みんなのシネマレビュー |
|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
87. 原作やミュージカル版に関しての予備知識は皆無の状態で鑑賞。う~ん、これは…。気になった点を箇条書きにすると、 ①ジャベール役(ラッセル・クロウ)の歌唱力。 ②ソプラノ・テノールによる高音を鳴らす歌ばかりで、低音が充実していない。 ③楽曲のパターンが限られており、似たような歌が多い。 ④(これは鑑賞環境のせいかもしれないが)映像が薄暗く、見づらい。 ⑤視覚的に「おっ」となるシーンが少ない。冒頭の船を引くシーンとバリケードのために家具を落とすシーン位か。 ⑥ストーリーの流れや感情の揺れ動きをほぼ全て歌詞で語ってしまうため、観客に想像の余地がほとんど与えられない。ジャベールの死んだ理由くらいか。 総括すると、どうしようもなく見所のないダメ映画では決してない。良い歌も沢山ある。ただ、映画全体のトーンや楽曲に変化が少なく、冒頭から「夢やぶれて」の熱唱までに映画世界に入り込めないとラスト5分まで退屈な時間を過ごすことになると思う。ミュージカルや歌に興味のない人はなおさら。ラスト5分だけは満点の出来だと思う。 【bolody】さん [映画館(字幕)] 3点(2013-01-09 20:44:27)(良:1票) 86.ユゴーの「レ・ミゼラブル」は名作中の名作だし、クロード=ミシェル・シェーンベルクの「レ・ミゼラブル」(通称レ・ミゼ)も世界最高峰のミュージカルと言ってもよいだろう。そのレ・ミゼが映画化されるというので制作発表以来心待ちにしていた。だがどうだろう、映画とミュージカルの一体化ということでは評価できるが、裏を返せばすごく中途半端である。まずミュージカルとして見れば、歌える役者をそろえているわけではないので、本場レミゼとは比較のしようがないほど。かろうじて及第点を付けられるのはヒュー・ジャックマンとエポニーヌを歌うサマンサ・バークスくらいだろう。ファンティーヌもコゼットもマリウスも健闘はしているがそれぞれ難がある。ひどいのはやはりラッセル・クロウ、この人はお世辞にもミュージカルに向いているとは思えない。風格貫禄は十分なのだが、歌い出すと途端にジャベールの重みがなくなってしまう。貫禄不十分と言えばヒュー・ジャックマンも歌は及第でも、19年の投獄生活とその後の苦難の道を歩んだ年老いたジャン・バルジャンにはとても見えない。また映画としてみれば、過去私が見たジャン・ギャバン、リノ・ヴァンチュラ、ジェラール・ドパルデュー、リーアム・ニーソンのどの映画よりもストーリーに厚みがなかった。(ストーリーが続いていない)せめて聴かせどころの歌くらい堂々と歌ってほしかった。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-01-09 15:28:49)(良:1票) 85.《ネタバレ》 映像のパワー、音楽のパワー、物語のパワーに圧倒された。そしてこれら映像、音楽、物語、それぞれのパワーがうねり合い、からみ合い、重なり合い、激しい力となって、押し寄せてくるようであった。まさに総合芸術としての映画の力の凄さを示す映画と言えよう。 題名のレ・ミゼラブルは悲惨な人々、哀れな人々とでも訳したらいいのであろうか。工場労働者、売春婦、反政府運動家など悲惨な人々が沢山出てくる。ジャン・バルジャンは正義に、警部は法に縛られてある意味、悲惨な生き方であったようにも思う。悪人の夫婦は貪欲さに、学生は社会正義に縛られていたと言えなくもない。コゼットの夫もその意味では愛に縛られているのかも知れない(恐らく彼は今後反政府運動に命をかけることもなくコゼットとの愛に生きるのであろう)。そんな意味では、この登場人物達、というか人間は皆何かに縛られた哀れな生き物、レ・ミゼラブルであるのかもしれない、うがち過ぎた解釈ではあるが。 最後に、自分が信じたもののために死んだ人を先頭に民衆が立ち上がるというシーンは、自分の信じたもののために進めという作者のメッセージ(たとえそれに縛られていようと、哀れであっても)のような気がする。 【Tokyo's Holiday】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-01-08 14:31:07)(良:1票) 84.《ネタバレ》 ラッセルがいきなり歌いだし、ミュージカルだったんか~!って気がつきました、多分俺だけ(汗 基本的にミュージカルものは苦手なんですが、戸惑ったのは最初だけで楽しめました。 