みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
75.《ネタバレ》 ゴジラ好きの小学低学年の息子を連れて観に行きましたが、最初の15分とラスト10分の戦闘シーン以外は、ソワソワし、つまらなそうにしていました。しかも、最悪なことに、大人である自分自身が期待していた戦闘シーン以外(大人のやり取り)もイマイチで、シンゴジラ以上を期待していくと失敗します。 新仮面ライダーも観る気満々でしたが、迷いますね・・・。 【N.Y.L.L】さん [映画館(邦画)] 4点(2022-05-23 21:45:18)(良:2票) 74.《ネタバレ》 私は新マンどストライク世代であり(そして彼をジャックと呼ぶのに少し抵抗がある。この感覚、わかってもらえるかなあ?)、初代とセブンには少し間に合っていないのだが、もちろんこれらも小学生低学年のうちには再放送で楽しんだ。 ということで、今回の企画が大変楽しみであったのだが、皆さん結構採点が厳しめなのに少し引っ掛かりつつ、観てきました。 うーむ。なるほど、厳しくなるわけだわ。どういうわけか、観ている間、私はほとんどワクワクできませんでした。 シンゴジラの時には成功していた、リアリティを持たせるための様々なセリフや演出が、今作に関しては全く雑音にしかなっていなかった気がします。なんせ、異星人が名刺を出して人類と交渉するようなシュールな世界観に、リアリティを持たせようったって無理がありすぎますね。 とはいえ、評価すべきところはたくさんありますよ。よくこれだけいろいろなネタを詰め込んで、しかもよく知られた名場面を独自の解釈で再構成したりできたもんです。すごく考えて脚本を書かれたのは十分伝わってきます。 でも、やっぱりウルトラマンは子供のものであるべきですよね。 円谷プロが生んだ珠玉の特撮シリーズを、観るべき年齢の時に観ることができたという幸せを、いまさらながら噛みしめています。 今作で一番ワクワクしたのが、スタジオカラーのロゴが出るときの効果音だったりして。 【Northwood】さん [映画館(邦画)] 5点(2022-05-18 00:48:59)(良:2票) 73.《ネタバレ》 TVシリーズ「ウルトラマン」を分解再構築し、作者なりの考察を加えて一本化した作品。 エッジが立っている印象で、TVシリーズにあった丸さが感じられないのが残念。 前半は楽しかった、面白かった。でも後半は…。 全編を通りして、本編部分の構図、カット割りがよろしくない。 実相寺昭雄風なのだろうが、そんな構図が続くので俳優たちの演技がぶつ切りにされてて見にくい。 クライマックスの壮大な音楽が、壮大すぎて浮いてる気がする。 巨大女性のスカート強調演出とか、繰り返されるお尻ペンとか、おっさんの性癖が垣間見える感じでちょっとイヤ。 【こんさん99】さん [映画館(邦画)] 4点(2022-05-15 09:30:52)(良:2票) 72.《ネタバレ》 昭和なウルトラファンからすると禍威獣のデザインや特性だけでなくオリジナルの劇伴音楽を沢山使用しているので違和感なく作品世界に入っていけた。 また、昭和な団地~居酒屋でのメフィラスとの会談が故実相寺監督テイスト演出だったり、ちょっとしたギャグやセブン最終話シーン、帰ってきたウルトラマン変身時の光とか細かいところに昭和なウルトラテイストがこれでもかという程埋め込まれていて郷愁を感じさせつつも、動画サイト削除等現代が舞台の映画として破綻なく構築されていたと思う。 そしてそういった表面的な部分だけではなく、幼少時の自分たちの心に残った異星人ヒーローと防衛チームとの絆や信頼、自己犠牲といった骨格がしっかりストーリーの中心におかれていて、オリジナル制作者たちの思い、文化としてのウルトラが立派に継承されているところには感銘を受けた。 