みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
33.《ネタバレ》 夭折の天才といわれた山中貞雄監督の現存する三つの作品の中のひとつで、原作が歌舞伎の「髪結新三」。 長屋での人間模様に当時の風情が生き生きと感じられる。 長屋の浪人の自殺、海野夫婦の無理心中、新三の殺害場面などは直接映像にはせず、間接的に余韻の残る描き方が印象的。 新三と海野というメインの二人が死ぬ悲劇的結末だが、悲惨なだけではない独特のペーソスが漂う。 渋みとわびさびを感じる、いかにも日本映画らしい作品。 でも、好みとしては「丹下左膳餘話 百萬両の壺」のほうが明るくていい。 古い映画なので、セリフが聞き取りづらいところのあるのが残念。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-05-23 00:21:05) 32.宴会のシーンがよかった。 【ホットチョコレート】さん [地上波(邦画)] 6点(2012-02-03 14:24:57) 31.天才とまでいわれている若き映画人、山中貞雄氏の演出作品をやっと拝見する事ができました。凄いの一言!! 残りわずかに現存すると言われている作品全部なんとしても生きているうちには必ず観ておきたいと思いました。 【白い男】さん [地上波(邦画)] 9点(2012-02-02 23:52:54) 30.初めて観た戦前の日本映画ながら、全然古臭さを感じさせず、最後まで見飽きなかった。髪結新三の惚れ惚れするような機転と度胸、その逆に不器用で気弱な浪人又十郎、その周りの貧乏ながら精一杯不敵に生きている長屋の連中。悲劇なのは確かだが、観終って清々しさを感じさせられた。若い加東大介も確かな演技で魅力的。 【Q兵衛】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-11-14 16:18:01) 29.長屋風雲録といった内容の作品。完全な人情劇かと思ったら、 その長屋の一角に住む、落ちぶれた武士の悲哀さがしっかりと描かれていて、結構面白かった。 その主人公演じる中村翫右衛門は歌舞伎役者らしく、しゃべり方や佇まいが凛としていて、 そのくせ妙に腰が低いというキャラが絶妙。長屋の住人たちの様子に笑わされ、 主人公でこの世の侘しさを表現と、なかなかバランスの取れた作りだったかと思う。 欲を言えば、主人公の奥さん、武士の妻という側からの描写ももうちょっと欲しかったかな。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-10-08 07:57:39) 28.人情紙風船、いや、人生紙風船。無常。作品自体は時代劇で長屋モノなんだけど・・・中身は何と、これはまさしく“現在”ではないか! 永遠にうち続く無常。永遠の現在。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2011-05-28 17:09:22) 27.《ネタバレ》 長屋での首つりに始まり心中で終わる「人情紙風船」、昔ビデオで見たときはさほど良さが感じられなかったが、改めてDVDで見ると、これほどまでの名作であったのかと痛烈に感じられずにいられなかった。 この映画は天才と呼ばれた山中貞雄監督の遺作として名高い。わずか28歳にしてこれだけの作品を撮り、封切りを見ることなく戦地に赴き病死したという。映画には一分の隙や無駄がなく(映画の途中は音楽すらない)、90分足らずの映像ですべてを見せてくれる。 その最たるものがラストシーン、水に落ちた紙風船がただ流れて行くだけ・・・、それだけで十分である。映画に元々説明は不要なのだ。 【ESPERANZA】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2011-04-15 10:52:03) 26.河内山宗俊と共通して、奥行き感を出す構図が良い。背景となった時代を知るわけではないが、長屋風情など至極良く出来ていると思う。ラストシーンの紙風船に心を打たれる。 【円軌道の幅】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-03-27 09:25:15) 25.古いこと自体は気にしないけど、所々聞き取れない部分があったのは困ったな~。でもDVDには日本語字幕も付いているようなのでご安心を。物語に関していえば理解に苦しむ点もあったが、印象に残る秀作ではあると思う。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-02-27 00:23:57) 24.《ネタバレ》 長屋の様子や町の風景、特に建物などは江戸時代の風情が出ているような感じがして(実際にどうだったのか、もちろん知るよしもないが)、丁寧に作られているという印象。人物描写も個性が出ていてよいです。お駒・忠七カップルがどうからむのかと思っていたら、なかなか面白く使いました。このあたりとか、毛利宛の文の使い方は、あいかわらずうまいです。とはいえ、口角泡を飛ばして絶賛するほどの出来とも思えません。まあ、普通にいい映画という程度のものでしょうか。 それにしても、山中・三村コンビというのは、威張っている奴、権力を笠に着た奴がとことん嫌いだったんでしょうなぁ。もしも戦後まで活躍していたら、松本清張を原作に映画を撮っていたかもしれません。そういえばこの2人は、同い年でしたね。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-12-20 20:16:50) 23.淡々とした運びだけれど、終始、無駄のない描写で、密度が濃いです。浪人の自殺という出来事ながら、ほのぼの長屋の情景で幕開けだったけれど、かなりのシビアなラストにちょっと胸が詰まる・・・。長屋の人々の何気ない日々の生活が生き生きと描かれ、本当の江戸長屋を見ている気分。個人的に新三タイプの男は好きだなぁ。群れずに、強きに屈しないところが。一方の又十郎、妻には冷ややかに見られ、元上司には蔑まれ、新三の対極にあるような哀しい男。こんな人生の哀切なんぞ紙風船のごとくなすがままに漂うのみ、市井の人々の生活は淡々と繰り返される、って感じですかね。なんとも渋い映画です。 