ミュージカルと映画の良いところがうまくミックスされていると思います、歌のパワーを感じました、ソロも良いけど、ふつふつと盛り上がってくる合唱の一体感というか湧き立つ願いに感動しました。2013年一発目! 【ないとれいん】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-01-06 23:44:50)(笑:1票) 83.《ネタバレ》 壮大な映像叙事詩。『レ・ミゼラブル』は98年製作のリーアム・ニーソン版を観たことがあるが、今回は有名ミュージカルの映画化。あのラッセル・クロウが突如歌い始めた時には思わず失笑してしまったが、娼婦に身を落としたアン・ハサウェイの独唱には涙が溢れた(彼女はアカデミー助演女優賞の最有力候補だと思う)。恐らく舞台では表現不可能であろうリアルでダイナミックな映像や、役者のクローズアップによる感情表現など、映画ならではの楽しみもある。サシャ・バロン・コーエンとヘレナ・ボナム=カーターのコメディ・パートが、暗く重い物語にちょっとした明るさを持ち込んでおり良かった。ラストシーンは思わずスタンディング・オーベーションをしたくなる程。久し振りにサントラが欲しくなった。 【フライボーイ】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-01-06 21:17:23)(良:1票) 82.まず最初に、本作品はミュージカル映画です。 有名な作品なので、そういうことは少ないと思いますが、それと知らずにミュージカル嫌いの人が見に行くと悲惨な目にあいます。 通常、ミュージカル映画はアフレコですが、本作ではライブ録音で、ミュージカルとしての臨場感を高めています。時にイヤホンが外れたのかキーがおかしくなっていても、「舞台」と考えればそれもまた良しです。 映画では舞台と違って顔の表情をよく見られるという利点もありますし。 ジャンバルジャン演じるヒュージャックマンは、強制労働がいかに過酷であったかをその後の姿とで見事に表現しています。 レ・ミゼラブルというと、ミール・バヤールの木版画の少女コゼットのが絵が有名ですが、本作の少女・コゼットが生き写しでした。作品へのこだわり、愛情を感じました。 【ぶん☆】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-01-06 15:56:21)(良:1票) 81.最初から迫力のある歌と絵に引きずり込まれます。ストーリーは多少駆け足な感じもしますがこの時間に納めるのには仕方がないのかもしれませんね。どの役者の歌も素晴らしくしっかりとしたミュージカルを観た満足感がありました。ミュージカルは通常の洋画の字幕と違い文をしっかり読まないと意味が理解できないのですが、その為に字幕を追っていると絵を見逃してしまう場面が何度かありましたが、まあその辺はこちら側に問題があるのでしょう。 【東京ロッキー】さん [試写会(字幕)] 7点(2013-01-04 16:07:17)(良:1票) 80.映画としては駆け足だし、クローズアップが多くて映画的奥行きがないのも物足りない。それでも、十分に感動させられました。ユゴーの描いた物語はいつの時代になっても心に訴えかけるものがあり、役者たちもアップに負けない力強さで歌い上げているからですね。ジャベール役は、ラッセル・クロウも悪くないが、ジェフリー・ラッシュの印象が自分には強いです。 【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-01-03 14:35:10)(良:1票) 79.もう中毒になってしまいました。2度目の観賞なので、レビューも書き直しです。 この映画は、DVDで観るものではありません。大画面のスクリーンでこそ、感動は伝わってきます。ですから、もっともっと多くの人に足を運んでもらいたことを伝えたいです。 家では、25周年記念コンサートのDVDで同じ感動を味わっています。 この映画の主人公はジャンバルジャン、ファンティーヌ、コゼット、ジャベール…そしてすべてのキャストなんだと思います。 ラストの壮大な感動は映画のチケット代では安すぎると思います。 9点から10点にしました。 もう一度行くつもりです。 おそらく、否、絶対DVDも購入してしまうでしょう(笑)。 【クロエ】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-01-02 21:40:10)(良:1票) 78.