長澤まさみも作品の世界観を損ねることなくこういう役を過不足なく演じ、魅力的でよかったと思う。 【クリプトポネ】さん [映画館(邦画)] 8点(2022-05-14 20:58:43)(良:2票) 71.《ネタバレ》 正直、ウルトラマンはあまり知らなくて、一応予習のつもりでyoutubeに上がってる動画を何本かは見たけど、思い入れとかはない。そんな自分が観ても次から次へと繰り出されるオマージュ砲には胸が躍った。これ、世代ドンピシャの人が観たらたまらないんじゃないかな? 物語は初代の最初の方に当たるのだろう。序盤はウルトラマンの強さにワクワク、中盤は津田健次郎ボイスで怪しさ全開の外星人ザラブが魅力的であった。その後はメフィラスやゾフィーが絡んでやや難解な話となり、失速感無きにしも非ずだったが、ここでも最後は初代のあのやりとり、名言を殆どそのまま再現するという潔さで勝負に出た。参りました、面白かったです。 【リーム555】さん [映画館(邦画)] 7点(2022-05-13 20:06:15)(良:2票) 70.《ネタバレ》 シン・ゴジラはまだ「もっと酷いのも数多くあるし、これもありっちゃありか」と言う面もあったけど、シン・ウルトラマンは無しですね。 以下、昭和オヤジの繰り言と思って下さい。 小学生時代、ウルトラマンに熱中したのは子供心を刺激する要素に満ちていたからです。バルタン星人の「我々は地球に住む」に対してハヤタ隊員が即座に「いいでしょう」と答える(もちろんこれは「君たちが地球の風習になじみ、地球の法律を守っていくのなら」の条件付きだが)、ザラブ星人の「好奇心は身を滅ぼすよ、ハヤタ君」と言うセリフ(これは本作でも使われたけど、取ってつけた感が強い)、一つ一つに心躍らせる要素があった。が、本作は全て改悪している。怪獣を禍威獣、科特隊を禍特対と醜悪な読み替えをする、また例によってセリフはいたずらに饒舌で大人な理屈(いやこれは庵野監督流の屁理屈)に満ちている。戦闘シーンのカタルシスにも乏しく「おお、これは凄い」と思わせるシーンはニセウルトラマンとの戦いくらいか?ゼットンは思い切り盛り下がった。おかしな理屈を捏ね回すだけのリメイクはもうこれで終わりにしてほしいです。 個人的にはニセウルトラマンはあの釣り上がった目と尖ったブーツこそが命なんで、本物の完コピじゃダメですね。。。 【ぴのづか】さん [映画館(邦画)] 5点(2022-05-13 16:44:38)(良:2票) 69.《ネタバレ》 あまりに原作(?)『ウルトラマン』へのリスペクトが無さ過ぎてビックリした。 『シン・ゴジラ』と言い、これと言い、ゴジラやウルトラマンといった往年の人気作品のネームバリューにオンブにダッコ。他人の褌で独り相撲も大概にしてもらいたい。 大体、この『シン・なんちゃら』シリーズが題材に取る作品って、日本の特撮およびヒーロー物の草分け的な作品たちであって、思い入れの強いファンも多い作品。後から名前だけ借りて好き勝手に作り変えて良いものじゃないと思うんよ。 例えば、ゴジラの幼獣期は、ミニラがいるように、決してラブカの化け物ではない。 このウルトラマンも、怪獣を禍威獣と変えるくらいは許すが、「かとくたい」は「科学特捜隊」であって、「禍威獣特設対策室」などというワケの分らん各省庁からの寄せ集め的団体ではない。また、ウルトラマンに変身するのはハヤタ隊員であって、神永新二などというワケの分らん男ではない。 さらにこのウルトラマンである。劇中で早見あかりが言う。「あの銀色の巨人は何者? そもそも、あの銀色の肌は着衣なの、裸なの?!」しかし、考えてみればこの振りがとんでもない事実を表すことことになるんだよなぁ。 このシン・ウルトラマン、なんとウルトラマンのトレードマーク的なあの“カラータイマー”が無い! 