みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
34.《ネタバレ》 社会人として普通のキャリアを積むことに失敗し、意欲はありながらも能力を発揮する機会をもらえない主人公。でも資材を盗んで売りさばくなどコンプライアンス意識に欠けるところがあり、何とも言えない悲壮な容貌も相まって、その行動をみるのが怖いような感覚を最初から覚えます。そこから事故現場のパパラッチという職業を知って、そこに参入していくのですが、何も気にせず目的にまっしぐらな行動を躊躇なくとれる主人公は大活躍をしていきます。踏み込んじゃいけない事故現場エリアで危なっかしい行動を繰り返す主人公に観ている方もハラハラドキドキさせられます。結果的には最後まで成功を続ける主人公ですが、テレビ局の女性プロデューサーに脅迫まがいに関係を迫ったり、一緒に組んでいた仲間を金のもつれで殺されるように仕向けたり、主人公ではなく、観ているこっちが後味の悪さを覚えさせられる映画です。 とにかく各シーンの臨場感は半端なくて、それだけで何かいいものを観たという気にさせられる作品でした。あとは人間の行いがテーマである映画なのに、社会一般の考えから乖離した間違った考え方をもつ主人公が罰を受けることもなくサクセスストーリーのように映画が終わっていくのがある意味裏切りになっていて、映画の後味を濃くしつつ言わずもがなの良識の部分は鑑賞者にゆだねられる、というのが新鮮でした。 8点はある映画なのかなと思いましたが、個人的には、素直な性格の自分にはちょっと乗り切れない部分もあるので7点にしたいと思います。 【たあたん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-08-21 17:33:38) 33.《ネタバレ》 これは傑作。とにもかくにも、ジェイク・ギレンホールの病的に鋭い目つきがいい。この目力がすべてを物語っている感じ。 どうしても実際のニュース番組と比較して見てしまいますが、当たらずとも遠からずではないかなと。ある意味で主人公ほど〝ガッツ〟のある人間は現実には少ないかもしれませんが、モラルのぶっ壊れ具合はよく似ている気がします。むしろ主人公は、多少の演出を加えつつも基本的に現場を追うことにこだわったわけで、薄っぺらなイデオロギーを振りかざしたり、そのために事実を捻じ曲げたり捏造したりはしていません。その意味では、よほどジャーナリストとしての矜持を守っていたと言えなくもありません。 ただし、主人公のモチベーションがカネなのか、名誉なのか、承認欲求なのか、今ひとつ判然とせず。また、主人公にもテレビ局にもいつか〝神の鉄槌〟が下されるだろうと期待していたのですが、それもなし。より過激なニュースをエンタメ感覚で求める視聴者の1人として、こちらまで共犯者になったような後味の悪さを残して終わるわけですが、それもまた一興でしょう。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-12-26 02:44:06) 32.《ネタバレ》 久々に純粋に面白いと思える作品だった。 主人公ルーを演じるために12キロの減量をし、昼夜逆転の不摂生な生活をあえて送り、独特の不健康さと狂気を身につけて本作に臨んだジェイク・ジレンホール。彼の役者としての勘の良さ、器の大きさ、その余りある才能を改めて感じさせられる作品である。 本作はサイコパスの話だと聞いてはいたが、彼は本当にサイコパス(異常者)だろうか? 確かにサイコパスかもしれない。 だが、彼が持つ一面は、誰しもが持ちうる面ではなかろうか? 事故や火事などの現場で、興奮を隠せず(いや、隠しもせずが正しいだろう)カメラを高く掲げ、センセーショナルな場面をひたすら撮り続ける。 一般人にもよく見られる行動ではなかろうか? カメラかスマホかの違いだけである。 ルーは言う。 「人が破滅する瞬間に僕は顔を出す」と。まるで死神だ。 他人の不幸を飯の種にする彼の生き方は、文字通り死神めいている。 しかしそれ以上に、現場でカメラを手にする彼は恐ろしいほど活き活きとしている。獲物を捉えた目は見開き、不敵な笑みで口元を歪ませるその様は、まさに狂気。 さながら不幸や生気を吸い取る死神である。 