みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
82.《ネタバレ》 主人公の心変わりがポイントなんだろうが、「犯罪者」に共感・連帯したという点で、これはある種のストックホルム症候群のようなものではないかと思った。だから、キッカケとか原因とかを追求しても中々わからないのかもしれない。でも疑問なのはこれまでも数多の盗聴をしてきたのに、なぜ今回そうなったのか、そこには何か理由があるハズだということになる。女優のファンだったとしても対象者の2人にそれほどの魅力があるようには見えない。今更、善や正義に目覚めるというのも変な話で、そもそも自由や民主主義が善や正義だとするのは西側の価値観でしかなく普遍性があるわけでもない(結果的には壁が崩壊して西側が勝利したことにはなったので、自由や民主主義の礼賛というオチに見えなくもないが・・・)。なら「生(性)の情動」なのか。「芸術家はスグに性行為をする」と茶化す場面があるので、これも見慣れた(聞きなれた)場面だろうし心が動くのも変だ(売春婦を呼んだのは初めてのようだが、この辺も不可解)。ピアノ演奏で涙を流すシーンがあるので、消去法で「芸術の力」ということになるだろうが、正直2人からは「芸術の力」も感じられないのが難点。とは言え、それなりの緊迫感もある見ごたえのある作品で、ある意味主人公の心変わりが不可解だからこそ色々と語りたく作品だと言えるのかもしれない。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2023-03-03 14:19:57) 81.《ネタバレ》 私はこの映画は好きじゃない。 だけど、最後まで見入ってしまった。 それだけ物凄い内容だった。 【にじばぶ】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-08-28 02:01:19) 80.《ネタバレ》 ヴィースラーは盗聴経験豊富なベテランであろうに心変わりした理由がピンときませんでした。 しかし最後の締め方は秀逸でこれだけでお気に入りの作品です。 【グミ喰い】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-04-02 22:24:12) 79.《ネタバレ》 大尉の心変わりは、理解できました。 また、彼女の裏切りも「魔が差した」ということで十分理解できる。 それゆえ、魔が差した自身が許せずに自殺してしまう。 最後の3分は本当に秀逸。 タイトルからハッピーエンドを期待しており、車に轢かれた彼女は実は生きている という展開を期待し、そうなかったと知らされて、この映画を見たことを後悔したが、 最後の最後で救われた。 ただ、元大臣と再会するシーンは蛇足。 再会により、実は監視されていたと気づかされる為に物語進行上そこの部分は必要だが、 それなら、例えば リフォームしたら気づいたとか(ちょうど呼び出しブザーが故障がちだったし) もしくは、監視されていたかどうか、 数枚ぐらいレポートあるかな?と軽い気持ちで 何気にチェックしたら、何十冊もあって・・・ という展開で良かったと思う。 あのシーンは、穏やかに見れないし、また作家があんなに(表面上だけかもしれないが) 穏やかに対応できるのに違和感しか感じなかった。 【yoshi1900ololol】さん [DVD(字幕)] 8点(2017-08-29 12:47:38) 78.冷酷なナチス政権下での物語。初めは正直アクビが出る作品だと思っていたが、後半は面白い。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 6点(2017-07-15 10:56:21) 77.《ネタバレ》 思ってたより、重い内容のドラマ。 共産主義が舞台装置になってはいますが、ストーリーそのものはかなり個人的でプライベートな内容な気がします。 いやむしろ、ヘムプフ大臣の振る舞い、そしてヴォルヴィッツの出世欲というのは、共産主義とは本来相反するものではないですか? 共産主義国のルール。その世界における自分達の地位と権力を利用して、私欲や出世欲を満たそうとする人たち。と、それに抗う人たちの戦いに見えます。 そうなってくると、『勧善懲悪』の『懲悪』部分が非常に控えめなこの作品、私としてはなんともすっきりしないものがあります。 自殺に追い込まれるイエルスカ。女性としての尊厳を奪われ、脅迫により恋人を裏切るよう仕向けられ、最後は命まで奪われてしまうクリスタ。その『死』のなんと悲しいことか。 クリスタに関しては、同情はできるし、理解もできますが、共感はできません。 どうしても、映画にはきれいごとを言いたい。最後までドライマンをかばってほしかった。こんな後味の悪すぎる結末になるなんて。そこもすっきりしない理由です。 ベルリンの壁は崩壊し、ドライマン、クリスタ、イエルスカ、ヴィースラーが払ってきた犠牲は何だったのかと、むなしくなります。 歴史の負の部分をモチーフにすれば、もちろん心にグッとくるものはあるわけで、決して映画として悪い作品ではありません。 ただ、私の好みではないというだけです。 また、他の皆さんが言及しているように、なぜヴィースラーがそこまでドライマンに肩入れするのか、その説得力に欠けている気もします。 この映画の核となる部分だけに、ここはもっとドラマチックなエピソードで説得力をもたせても良かったのではないでしょうか。 それはゆくゆく、私達観る側の人間の共感力となって、映画の完成度は最高潮に達すると思うんですけどね。 