【すねこすり】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-12-15 14:57:11) 22.《ネタバレ》 又十郎と毛利のやりとりの方は、ごくありきたりなやりとりを地道に積み重ねることで人間関係の描写を膨らませるという難易度の高いレベルに達しているが、新三の側の描写が雑然としていて今ひとつだと思う。ラストのあっさりした締め方が逆にもたらす「容赦なさ」に+1点。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-11-16 23:24:22) 21.《ネタバレ》 僕たちは、映画史を学ぶために映画を見ているのではなく、想像力を刺激してもらったり、楽しんだりするために映画を見る。だから、映画史的に画期的な作品であっても、つまらないと思える作品は少なくない。・・・・・こうしたアングルは画期的だったとか、史上初のカラー映画だったとか、言われても、現代では珍しくないことならば、映画の面白さを増してはくれない。・・・・・そういう意味では、この映画は、すぐに面白い、と思える作品ではない。僕も、BSから録画して、見終えるのに3日かかった。・・・・とはいえ、次のように考えると、味わいの深い映画だ。 ・・・・テーマは、必然である死を前にしての二つの生き方の対比。昭和10年代だ。男は、30歳まで生きられる見通しは明るくない。誰もが戦争での死を覚悟していた。冒頭の長屋での縊死は、そうした必然としての死をはっきりと示している。・・・・そうした中、新三は、あくまで権威に抵抗し、人々と楽しく、自分の人生を潔く謳歌しようとする。海野は、権威におもねることで活路を見いだそうと、無駄な努力をしている。二人とも、必ず死ぬことになるのだが、どっちの人生を選ぶのか。・・・・個人的には、ラストの紙風船の映像については、まあ、あってもいいけど、「そんなに斜に構えて、無情を力説しなくてもいいじゃん」と思った。 【王の七つの森】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-11-15 12:27:49) 20.《ネタバレ》 髪結新三は、お駒誘拐を決行した時点で、最期を覚悟していたのだろう。又十郎よりむしろ魅力的。終始暗い眼をしていた女房おたきは、又十郎の善良さが許せなかったのだと思う。気の弱い又十郎が、自分のためにつく「うそ」が澱のようにおたきに溜まり、最後の「隠し通せないうそ」で感情を決壊させたのだろう。 【なたね】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-11-13 00:02:39) 19.色んなレビューサイトでの評判を聞き、ようやくDVDを見つけました。1937年の映画ですが、現代でも通用する映像技術、演技、そして切なくも悲しいストーリー。これを名画と言わずして何と言おう。近年の歴史映画には類を見ない、実に素晴らしい作品だと思います。ラストなんてもう鳥肌が。映画には時代なんて関係ないもんだな、と再認識いたしました。全ての映画ファン必見でございます。 【Fukky】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-09-22 21:01:13) 18.《ネタバレ》 邦画史上最高の遺作。ただこの映画を「遺作」とするのは忍びがたい。竹中労氏の名書「鞍馬天狗のおじさんは」でアラカン(嵐寬寿郎)が語る青年山中貞雄は天才でも何でもない、ただ愛すべき「映画馬鹿」であった。風采はあがらない、生活観念も少し乏しいが映画を撮る事にかけては物凄い才覚をもっていた彼。アラカンの独立プロを経て大手映画会社に移り、これからという時に忍び寄る戦争の影。そんな世相の中で撮られたこの作品は、お通夜の席であっても「笑わなければやってられない」寂しさが画面から溢れてきてやりきれない。そしてラストの紙風船。ここまで強い寂寥感を持つシーンを以降私は観たことが無い。 出征前の送別会で山中は前後不覚になるほど酔いつぶれ、座敷の階段を転げ落ち「自分は不器用だから戦場に行っても死ぬだけやわ」と号泣し、戦場へ向かって行った。そしてその一年後中国大陸で戦病死する。遺書「最後に、先輩友人諸氏に一言。よい映画をこさえて下さい。以上」 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 10点(2009-07-12 02:49:14) 17.又十郎の表情が良かったです。 【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-12-03 20:44:12) 16.《ネタバレ》 雨の数秒1カットの幕開け、金魚売を挟んだ新三と大家のかけ合いの妙、そして人物紹介と長屋で暮らす人々の生活感を瞬く間に描ききった“お通夜の宴”の奇跡のような導入部。長屋に住む人々の暮らしの鮮やかな描写、その味わい。ひとの感情と所作を巧みな構図で丁寧に描き、その顛末を悉くバッサリと割愛することで、これ程までに映画は奥行を増すものなのか。その手法にどっぷりと浸り、酔いしれる。髪結の新三はもとより、海野又十郎も大家さんも、皆が僕の中でずっと生き続けるに違いない。こんな映画は他にない。 【よし坊】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-11-02 11:49:33) 15.全編通して全く古さを感じさせない重厚なドラマですが、圧巻はやはりラスト5分。タイトルや冒頭の通夜のばか騒ぎなどからもっとお気楽で心温まる物語を想像していたのに、まさかあんな結末を迎えるとは…。昨今のヘタな自称どんでん返し映画などより遥かに勢いよくひっくり返される衝撃の結末にはただただ悶絶。 【とかげ12号】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-08-20 20:53:06) 14.《ネタバレ》 人情、この作品の持つ表現力は、現在の技術をもってして不可能。この映画にやっと辿り着いた。 【monteprince】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-02-15 23:05:03)
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