みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
181.《ネタバレ》 クライマックスの強烈な展開に引きこまれた。途中まで「ただのディストピアSFか…」と思っていた自分が恥ずかしいっす。モンティ・パイソンであれだけへんてこな切り抜きアートを披露していたテリー・ギリアムがただの映画を撮るはずが無かったわけで。それにしても、ラウリーの母親といいその友達といい、ババアがとことん嫌な人物として描かれるのには笑ってしまったなあ。自分の母親の「女」としての側面を嫌悪する感情を抱くことは、母親に対し無意識のうちに母性を求める「子」にとって当然のことと言えますが、それにしても強烈だった。出世を望まない息子と若さのために整形を重ねる母の対比は、タトルのような一般市民とラウリーのようなエリートとの対比に似ていますね。皮肉でしっかりと笑わせるあたり、名監督としか言いようがない。DVDではなくレーザーディスクで鑑賞したのも良い体験でした。SFは低画質で観たほうが楽しめるかもしれませんよ。 【カニばさみ】さん [レーザーディスク(字幕)] 8点(2015-04-03 15:31:41) 180.《ネタバレ》 近未来の世界観がオモシロい作品。パソコンの代わりにタイプライターの文字をレンズシートで覗き、インターネットの代わりにダクトが張り巡る。結果、莫大な時間と紙を消費し、代筆署名や誤情報が横行する出鱈目な世界。テロと対テロと美容整形だけが元気なこの未来は、もう地獄絵図でしかない。SFとして見ると夢も希望もないデストピアがチープに描かれただけって感じだけど、コメディとして見れば発想の自由さが半端なく、これを作り上げたテリーギリアムの頭の中はとんでもないなと思わせる力作。デニーロはちょい役だったけど、さすがの演技。暖房修理のシーンで輝いています。ラストはハッピーエンドと思いきやまさかのバッドエンド。でも主人公は夢の中でハッピーになれたのだから、それはもはやハッピーエンドなのかな? 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 6点(2015-02-19 13:52:29) 179.《ネタバレ》 本作と幼稚園児の描いた絵を比べて、どちらが未来を上手く表現できているかと尋ねられれば、私は間違いなく後者と答えよう。そのくらい、この映画の未来は幼稚。時たま出てくるファンタジーのシーンも、失笑してしまうくらいちゃちである。爆弾テロが発生したにもかかわらず、楽しげにおしゃべりしながら食事をしているシーンでは空いた口が塞がらなかった。いくらテロが横行している世界でも、すぐ近くで爆発が起こればパニくるだろうに。後半に多く見られた、C級アクションにもうんざり・・・ この映画製作に携わったスタッフには是非、メトロポリス(1926年公開)やオズの魔法使 (1939年公開)を観て勉強していただきたいですね。 【スノーモンキー】さん [DVD(字幕)] 1点(2014-12-19 12:43:38) 178.《ネタバレ》 へんてこな人々と、へんな世界観のオンパレード。書類、サイン、書類、サイン、領収書に受領書。形式主義に権威主義。責任回避と無関心。メインテーマの「ブラジル」が奏でる、開放的で陽気な旋律とはおよそ正反対の世界。登場する人々や出来事のひとつひとつが、いちいちシニカルで、爆笑はできずに苦笑い。 物語のすべてが陰鬱でバッドエンドなのに、それほど後味が悪いばかりではないのが、この映画の不可解にして素晴らしいところでしょう。 ちなみに好評価の前提として、僕はモンティパイソンの笑いが大好きだということ。それはかなり重要な要素ですw 【こっちゃん】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2014-12-18 16:21:50) 177.《ネタバレ》 俺は「12モンキーズ」の方が好きだが、この作品は見れば見るほど病み付きになるガムみたいな映画だ。面白いけど(味わい深い)、イマイチ納得がいかない(飲み込めない)。ガムを飲み込む奴は馬鹿だ。 ジョージ・オーウェルの「1984」やフランツ・カフカのパロディのようだが、本人が無自覚か確信犯かはこの際どうでもいい。 特に「モンティ・パイソン」の頃から異彩を放っていたテリー・ギリアムだ。パンチが効きすぎて毒気がハンパないぜ。 政府にマークされたタトルを“偶然”呼んでしまった、夢の中で出会った美女と瓜二つな女性を“偶然”見つけ追いかけてしまった。“追いかけた”時点でサムにとっての“必然”へと変わる。 彼女に無理矢理せまろうとする狂気。 頼んでもいないのに勝手に介入して妄想を膨らませ、自己の正義を押し通そうとするエゴイズムは「タクシー・ドライバー」に通じるものを感じた。 あの話のトラヴィスのように、サムは首を突っ込まずに済んだ話に首を突っ込みまくる。 「タクシー・ドライバー」と違うのは、殺人者が“英雄”とならずに頭の中の“お姫様”を救えずに終わるところだ。 この映画は二つのエンディングが存在するが、それはこの作品を見た人ならすぐに解る事だろう…というワケらしいが、よく解らん。 