代わりに、戦って体力を消耗すると、身体の赤い模様部分が緑色に変わる。 …………って事はだよ? 普通、疲れたからって、顔色が悪くなったり肌の張りが無くなったりはしても、服の色は変わらんよな? …………ってコトはだよ? 俺たちが今まで模様、もしくは着衣だと思っていた赤い部分こそがウルトラマンの素肌なんじゃないのか?! …………ってことはだよ? ウルトラマンって、全身タイツを着込みつつも、乳と下半身だけを丸出しにしてるド変態ってことじゃん! …………アホか。 さらに、タイマーが無くただ色が変わるというだけの演出の間抜けさ。次第に速くなっていくカラータイマーのピコンピコンという音が、戦いにどれだけ緊迫感を与えていたか。50年前の演出の上手さを再確認させてくれる。 そして終盤。ゼットンは怪獣ではなく機械兵器に成り下がり、この最終兵器を持ってきたゾフィがほざく。「この星の人類は我らと同じ進化をたどる可能性が高い。ゆえに現時点で廃棄処分と決定された」 はいぃ? 言ってる意味が分からない。光の国と同じ進化をするかもしれない地球人類は、今にうちに廃棄処分にします、って、ライバルの芽は早いうちに摘んどきましょう的なこと? お前ら怪獣以上の悪モンじゃねーか。www 因みに、ウルトラマンは本名は「リピア」とかいう名前らしく、ゾフィとは初対面らしい。 宇宙警備隊とかウルトラ兄弟という設定も無くなっちゃったんだな。 なんか、俺の好きだったウルトラシリーズとは全く違うわ。 んで、最後にはウルトラマンは神永に命を与えて死んでいくと。 うん。もう、どーでもいいよ。好きにして。 【TERRA】さん [DVD(邦画)] 2点(2024-05-16 21:07:28)(笑:1票) 68.なんだそのラスボスの適当な倒し方は。 【TERU】さん [インターネット(邦画)] 4点(2023-01-04 22:09:53)(笑:1票) 67.《ネタバレ》 うーん、面白くなかったなぁ。そもそも劇中の会話が全く面白味がなく無味乾燥。早見あかりのキャラクターも濃すぎて好きになれない。また、随所に挿入されるお尻叩くのはなんなの??なんか気になって。あと、長澤まさみの巨大化は「赤井さーん、どうしてそんなに大きくなっちゃったんですかー?」の某引越し屋さんのCM思い出しましたよ…。 どうせ、会話に面白味がないなら、怪獣バンバン投入して欲しかったな。冒頭の「ウルトラQ」ネタの部分で期待値上がったのに、その分残念でした。 【はりねずみ】さん [インターネット(邦画)] 5点(2022-11-30 17:27:23)(良:1票) 66.《ネタバレ》 「ウルトラセブン」と「空想科学読本」と「とり・みき先生のSFマンガ」を混ぜたような「シン・ウルトラマン」。雑なCGのようなシーン(直立して話したりするウルトラマンなど)や、大事件が起きているのになんかこじんまりとした界隈で話が進んだりするのは、それがウルトラマンらしい趣きなんだと思っています。つまり、あえてそうしていると。よかった。【追記】もしかして、ブラウン管で見るのが最適な映画だったりして(困難)。テレビの画面にこそ、なじむんじゃないか。 【なたね】さん [インターネット(邦画)] 9点(2022-11-18 20:43:28)(良:1票) 65.《ネタバレ》 知人から「ウルトラマンに興味なくても楽しめる」からと勧められたけど、全然無理。 自分、変身とか巨大化とかは子供のころから拒絶反応があって、馬鹿にしてまして・・ それでも、シンゴジラはまあまあ見れたから油断してしまいました。 今回はただの、お子様向けの特撮変身ヒーロー作品で、それ以上のものではありません。 せめて、演出や音楽の現代化、撮影技術向上による迫力の画像でもあるのかと期待しましたが 往年の円谷作品と変わりません。 