 やはり人間らしさに欠けるボンドにあまり魅力を感じる事なく今回も終わってしまいました。 冒頭のアクションだけが007らしくスピーディでした。その後のオープニングテーマ曲が終わったら、もう007らしさは特にないと言って良いです。 そうそう、敵が入れ歯を外すシーンだけは不気味で良かったです。 【ぴのづか】さん [映画館(字幕)] 5点(2012-12-09 23:05:36)(良:1票) 95.《ネタバレ》 まあ率直に言って007シリーズに特に思い入れはありません。が、ここ近年ボンド役はダニエル・クレイグに変わってかつなんかスタイリッシュだなあ、と興味はひかれていました。そして初めて007シリーズを映画館で見る機会に恵まれました。 オープニングのアデルの曲、映像がかなりやばかったです。この曲は買いです。ボンドのひげをそる女性はもうちょっとかわいい子がよかった・・・なぜこの人なのか・・・ ボンドガールと言うんでしょうか、あっけなくいなくなってしまいますがこの女性の 妖艶なはかなげな雰囲気、ボンドとの会話、Hはひきこまれました。レイフ・ファインズ、悪役の人もよかった。アマデウスのトム・ハルスと思ったら違いました(汗 ボンドはいっつも足を大きく開いて立ってますねw 安定させるためでしょうか ひきしまった体型はほれぼれしますね。 【DKⅢ】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-12-08 15:51:58)(良:1票) 94.《ネタバレ》 イヤー待ちに待っていましたよ、ミスターボンド、あの、ダニエルの腕っ節、映画俳優の前は何をしていたのだろう、女なら、だかれて見たい、なんて思っちゃいますよね。ボンドガールの色気不足ニカンシテハ、私もそう思います、シカシナガラ、いつもながらに素晴らしい、ダニエル。感動さえ覚えました、また、あの悪役の存在感、ロンドンに、イギリスにいる俳優さん、すごい存在感を感じました。代わりの役を誰がやれるか、なんて、考えたりも。最後のバットマンに出ていた、悪役か、とか、ジェット機乗ってきた、昔、エンゼルフィッシュ?、とかに出ていた、フェイスオフに出ていた、悪人の方、彼のタバコの持ち方とか、悪人ぽい感じがうる。映画の中、走り回り、壊してくれて、追いかけっこ、それで007だぜ。ただ、最後に、氷の中に飛び込んで、戻って悪役と対決できるのか、その辺疑問でしたね。セメテ、焚き火で温まってから、戦いに戻ってよ、なんて、気になっちゃいました、ボンド、カゼヒカナイトイイナ、と思います、笑。 【yasuto】さん [映画館(吹替)] 10点(2012-12-07 18:29:52)(良:1票) 93.《ネタバレ》 007に期待する事と言えば、美しい海外風景、あっと驚くような斬新な追跡&逃走シーン、スパイ特有の小道具、ボンドガールなど、様々な要素を思いつくのだが、今回の007は残念ながらそのうちのいくつかの魅力が薄かった。007は困難な課題をその超人的な知識と能力、MI6の技術力で軽々と打ち砕いていく爽快感が欲しいところなのだが、最近の007は現実的というか、人間ぽい苦労がにじみ出るような存在になってしまい、そのあたりがちょっと物足りない。アクションもスケール感が乏しくなり、機関銃バリバリの戦争ものっぽくなってしまい、本来の魅力と少しずれた方向性に走っているのが心配だ。だが、そうは言っても、やはり007らしさは残っていて、マカオのシーンなど、実際にはあんな場所は無いと思うのだが、上手く雰囲気を出していて、まあ、そこそこ面白い映画だった。次回作に期待したい。 【小鮒】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-12-06 21:47:33)(良:1票) 92.《ネタバレ》 良い意味で非常に「懐古的」な作品に仕上がっていることは間違いない。 今作では、時代の流れと共に「スパイ」という役割の時代錯誤感が問われ、存在そのものが追いやられる立場となるというストーリーが描かれる。 そして、今一度「スパイ」という存在の意義と必要性、そして“格好良さ”を「007」シリーズが培ってきたパターンを存分に生かして見せてくれている。 シリーズファンに対してのサービス精神が旺盛な分、往年の過去シリーズ作品の幾つかを観ていないと、面白味が半減してしまう部分が多々あることは否めない。(特に「ゴールドフィンガー」の鑑賞は必須!) アストンマーチンの“赤いボタン”などは、往年のシリーズファンにとっては最高のプレゼントだったに違いない。 そういった全体的にとても懐古的な「007」らしい映画世界は、ジェームズ・ボンドというキャラクターが、「成熟」しつつあるという表現と直結しているように思えた。 このダニエル・クレイグ版「007」シリーズの最大の醍醐味は、ジェームズ・ボンドという絶対的主人公の“未成熟さ”にあると思っている。 一流のスパイと称されるにはあまりに未成熟な故、この新シリーズにおけるジェームズ・ボンドは、あらゆるものを「喪失」してきた。