ただハッキリしているのは、圧倒的な映画世界である。“夢”の中の映像の美しいこと。 「2001年宇宙の旅」も「時計じかけのオレンジ」もその美術で“黙らせ”ようとする感じが気にいらねえ。 中毒性が凄まじいから余計にハラが立つよ。ギリアム、アンタは天才だ。 それと、往年の名作に対するオマージュが面白い。 「戦艦ポチョムキン」のオマージュには吹いた。例のばあさんの場面まで忠実だし。 主人公が夢の中で出会う女性と現実世界でも巡り会う話はノーマン・Z・マクロードの「虹を掴む男」を思いだす。 トム・ストッパードは優しい。世の中、友人とはいえ警告すらせずに殺しにくる奴もいるからな。むしろちょっと優しすぎるくらいだ。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-12-13 19:29:08) 176.SF初心者にもわかりやすいディストピアでした。キテレツな才能が発揮されているようで、 独特のリズムと展開に振り落とされそうになること多数。 ただ、個人的には最後のシーンだけで高得点をあげたい。 あのシーンのためだけに前振りがあるんだ、と思うと、我慢できる程度の出来栄えだと思う。 【よこやまゆうき】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-11-26 16:15:12) 175.《ネタバレ》 ストーリーは主人公が管理社会の中で運命の女を守ろうとするという割と良くあるディストピア映画ですが、鬼才テリー・ギリアムによってかなり変わったテイストになっています。普通のディストピア物ってそのストーリーの都合上、シリアスな雰囲気の映画が多いのですが、この映画は正統派なディストピア物でありながら、兎に角ノー天気。キャラクター達も何となく明るく、深刻な雰囲気は一切ない。サンバのスタンダードナンバー、「ブラジル」のリズムに乗せて悪夢的映像を見せる。そのセンスが凄い。だって水と油ですからね、馴染むわけがない。 例えば、主人公の友人で、情報省に勤めるジャックは、テロリスト(と政府が見なした市民)の尋問で返り血を浴びてもニコニコして娘に接している。こっちとしては困惑してついつい笑ってしまう。 さて、ラストの解釈についても書いておこうと思います。誰もが最初はアン・ハッピーエンドと思うあの救いのない(でもクレジットと共に流れるサンバは矢張り明るい)ラストですが、ある意味どれだけ管理社会が理不尽な暴力を振るおうとも、人間の想像にだけは入り込むことが出来ないとも取れます。いつの時代にも何らかの理由をこじつけて芸術の表現に規制をかける社会は存在しますが、それでも人のイマジネーションは無限であり不可侵だ!という謂わば妄想賛歌ではないかと思います。だから個人的にはアン・ハッピーエンドでもありハッピーエンドでもあるかなと。 因みにこの映画の多分元ネタであるジョージ・オーウェルのディストピア小説『一九八四年』はその人間のイマジネーションすらはく奪する一〇一号室という拷問部屋があるので、その分本作より更に凶悪なディストピア物と言えそうです。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-11-20 20:04:20) 174.悪夢のような作品でした。ぼくも眠っている時こんな夢をみてよくうなされます。だから共感度があります。こんなカルトな作品を作るのは鬼才テリーギリアムらしいし、これが許されるもの時代だったんでしょう。 【タッチッチ】さん [ブルーレイ(吹替)] 7点(2014-11-14 21:31:37) 173.《ネタバレ》 有名な古典なので、観ました。見応えあり!ブラックジョークが効いてて、深刻な文明批評も軽く観られる。最後まで皮肉たっぷり。こういう風刺モンでハッピーエンドって成立しないのかしら。あの女性のトラックドライバーが可愛くて、何かハッピーエンドにさせてあげたかったです。でも主人公に魅力無!もったいない! 【トント】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2014-06-26 02:14:06) 172.《ネタバレ》 社会風刺という感じよりも自分はこの主人公みたいにどうも夢見がちというかそういう人たちを皮肉った作品と受け取りました。まあ最後は彼なりに幸せになるんですが。そういうわけでやっぱり最後はアレじゃないと駄目だと思います。 【ポン太氏】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-02-07 17:45:54) 171.《ネタバレ》 率直な感想は、なんかよくわからんけどスゴイ、かな?(笑)。まるで観ている側を無視した進みっぷりはある意味清い。なんとなーく監督の言いたいことがわかるよーな気はするけど、ハチャメチャすぎて理解が困難ですね。デニーロでてましたね~こんな変な(失礼)映画に出ているとは意外でした。まぁ個人的に「監督暴走映画」(笑)カテゴリーに間違いなく入る作品ですが、嫌いじゃないですねこういうノリは。