貧相で進歩のない特撮で、コスプレのプロレス見てるだけ・・ 音楽も古臭くて昭和に逆戻りですよ。 マニアの懐古趣味目的ならまだしも、初期から一貫して守備範囲外の人達は見るべからずです。 シンゴジラにあった、自衛隊の攻撃シーンもありません。怪獣に着弾爆発のみが見えます。 米軍のステルス機の投下シーンだけはありますが、大変物足りない。 怪獣だけでもリアリティの危機なのに、正義の味方巨大ヒーローも出たらもうSFの欠片すら無い。 どだい無理なんですよ。 しかも、脚本のセリフ割りオカシイです。会話が変。長澤まさみのキャラも違和感。 バディに拘ってばかりで、いつどんな仕事してるのか・・? いやチーム全員違和感かも。 カトクタイの事務所狭くて、デバイスも資料も少ないし、なんでたった5人・・? 原作がそうだからとかいう説明は受け入れません。 シンを付けた上位レベルのモノが見たかった。 で、人類が強くなれたのか、ウルトラマンに頼り切ったのか、お茶濁した勝利の後で、ウルトラマンの 遺産のように生き返った「ただの人、神永新二」の姿を見せない「おかえり・・」だけの、エンディング。 安いわあ・・ テレビドラマでさえ、もう少しラストシーンに気を遣うでしょ。 背景無しで、役者の顔だけでラストって、お金かからなくてお手軽よね・・ 口が閉まりません。 結果、新鮮味があったのは、エンドロールの米津玄師の楽曲だけでした。 ここでも漆黒に白文字だけで 何の工夫もない数分間。 余韻も皆無なので、退場始まるまでが長いこと長いこと・・ 昭和世代に高評価と聞きましたが、ソレホントに多数派ですか? 信じがたいです。 とにかく無理でした。 【グルコサミンS】さん [映画館(邦画)] 3点(2022-06-26 23:21:36)(良:1票) 64.序盤の怪獣が暴れるシーンは迫力満点だし、中盤のメフィラスのセリフ回しはメチャ面白い。 しかしその分、肝心のクライマックスシーンは退屈すぎる。はっきり言って眠かった。 全体として、ウルトラマンのパロディみたいだと思った。 自分は、ウルトラセブンの初回放送から見ている世代だけど、当時、テレビに向かって「がんばれっ!セブン!」って叫んじゃった記憶がある。 そろそろ会社も定年、みたいな世代になって、そんなスクリーンに釘付けされるような出来を期待してはいけないのかもしれない。 でも、庵野や樋口ならできるんじゃないかと期待しちゃうんだよね。 だからこそ、映画館まで行ったんだし。 【まかだ】さん [映画館(邦画)] 6点(2022-06-10 07:50:59)(良:1票) 63.《ネタバレ》 ★素直に面白かった。庵野さんがオタク全開で好き放題やってるな、という感じがそこかしこに伝わってきた。 ★シン・ゴジラみたいに社会性の強く出た作品ではもともとないので~製作者の意図はともかく、要するに子供たちをターゲットとしたヒーローものだし~それをできるだけ大人の鑑賞にも耐えるもの(子供だまし、ご都合主義でない)にするための演出には凝りまくってたと思います。 ★ウルトラマンが音速を突破する描写、スペシウム光線のプラズマ効果、ハイテンポなバトル、ゴジラほどではないが政治と軍事ネタ、自衛隊と禍特対の対応シーケンス、と思ったらザラブ星人やメフィラス星人と日本政府のハチャメチャにイージーなコミュニケーション等々、宇宙人や怪獣がホントにいたらどうなるかなということを、シリアス(リアル)とおふざけとを混ぜこぜにして描写している。 ★多分、㈱カラーの前身であるガイナックスの「トップをねらえ!」や「新世紀エヴァンゲリオン(初期の)」とかを楽しめる人ならこのウルトラマンも楽しめるんじゃないかと思う。 ★ドラマはイマイチですよね、確かに。