みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
109.《ネタバレ》 硫黄島の星条旗の写真の真実はアメリカでは有名な話。向こうでは、いまさら感があるのでは?実はあの星条旗はあの後日本軍が引きずり落とし、日章旗を掲げたのを再度米国が奪還するという争奪戦があったのですが、そこはカットされてますね。フォレスタル海軍長官が海岸であの星条旗を見て「あの旗があれば海兵隊も500年は安泰だ」と直感したのはさすがとしか言いようがありません。機に聡しです。実際に国民を大いに鼓舞し、勝利へと導きました。写真の出来が類まれなほどよかったのが幸運でした。同時に8ミリフィルムも撮られています。将校が準備艦砲射撃が10日の予定が3日に減らされて大激怒している場面がありました。あれは沖縄戦への準備に兵力を割いたからです。東京大空襲は硫黄島の戦いの最中。この時点で、アメリカの勝利はほぼ確定していました。艦船から海に落ちた兵士を誰も助けられない。衛生兵が救急処置をしている最中に日本軍が襲ってきて、そいつを剣で滅多刺しにした後、再び救急措置に戻る。この2つの場面で戦争の悲惨さ、非情さを痛切に感じました。ラストの戦場で子供のようにはしゃいで泳ぐ場面も生と死のコントラストが鮮やか。音楽とライターの火が消えた瞬間に戦争場面につながるなど、印象に残っています。リアリティを追求した戦闘シーンは迫力がありました。テーマは、戦争に英雄はいないということ。英雄に祭り上げられた三人は日本でいうと爆弾三勇士(捏造。与謝野鉄幹が作詞した歌が流行)や真珠湾に散った特殊潜航艇の九軍神(一人は捕虜となったので記録抹殺)のようなもの。やることは同じです。日本は天皇の神聖化もしています。戦争は国家同士の総力戦なので、利用できるものは何でも利用するのは当たり前。勝つのが絶対条件。どんな汚い手でも使います。三人の英雄は純情だった故に葛藤がありました。特にアイラはかわいそう。差別も受けていたし。ネイティブ・アメリカンは純粋なんですね。自決した日本人の惨殺映像は容赦なく映しても、イギーのそれを映さなかったのは、遺族への配慮でしょう。究極の英雄は原爆を落として戦争を終わらせた人?いえいえ、彼らも重い十字架を背負っています。これからは戦争に勝った人より、戦争を回避した人が英雄になる世の中になってほしいですね。 【よしのぶ】さん [DVD(吹替)] 7点(2009-05-09 08:21:22)(良:1票) 108.「硫黄島~」は封切り時に映画館で観てすぐにこれを観ようと思っていたが、かなり時間が空いてしまった。あわせてみると当時の日本とアメリカの経済力の格差をまじまじと感じる。ただ共通するのは戦争の愚かさ。戦争を直に体験している人が少なくなっている現代において、今やその抑止力となるのはこういった映画を普及させる事が大切ではないかとマジに思った。でもアメリカではインディアンの戦争恩給はないのか? 【kaaaz】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-04-25 22:35:29) 107.《ネタバレ》 アメリカ人にとって“Iojima”は今や苦戦の代名詞になっていますが、「苦痛を背負うヒーロー」を描いてきたイーストウッドには最適の題材だったのではと思います。確かにやり過ぎとしか思えないほどショー化した戦時国債募集キャンペーンには誰もが嫌悪を感じるでしょうが、アメリカが戦費調達にこれほどまで苦労していたとは意外でした。命を危険にさらす兵士が戦争では絶対に必要とされますが、大衆を扇動してでも国債を買わせて財政を運営しなければならなかった官僚も近代戦では必要な存在なのです。しかし、硫黄島の3人に銃後での道化役までさせたのは、あまりに残酷なことでした。「手紙」で描かれているように、日本兵は家族を守るために日本領土である硫黄島で死んでゆくのですが、攻める米軍にはもっと抽象的な「大義」が必要になっているのが対照的で面白いです。でも戦場の地獄の中では「大義」などけし飛んでしまい、海兵隊兵士も疑似家族である戦友を守るために戦うのです。ラスト死の床で主人公が硫黄島の海岸で戦友と泳いだことを思い出すシーンに、イーストウッドのメッセージが込められていた気がします。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-04-24 00:43:01) 106.確かに、この映画を撮るならば、もう一本『硫黄島からの手紙』を撮らざるを得なかったのかも知れません、こんな“苦い”映画では、製作費を回収できない恐れがあるから。しかし、それだけに、本当に撮らなければならない映画は、コチラだったのかも知れないなあ、と。すなわち、もう一本の「よりとっつきやすい映画」とセットにして、までも。『~手紙』における、やや類型的なところのある人物像。圧倒的不利な状況で敵と戦う、明確な“絶望感”。それに比べてしまうと、こちらの作品の題材はいささかビミョー、まーはっきり言ってツマラン問題、と言う風に捉えられかねないところ。しかしその「比較されるリスク」を冒してまでも二部作の一つとして作られた本作は、時間を見事に行き来する、構成の巧みさに満ちています。テーマは、硫黄島に立てられる星条旗の写真の「捏造」問題。この有名な事件を、いまさら告発するように描くのではなく、否応なく巻き込まれた当事者の苦悩として描いています。