ラスト、書店でドライマンからのメッセージを受け取るヴィースラー。 ある種のハッピーエンドなのかもしれませんが、私は無性に悲しかった。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 6点(2017-05-03 04:13:39) 76.《ネタバレ》 ドライマンはハムプフ大臣に愛する恋人を権力で強姦され、挙句の果てに殺された。壁が崩壊した後に、ドライマンがその大臣と会った時の態度に非常に不満があります。彼女の死に対して、ドライマンは取るべき別の行動があったのではないか。ドライマンは壁が崩壊後も、名声を得るほうに興味があったということか。彼女の死は彼にとってその程度のもので、彼はいつまでも「善き人」を演じるだけのつまらない男ということか。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-12-30 18:26:24) 75.幸せも悲しみも映画の中にきれいにはまっている。 ラストのセンスの良さは群を抜いている。 なんてすばらしい邦題なんだろう。 傑作! 【JF】さん [DVD(吹替)] 8点(2015-10-26 15:26:59) 74.《ネタバレ》 00年代、実際の出来事を“告白”でもするかのようなドイツ映画が複数撮られた。 一つは「ヒトラー ~最期の12日間~」によって戦時中を、 もう一つはこの「善き人のためのソナタ」によって戦後の闇を告白するように。 冷戦時代の尋問というとリシャルト・ブガイスキ&アンジェイ・ワイダによる「尋問」を何故か思い出した。 「尋問」は監視者が監視対象だった者から“証拠”をでっちあげ、自分のテリトリーに引きずり込んで散々痛めつける事で屈服させようとした。 この映画は、監視者が監視対象から“証拠”を引きずり出せるか出せないかという過程を追っていく。疑はしきは罰せよ、何かされる前に先手を打たなければならないという恐怖。 この二つの映画に共通する事は、一人の女性が他の人間のために“犠牲”になる事を選ぶということ。 劇中でも引用されるベルトルト・ブレヒトの存在。 ブレヒトもまた戦時下のナチスに反撥してフリッツ・ラングと組んだスパイ映画「死刑執行人もまた死す」を発表している。 ラングのこういった映画の女性たちが活き活きとしていた事に比べ、この映画の女性たちは観客の感情移入を許さないような深い闇を背負っている。 廊下、腕を捕まれ連れてこられる“監視対象”だった男。男の声からテープレコーダー→現在→過去を行き来する。 疲弊していく男の表情を知るのは立ち会った本人だけ、声を聞いて当時を想像するのは生徒たち、そしてこの映画のスタッフたちだ。 椅子に付着した“匂い”、涼しい顔で男を言葉によって弄り続ける男。教壇に立つ男は、自分の過去を隠すことなく、生徒たちに教えていく。きっと同じような“告白”を何度も繰り返してきたのだろう。 劇場の鑑賞会から既に監視は始まる。上からの視点・パンフレット。 標的の家に慣れた手つきで黙々と盗聴器とカメラを仕込んでいく。ありとあらゆるところに。 その監視者を“監視”してしまった者の視点。 この映画の監視者は、勝手に疑い、勝手に同情し、勝手に揺さぶられ、勝手に自分を緊張状態に追い込む。監視されている者は何も知らないし、生を謳歌している。知らない事の不幸・幸福。妻の隠す真実にすら中々気付けない。妻と楽しんでいる間も、情報は絶えず流れ続ける。 勝手にピアノの音色に心を打たれてしまうのだから。男の葛藤が表情一つで語られ、その音楽は監視される者たちの“抵抗”の証になっていく。 人の出入りが少ない“仕事場”で画面や針、タイプライターとにらめっこ、ヘッドフォンの音に耳をそばだてていなければならない。そりゃあ監視対象に興味を持って退屈しのぎもしたくなる。ハイタッチする気分でも無くなってくる。エレベーターで子供とおしゃべりをする一時、暇な時は豊満な情婦と楽しい一時でもせにゃやってられない。豊満なバストに顔をうずめても何処か満たされない様子。そりゃ監視者は人妻の方が気になるし、情婦とも真に仲良くなれない。偽りの愛だ。 その監視されている者たちが、監視者を意識し、恐怖し、反撃に出る瞬間の恐怖。スパイのように潜り込む男たちも、いつ監視者側を裏切る・・・いや表返るか解らない。 ケーキの下の“武器”、盗聴器への“祝杯”は監視者への宣戦布告。 監視者の存在を知りながらドアの鍵をかけない。床下の“武器”の存在を偽らないのも妻を信じていたから。 妻も夫を愛していたからこそ“言わなかった”し、“躊躇”しなかったし、耐える自信も無かった。監視者との決定的な違いがそこにあった。 床下を剥がす瞬間に奔る緊張。 一瞬映る新聞が物語る“終焉”、それぞれが失った物の大きさ。 ラスト20分は真実を知っていく者たちの顛末。 コードを引き抜く力なき姿、表情。大量の書類に眼を通し、人々の告白でも聞く様に読み進める哀しげな表情。 そこには互いを探り合った憎悪ではなく、直接会って語り明かす事のできない哀しみだけが横たわっている。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-06-09 20:56:24) 73.《ネタバレ》 哀しく美しい物語。ヴィースラーは愛国者だったんだと思う。国を愛しているからこそ、腐ったエロ大臣のやり方に反吐が出て、しかも相手が大ファンである女優(多少の恋心もあるだろう)であった事も要因のひとつだろう。自分は国家に逆らえない立場だが彼女には幸せになって欲しい。その一心だったのではないだろうか、と私は感じました。そしてベルリンの壁の崩壊。