みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
5.《ネタバレ》 ようやく溝口健二監督作品初鑑賞です。初鑑賞がこの映画でよかったのかは分かりませんが・・・、鑑賞を終えて深い溜息と感慨に包まれています。とにかく立派な映画やなーと感嘆します。オープニング・クレジットから長回しの移動撮影(笑)ですが、その丁寧な文字のセンスから既に格調高い香りがたちこめています。内容はもちろんのこと、素人目にも感じる目も眩むような素晴らしい構図と、完璧に作りこまれた家屋内外のセットにさえ微塵の隙も感じさせません。汽車や駅構内の造りから、風鈴を売る屋台まで、僕には知る由もない当時の情景さえも、たまらなくその時代を偲ばせてしまうのです。そして映画の本筋ですが“芝居の世界には家柄というものが無くてはならない”この事実をお徳は最初からどこか冷静に理解していたから、大阪へと向かった時点でさえ下積みだけを共にする覚悟が出来ていたのでしょう。こう簡単に書いてしまうのも気が滅入るほど壮絶な覚悟ですが、それをお徳が求めたというこの一人の女の生きざまが、痛々しいほどに、しかもさりげなく描ききられているように思える。これは何ということだろうと思う。それにしてもテンポがいい映画とは思えないのに、観ていて時間がアッという間に過ぎていきます。これぞ静かなる躍動感、この出来栄え、この時代、この日本映画の力量に感無量です。 【よし坊】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-07-12 06:31:48) 4.《ネタバレ》 長回し、エンプティショットの素晴らしさがやはり一番の魅力の作品。さまざまな場面において活かされている。特に家を出て行くシーンは素晴らしい。病気で女房が死ぬなんてお涙頂戴かと思ったが、対比でエンディングを迎える演出は見事。そして、時代はすっかり変わってしまったが、どんな状況でも夫想いに尽くしてくれる女房には感動した。ただ、主役の花柳章太郎はどう観ても演技がうまいようには見えず、台詞が棒読みに聞こえる。他の部分が申し分ないだけに、主役の重要性を改めて感じる作品でもあった。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-02-29 22:47:15) 3.《ネタバレ》 映像がとても美しい。アングルやら構図もそうだが、長回しが生き生きとして効いていることが、自分のような素人にもビンビン伝わってくる事が凄いです。健気な女性が男が一人前になるよう支え続けるという古典的な話の内容も、展開もダレることなく楽しめました。ただ、やはり主人公が信頼を回復する舞台シーンは重要とはいえかなり長過ぎに感じます。その道に造詣のある人にはそれも楽しいんでしょうけどね。監督が拘って何度も撮り直したというスイカの切り方は何が一体気に食わなかったのか良く分からなかった。下手すぎてダメなのか、上手すぎてダメなのか。本編を見ると決して上手いとも思えず、これでOKが出たってことは上手すぎてダメだったということなのでしょうか。 【MARK25】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-09-17 17:29:05) 2.池袋の新文芸坐にて鑑賞。 本作は、1939年公開の溝口健二監督作品である。 146分という長尺も合点のいく、まさに力作であった。 特に、全編を通して貫かれている、“1シーン1カット”という撮影方法により生まれる、“長回し”シーンの数々に圧倒される。 長回しといっても、それは実験的な長回しであったり、観客を驚かせる為の遊び的な長回しという感じではない。 監督とカメラワークと演じる俳優とが力を結束し、又、それぞれがプロであるからこそなせるものであった。 全編を通して貫かれる、その一貫した撮影スタイルに、溝口監督の強いこだわりと執念を感じた。 【にじばぶ】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-09-01 21:34:52) 1.《ネタバレ》 流石溝口健二の作品といった感じで満足。こういった身分違いの恋といのは「婦系図」とか溝口作品でも「近松物語」とかあるけどこういうの弱いです…。お徳さんのけなげさも良いし、最後の五代目菊五郎のシーンなんかかなり感動。ラストシーンの対比も圧倒される。セットの大掛かり度といい全然ハリウッドにも負けてない大作。 【バカ王子】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2006-05-02 23:31:49)
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