みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
10.セックス、暴力が出れば「体当たり演技!」、ジメジメした人間描けば「これぞ日本映画!」 私は、こういう映画が存在するから邦画が嫌いになるのだ! 【クロエ】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2015-04-06 22:42:37)(良:1票) 9.とても丁寧に作られた作品。演技、演出、脚本、撮影、音楽などすべてレベルが高い。暗い話なんだけど、ただジメジメするのではなく、少し渇いた映像のおかげか陰湿な印象はあまりなく、むしろ美しく深遠な絵画を見たという印象。この独特な感覚は日本というかアジアの映画ならではのように思う。また、この印象は、菅田将暉演じる拓児のキャラに引っぱられた部分も大きい。最初の登場時は、思いっきり引いてしまったけれど、だんだん憎めないなあと思い、最後には幸せになってほしいと心から願ってしまう。池脇千鶴演じる千夏もそう。最初は擦れた部分が目についたのに、最後には神々しさすら感じるようになった。綾野剛は2人と比べるともうひとつだが、瞬間の表情などには引きつけられるものはあった。舞台を現代にしたのも僕は正解だったと思う。この映画が描く悲惨はある意味、経済成長した日本の暗部として、ずっと存在し続けたものだと思う。でも、2013年の現代、それは、単なる「貧困」としてだけでなく、前科者の社会復帰の困難やビジネス化された介護からの排除など、ある種の人びとが「階級」として社会から「排除」されてしまう現実として、顕在化している。そういう世界を丁寧に描きながらも、そこを主題化するのではなく、そこにある「希望」を家族や人間関係をめぐる普遍的な物語として描いたところに、この映画の魅力はあるのだと思う。 【ころりさん】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-03-25 14:37:50) 8.《ネタバレ》 まるで韓国映画のような世界観。繊細な日本人にこんな現実はあるのだろうか?千夏が発狂しないのが不思議だ。自分がボロボロになっても、自分の身内を慰めようとする千夏はまるでマグダラのマリアのよう。最後の朝日が、まるで宗教画のように綺麗だ。 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-02-26 06:58:27) 7.《ネタバレ》 原作は80年代の衰退していく地方都市を舞台にした、ハードボイルド的な男性目線の小説ですが、そこに女性の視点・感性を取り入れ、時代設定も80年代から今に移すことにより新たな世界観を構築しています。正直、原作の世界観が好きな者としては、中島や松本といった男性キャラクターの設定や主人公達の苦悩の理由が分かり易くはなったけれども軽くなり、その分池脇千鶴が演じる千夏の存在感の重みが目だってしまい、やや女性向けの作品になってしまってるのかなとも感じました。 しかしながら、あの美しいラストはやはり女性監督ならではの感性だと思いますし、80年代の世相と今の世相はまた違うものなので、これはこれで有りだと思います。 【TM】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-12-30 01:53:09) 6.《ネタバレ》 けだるく鬱屈した演出と漂う閉塞感。 こういうカビ臭い日本映画特有の湿度の高い暗さが苦手。 ラストの光を浴びた二人を描くために、それまでの前フリが重くて長い。 重苦しい内容をそのまま重苦しい演出で描くのがどうも肌に合わない。 テーマが重いなら、もっとドライに軽さも出しながら演出してくれたほうが切なさが増す。 菅田将暉は憎めないし、高橋和也の下衆キャラも立っていたけど、メインとなる綾野剛と池脇千鶴の二人には惹きつけられなかった。 原作の1980年代の設定を、映画では現代に置き換えているようだが、介護を取り巻く状況など、設定に少し無理が生じているようにも思えて違和感を感じるところも。 この監督の作品は初めて見たが、どうも相性が悪そうな気がする。 この作品は映画祭でも高評価を得ているのだが…。 調べてみると、呉美保は大林監督の元で学んだらしい。 大林監督は世間的な評価とは最も食い違った苦手な監督の一人なので、やっぱりそういうことなのかもしれない。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 4点(2014-12-11 02:24:18)(良:1票) 5.『海炭市叙景』と同じ原作者ですか。なるほど、映画全体から漂う閉塞感と暗さは共通のものを感じた。ただ、今作品の方が微かながら救いを感じさせる部分があるのでとっつきやすかった。物語もメインのキャラクター3人に焦点を当てているので分かりやすく、より感情移入しやすくなっている。ストーリーは、簡単に説明すると、社会の底辺でうごめく若者が、そこから脱しようともがいたり、或いは何も目的を見出だせずにただ惰性で日々を送っていたり、何ともやるせない感じが実にリアルに描き出されていた。池脇千鶴のすれた感じも良かったが、特に良かったのは菅田将暉だ。暗い物語の中でも唯一、前向きに行動する愛すべきキャラクターだった。汗をかきながら笑顔で美味そうにカレーを食べるシーンが何故か心に焼き付いている。かと思えば次のシーンでは感情を剥き出しにして狂気を見せつけてくる。その触れ幅が1番大きい役を彼は本当に自分のものにしていたように思う。 【ヴレア】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-12-02 20:10:31) 4.《ネタバレ》 海での二人の抱擁シーン・・こんなに美しくて悲しいラブシーンはない。 絶対にうまくいかない、幸せになれないって分かりきっているのに。 後半は拓児が危うくて危うくて、どうしようもないバカっぷりには切な過ぎて涙が止まらない。 どうしようもない状況から、もがいてもがいて這い出ようしても、努力しようと一歩踏み出しても、どうしようもない辛い現実がそこにはある。 ラストは「それでもこの世界で生きていかなければならない」とも、美しい海辺への逃避にも見えたり。 「大人は判ってくれない」ではこちらに振り向くのだが・・・ 【kosuke】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-08-03 22:00:24) 3.原作者佐藤泰志は函館出身の小説家であるが、41歳の若さで亡くなった。死後20年を経て作品が映画化され始め、この映画は「海炭市叙景」に続き2作目。とはいえ、私は何も知らず、この映画を見るにあたって得た知識なのだが・・・。70年代高度成長から取り残された若者たちの閉塞感、どうしようもなさ、格差社会の一端を垣間見ることができる。そこのみにて光り輝くというタイトルが大変印象的だった。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-07-15 16:59:04) 2.《ネタバレ》 目を背けたくなるようなシーンが多々あり、重い内容ではあるけどラストの達夫と千夏のかすかな笑顔とそこに差し込む光が今後の2人の将来を表しているようで心が救われました。 また綾野さん、池脇さん、菅田さんの3人の演技が圧巻。 【くーちゃん】さん [映画館(邦画)] 9点(2014-05-06 23:17:27) 1.浜辺を歩く綾野剛と池脇千鶴。それを手持ちでフォローするカメラの揺れが 二人の心の昂ぶりを静かに、生々しく伝えてくるようで、胸をざわつかせる。 後景で、池脇が意を決して海に入るその波打ち際は立派な「動線」ではないのか。 時に彼らと距離を置き、時に不器用な二人に寄り添うカメラの距離感が程よく、 人物間の心情の交流が画面から滲み出て来る感がある。 綾野、池脇、そして菅田将暉の三人が食堂で談笑するスリーショットの束の間の幸福感。 綾野のベランダに座りこんでの、綾野・菅田のやり取りに滲むエモーション。 これを「座っているだけ」だから動きがないと解する者にとっては、小津作品などは さぞ「退屈」に違いない。 俳優らの芝居のみならず、カメラと対象との距離、構図、配光が見事に 融合している。 薄暗い綾野のアパートの室内に入り込む屋外からのネオン光の点滅。 そのギリギリの光加減の中に身体を重ね合う二人が浮かび上がる様は単に艶かしい というだけではない、深い情感が漲っている。 どこが「暗いだけ」なのか。 ラストの浜辺の眩い朝焼けに浮かび上がる二人の表情の美しさ。 これこそ言葉に代え難い。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 9点(2014-05-03 22:38:31)
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