みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
8.《ネタバレ》 50年代という自分が知らない日本が描かれているので、それだけでも映像に惹き付けられたが、それだけではない不思議な魅力をもった作品。 大して動きもそれほどない日常や、刑事が汗を拭うシーンが描かれているだけにも関わらず、なぜこれほど惹き付けられるだろうか。 清張の原作、野村の演出、橋本の脚本の見事な融合によって傑作に仕上がっている。 本作を観ると、“人間”というものが上手く描かれていると感じられる。 まず、『人間というものはよく分からない』ということが分かる。 7日間の張込みで人間の本質を理解できないのは当然のことではあるが、一緒に暮らしている夫の銀行員は何年一緒に暮らしても、さだ子を理解できないだろう。 ひょっとするとさだ子自身も自分のことを理解していなかったかもしれない。 自分の奥底に潜むパッションが爆発するということを彼女自身が分かっていたとは思えない。 何年も変わらぬ日常を経験したさだ子だからこそ、3年前のさだ子とは異なる決断ができたのだと思う。 ただし、“時間”というものがその決断を許さなかったようだ。 また、『人間というものは楽観的に解釈する』ということも本作の特徴かもしれない。 人間は、今この時に動かなくても、将来はきっと明るい未来が開けていると都合よく解釈してしまうものだ。 しかし、現実はそれほど甘くはないようだ。 将来を楽観視するのではなくて、行動するのは“今”なのかもしれない。 行動して失敗することもあるだろうが、行動しなくて後悔するよりも行動して後悔する方がマシだ。 急いで電報を打った柚木からそのように感じられた。 たとえ失敗したとしても、またやり直せばよい。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-11-21 22:25:46) 7.シャープなモノクロ映像に、夏の暑苦しさがリアルに伝わってくる描写はなかなかのものだが、いかんせん、大木実と宮口精二という二枚看板が地味すぎる! 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-10-23 23:29:50) 6.主役の刑事に人間的魅力が全く欠けていた清張原作同年製作「点と線」より、大木実演じる刑事自身の苦悩がちゃんと点出されている分、映画としては数段こちらの方が上ですね。自分が敬愛してやまない日本一の名女優、高峰秀子が出演しているのも大きなプラス材料。木下・成瀬映画では常にヒロイン役の彼女が、こういった助演的役どころを演じるのは珍しいかもしれません。ごく普通の白エプロンの主婦を何気なく演じていても、画面に姿を見せるだけで彼女ならではの存在感や品格が作品自体にも厚みを持たせているのは流石。自分の清張原作映画ベストは本作と「疑惑」、ここには登録されてませんが「顔」「天城越え」あたりかなあ・・・。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-10-28 14:18:05) 5.《ネタバレ》 犯人は贖罪という救いがあるが、さだ子には残酷な日常しか残っていない。しかし、その残された繰り返すだけかもしれない日常こそが、得難い値打ちなのですよ。と、考えつつも、やっぱり、さだ子は不憫だな。笑。張り込みの一週間は「ちょっとダレるかも?」と思いきや、物語の時間軸の使い方が巧い。「鬼畜」「砂の器」も、そうですが、野村芳太郎作品は「行ってみたくなるロケ地」が多くて、やっぱ面白い。行ってみてぇよ(蟻がでかい)佐賀県! 【aksweet】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2006-07-28 10:06:42) 4.張り込みという刑事ものの中ではやや地味な印象のある題材なのでちょっと退屈するのではないかと思っていたが、橋本忍のよくねられた脚本と野村芳太郎監督のきれのある演出のおかげで大変見ごたえのある映画に仕上がっていて非常に面白かった。もちろん主役の二人の刑事を演じる大木実と宮口精二はじめ、高峰秀子など俳優たちもいい。それほど多くない出番だが、重要な役で先日亡くなられた田村高廣も出演している。好きな俳優の一人だっただけに亡くなってしまったのが非常に惜しい。心からご冥福を祈りたいと思う。 【イニシャルK】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-06-01 03:43:12) 3.タイトルの出方がほんとに粋でいいですねぇ。刑事たちの下宿先の奥さんが、刑事を不振人物と間違えて怪しみだすというエピソードなど、笑いもあって楽しめました。実は刑事たちも見張られていたという(^^)。後半はなんだか考えさせられました・・・。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-01-05 09:26:10) 2.同じ野村芳太郎監督の「砂の器」の影に隠れがちな作品ではあるが、これもまた見応えのある作品に仕上がっています。まずはこの作品、宮口精二と大木実といった2人の刑事が素晴らしい!そしてまた犯人を追い詰めるまでの展開もなかなか良く出来ていてサスペンス映画としての完成度もなかなかのものです。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-07-12 22:00:59) 1.《ネタバレ》 この映画では松本清張の原作にはないような事をいろいろと盛り込んである。柚木は張り込むうちに横川さだ子に同情に似た気持ちが芽生えてくる。そして自分も迷っている恋人との結婚を勧めていこうとする。張り込みを通しながら石井とさだ子の関係、横川とさだ子の暮らしぶり、柚木刑事の私生活、にも焦点が当てられてゆく。年の離れたケチな夫との窮屈な生活より、心から愛してる男性~それがたとえ殺人犯としても一緒にいたい、、と女なら思うのだろうな。高千穂さんも高峰さんもとても美しいです。博多駅や鳥栖とか出てきて、博多出身の自分が見ると昔はあぁだったのだなぁと感慨深いものがありました。そして最後柚木が犯人に“やりなおすんだよ”みたいな声かけをするがそれは自分に向けて言った言葉でもあるんだろうなと思いました。 【fujico】さん 7点(2004-02-23 11:45:08)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS