みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
10.《ネタバレ》 おもしろい。さすが、川島監督+新藤兼人の脚本。団地の中だけで語られるおかしな家族の生態。悪夢の中の人たちかも。特に伊藤雄之助と山岡久乃は不気味だ。ミヤコ蝶々は出番は少ないが、さすがの存在感で嬉しくなる。凄いローアングルだったり、天井が無くなったり、階段が長ーくなったり、実験的な撮影も凄い。ラストシーンの山岡が伊藤を見る表情が良い。それにしても、この女会計士だったら、全ての男は逃れられないと思う。もちろん私も。 【ブタノケ2】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-02-14 19:36:30) 9.《ネタバレ》 人間の欲深い醜悪な部分を、あるトンデモ家族を通して描いたブラックコメディの傑作です。 とにかく、登場人物が皆しょうも無い悪党ばかりで、もう滑稽すぎて笑うしかないです。 その中でも、伊藤雄之助と山岡久乃夫婦のすっとぼけたやり取りが最高にシュールで素晴らし過ぎます。 ラストも破滅を直接的に見せることなく、表情や雨に濡れるカバン等で表現していて巧さを感じましたね。 まあ昨今の「昭和ブーム」に乗って「三丁目の夕日」なんぞ観ながら、「ああ、あの時代は皆貧しかったけれども希望があったんだな!あの美しい夕日はその象徴だ!」なんてノスタルジーに浸ってしまった方に是非、この作品に出てくる夕日の破滅的な美しさを観てもらいたいですね。(誤解の無いように言うと、私は三丁目の夕日は2作とも金払って映画館で観ましたし、好きな作品です。) 【TM】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-02-18 19:26:36) 8.《ネタバレ》 貧しさから這い上がるために人はかくもしとやかな獣になれるものだろうか?人間の業が折り重なって、観ているうちに罪の意識が麻痺してしまいそうになる巧みな脚本です。伊藤雄之助と山岡久乃の飄々とした芝居と小沢昭一の怪演、達者なミヤコ蝶々に若尾文子の堂々たるビッチっぷり。それらが上手く溶け合って、愛すべき一家と小悪党達の化かし合いといった雰囲気で一気に見入ってしまいます。しかしながら唯一の普通人?船越英二の悲劇で一気に現実へ引き戻されます。この映画を単なるブラックユーモアで済ませたくなかったのでしょう。川島雄三が懐に忍ばせた刃を感じました。 【ParaP】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-09-17 23:36:31) 7.川島雄三にだいぶ親しみを感じつつある今日この頃。 つい最近まで川島雄三という重要な監督を知らなかったことが不思議な程だ。 本作は『幕末太陽傳』や『洲崎パラダイス 赤信号』や『雁の寺』などの作品と並ぶ川島監督の代表作の一つである。 主演は若尾文子であるが、溝口健二監督の『祗園囃子』で一躍脚光を浴び、その後増村保造監督のもとで活躍をしたことが知られている。 しかし、本作の監督である川島雄三監督の作品にも多数出演していることを忘れてはならない。 川島作品における彼女は、極めて悪女的な振る舞いをする。 そして知的でもあり魅惑的でもある。 本作における彼女も、それに違わず強烈な悪女っぷりを披露していた。 そしてこれは川島作品に共通することだが、脇役陣の個性の強さが際立っている。 伊藤雄之助演ずる一家の父親は、浜田ゆう子演ずる実の娘を女衒ばりに扱う強烈なキャラクター。 そしてそれを見守る山岡久乃演ずる妻は、一見すると慎ましやかなのだが、金のためなら何でもする傍若無人な夫をことごとくフォローし、どんなことにも冷静に対応する悪辣ぶり。 父親、母親、息子に娘と、どれもが常軌を逸している。 そしてそこに絡んでくる息子の元恋人役が若尾文子なのであるが、この奇天烈な家族4人を向こうに回しても、一歩も引けをとらないその悪女ぶりが凄すぎる。 浜田ゆう子のちょっとしたお色気シーン、伊藤雄之助の娘を金銭で売る悪辣ぶり、山岡久乃の怖いくらいの冷徹な振る舞い、息子の過激な言動と暴れっぷり、そして若尾文子のハマり過ぎて怖い程の悪女ぶりと、個性豊かな登場人物たちが、団地の狭い一室を舞台にところ狭しと暴れまわる。 最近DVDが発売されたらしい。 知名度がそれ程高いとは言えない本作が、DVD発売されたのにはそれなりの理由があろう。 