僕は日本で上演されたレ・ミゼラブルしか観劇したことがなくて、日本公演のライヴ盤CDを聴き倒してたので、オリジナルの歌詞がちょっと新鮮な感じで良かったです。 冒頭からバルジャンの囚人番号がに~よんろくご~さ~ん♪じゃなかったりして、なんだか本場のミュージカルを観劇してる気分に浸れました。 内容的にはほぼ忠実に映像化されていて、ファンには堪らない仕上がりです。 再現できてないのは舞台特有のきな臭い火薬の匂いくらいでしょうか。 ちょっと気になったのは、ストーリーの進行上欠かせない伏線の張り方があっさりしてる点で、指輪の件なんかは見落としそうなくらいさらっと流されてましたね。 あれを見落とすとラストの盛り上がりの理由が意味不明になってしまいそうで心配になりました。 予備知識があることを前提にするなら何の問題もないのかも知れないけど、この劇場版で初めてレ・ミゼラブルを体験する人にとってはちょっと不親切な構成なのかも。 あと、エポニーヌの出番もやや改変されていて、手紙の件が舞台とはちょっと違います。 尺的にも短くあっさり描かれている印象でON MY OWNがいまいち盛り上がらなかったのが残念。 エポニーヌの活躍だけを考えた場合、これは改悪だったとしか言い様がない。 でも、その分だけガヴローシュの出番は増えてるので、その後のジャヴェールとの絡みは来るものがありました。 ジャヴェールやマリウスの苦悩も確りと描かれていて、贖罪や革命といった側面の深みは増していると感じます。 多くの人物が登場する群像劇なので、誰に重点を置くかは悩ましい問題なのかも知れませんね。 トータルで考えるとこの構成もアリだと思うけど、エポニーヌが大好きな僕としてはマリウス、コゼットを交えた三角関係に重点を置いたラブストーリーバージョンの映像化もあったら嬉しいなと思ってしまいました。 上演時間も舞台と比べて少し短くなってるようだけど、限界ギリギリまで泣く泣く削って158分ということなら、DVD化の際にはカットシーンを全部盛り込んだ完全版なんてのも期待したくなる。 まあ、大好きな作品だけに細かな不満はどうしても出てくるけど、ほぼ忠実な舞台の映像化に成功したという点は大いに評価されるべきだと思います。 【もとや】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-01-01 22:21:32)(良:1票) 77.子供の頃原作を読んで感動したので今回の映画化は非常に楽しみにしていました。ただミュージカル映画は苦手なので心配しつつ映画を鑑賞しました。オープニングでいきなり始まる合唱ですごい違和感を感じたもののだんだんと慣れてきて後半ではむしろ普通にしゃべってるシーンで「あれ?今普通にしゃべってた!?」ってくらい馴染みまくりw鑑賞してみてレ・ミゼラブルはすばらしい作品だなと再確認できました。ちり紙を片手に隠し持っておいて良かった。いい感じで泣けました。というか冒頭の主人公が牧師に声を掛けられるシーンでいきなり涙ウルウル。自分でエッ?もう!?ってなりましたwそっからはもうことあるごとにウルウルでした。若干気になったのはどアップ連続な部分。映像的に飽きてきます。あともうちょっと話に自然さを入れて欲しかったです。 【Dry-man】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-12-30 09:44:51)(良:1票) 76.《ネタバレ》 主人公を取り巻く人々の群像劇でした。20代とかに見てたらわからなかったけど今なら登場人物全てに共感できます。このあとのフランスは更に混迷を深めもっとたくさんの血が流されるのを考えたら登場人物達の最後の合唱を物悲しく感じました。 【AIRS】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-12-29 23:38:23)(良:1票) 75.台詞のほとんど全てが歌になっているミュージカル大作。見応えがありました。 台詞が歌になっているため、台詞の途中で一息入れるといった感情表現は出しづらいですが、人生の喜びや悲しみを表現するキャストの歌唱力や歌いながらの表情の演技が素晴らしかったです。時には壮大に、時には柔らかに、子どもが歌うシーンではまた曲調が明るく変わり・・・といった音楽も素晴らしかった。 皆が一体となって歌うシーンでの迫力ある歌声に圧倒されるとともに、音楽や歌、歌声の持つチカラに心から感動しました。 平日の昼間にもかかわらず大勢のお客さんが席を埋めていましたが、エンドロールが始まっても皆が作品の余韻を共有するように席を立つ人がほとんどいなかったのが印象的でした。