みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
37.《ネタバレ》 いいのは母親とのやりとりのところ。アハマッド君は間違って友だちのノートを持ってきたことを発見する。返さなければ今度こそ友だちにとって大変なことになる。返しに行きたい。しかし母親は次々に用事を言いつける。ノートを口実に遊びたがっている、と母親が誤解していることを彼自身分かっている。つらい立場だ。落ち着かない。弟は宿題を済ませたから遊べるんだよ、と母親は教訓を垂れる。そのとき彼はイライラするのではなく、キョトンとした表情で静かに困惑するのである。これがいい。イライラするのは、誰かに自分の困惑を見せたいからだ。最終的にドラマをまとめてくれる物分かりのいい大人に見せたいからだ。しかしこの映画ではそういう大人は残酷なくらい排除されている。それらしく登場する老人もけっきょく少年の足かせになってしまうし、先生もただ鈍感なだけ。少年の気持ちを汲み大人の世界に翻訳してくれる救済者はついに登場しない。少年は最後まで世界の中にただ一人で立っている。そういう少年だからこそ、別の場所に一人で立っている友人のことに心を寄せられるのだ。ただ一人で立つ少年は、責任という問題に出会っている。宿題をやることが出来なくなっている友だちを助けられるのは、彼一人しかいないというところが辛いのである。おそらく今まで一度も母親の言いつけに背いたことのない「いい子」だった彼が、ここでそれよりも「責任」を、キョトンと困惑しながら選び取っていく。イスラム社会では強大であろう親や老人たちの言いつけを越えて、友だちの家を探しにポシュテの町へ走っていく。翌朝、間一髪で彼は友人を救うことが出来る(ここらへんの友人の絶望しきった描写が傑作)。彼のしたことは先生や親に褒められることでもなく、ただ友人の心配を消したことである。その充実が彼への最大の褒美だ。そういう彼の昨晩の冒険の証人には、小さな一輪の花がふさわしい。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 9点(2011-11-10 10:02:51)(良:2票) 36.《ネタバレ》 本当にタイトル通り一人の少年が隣村の友達の家を探し続ける様を追いかけ続ける映画。 大人になるとついつい子どもに対しても大人の今の価値観で見つめてしまうもの。先生の厳しさ、会話にならない母との「宿題」「手伝い」、仕事が忙しくて聞く耳を持たないドア職人、孫の躾を語るおじいさん。彼らの中にイスラムの伝統や文化などが含まれていたのでしょうか。 結局友だちのうちはどこ?のままで、宿題もまだ、夕飯にも間に合わずでしたが、帰宅後が良かったですね。落ち込んだままで夕飯も食べず宿題、隙間風どころではない、世間の風の冷たさを感じるドアが持っていかれるほどの強風。でも、最後は厳しさもあるけどお母さんが優しく、家族の温もりが感じられたのが嬉しい。 国や時代を問わずいつも子どもは純粋で元気であって欲しい。村を駆け回る少年の姿は同じくイラン映画、「運動靴と赤い金魚」を思い出しました。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-10-12 19:20:11)(良:1票) 35.《ネタバレ》 なんともしみじみ幸せになります。向こうの国ではオトナは生活に厳しくてコドモのことなんかかまっちゃいないのですね。日本にあふれる「子供の目線に立って理解しましょう」的な育児マニュアルが阿呆らしくなってくる。大人の無理解のなか走る少年が健気でもう。石段が多くて曲がりくねった街並みとかドアを大事にする考え方とか、なじみの薄いイランの風景にも目を奪われた。夜が本当に真っ暗なんだなあ。こっちまで心細くなってくる。ラストシーン、息をつめて見守りました。先生の一言で涙がじわっ。よかった。ノートにはさんだ押し花が粋です。 【tottoko】さん [地上波(字幕)] 9点(2011-09-13 00:18:44)(良:1票) 34.オリーブ畑を抜け、ジグザグの山道を越え、見知らぬ町の迷路の小路や怖い大人にもひるまず少年はゆく、「ネマツァデ君」を探して。 「宿題のノートを届けないと、あの子は退校」小さな胸に自ら使命の火を燈し、次第に降りる夜の帳の中に消え入りそうになりながら。 一輪の花の香りとともに鮮やかな解決をみる「誠意」の価値を控えめに提示した佳作。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-13 23:55:17) 33.同監督が後に書いた「柳と風」と同様これもいかにもイラン映画らしい好きな作品の一つ。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-28 00:19:45) 32.