ラストバトルも緊迫させるだけさせといて、人類の結束と叡智でラスボス倒すかと思いきや、結局ウルトラマンの「犠牲」に頼る解決。しかも息切れしてしまったかのように安っぽいCGオンリーのビジュアルになっちゃうし。 ★あとまあ巨大化ネタとか匂い嗅ぐネタとか(犬か(笑))とか物議を醸しそうなトコもあったし ★でもこういうオタクな作品がほんとに世に受け入れられる時代になったのなら、喜ばしいことです。エロでもグロでもおふざけでも下品でもなんでもいい。感動しなきゃ!とかテーマやメッセージがなきゃ!ポリコレが!とかジェンダーが!とかとにかく正しくて高尚なのが正義みたいなのうんざりで。久しぶりに万人に受けなくてもいいやみたいな映画が見れて満足です。 ★追:「そんなに地球人が好きになったのか」って単に命を懸けて地球を守ろうとした行為、でなく、その前に「地球を滅ぼそうとする上司に逆らって」ってのがあったんですね。ちょっと手塚治虫のW3を思い出した。追2:ラストのCG、安っぽいって言っちゃったけど、最近は「見えないはずのブラックホールの映像が~」とか科学情報は日進月歩な感じだし、門外漢にはわからんオタクな知見をやっぱり披露してくれた映像なんでしょうかね。誰か詳しい人教えて? 【wagasi】さん [映画館(邦画)] 8点(2022-06-02 22:01:27)(良:1票) 62.《ネタバレ》 タイトルの「シン・ゴジラ」は不要だと思うんですよ、最後にサプライズでゴジラと闘うのかと思っちゃったし。 私、ウルトラマンは子供の時好きだったけど、まぁ覚えてないし、なので長澤まさみが巨大化した元ネタも分からず、女の人が巨大化する昔のアメリカ映画を思い出しました。 ウルトラマンの最大のテーマである「なぜ地球人のために同じ宇宙人と闘うのか?」が上手く表現できていたと思ったんだけど、それって自分の中のウルトラマンの知識があるからであって、よく考えると長澤まさみとのバディもイマイチ噛み合ってなかったし、禍特隊との仲間意識もあってないようなもんだったし、映画一本の時間でそれは難しかったのかな。 どうも「シン・ゴジラ」の既視感が最後まで抜けきらないまま終わってしまった感じ、そういう意味で最初のタイトルは正解なのか?難解な言葉を使い過ぎで、正直途中から物語が頭に入りにくかったし、もっといろいろな怪獣や宇宙人を見たかったな。 米津君の歌は良かった、ファンでもないけど素直に「良い歌だなぁ」と思ったよ。 【ノン】さん [映画館(邦画)] 5点(2022-05-29 16:21:06)(良:1票) 61.《ネタバレ》 本作を観たのは上映初日の夜だった。上映終了後は作品を十分に楽しめた気持ちこそあったものの、心震えるほどの昂揚はなく、どこか冷めた感覚も残った。 帰宅する道中から帰宅後しばらくの間、どのように本作を捉えればいいのかと考え、まずはこれまで庵野秀明監督がかかわった『シン~』シリーズと比較してみようと思った。その観点から把捉した本作は「『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』のような感慨はなく、また、『シン・ゴジラ』のような社会性も感じられない作品」となった。 『シン・エヴァ』からは庵野監督が25年の歳月をかけて一つの作品を終了させた(終了させることができた)ことへの感慨とそこからの感動が僕の心を充たしてくれたし、作品のバックボーンから垣間見える監督の「旧劇場版」以後の人生観が作品に深味と説得力を与えていたと思う。 東日本大震災の原発事故によって人ごとでなくなった放射性物質の恐ろしさがアレゴリーとして込められた『シン・ゴジラ』からは、娯楽作品として楽しむだけにとどまらない、映画としての意義や存在感が強く感じられる。 ところが本作からは上記二作品のような、作品を貫く骨子のようなものが感じられず、作品へのキーワードがすぐに見つけられなかったのだった。 