ラストの方の断片的すぎる描写は、正直、好みではないのですが、それでも、観終わっての感想としては、「テーマだけ見ると、アンチヒーローもの。だけど、この映画で描かれる、“普通の”人たちが、“普通に”運命と戦う姿を見れば、やっぱりこれはヒーロー映画なのではないか」、と。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-10-13 17:44:18) 105.《ネタバレ》 クリントイーストウッドが何故日米相方の側から描いた戦争映画を作ったか、また何故硫黄島かを考える時、それぞれの兵士達が「何のために戦い、尊い命を犠牲にしたか」を主題に描きたかったのだ、ということがこの2作品からわかります。「硫黄島からの手紙」で栗林中将が「我々がここで戦う一日一日が本土がアメリカの攻撃にさらされるのを防ぐことになる」と明確に訓示している一方で、米軍兵士は劇中語られるように「一緒に戦う友人のため」せいぜい「国家のため」に戦うのであって、本土は戦場とは別世界であり、母国で家族が日本に殺される危険は全くありません。執拗なフラッシュバックや時代の跳躍も地獄の戦場との乖離を際立たせるための手法であり、本土で英雄を紹介するにあたり「これはショウビジネスなのだよ」とまで言わせる徹底ぶりです。クリントイーストウッドとスピルバーグ(プライベートライアンも同じ目的で製作と思います)が何故ここまで米軍に厳しい映画を作ったのかは、私が常々感じるアメリカ国民は参戦を納得していなかったことに通ずると思いますし、何よりも「何のために戦うか」を描く事が現在の「アメリカのあり方」に対する「草の根保守派」からの強烈なメッセージなのだと思います。硫黄島二部作において日米それぞれの兵士達の戦う目的が「旗」と「手紙」という題に象徴されているのです。 【rakitarou】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-09-28 17:28:44) 104.3人の性格とその後人生の展開がなんか見事なまでにリアルで面白かった。要は野心家でお調子者・実直で冷静・純粋で感情的の3者3様。これじゃあ友人関係は続かないだろうな。おそらくアイラに肩入れして見る人が多いと思うんだけど、こういう性格は結局は上手くいかないんだなと。一時はヒーローになっても、ヒーローで居られる時間なんて人生の僅かな時間だし、やはり人生は長いし現実は厳しいなと感じた。 硫黄島の映像は「手紙」で十分なのでポイントだけに省いて、あとは3人のその後の人生に焦点を当てて、どういう性格がどのように行動するとそのような人生が待っているのか?という事をもっと詳細に描いて欲しかった。夢がないけどね。 ところで私は米国債を買って、米インフレと為替レートを気にしてる。時代も変わったんだなと思う。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-06-16 03:08:11) 103.今度はぜひ真珠湾攻撃を撮って下さい。 【Yoshi】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-04-01 23:40:27) 102.戦闘のシーンは見応えがありましたが、「許されざる者」と同じく、やはりイーストウッド的なストイックさは苦手です。ライアン・フィリップは脇役の方が合っていると思います。主役は厳しいです。 【omut】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-03-27 06:14:59) 101.シリアスな映画でした。硫黄島からの手紙より良かったです。 【エムシュー】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-03-02 20:03:29) 100.バリーさん、戦争映画にひっぱりだこ。 【マー君】さん [映画館(吹替)] 5点(2008-02-23 15:29:53) 99.《ネタバレ》 初めて知った事実があり興味深かった、でも事実を知った後でも例の写真からは、戦場の真っ直中で力を合わせて国旗掲揚し戦いの終結を告げる印象を受けますね。 事実を隠さざるを得ない状況で、英雄扱いされ葛藤する3人は気の毒でしたが、単純に大人の事情で割り切っちゃえばいいんじゃない?と思うのは戦場経験がない者が言う事ではないのでしょうね。 【ないとれいん】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-02-13 10:11:12) 98.本土が戦地となった日本とは違い、本土が戦いにさらされなかったアメリカを描写する上では本土の映像が長いのもうなずけます。でも場面の切り替えが多すぎた箇所はあったと思います。 残念ながら内容的には心に響くものはありませんでした。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-02-03 10:06:24) 97.どうしてもプライベートライアンと比較して見てしまう自分を制しながら鑑賞。予想以上に面白かった。実際の戦場と戦地から離れた本国との戦争に対する感じ方のギャップが若い米軍兵士達の人生を少しずつ蝕んで行く様がよく描写できていると思う。”硫黄島”の方でも思ったことだけど攻防戦の規模がどうしても小さく思えて仕方が無いのがちょっと。 