自らの天職(居場所)を見つけてしまった彼は、もう元には戻れない。 しかしながら、彼の持つ異常性は、果たして本当に先天的なものなのか?私は、彼の生い立ちにも異常性を呼び起こす要因があったのではないかと思えてならない。 作中で彼が家族や友人などの人間関係について言及するのは、ほんの3~4回だ。 最初は、鉄屑工場の社長に自分を売り込む時に「宝くじを当てるにもお金がないと始まらないと母は言っていた」と話す。 次に、ニーナと食事をしている時に「故郷に帰っても誰もいない」と話す。 さらに、ニーナに友達として夜の誘いをかけ、その矛盾をつかれたときに「友達は自分自身へ対する贈り物だろ?」と返す。 また「学生時代は自尊心が高すぎて妥協ができなかった」とも回顧している。 これらの発言から私は以下のように想像する。 彼は家族とは疎遠、もしくは既に家族は他界している。 恐らく彼の母親は厳格で、教育にも熱心だったと思われる。それは彼の発言には品と教養が感じ取れるからである。 彼が関わる人々(取材する住人でさえ)のほとんどは、「Fuck」や「Damn」などの汚い言葉を日常的に連呼している。 しかし彼はほとんど口にしない。 それどころか、彼は助手に対してでさえも「Please」や「Can I~?」を使い一定の尊重の念を表している。 そういった点からも、彼の教養の高さ、知性の高さが窺える。 恐らく、こういった行儀の良さがニーナや上役たちに気に入られる点でもあるのだろう。 しかし、彼は母親の期待に反して学業面では頭角を現さなかった。 故に学歴がない。基本的知能は高いだけに、それが彼にとって大きな挫折と劣等感となったのは想像に難くない。 理想と現実の乖離を認めることができなかった彼は、自尊心を高くして妥協しないでいることで、かろうじて自我を保っていたのかもしれない。 だから友達が出来ない。 知能の高さゆえ人を見下す癖のある彼は、周囲と折り合いをつけられず、友達の作り方が本当に解らなかったのだろう。 それを彼は、自身の努力不足、能力不足だと解釈してしまう。 自分の価値を高めて相手より上に立つことができれば、相手が自分を認め、崇めてくれて、友達になることができると考えたのだ。 その結果が「友達は自分自身(の努力や自己研磨)へのご褒美」という発言につながるのだろう。 彼の孤独は生活感や発言から窺えるものの、その奥に潜むのは、周囲(特に母親)に認められなかった劣等感と、彼を見下してきた周囲に対する復讐心のように感じられる。 ニーナほど年上の女性を好むのも、彼女に母親の姿を投影しているからかもしれない。 彼女に認められるために法を犯しても尽力する姿は、まるで母親に認められたい子どものよう。 反して、自分の要求に対して無条件降伏を彼女に促すのは、厳格な母親に向けたある種の復讐のようにも思える。 哀しい人間である。 これらはあくまで私の想像でしかないが、そういった視点で考えると、私はルーの非情で冷酷で下劣な品性を揶揄する気にはなれない。 本作は、ルーを通じて報道側の人間と視聴者に対する強烈なアンチテーゼなのかもしれない。 私たちは、いつだってルーになり得る。 ともすれば、いつだってルーのような人間を作り出してしまうのかもしれない。 それを肝に銘じなければならないと、私は思った。 【港のリョーコ横浜横須賀】さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-10-11 01:07:45) 31.映画を見て少しでもスカッと爽快感を得たい人は見てはダメ。マバタキを極力せず、眼力一発で 演じきったギレンホールに拍手を送ります。主人公が悪であることに間違いないが、彼の撮った 映像をテレビで興奮して流し、見て喜ぶ輩がいるという事実にゾッとする。現在のネット社会の 闇にも通じるテーマをもつ良作と思いました。この主人公が、数年後、悪の道に精進し、違う街 でジョーカーになりましたとさ、の方が、本家「ジョーカー」より自然な流れだと思うのは私だ けか? 【代書屋】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-08-02 14:38:27) 30.基本的に後味の悪い映画は好みではないのですが、映画評論家の有村さんが薦めていたので視聴してみました。 