この最新作においても、結果として彼はあまりに“大きなもの”を失ってしまう。 その「不完全さ」が、良い意味でも悪い意味でも「007らしくない」という評価を生んだことは明らかだろう。 ただ、今作ではそんな主人公ジェームズ・ボンドが、徐々に「007」らしさを見せ始める。それは即ち世界最高の諜報部員に相応しい「余裕」が垣間見えてくるということだ。 主人公に徐々に備わってきた「007」らしさ、それはまさに数々の過酷な「喪失」からの「誕生」であり、そこから「成熟」に至るプロセスこそが人気シリーズを「リブート」することの最大の価値だということを高らかに物語っているように思えた。 史上最高齢の“ボンドガール”との別れに惜別の念を感じつつも、新M、新Q、そして新マニー・ペニーの相次ぐ新登場には、もう問答無用にニヤニヤしながらエンドロールを迎えるしかなかった。 さあて、喪失からの誕生、そして成熟までの準備は整った。次作では、ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドの“集大成”を見せつけてほしい。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-12-06 12:26:34)(良:1票) 91.《ネタバレ》 前作で強大な組織の存在を匂わせていたが、今回の敵はMに逆恨みを抱く元エージェント。ボンドはMのことを「Mom」、敵のシルヴァも「Mother」と呼んでいる。つまりボンドとシルヴァはMを母親とする一種の兄弟であり、彼らがMを巡って殺し合わなければならない、というギリシア悲劇のような展開がミソ。また、冷戦終結後、用済みとなった〈スパイ〉の是非を巡るMと女性大臣の舌戦の場に、シルヴァたちが攻め込んでくるクライマックスはかなり興奮する。さて、今回は『007』シリーズの50周年記念ということもあり、オールドファンへの目配せが抜かりなく利いている。アストンマーチン、ワルサーPPK、Q、マニーペニーと、お馴染みのアイテムとメンバーが勢揃いしており、思わずニヤリとしてしまう。アクション面では『ボーン』シリーズの物真似であった前作に比べれば大分観易くなったが、前々作『カジノ・ロワイヤル』に比べると地味な印象が拭えない。それはサム・メンデスがアクション畑の監督でないことにも一因するのだろうが、寧ろ往年の『007』を意識した作りと捉えることもできる。個人的に嬉しかったのは長崎の軍艦島がロケ地として選ばれたところ。上海篇は正直かなり眠かったが(会話シーンばかりで中弛みがある)、軍艦島の威容を観てハッと目が覚めた。ハビエル・バルデム、レイフ・ファインズ、アルバート・フィニーといった豪華キャストも見もの。 【フライボーイ】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-12-05 01:49:13)(良:1票) 90.《ネタバレ》 毎度毎度、楽しみながら不満もあるし、完璧な名作など出来ようもないのでそのつもりで観ていたが、今回の古風な演出はすごく楽しめました。 超人的で過剰なアクションは冒頭のお約束アクションのみというのは、007に限らず最近では珍しい。 全体的に地味なアクションシーンが続くのですが、この監督、今のアクション映画でありがちなケレン味がなく、1カット1カットしっかりした撮り方をしている所が好感持てました。 つまり今回は、アクション映画というより、スパイが置かれるであろうシチュエーションを大事にしている演出と脚本です。 例えば地下鉄のチェイスでも、絶対人間には無理というアクションではなく、出来るかもしれないと思わせる所で抑えているが、ドラマにサスペンスがきちんとあれば地味でも楽しめるし、予算をかけなくてもちょっとしたアイデアで驚かせたり出来るというシーンが多々あります。 こういう演出は007だからこそ、古いと批判を浴びながらも伝統として守っていって欲しいなと思います。 後半はさすがに長く感じた。いつもなら世界の危機を止めるためにアクションが過剰になる所を、何故個人を守るためのアクションになっていくのかと思ったら、ああいう結末が待っていたわけですね。 2作前のボンドの誕生から一回りして、次回はまた荒唐無稽な方向に行くかもしれませんが、1作ごとにありえない方向に行ったりシリアスに戻ったりするというのもいいのではないかと思います。 あと、軍艦島は見た瞬間に「あ、軍艦島だ」と思ったのですが、日本人としてこういうロケ地が選ばれるのは嬉しいです。 音楽は定番のデビッド・アーノルドが降板してしまいましたが、トーマス・ニューマンの音楽も実に過不足無く007ぽい音楽で良かったです。 【どっぐす】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-12-04 22:26:23)(良:1票)
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