B級感も丸出しな本作ではありますが、監督さんのイメージしてる頭の中が伺える興味深さがゴザイマシタ 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-09-10 09:58:58) 170.《ネタバレ》 「出世を望まない若者たちが増えている」という。『未来世紀ブラジル』は、主人公が出世を願うかどうかが分岐点になっていて、出世コースに足を踏み入れるや冷たい競争関係など圧倒的に物象化された世界で迷子状態となる。諧謔のセンスが不条理の深刻さに厚みをもたらすのも、カフカ的なテイストだ。 【ひと3】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-04-28 06:34:44) 169.《ネタバレ》 誰が何と言おうとギリアムの最高傑作。で、マイベストムービーの1つ。私には至福の2時間です。これこそが映画の世界。さぁ、みんなで行こう。夢のブラジルへ~。 【ぴのづか】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-04-25 21:41:04) 168.《ネタバレ》 悪夢のような未来社会の描写、意味不明な登場人物、徹底的に救いようのないオチ。もうテリー・ギリアムの魅力全開です。まるでサルバドール・ダリの絵画のなかに迷い込んだかのような強烈な超現実世界。そこでは意味なんか無意味です。二時間強の映画が終わるころには、目くるめく悪夢にうなされたような心地良い疲労感を味わえます。まぁ、「そんな体験味わいたくないわ!」っていう人には理解不能だろうけど(笑)。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-04-21 19:36:09) 167.ストレートな娯楽作ではないが、かといって見た目ほど難解ではない、案外多くの人が楽しめそうな映画。得も言われぬ不安をレトロフューチャー的な映像で見せ、仕上げにシニカルさをトッピングして、ミントのような後味を残してくれる。オシャレな一本。 【肛門亭そよ風】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-12-14 11:30:57) 166.カルトムービーと呼ばれるだけあって不思議な感じ。前半は話が見えてこず、退屈してしまったが、後半はなかなか面白かった。ぶっ飛び具合から考えて、もう少し笑わせてくれると良かったんだけど、オチは怖くて好き。でも、ある意味ハッピーエンドなのかな? 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-05 17:39:52) 165.これはギリアムの中でも賛否別れる作品だと思います。私は好きです。やっぱり彼の摩訶不思議な世界観が大好き。まるで夢でも観ている様な。そんな作品。情報に支配された未来でハエ一匹から始まる近未来ダークファンタジー。 【movie海馬】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-06-24 18:09:08) 164.《ネタバレ》 難解と言われている面もあるようですが、大筋はけっこう単純な話なので、迷子にならず楽しめました。 近未来の情報管理機構の実態が古典的なお役所仕事というのは、皮肉が効いてて面白かったです。 最後の方になるにつれ展開がやや雑になってきた印象を受けましたが、ラストシーンで納得できました。 ハッピーエンドに仕上げてもしょうもない作品だと思いますので、おおむね納得です。 ここまで、こだわった映像を作り上げているのは凄いと思いますし、それでいて何となくB級臭がするのも凄い(大魔神?あたりで・・・^^;)。 ここまで好きに自分の世界観を表現できるなんて、この監督は幸せ者だな・・・と思いました。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-06-08 22:38:40) 163.この作品を「好き!」って言った方が映画通っぽいのかもしれないが、ハッキリ言って疲れただけで、肌に合わなかった。終始ハイテンション、ハイスピードで映画が進んでいくが、緩急が無いためこのテンションに慣れてきてしまい、映画が長く感じてしまった。 ただカルト的要素満載の作品であることは確かなので、ツボにはまる人にはとことんツボなのだろうということも納得できる。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-03-05 14:23:01) 162.テリー・ギリアムの一番いい作品ですから。 ミッシュマッシュな未来社会と黒い翼を駆る哀しき夢想家サム。 コタコタ混沌してますが、ろまんちっくな要素が思い入れしやすく映像がすごい。 今でもジョナサン・プライスが贔屓なのはこの映画のせい。 ~戻るよ、ぼくは想い出のブラジルへ~ 【レイン】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-05-24 00:00:33)
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