結果として、さすがというか当然というか、凄く良かったです。 これを見て、映画は食べず嫌いをしてはいけないな・・・と心から思った作品。 脚本が素晴らしいのはもちろんですが、それを見事に演じ切るジェイク・ギレンホールの存在が説得力を増していると思いました。 【めたもん】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-06-22 19:38:48) 29.《ネタバレ》 「コソ泥は雇わない」と言い放たれたルーがナイトクローラーとして成功してゆく過程が描かれています。目端が利く行動力であっても最初の機材購入資金が自転車コソ泥によるもので卑しい性根は三つ子の魂百までなのでしょう。この男のサイコパスぶりの極めつけであるリックを処分するやり口がえげつない。同類であるプロデューサーと共に業界のみならずどの世界でもこういう人物が存在するのだろうと思わされるもので、片時も目が離せない傑作です。願わくばこういう輩に天が罰を下さん事を! 【The Grey Heron】さん [DVD(字幕)] 9点(2020-04-17 16:22:12) 28.《ネタバレ》 この映画は凄いです。 この映画のために10キロ減量したというジェイク・ギレンホールのギラリと光る目の表情なんか、いかにも夜に生きる男って感じでした。。 人間のクズっぷりを、とても重圧なセリフとシナリオで描いていてリアル感が伝わってきます。 人間を信用できない男がよく描かれていました。 レネ・ルッソが当時60歳。 全然そんなふうに見えません。 そんな若々しく魅力的な彼女が、体を許すことを拒んていた相手に、最後は魅了されるという、その変化に恐ろしさを感じました。 主人公が悪に染まっていく過程は、海外ドラマ「ブレイキングバッド」を思い出させました。 ブレイキングバッドが好きな方にお勧めです。 【クロエ】さん [DVD(字幕)] 8点(2019-09-30 21:12:17) 27.《ネタバレ》 主人公のイカレっぷりが仕事とマッチしてる。それ故パパラッチってみんなあんな感じなのかなと思ってしまった。ただ作品には臨場感があり見応えがあった。 【ぷるとっぷ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-01-27 21:07:01) 26.倫理に反している映画 だからこそドキドキもするが、あまりに主人公に都合が良すぎる終わり方 【Ren】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-11-25 02:21:45) 25.アスペルガー尊大型のような主人公。全く共感できない映画ですが、緊張感と嫌悪感に参りました。 【ProPace】さん [地上波(字幕)] 8点(2018-09-25 22:24:49) 24.とても分かりやすい作品。いわゆるパパラッチを扱っているが、「タクシードライバー」のような個人の狂気と合わせて上手く作られている。 人を信じられない業界感がよく出ている。 【simple】さん [地上波(字幕)] 7点(2018-09-20 23:19:42) 23.緊迫感やスピード感があり飽きさせない作りになっていると思うが、いまいち盛り上がりがなかった。 スカッとしたものもないし、ちょっと肩透かしを食らった映画だった。 【miso】さん [地上波(字幕)] 6点(2018-09-20 19:11:49) 22.ラストまで主人公の人としてどうしようもない面を見せたことが良かった。テーマも新鮮で面白く、中華料理屋での銃撃戦など非常に緊迫感があった。ただ、警察で話すアリバイは無理があり過ぎ。調べればすぐバレるでしょ。 【noji】さん [インターネット(字幕)] 7点(2018-07-08 22:34:55) 21.30代で見てたら7点をつけてた気がするけど、すりきれたおっさんにとっては刺激が足りなかった。 ジャイク・ギレンホールはよい俳優だね。いろんな役に挑戦をしてほしい。 【センブリーヌ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2018-05-10 00:18:19) 20.