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-12-27 17:13:04)(良:1票) 74.全身全霊で歌いあげられる美しいメロディーの数々。音楽の豊かさを堪能することができました。力作です。 【藤堂直己】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-12-24 16:46:33)(良:1票) 73.《ネタバレ》 ヴィクトル・ユゴーの大ファンなので、ミュージカル版の映画化ということで非常に楽しみにしていました。 配役にはいささか疑問がありましたが……ラッセル・クロウがジャベール?バルジャンじゃなくて?ヒュー・ジャックマンがバルジャン?ジャベールじゃなくて?アマンダ・セイフライドがコゼット?ファンティーヌじゃなくて?アン・ハサウェイがファンティーヌ?コゼットじゃなくて? みたいな(^^;) しかしアンのファンティーヌは迫力があってとても良かった。ヒューも美声で熱演でとても良かった。ラッセルも案外いい声で良かった、が、マキシマスがあんな学生に捕まっちゃうわけがないと思ったのは私だけではないでしょう。最後の身投げにしても、なんていうか雄々しい(笑)そしてアマンダ嬢は歌も上手で可愛いけれども出番が少ない……。歌が多く長いから仕方ないのだけれど、いくつかカットされた曲があってちょっと残念でした。エポニーヌの扱いもちょっと軽いし、勿体ないなあと思う場面もあるのだけど、でもミュージカルのファンも納得のよい映画になっていたと思います。久々に襟がぐっしょぐしょになるくらい泣いてしまいました。サントラ買おうっと。 【kiryu】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-12-22 22:32:29)(良:1票) 72.《ネタバレ》 自分でも今まであまり意識したことないんだけれど、実はミュージカル駄目だと気がつきました。歌が素晴らしくないわけじゃないんだけれど、(ハサウェイの声素敵でした)それで時間がとられる分、ストーリーのダイジェスト感、薄味感が強くて。偽のジャン・バルジャンを救うために裁判所に乗り込む前後の苦悩、ファンテーヌの死のありさま、あるいはパリに入る際にジャベールから逃れるところ、いずれもじっくり描いてほしいのに、もう駆け足、駆け足。一瞬目があっただけで、それで恋愛成立とか、直前まで大勢の友、同志の死を嘆き悲しんでいた青年が、恋人に接した途端、明るく愛を語りだすとかは、失笑レベルです。ジャン・バルジャンとジャベールに関してはそれなりに人間像の掘り下げができていたけど他の人物、特にマリウスとコゼットに関してはほとんど記号も当然で。 こういうことばかり気になる人間はミュージカルは避けた方がいいですねw 平成27年7月26日 ちょっとDVDの収納が限界を超えて大変なことになっててそのための整理の一環として、昨日見直しかけたんですが、 言っちゃあ悪いけど、筋は分かり切ってる、表現は薄み、コゼットはちっとも可愛くない、で肝心のハサウェイの魅力もほとんど。 全く食欲のわかない映画に化していたので一点下げます 【rhforever】さん [映画館(字幕)] 6点(2012-12-22 21:37:47)(良:1票) 71.ヒュージャックマン、ラッセルクロウ、アンハサウェイ、彼らの演技・歌共に素晴らしかったです。ミュージカルではあるけれど、久々に「映画館で映画を観た」と思えるような充実感がありました。本編が終了した時、控え目ながらも自然と会場から拍手が沸きました。そしてエンドロール中に「Les Misérables」と表示された時にもまた拍手が沸きました。自分も拍手しました。映画館で拍手が沸く、初めての経験でしたがそれが自然に思えるような映画でした。 【珈琲時間】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-12-22 20:02:29)(良:1票) 70.《ネタバレ》 ヒュー・ジャックマン、アン・ハサウェイは歌唱が思ったより上手で驚きました。 それよりもマリウス達が仲間と決起するシーンでは全員が上手と思います。 歌がアフレコではなく、生録りと言っているように演者の感情が息使いにまで出ていて、表現力も高まっていると思います。 アフレコなら、もっと上手に歌っているように観えるかもしれませんが、私はこういうほうが良いと思います。 