やがて日にちが経つと、ネット記事やツイッターにネタバレを含む文章が徐々にあがり始め、その中には強く実感できるものや本作の本質を鋭く突いたものも現れるようになった。そして上映開始日から二週間経つと、48時間限定ではあるものの公式HPが映画冒頭の1分17秒――本作の前史として『ウルトラQ』禍威獣を簡潔かつインパクトを持たせて登場させたパート――を公開するに至っている。これまではっきりと表せなかった自分自身の初見での印象や感想が、こういった情報によって変容してしまうことへの恐ろしさがついに閾値に達したのだった(たぶん今ではすでに若干の変容はあるだろう)。自分の中で一度本作を総括しておきたい気分が高まったのだった。 あれこれ考えた末に絞り出した、本作に対する僕のキーワードは、ちょっと変かもしれないが「リスペクトで作られたオマージュ」だ。言葉遊びっぽくなってしまっていることは承知しているが、本作にはこのような言い方が一番しっくりくると思っている(語呂は悪いけれど)。 このキーワードから賞翫した本作はほぼ完璧と言っていい。1966年の『ウルトラマン』(以下、『旧作』)の名シーンが現代の映像技術によって、時にスマートに洗練された状態で、時にさらなる迫力を持って、時には精緻に再現される。マニアにしか分からない細かいシーンもきちんと再現されている。ちなみに、僕が特に感心した再現シーンは、にせウルトラマンの頭部をチョップしたウルトラマンが、そのマスクが硬かったために思わず腕を振って痛みを紛らわそうとしたところだ。『旧作』において人が演じたことで起こったNGギリギリのシーンを、CGで作られた本作がわざわざ再現しているのだ。 舞台となっている現代の政治システムや社会情勢の下で出現する禍威獣や外星人によって生ずる災いやリスクの多くは、今の人類の力では到底解決できない。その事態を何とかしてくれるものの登場を望む気持ちが劇中においても、また鑑賞する我々観客の心にも極めて自然に醸成されていく。彼の登場シークエンスそのものは、物語面から見ればお約束に沿ってしまっているように思えるものの(それなりの立場にある主人公の神永がどうして自ら子供を助けに行ったのか、また、その後も勤務中に彼がいなくなることを禍特対のメンバーがなぜあまり気にしないのか、こういったお約束感こそが本作へのどこか冷めた感覚の大きな要素だとここまで書いてきてようやく気付いた)、そこに現れるべくして現れた彼はまさに救世主であり、どうにもならない災厄を人類の代理人として解決してくれるウルトラマンの必要性や本質、そして特性が見事に表現されていると思う。 さらに言えば、ガボラ、ザラブ、メフィラス、ゼットンと、物語が進むにつれて登場する禍威獣・外星人の脅威度はどんどん上がっていく。人類滅亡のリスクが増大していくために、劇中におけるウルトラマンの必要性もますます強くなるのだ。構成の妙だろう。 最後に印象に残る登場人物を少々挙げてみたい。メフィラスのふてぶてしさと頻出する台詞「私の好きな言葉です」「私の苦手な言葉です」(昔からシンプルなことわざを自作に好んで用いる庵野監督らしさが感じられる)。それから、ネットで否定的に語られることも少なくなかった、スタッフのフェティシズムが爆発した、タイトスカート姿で巨大化した浅見の姿や、神永が彼女の匂いを嗅ぐシーン。邪な心が刺激され、個人的にはとても好きだ。 【はあ】さん [映画館(邦画)] 8点(2022-05-29 13:37:14)(良:1票) 60.《ネタバレ》 オープニング、ウルトラQからの「禍威獣」が登場し、「禍特対」が組織されるいきさつを表現。 その後、子供を助けようとした神永隊員に、宇宙から飛来したウルトラマンが衝突、 神永隊員は死んでしまい、ウルトラマンと合体、そしてザラブ星人との戦い。