表情が一つ一つ無を感じさせるルイス・ブルーム。 映画という形で切り取って切り取って、 非情に感じるものの、 カネカネな世の中にこんな人って実は半数くらいの割合なのでは。 自分自身もそうかもしれない。 だとしたら、カネカネを責められるだろうか。 映画内でも、衝撃度さえあれば映像を買い取るシーンがまま描かれており、 そこに道徳心が少しでも入ろうとするも、すぐに否定される。 さて、それでもキレイに人生を送り、キレイに死を送るだろうか。 鑑賞側の置かれる状況により、偽善も義務もすべてが捉え方が変わりそう。 また、数年後に見てみよう。 【元祖】さん [インターネット(字幕)] 8点(2018-04-02 17:39:10) 19.主人公のクズっぷりが最後まで徹底されていて、むしろ清々しかった。 【おとばん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2018-03-24 23:36:04) 18.《ネタバレ》 主人公くらい頭の回転がよく、弁が立ち、悪知恵が働き、行動力があり、リスクをいとわず、いつも冷静で、さらに車の運転がプロレベルであれば、なにもこんなゲスな仕事でなくても全うな分野で十分成功できるだろうに。 と、製作サイドが全く期待しないような感想をいだきました。 さてこの主人公はどんな死に方するんだろう、と期待半分で観ていたので、このラストは意外でした。ですが、よくよく考えてみると「アリかも」と思えるようになりました。こっちのほうがリアルですよね。おそらく、いろんな分野で成功をおさめた人は、この主人公ほどではなくても、ビジネスを立ち上げる時にはいろいろ危ない橋を渡ってきているのでしょうね。世の中甘くはないですね。 と、製作サイドが全く意図していないような人生の教訓を学ばせていただきました。 【la_spagna】さん [DVD(吹替)] 8点(2017-11-10 23:07:06) 17.《ネタバレ》 ギレンホールの顔が大好きだ。 一目でサイコパスとわかるそのぎょろっとした不気味な目、まさに適役。 ドニーダルコでも思ったがこの俳優の顔には何か不安な気持ちを持たせる造形をしている。 ポストトゥルース が流行語になっている今だからこそこの映画の内容は興味深い。 我々は事実を見ているのではなく、見たいものを自由に解釈し、それを事実としている。 それをテレビというメディアが助長しているのだ。 最後は不安な気持ちを抱きながらも、何だか成功したギレンと一緒に喜んでいる自分がいた。 それにしてもこんな人間が身の周りいたらたまったもんじゃない。 【鈴木】さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-09-19 22:08:10) 16.映画というフィクションでありながら、昨今の文春砲など内容的には金儲けのためならなんでもありというものは、 この業界ではあり得ることだろうと思った。そして、意外にパパラッチって安いのねと。 何れにしても、映画としては、迫力ある映像と演出、脚本がよくできており、非常に面白い。 もともとゴマキの弟のようなコソ泥がのし上がるためには、なんでもするというちょっとダークな主役なだけに、 後味が悪いというところを除けば、この映画が評価が高いのがわかる気がします。 【シネマファン55号】さん [インターネット(吹替)] 8点(2017-09-06 16:03:03) 15.《ネタバレ》 パパラッチの視点でプロフェッショナルに全うする主人公の本質的な狂気。普通の人間なら倫理・生理的に躊躇してしまうところをとことん追求する。 久々に刺激的だった。 クライマックスは自作自演から墓穴掘るようなイメージを予想していたが、こうなるか。ルイスはハッピーエンド。後味の悪さに見応えあり。 ここまで気持ち悪く描くならリクエストは1つある。 ニーナとのセックスシーンでしょう? 映像という暴力に性の暴力もあれば完璧な気持ち悪さ。 【mighty guard】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-06-29 23:10:23)
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