子供には子供の都合があって、聞く耳持たない大人たちからは、わがままだ生意気だと言われて…子供たちも大変ですよね。 【色鉛筆】さん [地上波(字幕)] 6点(2009-12-16 20:17:23) 31.《ネタバレ》 イランの民家や生活が良く分かって、その意味では面白かった。 でも、子供が可哀想で楽しむことは出来ませんでした。 頑張って見続け、ラストシーンでほっとして満足でした。 それまでは、これはなんなんだ!とストレスが溜まり続けましたから。 子供の話に耳を傾けないのは、万国共通なのか? それとも民族的なものなのか? 未だに理解出来ません。 この少年(主人公)が成長した時には、子供の話を聞ける人になって欲しいと思いました。 【たんぽぽ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-07-10 21:32:56) 30.《ネタバレ》 「友だちのうちはどこ?」って、おいおい!友だちなんやろ!友だちなのになんで家も知らないんだよ?だのノートに宿題やらなかったぐらいで退学だなんて、そんなアホな?とか色々、疑問もあるけど、そういう疑問以上に良い映画だと素直に感じることの出来る映画であると観終わった後の気持ちの良さ、爽快感、心地の良さを心から味わうことが出来た。この映画は友だちの大切さと子供の心の純粋な気持ちというものをきちんと描く事に成功している。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2008-09-10 21:35:27) 29.《ネタバレ》 ブラボー!演出がかなり淡白で、表情から台詞の言い回しまで極端な波はないのですが、それでも主人公の少年の焦りや不安、戸惑いや動揺がなんの隔たりもなくストレートに伝わってきます。この作品に描かれている親のウザさは万国共通、教師の理不尽さも万国共通、そして子どもの健気さも万国共通。全てが世界中の人々にわかるように描かれていました。全てにおいて単純だけど、丹念に練られた脚本と演出が少年の想いを100パーセント、1パーセントも汲み取り溢すことなく感じさせてくれました。なんといっても、あの鞄を開けてノートを取り出した時の少年の無表情が最高に良い。自分のせいで友だちが退学になってしまう…そんな迸る不安が彼の表情に落ちてきたかのような顔面蒼白ぶり。そして、あのラストカット!こんなに清々しい爽快感はそうそう味わえるものではありません。ブラボぉー! 【ボビー】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2008-08-21 19:43:39) 28.《ネタバレ》 あんなに一生懸命話をしているのに、・・・ お母さんが聞き耳持たないところで、興味を失いました。 日頃から狼少年だったのかな? それとも、イランでは子供の言うことは・・・ この映画を観ますとイランの方は、一度言っだけでは駄目なんですね。 二度・三度、場合によっては5回6回言わないと、向こうに通じない。 かなり疲れるような・・・・ 【yoshi1900ololol】さん [映画館(字幕)] 2点(2007-05-17 19:09:29) 27.かなりいいです。イラン映画の雰囲気は個人的にも好き。個々人との壁となる扉、障害物となる洗濯物がよく効いてて、風で扉が開くシーンはすばらしかった。 【アンダルシア】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-05-09 22:23:31) 26.ただ友達のノートを誤って持ち帰り、それを渡すために知らない友達の家を探しに行くだけの話なのに、新鮮な印象をずっと自分の中に留めている。華やかな映画ではなく淡々と話が進行するのだが、そのホームビデオのような自然さが逆に観客をひきつける力になっているように思う。 【こまごま】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-12-26 11:34:16) 25.《ネタバレ》 この監督ってどうしてこういう表情を撮れるんでしょうか?大人も子供も表情をほとんどピクリとも変えない。唯一泣きじゃくる子供がいましたがそれ以外は、特に子供は無表情といってもいいぐらい。主人公の男の子の表情なんて「こうこう、こうして」と教えてできるもんじゃないでしょう。「ミツバチのささやき」のアナという女の子の無表情もとても印象的なのですが、その時の印象とは全然違いますね。アナは、普通の子供が背負うことはないグロテスクなものを本人は気づくことなく背負っています。一方、この男の子は私達が小さい頃に持っていたかわいらしい悩みを、それこそ人生の一大事とばかりに背負い込んでいます(笑)話は単純です。