ザラブ星人はウルトラマンを陥れようとしますが、失敗。戦闘シーンはカット割りがオリジナルとほぼ同じなので個人的にはここが一番盛り上がりました。中盤のザラブ星人との戦い辺り迄はオリジナルに寄せた展開です。 その後、メフィラス星人、ゼットンと続きます。メフィラス星人は、俳優の山本耕史さんが良い味を出しています。ゾーフィとゼットンの関係につ いては、オリジナルとは全く違いますが、そう来たか!って感じ。人類の英知を結集してゼットンに勝利しますが、ウルトラマンは・・ いたる所に、ウルトラマンに限らず過去の特撮作品へのオマージュが溢れており、ニヤリとしますが、映画としては、脚本を担当した庵野さん、監督の樋口さんたちなりにウルトラマンのテーマを咀嚼して、表現した作品だなぁ、と思いました。良かったと思います。 【ahiru3】さん [映画館(邦画)] 7点(2022-05-28 16:17:30)(良:1票) 59.《ネタバレ》 子供の頃は大好きでした。よく見てたのは再放送の6兄弟+レオぐらいまでです。リアルタイムで「ウルトラマン80」アニメ「ザ・ウルトラマン」も観たけどほぼ記憶なし。作品はもちろんだけど、どちらかというと怪獣消しゴム(ガチャ)は好きでしたね。 「シン」の冠には気持ち悪さを感じながらもゴジラで払拭されたので本作は期待値があがってました。 うーん微妙、面白いしつまらないわけじゃないし、あれが駄目とかもないのですが、何かが物足りない。 過去を美化しすぎなのかな?ただ何が足りないのかが答えが出てきませんので、皆さんのレビューで「あーそれそれ」ってのを補完できたらいいなと思います。 映像に関して、日本だとそこそこ「味」として感じれると思うけど、それほどマニアじゃない主に海外の方には、ただの予算不足のショボいCGや特撮に見えちゃうのかもしれません。 中国嫁は途中でダレて落ちてました。。。 嫁は知ってるだけのレベルだけどウルトラマン自体は中国でも人気です。 ちなみに「奥特曼」と書くようで発音してもらったけど認識できませんでした。 【追記】映画を観たのでネット調査を解禁w あれ~なんでだ?とか思ったところもオマージュだったり、なんとか図鑑ネタだったり整合はとれているようですね。 ゴジラの時も書いたんだけど、一般常識とも言えるウルトラマンが存在しない(誰も知らない)世界てのにやっぱ違和感あるよね。 【ないとれいん】さん [映画館(邦画)] 6点(2022-05-23 13:10:47)(良:1票) 58.《ネタバレ》 私は昭和シリーズには間に合わず平成シリーズの頃には卒業していたので、これがウルトラマン映画初鑑賞です。 夕方の再放送をかぶり付きで見ていた私には、子供時代の神格化されたアイコンを前に面白いという感想しか出てきません。 最後の肩透かし気味のラストもこれが今風なのかな、と納得しています。 できれば子供の時に大スクリーンで観てみたかったのですが、きっとお母さんを質問攻めにして困らせていたでしょう。 【4吉】さん [映画館(邦画)] 9点(2022-05-22 20:52:23)(良:1票) 57.《ネタバレ》 幼少の頃、ワクワクして憧れて観ていたウルトラマン。 正義の味方が怪獣を倒し地球を守る。 そこに理由なんてものは考えなかったなぁ。 今作は、ハリウッド的に例えるならウルトラマン・ビギニング。 子供から大人に、或いは視聴者から製作する側になった視点から、同様に育った世代に向けて、 そして、昔の作品にオマージュを込めて庵野さんが描きたかった物語を書いたように思えます。 机上の論理でデスク業務が中心となる流れは、現代の日本政治の揶揄でしょうか。 国益重視も大事ですが、抜本的な問題を見抜き解決の糸口を見つけなければ過去の過ちを繰り返すだけ、 今のウクライナ情勢とシンクロする部分もありますね。 