みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
8.倦怠期の夫婦、ついに夫が不倫を! というと、暗いイメージを抱いてしまうけど、 小津作品としては異色の設定でも、主人公であるサラリーマン族の悲哀やペーソスを中心に、 あくまで軽快なタッチで描いてます。もちろん主人公の不倫のほうも。 それがどうしても物足りなさを感じてしまう。不倫以外のエピソードは他の作品でも観れるし、 同監督の「風の中の牝鶏」ぐらいはぶつかってくれないと、面白味がない。 もうこの頃の小津作品はカラーも決まっちゃってるし、仕方がないのかなとは思うけど、 不倫のエピソードを入れた意味をあまり感じなかった。というわけで、 小津色は色濃く出ている作品ではあるので、小津ファンなら十分楽しめるかと。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-11-23 06:57:42) 7.《ネタバレ》 小津作品の中では最も長い作品(144分)とか。小津作品では珍しいと思う不倫を扱った作品で夫婦を描いた作品。夫婦ものでは「お茶漬の味」とか「淑女は何を忘れたか」もあったけど、また違った印象。ありがちな妻を迎えにいって仲直りというわけでもなくさりげなく終わらせてる。特に見せ場というシーンもないけど飽きずに楽しめた。終始プンスカしてる淡島千景が良かったなぁ。 【バカ王子】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-05-31 23:32:31) 6.《ネタバレ》 小津監督、またしても味わい深くて、それでいて、どこか懐かしいような風景を描く。私は益々、小津さんの映画にはまる一方です。この作品にしても一度、観ただけで絶対に忘れらないようなショットを幾つも見せてくれている。例えば、みんなで「蛍の光」を歌う場面!その後の橋、川、ボート、池部良と笠智衆、この二人が座っている所なんて良い場面だと思う。また最後の方で転勤先の田舎の風景に映し出される田舎ならではの街並、仕事を終えて、ただいま~と帰ってくるとそこには奥さん(淡島千景)の服にカバンなど荷物がある。そして、極めつけは「こんにちは!」と入る淡島千景の声、部屋から外を眺めると、走り去る機関車!そこで一言、これまた何とも味わい台詞を吐く池部良!なんて粋な演出とでも言うのか?台詞を言わせる。こんなちょっとしたことでも小津監督という監督は今の監督にはない良さというものが見ることが出来て嬉しい!まだ観ていない小津監督の作品が何本もある筈だ!残りの作品も全て観たいと思う。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-03-28 21:15:18) 5.まぶぜたろうさんもご指摘のように、岡山にきた淡島が、池部と再会した時の一言、「こんちわ」は素晴らしいと思う。挨拶の魔力が端的に表現されている。この言葉の魔力が人を近づけたり、遠ざけたりする。よくよく振り返ってみると、「こんちは」は常に小津映画の中にあったのであるが、この作品ほど劇的にハイライトはされている例はないだろう。あと、通勤ラッシュのシーンにびっくり。ホームが人で文字通り溢れている。それと、元兵隊たちのなかの、郷愁にも似た感情。戦争はイヤでも、男同士でつるむ楽しさは現在とあまり変わらないようだ。 【wunderlich】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-09-21 17:15:27) 4.わたしの小津の中でベスト。純粋で、端正で、品があって、キレイな映画。 小津はカラーになったら、ちょっと卑猥で下品な作品をつくるようになりますよね。エロおやじの大学教授とか、うんちの話とか。小津にとって「色がつく」ということは「エロくなる」ということだったように思う。もちろん、それはそれで面白いんだけど。でも、それに対して、小津のモノクロ時代の作品は、みんな清潔だし上品です。この作品は、全作品中でも異色作と言われるけど、次の「東京暮色」ほど特異な感じはしない。そもそも浮気なんて、登場人物が口々に言ってるように、どこにでもある話です。もしも、この作品が特異だとするならば、それは小津作品の中で唯一「春」を描いているということでしょう(じっさいの物語の季節は夏のようですけど)。「秋」とか「遅い春」といったイメージが強い小津映画の中で、この作品だけが、タイトルどおり「春」そのものを瑞々しく描いてる。男の人たちにまじって自由奔放にふるまう岸恵子が可愛くて好きです。かなり開放的で大胆ではあるけど、けっして慎ましさや、爽やかさや、瑞々しさというものが損なわれていない。まあ、これがカラー作品だったら、もうちょっと下品だったのかもしれませんけども。これはモノクロ時代の最後のほうの作品ですし、モノクロの小津作品の端正さがここで完成されてるように思います。長時間の映画ですが、まるで爽やかな短編佳作のようで、長さを感じさせません。 【まいか】さん [映画館(邦画)] 9点(2004-03-19 14:17:28) 3.ドロドロの人間関係をサラッと描いてしまう小津の凄さ。戦争の傷跡を小津が(主テーマではないとはいえ)割と直接的に描くのは珍しいのではないかと思ったのだが、まだまだ小津作品を見足りない証拠なのだろうか。様々な複雑な感情を内に秘めながらも爽やかに蛍の光を合唱するシーンが印象的である。毎度のことであるが、カットバックの妙が冴える。 【nothing-to-lose】さん 8点(2004-03-19 09:09:49) 2.どこにでもありそうそうな単なる日常。丸ビル勤務は今でもステイタス?50年前も今も人の言動って全く変わらないなあという事に驚く。 【東京50km圏道路地図】さん 6点(2004-03-13 02:16:08) 1.サラリーマンの日常から人生の無常さを見事に伝えてくれる作品。戦争で生き残りサラリーマンとして生きる主人公、人生をどこか諦めている雰囲気を持ち流されているような存在。地方へ飛ばされた仲人、脱サラした会社の先輩、若死にする同僚、学のない職人の戦争仲間、自らの転勤、定年を迎える客、唯一の救いのはずの不倫も妻との確執を生む。人生思い通りにいかない事ばかりで憂鬱になりそうである。そんな中で最後までついて来てくれる存在はやはり妻なのか。会社の廊下シーンで初めてカメラが動いた時は感動した、まるでシャイニングで子供が三輪車?で廊下を走っているシーンのようだった。 【亜流派 十五郎】さん 9点(2004-02-10 14:32:57)
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