というか、普通なら誰もこんな部分から映画へと着想させようとは思わないに違いありません。それが何でここまでの素晴らしい作品になってしまったのかは、未だにわかりません。なんというか、この子が走っているのをカメラが追うだけで、今まで見ていた世界が一変して急に懐かしい気持ちになってくるんです。世界が変わる、と言うよりは昔いた世界に戻る、と言った感じです。キアロスタミのまなざしの奥にはこの男の子のような子供がいまだに存在しているに違いないです。 【Qfwfq】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-06-14 12:43:07) 24.彼をぎゅーっと抱きしめて「おかえり!」と言ってあげたい。 【longsleeper21】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-05-17 18:10:50)(良:1票) 23.《ネタバレ》 中東マニアの友人に誘われ、観に行きました。日本公開当時フランス映画にかぶれていたので(←ありがち)、概ね涙にくれて、もしくはどんよりと劇場を出ていたのが、この時は妙にほんわかハッピーな気持ちで劇場を出たのを覚えてます。基本的に子供モノは苦手なんですが、コレはきました。ラストが本当にいい。あ~ヨカッタヨカッタ。 【タマクロ】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-01-08 12:30:30) 22.《ネタバレ》 間違えて持って帰って来てしまった友達のノートを返すために、その友達の家を探しに行くというただそれだけのストーリーに脱帽。一体どうしたらこんな天才的なストーリーを考え付くのでしょうか?巨額の制作費を掛けて無味乾燥なアクション大作を撮り続けている日本やアメリカの映画産業が馬鹿らしく思えてきます。殺し屋も謎の大金も出てこないのにこんなにもスリリングな物語を作れるなんて…。正直中盤までは子供版『自転車泥棒』という感じがしなくもありませんでしたが(^^;。それにしてもこの映画に出てくる大人たちは何と無理解な人たちなんでしょう!「次に宿題をやってこなかったら退校だ」と生徒を脅す先生や、そしてお母さんまで。友達の家にノートを返しに行かなければならないというのに「まず宿題をしろ」とはこれ如何に、その癖自分は「赤ちゃんの面倒を見ろ」だの「盥を持ってこい」だのと命令するし。それでもやっぱり最後は優しい。「四日に一度は子供殴る」と豪語していたお祖父さんも確信犯っぽいし、一見厳しそうに見えて実は子供たちを思う気持ちは誰よりも保護者としての親が一番強いのではないでしょうか。最後はてっきり先生が「おいちょっと待て、これよく見りゃ同じ文字じゃねえか」と気付くのではないかとハラハラしたけど、無事上手くいって素直に良かったです。しかしこういう映画を観せられると、我らがのびの○太という人間が如何にだらしない存在かがよく分かりますね(汗)。 【かんたーた】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-15 19:16:22) 21.子供のいく先は、ドアの向こうは、激しい風が吹き荒れていて…。この先の人生、そんな激しい風が吹き荒れている中でも、あのラストのような花があるから人生はやめられない。…と思う。 【ゆうろう】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2005-09-20 20:33:29) 20.とても素朴な映画。 この映画の印象は「子供」と「土」。 暖かいんだけど爽やかじゃなく、なんだか息苦しい 【ことり式】さん [映画館(字幕)] 5点(2005-09-08 07:10:11) 19.純粋な少年の心温まるストーリー。このシンプルに見える映画の背景に、イランの文化や習わしを見せてくれるキアロスタミのしたたかさ。必要以上に卑屈だったり、高圧的だったりする登場人物たちにちょっと憤りを感じながらも、やっぱり純朴な彼に夢中に!んで、イラン映画はラストが本当に素敵。。一種独特の風味付けと言うか、一花添える感じ。。そこに在る真実を映し出しているようで、とても刺激的です。 【れこば】さん 7点(2004-09-11 21:32:30)(良:1票) 18.大人にはどうでもいい事でも、子供にとっては大事な事ってある。そんなどうでもいいようなストーリーを上手く作り上げたなって感じ。イラン映画だからこそ、よりいい。すっかり暗くなって、家を探しまくる少年の表情が、いたたまれないけど、ラストでほっとできました。 【rexrex】さん 8点(2004-06-14 18:45:45)
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