今時の平成、令和ウルトラマンで育った世代にはこのウルトラマンがどう写ったのか興味深い点も ありますが、まぁ無粋な話は抜きに私は純粋に楽しめました。 【シネマブルク】さん [映画館(邦画)] 8点(2022-05-22 20:30:14)(良:1票) 56.《ネタバレ》 正直、一般向けの「映画」として観るか、ファン向けの「ウルトラマン映画」として観るかで評価の分かれる作品だと思う。 マニアというほどではないが、かつては確かにウルトラマン好き少年だった自分としては、現代向け、大人向けにアップデート(アップグレード)されたウルトラマン映画として、”ほぼ”文句なしに楽しめた。 かつてのテレビ用特撮ドラマ感を残しつつ、映像的に洗練された怪獣バトル。シン・ゴジラにも通じるリアル指向のストーリー。 ことに、メフィラス星人を軸にして、個々の怪獣(禍威獣)や異星人(外星人)にまつわる事件を、外星人にとっての人類の”存在意義”と絡めて一本のストーリーラインにまとめあげた脚本には、「やっぱり庵野さんってすごいな」と唸ってしまった。 特に最後の敵ゼットンの扱い方に関しては、ある程度ウルトラマンに通じている観客は「そう来たか!」と意表をつかれた(し、それ以上の特撮マニアは苦笑しつつ膝を打った)事だろう。 ただ脚本に関しては、ファンならばなんとなく脳内で補完してしまうような、そしてあまりウルトラマンを知らない観客にしてみれば 理解できないまでも物足り無さを感じるんじゃないか、と思ってしまうような不備がちょくちょくある事も否めない。 (たとえばメフィラス星人との決着などは、ウルトラマンファンがその狡猾さと紳士的振る舞いが両立する行動を「メフィラスらしいなw」と思う一方で、あまりよく知らない観客は「え、ここまでやったのにそんなあっさり退散しちゃうの?」と戸惑うんじゃないだろうか) そして映画として最も物足りなかったのは、やはりクライマックスである。 絶対敵わない相手に立ち向かうヒーロー、ヒロインとの涙の別れ、敗北からの一縷の希望、人間の叡智の結集、そして勝利。上がる要素てんこ盛りのはずである。 なのに、あがらない…! 上映時間の制約や物語の構造上、個々の人間ドラマの掘り下げが難しく登場人物に感情移入しづらい(特に主人公は半分人間じゃないし…)など、原因は色々あるだろうが、やはり個人的には「人類絶滅の危機!」という絶望感が決定的に足りなかったんじゃないか、という気がしてならない。 「もう絶対勝ち目はないから人々にはあえて知らせず、平和な日々の中で皆で死のう」という対応策はある意味”リアル”ではあるだろう。だがそのせいで、最高のクライマックスが、ウルトラマンとごく一部の狭い人たち(その姿さえ画面では描かれない!)による「人知れぬ闘い」になってしまった。 やはりウルトラマンが全人類の希望を背負って戦い、たとえ一度は敗れたとしてもその意志を継いだ者たちと共に再び立ち上がり、そして最後には勝利を収めて全人類に讃えられ報われる姿を見たかった、というのは僕の的外れな望みだろうか… ただ、もちろんクライマックスはクライマックスとしてちゃんと機能していたし、幾分かの不満はあるものの、トータルすればこの作品にはそれをはるかに凌駕するワクワク感と興奮があった。 今はそれだけでいい。本当に時間が経つのを忘れて楽しんだ二時間だった。 ありがとう庵野さん、ありがとうすべてのスタッフ。 そして、そんなに人間が好きになってくれてありがとう、ウルトラマン!! 【大鉄人28号】さん [映画館(邦画)] 8点(2022-05-19 16:57:31)(良:1票)
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