ラストの一言で私の気持ちも報われた。 【movie海馬】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-12-15 22:49:43) 72.《ネタバレ》 普段は怒りも興奮もなく職務にまっとうしますが、タイプライターを素早く隠して肝を冷やしたり、クリスタ=マリアに1ファンとして熱烈に訴えたり、デブ専熟女デリヘル愛好者だったりするヴィースラーさんがとても可愛いです。鑑賞後はいつもとても清らかな気持ちになります。本作を超える映画が今のところありません。 【DAIMETAL】さん [DVD(吹替)] 10点(2014-08-17 02:24:07) 71.《ネタバレ》 久しぶりに良い映画を見た。 上質のブランデーのごとく、心地よい余韻があった。 そして、一度見ただけでは拾えなかった細かい個所をもう一度見ながら 詳さに検証した。 私にとって良い映画というのは、そういう映画であり 終わってすぐでも、続けて観賞に耐えられる映画なのだ。 ドライマンの部屋を覆うにぎやかさがあっても、全体を漂う静謐さ。 その静かさを補ってやまない、ヴィースラー大尉の瞳の雄弁さ。 澄み切った瞳を持つ大尉とは対照的な俗物たち。 主役だっただけではなく、ウルリッヒ・ミューエの存在がこの映画の肝だった。 最後のせりふと大尉の表情を私は一生忘れないだろう。 【バッハバッハバッハ】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-08-28 13:44:08) 70.画面から終始漂う厳かな雰囲気が特徴の、映画らしい映画。 主人公のはげ頭のおっちゃんの人間像が丁寧に描かれているわけではないので、 彼の心境の変化が唐突に感じられるかもしれないけど、そこはあくまで想像力で。 このおっちゃんに感情移入できるかどうかが、本作に好印象を覚えるか否かの一番のポイント。 タイトルどおり、人間の善をテーマにしているも、ベタなシーンはほぼ削られており、 製作者側のセンスを感じさせてくれる。秀作。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-04-27 02:12:17) 69.《ネタバレ》 ヴィースラーの心変わりについては全然理解出来ます。マリアとドライマンのセックスに欲情して女を買ったシーンがちゃんと伏線になってますから。ラスト、ドライマンとヴィースラーを会わせちゃうの!?とハラハラしながら観ていたが、当然そんな野暮な演出はなし。粋なラストに仕上がっていると思います。 【カタログ】さん [DVD(吹替)] 9点(2011-11-18 12:42:54) 68.《ネタバレ》 大尉の心変わりの理由がわからないというのは、要するにお話がご都合主義だからです。クリスタがあっさり口を割るのも同様。まずテーマありきで作ったものの、やり方がまずい。こういうテーマを扱えば、少々ご都合主義でも大目に見て感動してもらえるということでしょうか。ナチスものなどと同じですね。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-08-21 11:20:05) 67.管理社会も人間の美しい部分を完全に奪うことなどできないのだなあ、となんだか勇気が湧く。美しい部分て、例えば友人をかばうことだったり、人に恋をすることだったり。監視される側とする側は、美しい要素を持つ者と持たざる者という見方もできる。当局ににらまれる芸術家たち 彼らに比べて圧倒的に社会的強者である大尉の、しかし私生活のなんと寂寞として無様なことか。クリスタに恋するヴィースラーの、必死な表情に胸が詰まる。彼女の尊厳が自分の上官に踏みにじられるのは耐えられなかっただろう。終盤、ドライマンに「君なんか完全監視だよ」と言い放つ元高官の、いまだ残る優越の表情に血圧が上がりそうになった。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-08-04 15:09:06) 66.エンドロールを見ながら、ああこれは「無法松の一生」にちょっと似てるなぁと思った。一種の美学ですね。人間にしかできない、きれいなこと。 【kagrik】さん [地上波(字幕)] 9点(2011-04-16 12:06:52) 65.ヴィースラーの無表情でありながら淡々とした演技に味があり、私は魅せられました。終始重い雰囲気の映画ですが、そこが良い。登場人物ほぼ全員が知性的ですが、そのやり取りは決して理解し難いものではなく、洗練されていて、見ていて惹きつけられました。 【もんでんどん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-03-10 14:31:50) 64.大尉の無表情な中、目で見せる演技が見事。見た人の内面にジワジワと染み込んでくるような映画です。愛を感じさせるラストシーンも素晴らしい。ヴィースラー大尉役のウルリッヒ・ミューエ彼が亡くなられたのが本当に残念です。自分の中では100点の映画です。 【akila】さん [DVD(字幕)] 10点(2011-02-19 02:47:06) 63.《ネタバレ》 大尉のラストに繋がる心の変化に説明不足でいまいち共感できませんでした。 【osamurai】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-02-13 20:53:00)
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