ラッセル・クロウは何故あの役を得たんだろう?と疑問は残りますが、まぁ頑張ってたから良いか・・程度です。 発声など専門的な知識を持つ人なら良し悪しは説明できると思いますが、私が思うに「ありゃないわ」ですかね。 もっと太いバリトンでグイグイ押して欲しかったし、何よりビブラートが足りないと思いますが如何でしょう? あと、売春宿の場面はもう少し短くても良いと思います。 総じて見て、大変良い映画だと思います。 観客も年齢層が高めに思えたのですが、やはり原作に関心があって観に来た人達が多いように思いました。 【白狼】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-12-21 17:04:38)(良:1票) 69.《ネタバレ》 フランス文化の代表みたいな作品。 ジャンギャバンのを、小学生のときに、体育館で上映してて、 えらくインパクトを受けて、この話は、小生に刷り込まれてる話です(笑) ジャンバルジャンが、どうやって生計を立てていたのかが不思議なのですが、 それ以外は、完璧! 特に本作のミュージカルのは、革命のときに子どもが重要な役目を果たすのが、 ミュージカルならでは・・ 警部とジャンバルジャンの二人の個性の強い男を軸に話が展開します。 警部は、法律による統治を革命で勝ち取ったフランスの権化みたいな存在。 法の番人をラッセルクロウが好演してます。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2025-02-01 19:13:41) 68.《ネタバレ》 日本でミュージカル映画の感想を見ると、枕詞のように「ミュージカルは苦手ですが」という前置きが置かれるんですね。私なんか、それを見るとなぜ苦手なくせに見るんだろう、と思ってしまいます。一部例外もいるみたいですが、映画鑑賞は苦行でもないし、自分で見る見ないを選べるんです。でも、それでも見てしまうのがミュージカル映画。苦手だって見たくなる、それほど魅力的なお話が繰り広げられるのがミュージカル映画なんです。「レミゼ」はその最たるものですね。 「レ・ミゼラブル」というお話、ああ無情とも訳されたヴィクトル・ユーゴーの魅力的なお話は、デュマのモンテ・クリスト伯(巌窟王)と並んでフランス19世紀文学の古典として日本でも子供の頃から親しまれてきました。ただ、ここの感想読むと読んだことがない人が多いのが意外でした。 ミュージカル映画は、通常、地のストーリーに、要所要所で歌とダンスが入ってくるものですが、この映画は違います。セリフが大体どんな短いものでも節をつけた音楽で、地のストーリーで供される「普通の会話」がまずない。そして一曲一曲が果てしなく長い。欧米ではこの長さが普通らしいんですが、日本人にはつらい。これは、日本の洋系音楽の定型(イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ)には合っていないことが原因らしいんですが、とにかく長く感じます。歌と思わず、吟遊詩人が詩を朗々と歌い上げるものなんだと思って諦めるしかない。このミュージカルで、日本人にも合う感じの盛り上がりと曲長さはピープルズ・ソングくらいでしょうか。自分のことを切々と歌い上げるのはあれは曲ではなく、詩の朗読だと思いましょう。 ヒュー・ジャックマンも、今回は歌い上げに徹しています。得意のダンスは封印。アン・ハサウェイその他の登場人物も、顔をアップで映して延々歌い上げるだけ。だから、いろいろカメラワークを工夫していても一本調子になってしまっています。 キャメロン・マッキントッシュの舞台版は、もっとメリハリあったような気がしていますけれども。 あと、映画として長いです。158分もある。そして、後半はラマルク将軍の死をきっかけとした反乱に舞台を取られ、ジャン・バルジャンは後景に引っ込んだりしてしまって、構成があまりよくない。 とはいっても、この反乱のシーンが本当にキャッチーで、人の胸を打ってしまう。 ラストシーンに流れるピープルズソングとフランス人民のシーンは、更に倍掛けです。 だから、長い、歌いっぱなし、最後は感動という王道とは言えるんですが、ミュージカルとしてはダンスがない、地のセリフがほとんどないといった、やっぱり異色作で、一度は見ておくべきものなんですかね。ミュージカルが苦手な人でも。 【えんでばー】さん [映画館(字幕)] 6点(2024-12-30 10:25:05)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS