みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
208.《ネタバレ》 自分は黒澤の大ファンであるが、この作品は世間が評価するほどいい映画と思わない。テーマであるヒューマニズムが観念的で、シナリオも瑕疵が多いように思う。たとえば主人公の生き方の転機となった役所の部下の若い女の子はいかにもストーリーの都合上作り出した登場人物……なのはいいが、未消化のまま動かされてるという印象を持った。あんなに楽しそうに主人公と遊びながら後日はつっけんどんな態度に豹変する。そんな態度の中での自分のオモチャ工場の仕事について「日本中の赤ちゃんと友達になった気がする」という台詞は、やや不自然であった。凝った構成として評価されている後半の葬式からの回想シーンも、主人公が公園建設に立ち回るという具体的展開を見せるのが難しいと考えたので(実際主人公は他の部署に頭を下げ回っているだけである)、断片、抽象的で済む回想シーンに切り替えたという印象を持った。どちらにせよこの回想シーンへの突然のスイッチは「生きる」から役所、及び惰性人間への批判へとズレた感があり、今までの積み上げをもったいなくしている。またその葬式のシーンで、ただひとり主人公の行動を真摯に受け止める青年がいるが、彼はラストシーンで視点役にもなっているのだから、もっと前から出すべきではなかったか、あるいは出さないでよかったのではないかと思えた。唐突な人物が最後に視点者になることで、主人公の時間を共有していたはずの鑑賞者から主人公の余韻が拭い去られてはいやしないか。全体的に、死ぬことを知った人間が今までのダメ人間から生きがいに生きる人間になるというヒューマニズム……というよりアイデアが先行している堅苦しさを感じた。 【シン】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-05-27 12:12:45) 207.《ネタバレ》 雪降る中のブランコ。 パーティーで通りすぎるHappyBirthday。 少し明るく映された主人公は改めて生まれたんだと。 自分はどう生きるか、平凡ながら考えた作品。 【えこー】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2015-03-01 19:12:11) 206.い~のぉちぃ~みぃじ~かしぃ~、こぉい~せよぉおとめぇ~~~♪ キーコキーコキー...... 【movie海馬】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-02-06 20:35:45) 205.《ネタバレ》 黒澤明が生きるをテーマに描いた作品。 お役所で事なかれ主義を30年間続けてきた志村喬演じる渡辺が死を間近に感じることで生きる意味を見出す。 ただ怠惰な生活を送っているだけでは命はあっても生きるとはいえない。 生きるとはどういうことか、それを知り実行し、完遂した渡辺がブランコを漕ぎながらゴンドラの唄を歌うシーンは涙を誘う。 これだけ重く難しいテーマを完璧に使いきった黒澤明は流石である。 そして志村喬の演技があるからこその作品であり、三船をあえて使わなかった理由というのもよく分かる。 傑作である。 【こしち】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-08-07 21:38:08) 204.《ネタバレ》 ぜったい黒澤映画は時代劇じゃない方がおもしろい 【aimihcimuim】さん [DVD(字幕)] 10点(2014-08-03 19:55:29)(良:1票) 203.自分にも、心臓が脈打っていることを確信させてくれる映画でした。 【cogito】さん [映画館(邦画)] 10点(2014-07-30 19:16:04) 202.最初に観たのはテレビ放送で中学の頃だったと思います。部屋で一人で観てボロボロ泣きました。それから二十数年の間に何度も観ていますが、今でも胸が詰まります。物書きと会って遊び回るくだりが、現代から見るとのっぺりしてだるく感じますが、そこを除けばテンポの悪さも感じません。「七人の侍」でボスを演じた志村さんが、この作品で全く違う男を演じて、この映画で初めて役者ってすごいなと思いました。公園で倒れて水を飲むときの子供のような瞳が忘れられません。生きることの幸せをどこに求めるか、それを「家族」とか「仲間」とかいったものに求める物語もあるけれど、この物語の主人公は息子に心の拠り所を求めるのもやめ、職場の仲間たちと目的に向かって心一つにして盛り上がったというわけでもなく、惹かれて止まない女性とも「ハッピー・バースデー」の歌のなか卒業し、自分の生きる充足感を決して他人に求めませんでした。二階から声をかけた息子のもとへ駆け上がりかけたものの、あっけなく「おやすみなさい」と明かりを消され置き去りになった主人公が、息子に何も語り残すことなく自分一人の「生きる」道を黙々と進み切った姿はカッコいいなと思います。ケータイをカチカチ常に誰かと繋がっている気分でいたい人たちにも、もし心に穴があるなら、この主人公の心のベクトルは穴を埋めるヒントになるかも。といっても「七人の侍」でも、この映画でも、ラストには「人は簡単に変われない」って姿が示されますが、そこを「そうそう、みんなそうなのさ」と甘えるか「自分はそうなりたくない」と願うか、それも生き方。大感動のままで終わらせないシビアな終わらせ方もニクイです。 【2014/7/23追記】ずっと引っかかっていることがあります。とっても小さなことなんだけど…主人公が夕日を見て美しいと感激する場面です。あの場面ですぐ「私にはそんな暇はない」みたいに歩み去りますけど、なんかそこに引っかかっちゃうんです。ラストで別の人が同じ場所で夕焼けを背景に立ちますから、それとなく意図することはあると思いますが「そんな暇はない」は足引っ張りに対してだけにして欲しかったかなー。僕も癌だけど、生きる残り時間のことについて思うのは、ストイックすぎるこの映画より、『ブレードランナー』だったりするのが不思議。 【だみお】さん [DVD(邦画)] 10点(2014-07-23 11:30:39)(良:1票) 201.本当に素晴らしい作品でした。作品の題名のとおり「生きる」とは一体何なのだろうと考えさせられる作品です。 胃癌により余命幾許もない主人公。家族からも邪険にされ、市役所での立場もぱっとせずただお飾りのような「課長」らしく判子を押す退屈でどこか孤独な日々。 しかし、僅かな命で見出すことができた「生きる」という意味、そして本人がようやく手に入れることの出来た自身の輝かしい「価値観」は本当に素晴らしいものであったと思います。 むしろ、主人公のような人間こそが日本の現代社会に必要な気がしてなりません。 舞台はあくまでも市役所ですが、登場人物たちや職場環境は現代の市役所以外の一般企業でも十分にあるであろう雰囲気。特に日本の社会では主人公のような行動をとると、どうも邪険にされ「出る杭は全て打ってしまえ。」の下で個性やモチベーション、方向性を潰される社会。この時代の映画作品で現代でもあるような描写がなされているわけですから、これは黒澤監督の将来に亘る警鐘なのかも知れません。この作品こそ、現代に生きる人たちに観て欲しい作品であり、同時に自分自身の「生きる」意味を再確認して欲しいと考えております。 【功聖良】さん [DVD(邦画)] 10点(2014-05-03 22:00:48) 200.《ネタバレ》 お役所仕事のいい加減さには思わずイライラ。 主人公自身もそうした人間の一人だったが、死に直面して生まれてきた意味を見つめ直す。 男手一つで育てた息子の無理解な言動に、何のために自分を犠牲にしてミイラのような干からびた人生を送ってきたのかという空しさに駆られる。 人は誰しも生きた証しを感じたい。 家族の愛情が確かであればそこに生きがいを見出したかもしれないが、それが期待できないならば仕事しかない。 溌剌と生きている元部下の若い女との会話をヒントに生き方を変えた場面では、ハッピーバースディの歌の演出。 生まれ変わったように役所で働く姿は感動的で、こういう公務員が増えてくれればと願うばかり。 通夜の席での幹部役人の腐れっぷりが実状に近いだろうけど。 渡辺に感化されて熱く語っていた人たちも役所に戻ればすっかり元通り。 役所のセクショナリズムや形式主義、手柄の横取り、無責任さへの痛烈な批判がにじみ出ているが、役所だけに限らず社会全体への警鐘に取れる。 黒澤映画はエンターテイメント性を前面に押し出したものよりも、こうして人間をじっくり描いたもののほうがいい。 誰もが自らを振り返って考えさせられるテーマがあった。 その普遍性が時代を超えて多くの人の共感を得るのだろう。 生きることを始めて今まで気づかなかった夕焼けの美しさに感動して足を止める主人公。 他部署の酷い扱いに「こんなに踏みつけにされて腹が立たないんですか?」と部下に問われ、「人を憎んでなんかいられない。わしにはそんな時間はない」と答えていたのが印象的。 気になったのは、セリフが聞き取りにくい、ナレーションで語りすぎ、主人公に生き直すきっかけを与えた若い女がその後出てこないなど。 なので、完璧な映画だとは言い切れないが、欠けた部分を補うだけのものがあった。 この時代に日本でもこれだけの作品ができたことを加味しての満点。 【飛鳥】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2013-07-27 21:36:16)(良:1票) 199.《ネタバレ》 確かに力強い映画であることは分かる。黒澤明の才気が縦横にみなぎっているのも伝わってくるけれど、どうにも個人的にそれが説教臭く感じてしまった。良い映画だとは思うけど、個人的には他の黒澤作品のほうが好き。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-08-16 17:07:21) 198.《ネタバレ》 冒頭では生きている死人の様な男、渡辺。生き甲斐の無い人生。正に役所の書類にハンコを押す様な生活で、余命幾ばくも無い事が分かり、己の人生を振り返った時の虚無感。自分が誰にも必要とされない存在と分かった時の恐怖。観ていて本当に恐ろしくなってしまいました。ここがしっかりと描かれているからこそ、「ハッピー・バースデイ・トウ・ユー」の歌も心の底まで真に響いてくる。数ある黒澤映画の中で、人間ドラマを軸とした作品では最高傑作といわれていますが、それも納得できる素晴らしさだと思います。ブランコの名シーンに関しては言うまでも無いですね。観ているだけで涙が出そうになります。あとこの作品はお役所への批判がテーマであると、たまに言われたりしますが、個人的には違うと思います。責任をなすりつけ合うことや、人の手柄を横取りすることの浅ましさは、社会のどこの場面にも存在する様な普遍性のある事柄ですし、黒澤明は羅生門で同じことをそっくりそのままお役所とは関係無く描いているので。それにしても放蕩小説家の言葉ですが、私も来年から社会に出て働く身として、人生の下男では無く主人でありたいものです。 【民朗】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-04-22 09:34:45) 197.《ネタバレ》 「生きた」んだなぁ、と。 本人が「生きる」ことに真摯に向かい合う時、知行や恩賞や他人の評価や邪推やその他あらゆるものどもは実に取るに足らない些末なことであると。 ああ、「生きた」んだなぁ、と。 【とっすぃ】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-03-26 01:05:00) 196.たまらない。さすが何回も鑑賞するには、気が重い。救いが無いようで有るが・・・ 2008.11月 3回目鑑賞。 【ご自由さん】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-01-10 22:24:39) 195.前半は主人公の苦悩が丁寧に描かれていて、思わずグッとくるも、 後半はテーマの難しさがそのまま出てしまったようだ。 個人的には志村喬という素晴らしい役者を通して、格好悪くてもいいから「生」に執着する 徹底的なリアリズムを追求して欲しかったのだが、まったく違う観点からお話をまとめた展開は、 これはこれで実にうまいなと感心してしまった。ちょっと不自然なシーンもあるけど、 結果的には重厚かつ完成度の高い人間ドラマに仕上がっている。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-08-15 09:45:10) 194.《ネタバレ》 脚本にブレがある。本筋はこうだ。己を殺して役所勤めに埋没し、本来の生き生きとした人生を送ってこなかった男が、癌宣告を受けて苦悩、煩悶し、その艱難辛苦の果てにようやく自分のやりたいこと、生き甲斐を発見する。人生を新しく生き始めた男は、市民のための公園づくりに奔走し、幾多の困難、障害を乗り越え、遂にこれを成し遂げ、 最後は幸福感に包まれながら、竣工した公園で寿命を全うする。脚本はこれに加えて、男のささやかな功績を横取りする上司の醜さ、上役の前では意見を言えない小役人ぶり、酒を飲まなければ本心が言えない小市民ぶり、非効率的な役所仕事に対する批判を展開する。全て蛇足であり、不要。それは男にとって無意味だから。男が役所批判をしたり、名誉を欲しているわけではないのは明白。男が余命をかけて完成させたものがささやかな公園であったといういうのは泣かせる。◆構成上の欠点がまだある。最大のものは再生役の女性が途中から出てこなくなる事。若さと無邪気さで、男を”再生”させた女性が男の死に水をとるという構成が自然だろう。ラストに親族にとって謎であった女性の正体が知れ、女が男が自らの癌を知っていたこと、最後は幸福に死んだことを語る展開にすれば、感動が数倍増すこと請合いだ。重要な役割をする女性が途中で消えるのは理解に苦しむ。ポスターでは公園で男と女性がブランコに乗っている。監督はわかっていた筈なのだ。男に遊びを教えるメフィストフェレス役で良い味を出していた無頼派作家も消えるには惜しいキャラだ。男が物語半ばで死んだり、男に同情する若い同僚が葬式シーンからしか登場しなかったり、物語がブツ切れてしまっている。又女性の正体が不明のまま終わるのは、男にとっても家族にとっても不幸、観客にとっては未消化。◆高踏的なナレーションは不要。「この男は生きていない」などと、説明されても困る。その内容を見せるのが映画の筈。演出意図や理屈を説明するような科白が混ざっているのも減点対象。ごく自然な言葉、態度、出来事で観客に分らせるのが良い映画。 この映画は少し頭でっかち。◆役所に対する偏見が強い。「何もしないことが仕事」「1時間で出来る仕事を1日かけてやる」などは言い過ぎ。◆演出は冴えわたり、映像マジックも垣間見れるだけに惜しい。 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-07-24 05:57:03)(良:3票) 193.黒澤映画の中で、この作品だけがどうにも性に合いません。メッセージ性があまりに強すぎるからかもしれません。 【ashigara】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-07-10 18:40:56) 192.昔見た時は大変感動した映画だったのだが、今改めて見るとどこにどう感動したのか、自分でもよくわからない。 画面も雰囲気も全体的に暗いし、第一志村喬のぼそぼそ声が何を言っているのか聞き取れない。これでは若い人の共感を得るには難しいと思う。 【ESPERANZA】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2011-03-06 11:15:07) 191.《ネタバレ》 妻投稿■人生において他人を満足させる事、もっと言えば他人とってに意味のある人生を送る事は実は簡単。財産を全部ささげるか無報酬で奴隷のように他人の為に働けば良いのである。が、反対に人生において自分自身を満足させる事は非常に難しい。自分の人生を自分に据え置く行為は、他者や社会に何の利益ももたらさない「無意味な行動」なのである。■主人公はこの無意味な行動に終始した。その姿はその場では狂気に見え、その狂気を持った人間が単なる物体化した後に「客観性」の立場とともに人々に再評価、回想される。が、結局その「無意味な行為」は何かを変えたりする事はない。そもそも「無意味な行為」は「人間に尊敬、評価、肯定」され、「啓蒙」する事が目的ではないのだから、それは当然なのである。■はっきり言おう。主人公には生きる価値などなかった。そもそも「生きる」という事はそういう事なのだ。故に、社会で生きるよりもハードな責任感が実は必要なのだ。 【はち-ご=】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2011-02-08 01:18:38) 190.《ネタバレ》 通夜の回想シーンに違和感を覚え、ちょっと恥ずかしい台詞回しに違和感を覚え、自分の中での評価はこの点数です。名作・名シーンなどでさんざんハイライトシーンやストーリーを見聞きしていたのが観賞の妨げになったかもしれません。志村喬の芸達者振りには脱帽です。 【ジャッカルの目】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2011-01-02 02:20:58) 189.《ネタバレ》 「人は何のために生きるか」という思い問題を投げかけてくるが、自分はむしろ「人は何で変わるか」という方に興味を持った。 ■本作が「死期を前にして公園づくりのために全力を注ぐ公務員の話」かと思っていたので、踏ん切りのつかない前半にはかなり拍子抜け。なんだかんだ、やってることは元同僚の女をおいかけ回してるだけじゃん。あれはもうちょいコンパクトにまとめてよかったと思う。あと全般的に志村さんの声が全く聞こえないのがつらい。 ■後半、やっと死ぬ気で頑張りだす志村さんが見れるかと思いきやいきなり通夜でびっくり。けどこのやり方はなかなか巧妙だったと思う。回想のなかでしか存在しない志村さん。通夜の最初の方のありえない叩かれよう(いくらなんでも故人の通夜の席ではあんなこと言わないでしょう)からの一転はうまい。決してヒーロー的な活躍を見せるのではなく、終始だんまりでさえない感じでいるあたりが、自分たちと同じ等身大でありながら、本気を見せるとあそこまで成果を上げれるのだということを見せつける。 ■しかし、その思い出を回想し「よし、自分たちも変わろう」と言って何も変われなかった同僚たちが非常に印象的。とあるツイートで「人間が変わる方法は3つしかない。1番目は時間配分を変える。2番目は住む場所を変える。3番目はつきあう人を変える。この3つの要素でしか人間は変わらない。最も無意味なのは『決意を新たにする』こと」ということを見たが、まさにそれを思い出さされた。志村さんは「死期」ということによって環境が激変した。他方、「決意を新たにした」だけの同僚は結局何も変われなかった。 【θ】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-01-02 01:21:50)
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