【おすし】さん [DVD(吹替)] 6点(2008-01-24 21:23:16) 96.一言で言えば感動などない。訴えかけられるものもなかったし、楽しめもしなかった。戦争においての知識もなかったが、1つの映画として、評価するなら及第点以下。戦闘シーンが1番の見所になってしまっては、戦争をビジネスとも捉えるアメリカの、良くも悪くもエゴイズムでしかないと思う。回想シーンを軸にしすぎたのでは? 【Andrej】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-01-15 01:54:12) 95.原作を先に読んだのが失敗だったかもしれません。 けっして戦争や星条旗のことを話さなかったというところが、 死の間際に海で泳いだことを語るよりももっと雄弁ではないでしょうか。 また、原作ではなぜ父が口を閉ざしたのか、 その一番大きな理由ではないかというエピソードがありましたが、 イーストウッド監督はあえてそこははずしたのでしょう。 おもしろくない、とは言いませんが、原作を超えていないように感じました。 硫黄島からの手紙もとりあえず見てみます。 【Skycrawler】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-12-06 14:35:20) 94.本作とそれに続く『硫黄島からの手紙』を観てまず新鮮だったことは、戦争に対する一般市民の「距離感」。僕がこれまで観てきた戦争映画の多くは主に「戦場で戦う兵士/それを指揮する権力者/その犠牲となる罪無き民間人」という役回りによって構成されていたが、この硫黄島二部作はその基本構造を根底から覆している(特にそれが顕著なのが本作)。武器を持たない一般市民もまた、国債を買うことで戦争資金を生み出しているわけだし、自分たちの家族を最前線で戦う兵士として送り出している。つまり彼らもまた彼らなりに戦争に「参加」しているのであり、彼らが立つ場所は非戦闘地域ではなくあくまで戦線の最後方でしかない。ついつい忘れがちになるがそれが現実なのである。気がつけば「被害者/加害者」の二元論に陥りやすいこの問題について本作はまた新たな可能性を切り開いた。『硫黄島からの手紙』とともに長い付き合いになりそうです。 【とかげ12号】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-12-05 21:27:40) 93.《ネタバレ》 硫黄島を見てちょっとがっかりしてしまったので、これは見ないでだいぶたってから見ました。私の中では硫黄島より感動した作品です。戦争に行った人々、それぞれに思いがあり、三者三様の気持ちが短い時間の中でしっかり描かれていたように思います。自爆した日本兵の姿や、負傷兵の姿を見せられ、これをあからさまに見せることはないのではないか、もっと違う表現方法があるのでは無いかとも思いましたが、見終わった後にはしっかりと恐ろしさが体に染み込んでいました。 【エセ・ルイス・ブニュエル】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-11-05 00:41:58) 92.「英雄とは人間が必要にかられて作るものだ」という言葉が印象的。プロパガンダとして利用された人たちの様子がうまく描かれていて秀作。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-10-11 18:59:36) 91.《ネタバレ》 「硫黄島から~」のことを考えなくても、知らなかった事実も多く興味深く、これはこれでそこそこ楽しめはする。ただ、硫黄島の戦いを日米両面から描いた二部作なんだろうと勝手に思っていたために、戦いについては殆どそっちのけで虚構の英雄の話に終始する内容は正直肩透かしだった。その点でいうとあまり目新しい所はなく、感傷にばかり浸る感じがどうも違和感がある。それでいて「ずっと気に掛けていた」仲間らしき人影を何十年ぶりに見かけたのにそのまま家路を急ぐというのはどういうことか。それは大して気に掛けていなかったということだろう。こういう言い訳臭い嘘が嫌だ。 【MARK25】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-09-29 20:30:33)(良:1票) 90.《ネタバレ》 国債を買いましょうとコーラスガールの歌が流れ、はりぼて製のスリバチ山に旗を立てる再現ショーを強いられるあたり、フェリーニだったら戦時下の民衆のグロテスクを哄笑するようにもっとコッテリ描いたとこだろうが、イーストウッドはなにしろ常に「悲痛」がベースにある人だから、若者たちのやりきれなさのほうに焦点が合う。はしゃぐことが悲痛につながっていくのは、すでに硫黄島へ向かう艦隊から海に落ちる兵士のエピソードがそう。意気込む若者たちの愉快な一挿話と見えたものが、自分たちが消耗品であることの自覚の始まりになる。笑いがしだいにこわばっていくあの描写に、戦場とそれ以外の世界との落差が、圧縮されて表現されていた。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-09-21 12:13:42)
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