おそらくそれは口コミによる評判の高さであるに違いない。 川島雄三が後世に残した、異色密室家庭劇の傑作である。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-08-14 13:49:43) 6.《ネタバレ》 ほとんどのシーンが団地の一室という舞台劇風な作りでありながら、カメラは部屋から部屋へ所狭しとアングルを変え、メインの画では高度成長期の日本の風景が常に窓の外に、画面の奥に映され続けることで映画たらんとしている。会話が多いが全く飽きがこない。それどころか面白さが途切れずに持続する。強烈に赤い夕日を浴びて延々と踊り狂うシーンはインパクトありすぎ!自分たちでは止められない狂った世界の象徴。そして破綻を予告する雨。破綻を知る山岡久乃の視線。一人勝ち逃げを予言していた若尾文子の良心の呵責。それでもやはり勝ち逃げするのだろうその冷静な妖艶ぶり。うーん、たまらん。 【R&A】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-05-11 12:02:22) 5.《ネタバレ》 (2015年8月修正) 若尾文子映画祭でこの映画をスクリーンで鑑賞する事が出来て幸せいっぱい。と同時にもともと8点だったこの映画、+1点加えたい。川島雄三監督初心者には「幕末太陽傳」ではなくこの作品から入った方が良い気がする。(「とんかつ大将」「洲崎パラダイス~」の良さがわかったのは30代から)清貧という意味ではなく、ただ悪行が目立たない様に公団住宅に住み着いている退役軍人一家の破滅を描いたこの作品、初見時には若尾文子(様)や伊藤雄之助の存在感ばかりが目についていたが今回インパクト強かったのは山岡久乃の母親。そしてやっぱりピノサク(小沢昭一)。彼の出番は最初の15分くらいに関わらず、劇場がドッカンドッカン沸いていた事報告しておきます。「監督が喜んでもらうために何でもした」と後年述べていた小沢さん、川島監督か脚本新藤兼人どちらの指示かはわかりませんが、演じていてもうノリノリだったんだろううなぁ...。本当得難い才能でした。 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-04-21 01:18:07) 4.《ネタバレ》 川島雄三監督、凄い!こんなにもぶっとんだ家族はまずはいないだろう!人間の持っている醜い部分をここまで徹底的に描くその凄さに何度観ても感心させられる。人間とはお金がかかるとここまで醜くなるものなのか?芸能プロダクションに勤める息子が会社のお金を騙し取るような詐欺行為をする中で、そんな息子に対し、しかるどころか更にお金を稼がせようとする父と母の何とも言えない金に埋もれる悪人ぶりの凄さとまたそんな家庭に対しやってくる人達の何とも個性溢れる人達、それをたった二つの狭っ苦しい部屋、公共団地のあの部屋を覗き込むようにして人間の醜い部分を笑っているかの如く思える監督の演出ぶりの凄さ、これだけ徹底的に笑わしておいて、最後には氷付くような結末に、そして、まるで歌舞伎の世界を思わせる音楽も効果抜群!それにしてもこれだけのメンバーの中でも若尾文子の悪女ぶりと小沢昭一のピノサクの何とも怪しい人物には完全にやられた。 【青観】さん [DVD(邦画)] 10点(2005-11-04 22:24:56) 3.とにかく小澤昭一の怪演に尽きる。日本映画史上一番奇天烈な登場人物だと思う。 【キャプテン・セントルイス】さん 8点(2004-11-26 23:06:29) 2.「しとやかなけだもの」って呼び方で良かったんですよね、確か。前衛的というか実験的というか、とにかく一筋縄ではいかない川島雄三の傑作の一つ。何だ何だ?って思わせるストーリーと畳掛けるような台詞の応酬、若尾文子の妖しいビッチ(けだもの)ぶりも見物。山岡久乃って この頃からこんな感じだったんですね。 【放浪紳士チャーリー】さん [地上波(邦画)] 10点(2004-04-25 13:30:46) 1.面白れ~!終始団地の一室だけで展開されているのに、全く飽きさせない演出は素晴らしい。画もなんともフォトジェニック。人間って怖いですね~でもあんな生活できたら楽しいかも? 【クロマス】さん 9点(2003-04-15 21:58:27)
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